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<コラム>Official髭男dism「Subtitle」は20年代のJ-POPを代表するウインターバラードに
数多くのラブソングを生み出してきたOfficial髭男dismが贈る、新たな代表曲
10月12日に配信リリースされたOfficial髭男dismの新曲「Subtitle」が記録的なヒットを記録している。
2022年11月9日公開(集計期間:2022年10月31日~11月6日)のBillboard JAPAN 総合ソング・チャート“JAPAN HOT 100”で10月26日、11月2日公開分に続き、3週連続で総合首位を獲得。ヒットを牽引するストリーミング指標でも、10月19日公開…2位(9,905,294再生)、10月26日公開…1位(18,116,526再生)、11月2日公開 …1位(20,781,069再生)、11月9日公開…1位(21,044,966再生)、11月16日公開…1位(21,377,507再生)と右肩上がりで再生回数を伸ばしている。
11月7日~11月13日に記録した週間再生回数は、2021年6月2日公開チャートでBTS「Butter」が記録した29,935,364回に次ぐ歴代2位。また3週連続で2,000万回超えは史上初の快挙となる。「Subtittle」が2022年後半の日本の音楽シーンを代表するヒット曲であることはまちがいない。
(集計期間:2018年3月12日~2022年11月13日)
「Subtitle」は10月6日に放送スタートしたフジテレビ系ドラマ『silent』の主題歌として制作されたウィンターバラード。メンバー自身が完全オリジナル作品であるドラマの企画書と台本を読み、そのストーリーやメッセージ性に共感。本作のために書き下ろしたという。ドラマ『silent』は、主人公の青羽紬(川口春奈)がかつての恋人である佐倉想(目黒蓮/Snow Man)を中心としたラブストーリー。18歳で難聴になり、徐々に聴覚を失っていく佐倉、彼の変化を受け入れつつ、関係を作り直そうとする青羽、そして、生まれつきのろう者である桃野奈々(夏帆)などが織りなす切なくも愛おしい物語は、幅広い層の視聴者の支持を獲得。民放公式テレビ配信サービス「TVer(ティーバー)」の配信再生数の記録を大きく塗り替えるなど、こちらも2022年を代表する作品となっている。ドラマと主題歌の相乗効果によってお互いのヒット加速してく、理想的なタイアップと言えるだろう。
ちなみに“Subtitle”は“副題”のほかに“字幕”という意味がある。音のない世界で出会い直すことをテーマにしたドラマの主題歌に、このタイトルを付けたことからも、メンバーの作品に対するリスペクトが感じられる。
藤原聡(Vo./Pf.)の一瞬のブレスと<「凍りついた心に太陽を」そして「僕が君にとってそのポジションを」>というフレーズではじまる「Subtitle」。イントロがなく、いきなり歌ではじまるのは今時だが、楽曲の構成自体は、Aメロ、Bメロ、サビ、オチサビ、大サビによるJ-POPの王道。転調を効果的に生かしたコード進行、ドラマティックなメロディラインなど、このバンドの特徴をさらに向上させることで“耳なじみが良く、飽きがこない”楽曲に仕上げている。アレンジもしっかり練られていて、特に華やかなギターフレーズ、深みのある低音を活かしたリズムは印象的。小笹大輔(Gt./Cho/)、楢﨑誠(Ba./Sax.)、松浦匡希(Dr./Cho.)のプレイヤビリティが感じられるのも、この曲の魅力だ。
5分を超える尺は現代においてはかなり長いが、メロディの良さと巧みな仕掛けによって、長さをまったく感じさせない。リリースから週を重ねるごとに再生数が伸びているのは、何度聴いても新たな発見がある楽曲の深さによるものだろう。
リスナーがこれほどまでに強く「Subtitle」に魅了されている最大の理由は、やはり歌詞。その中心にあるのは、“君”に対する強い愛情と、それを伝えられないもどかしさ。<言葉はまるで雪の結晶>というフレーズに象徴されるように、伝えようとしたそばから消えてしまいそうな感情を丁寧に紡いでいるのだ。
その思いがピークに達するのは、<愛しているよりも愛が届くまで/もう少しだけ待ってて>というライン。この楽曲のなかで“僕”が抱えている葛藤はまったく解決していないし、具体的な行動を起こしているわけでもない。でも、“君”に対する愛情はまちがいなく本当だし、いつかは“君”の胸を震わせるようなものを差し出したい――そんな純粋な感情だけがまっすぐに伝わってくるのだ。
リリース直後から、SNS、YouTubeなどでは歌詞に対する解釈や思いが数多くポストされている。「歌詞が好き。誰かを一方的に支える愛より お互いに支え合える愛がいいな。 どうせ、どん底もある人生なら そんな生き方をしたい」「Subtitleの歌詞はわたしの恋愛の価値観を 凄く だけど一歩横に 動かしてくれた気がする」「どんな表現であれ相手との温度感が違えば伝わり度は違うし、だからと言って伝えることを諦めちゃダメだなって思いました」。これらのコメントは、「Subtitle」が聴く者の経験や記憶と重なり、“自分の歌”として機能している証左だと思う。
「115万キロのフィルム」「Pretender」「I LOVE...」など数多くのラブソングを生み出してきたOfficial髭男dism。音楽的なクオリティ、歌詞の奥深さを含め、「Subtitle」は彼らの新たな代表曲として認知されるはず。そして将来的には、2020年代のJ-POPを代表するウインターバラードとして、数多くのリスナーを魅了し続けることになるだろう。
Text:森朋之
リリース情報
『Subtitle』
- 2022/10/12 DIGITAL RELEASE
配信サイト:
https://hgdn.lnk.to/subtitlePR 『Subtitle』特設サイト:
https://subtitle.ponycanyon.co.jp/
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