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たむらぱん 【しあわせにライヴ】
2009.04.02(thu) at 渋谷CLUB QUATTRO|ライブ写真&セットリスト
ハッピーグルーヴ全開のバンドサウンドとハンドクラップに、スキップをしながら笑顔でステージに現れたたむらぱん。いきなり最新シングルから『ちょうどいいとこにいたい』をマイクスタンドの前で揺れながら歌い出し、そのよく伸びるハイトーンボイスをぐいんぐいんぶっ飛ばしていく。「さぁとうとう来ました。今日はみんなしあわせになりに来たんですよね?じゃあ一緒にしあわせになりましょう!」のっけからとにかく気持ちが乗りまくりの、飛ばしまくりで、途中「最後まで持つか分からない」と自分でも言っていたが(笑)とにかく動き回りながら、体のすべてで、気持ちのすべてで、どんどんエモーショナルになっていくバンドサウンドと共にあちらこちらへと突き抜けていく彼女の声。『ライ・クア・バード』なんて、ほんと気持ち良く大空を駆け巡ってたし、駆け巡れたし。
「天下のブックオフの上でライブをやらせて頂くなんて」と、毎日100円コーナーで1冊ずつ本を買ってるお店の入ったビルで歌える喜びを語るたむらぱん。どさくさに紛れて「『ブックオフのテーマソング』を作らせてもらえないかしら?」なんて言ったりしちゃいつつ(笑)そんな自由奔放な彼女の一面を凝縮した『ハリウッド』に、みんな幸せ気分でハンドクラップを合わせたりしながら、揺れている。ちなみに今日のクアトロにはふたつのステージがセットされており、ライブ中盤になって彼女は入口から見て右サイドに設置されているピアノのもとへ。そして映像と共にたむらぱんが歌うという、しかもその映像が今日以降公開予定のないというプレミアステージで、彼女は『キースとモモ』を弾き語りで披露した。歌だけでも十分に切ない別れの曲なのに、映像でそれが表現されると、もはや涙を堪えるのは不可能。そこへ畳み掛けるように披露される、名曲『カントリーロード』。しかも映画「耳をすませば」でも使用された日本語詞バージョン。帰りたい、帰れない、さよなら、カントリーロード……気持ちの入ったピアノと声で聴かせてくれたこの曲も大いにこちらの涙腺を緩めてくれた。
元のステージに戻った彼女は、今日のオープニングナンバーと両A面シングルとしてリリースした新曲『ちゃりんこ』を。アイツのことを想いながら全力でそれを漕いでいく彼女と僕ら。この曲の披露をきっかけに一気に気持ち良い一体感が生まれたところで、その腕をみんなが左右に振ってとても美しい曲へと進化した『フロウハロウ』、とにかく跳んで走ってどこまでもテンションを上げていくための曲『へぶん』と続いて、最後はたむらぱん、もとい田村歩美の力強い真っ直ぐな意思を感じさせる『ゼロ』が披露された。さぁ行こう、ゴールへ行くために立とう―――、今の季節、新たな旅を始めたばかりの人には格別の曲になったであろう、たむらぱん史上最強のメッセージソングは、今日も凛々しく響き渡っていた。
そんな最初から最後まで全身全霊で駆け抜けたたむらぱんであったが、スタッフとバンドメンバーに即されてすぐさまステージにリターン。そしてそこに溢れる様々な想いを思いっきり吸い込んだ彼女は、それを歌にして凄まじい熱量で吐き出していく。オーラスの『責めないデイ』でいつ倒れてもおかしくないテンションでホープフルな空気を生んだ彼女の姿は、とても感動的だったし、とても嬉しい気持ちをプレゼントしてくれた。「しあわせになりましたかぁ!?」と声にならない声で、心底しあわせそうに問い掛けるたむらぱん。その答えは今の君と同じです。
ライブ写真
セットリスト
【しあわせにライヴ】
2009.04.02(thu) at 渋谷CLUB QUATTRO
- 01.ちょうどいいとこにいたい
- 02.お前ぶただな
- 03.テレパシー
- 04.ライ・クア・バード
- 05.アミリオン
- 06.ハリウッド
- 07.tea
- 08.キースとモモ
- 09.カントリーロード
- 10.ちゃりんこ
- 11.フロウハロウ
- 12.へぶん
- 13.ゼロ
- En1.イエローパワー
- En2.十人十色
- En3.責めないデイ
Writer:平賀哲雄
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