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<インタビュー>待望の初来日公演まであと少し、ザ・ドライヴァー・エラが創作するのは“今まで聴いたことのない音楽”



THE DRIVER ERAインタビュー

 R5のロスとロッキー・リンチ兄弟によるオルタナティブ・ポップ・バンド、ザ・ドライヴァー・エラが最新アルバム『サマー・ミックステープ』を9月16日に世界同時発売する。日本ではアルバム発売後に控える来日公演にあわせて、日本限定フォトブックレットやボーナス・トラック「アイ・ラブ・ジャパン(インストゥルメンタル)」が付いたスペシャル・エディション盤がリリースされる。

 R5としては何度も日本でプレイしてきた2人だが、ザ・ドライヴァー・エラとしては今回が初。R5とは違った魅力を届けることだろう。新作で追及したというTDEが奏でる音楽の方向性、そして日本のファンに捧げる「アイ・ラブ・ジャパン」について、アメリカ西海岸にいる2人にリモートで話を聞いた。(Photo:Samuel Fisher)

左から:ロッキー・リンチ(Gt. / Vo.)、ロス・リンチ(Vo. / Gt.)

――現在開催中の最新ツアーの手応えを教えてください。

ロス:今までで一番好きなツアーのひとつで、いい感じに進んでる。ザ・ドライヴァー・エラとして最も大きな規模の会場で演奏しているし、そのほとんどがソールドアウトになっている。今回のクルーも特に気に入ってるし、みんなとてもエキサイトしていて、最高の気分だよ。

――ライブで新たに演奏できる新作も完成しましたしね。

ロス:そうなんだ。新しい曲を演奏するのはいつでも楽しいし、日本に行くまでにもっとたくさんの曲を演奏できるようにしたい。一晩おきに新曲をセットリストに追加していく予定なんだ。

ロッキー:日本ではザ・ドライヴァー・エラの曲を一度も演奏したことがないし、3枚のフル・アルバムからセットリストを選ぶことになるから、クレイジーになるだろうね。かなり楽しみだよ。

――まだツアーは始まったばかりですが、すでにファンから人気の高い曲はありますか?

ロス:人によって好きな曲が全く違うような気がしていて、突出したお気に入りの曲というのはないように感じる。つまり、僕らのアルバムを最初から最後まで聴いてくれているということだと思う。みんなからは「一曲も飛ばす曲がない」というのをよく聞くし、すごくクールな褒め言葉だね。

ロッキー:もしかしたら最高の褒め言葉かもしれないね。

ロス:本当にそう。みんなそれぞれ心に最も響く曲があるんだ。

ロッキー:「キープ・ムービング・フォワード」は、ライブでとてもいい反響があって驚いてる。新曲をライブで演奏する時って、どんな雰囲気になるかわからないし、色々思うところもあるけれど、この曲は本当に反応がいいんだ。

――そういった反応を生で体感できるのが、ライブの醍醐味のひとつでもありますよね。

ロス:100%そうだね。


――前作『ガールフレンド』は、パンデミック中に自宅のガレージで制作されたそうですが、その後の創作活動にどのように反映され、役立ちましたか?

ロス:多くの時間を与えてくれたことは、役立ったと思う。スタジオで制作する時間はもちろん、休憩を取ったり、本を読んだり、自分自身について学んだりする時間がたくさんできて、そこで吸収したものは自分たちが作る音楽に自然と反映されるものだから。まだリリースしていない曲が、いっぱいハードディスクに入っているんだ。時間があると曲をたくさん作ることができる。僕らにとってパンデミックから生まれたポジティブなものがあるとしたら、それだと思うね。

――決まったルーティンはあるんですか? それとも気が向いたときやアイディアが浮かんだときにスタジオに入るのでしょうか?

ロス:基本的には君が言ったような感じだけど、かなり規則正しいと思うよ。スタジオで多くの時間を費やし、毎日毎日作業を繰り返しているけれど、創作方法については特定のルーティンはないね。ただ創るためにスタジオ入りするのが好きなんだ。

――ニュー・アルバム『サマー・ミックステープ』には様々なタイプの楽曲が収録されていて、サウンド面においてさらに挑戦しているように聞こえました。

ロッキー:嬉しい言葉だね、ありがとう。確かに、これまでリリースした作品の中で、最も多彩な内容に仕上がっているように思う。よりレフトフィールドな曲やよりポップな曲など、両極端な感じがする。自分にとって、「マリブ」はポップ・シングルだけれど、その後に続く曲はどれも前の曲と正反対のサウンドなんだ。

ロス:僕たちは常に新しいもの、今まで聴いたことのないようなものを作ろうと挑戦していて、そこからバラエティ豊かなサウンドの楽曲が生まれているんじゃないかな。


――どれも前の曲と正反対のサウンドという面では、「アイ・ガット・ユー、ユー・ガット・ミー」はエレクトロニカとソウルをブレンドしたようなサウンドで、特に異彩を放っています。

ロス:僕は“セッション・サーフィング”と呼んでいるんだけど、さっき話した曲が保存してあるハードディスクの中から、まだリリースされていない曲を探していた時に見つけた、ロッキーが数年前に作ったビートにインスパイアされている。そして曲で聴こえるとおりに歌い始めた。そのまま録音を押して、マイクに向かって歌ったんだ。ほとんどフリースタイル・ラップのようなものだった。文字通りフリースタイルで、出来が気に入ったから、今回ミックステープに収録しようと思ったんだ。

ロッキー:君も言っていたけれど、ソウルのバイブスを持ったこういうスタイルの曲って、あまりないと思うんだよね。少なくとも自分はそんなに聴いたことがない。ソウルの影響が聞こえる理由は、主にハーモニーにあると思う。聴いた人がすぐに気づくのがこの曲のハーモニーの部分で、そこがすごくクールなんだ。

――プロダクションの面では、どういったレコードやプロデューサーにインスパイアされたのでしょうか?

ロッキー:ファレル(・ウィリアムス)の作品は、二人とも昔から好きだね。彼は最も偉大なプロデューサーの一人だと思うし、長い活動期間や作品のレベルがそれを物語っている。今もなお、様々なラッパーのプロデュースをしていて、イケてる曲を発表し続けている。僕らは多くのラップ・プロデューサーの作品を聴いてきたし、そのローエンドやミックスに関するアプローチが好きなんだ。ミックスがとにかくドープなんだよね。ドクター・ドレーはもちろん大好きだし、同時にマックス・マーティンも好きだ。ファレルが偉大なアーティストだと話したけれど、マックス・マーティンはポップ・フィールドにおける偉大なプロデューサーだと思うね。

ロス:あとカルヴィン・ハリスも大好きだよ。

ロッキー:テーム・インパラ(のケヴィン・パーカー)も才能溢れるプロデューサーだし。

ロス:そうだね。僕らは本当に様々な音楽にインスパイアされているんだ。

――なるほど。「ファンタジー」は、アルバムの中でも特に大人っぽいサウンドに仕上がっています。

ロス:スタジオでアコースティック・ギターを弾きながら、ジャムっていた時に生まれた曲なんだ。ロッキーはドラムを叩いていたよね。そうこうしているうちに、ドラムとギターのループが出来て、それに合わせて歌い始めたんだ。

ロッキー:ベース・パートを加えた時に、(ベースラインを歌い始める)一気に軌道に乗った気がするね。そして僕がトラッキングをして、それをプレイバックしたら、コーラスが特出していた。その日か次の日に、(弟の)ライランドもスタジオにいたと思うんだけど、彼も「これは何だ?」って感じで興味を惹かれていたよ。

ロス:そのコーラスを歌った日、僕は具合が悪くて……。

ロッキー:そうだったの?

ロス:もしかしたらコロナだったのかもしれない。

ロッキー:「ターン・ザ・ミュージック・アップ」をレコーディングした時は、自分も具合が悪かった。当時、「どうしよう」って感じで、レコーディングするのを迷ったんだけど、どんな風に聞こえるか試してみようと思って。だから、あの曲のイントロのヴァースは、なんだか鼻が詰まっているように聴こえる(笑)。

ロス:で、話を戻すと、音楽が伝えたいことを教えてくれることもあって、この曲はすぐにセクシーな曲だと感じたんだ。

――作詞の前に作曲することが多いのでしょうか?

ロス:最初にエネルギーを感じるのは音楽からがほとんどで、その後、僕が音楽に合わせて歌ったり、逆に彼が音楽に合わせて歌ったりするんだ。

ロッキー:そう、グルーヴだったり、何らかのサウンドから作業を始めるのが好きだね。

――「ファンタジー」の次の曲「ザ・マネー」は、ハウス風のトラックにラップ的なボーカルを合わせています。

ロッキー:実は、そこがこの曲の中で一番好きな部分なんだ。

ロス:強盗事件みたいなものをイメージしていたんだ。なぜかわからないけど、 女の子が“かっこいい、お金持ちの男を選ぶ”みたいな典型的な映画のシーンを想像していた。その子は、金持ちのマフィアを選ぶのか、苦労人のアーティストを選ぶのか、っていう。

ロッキー:まるで『タイタニック』みたいに! で、最後は登場人物全員が共倒れしてしまうみたいな(笑)。

ロス:まるで最終通告のような、切羽詰まった感じがしたんだ。

――確かに、ビートもやや攻撃的ですし。

ロス:うん、すごくドライヴ感があるよね。

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