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<インタビュー>FEMM、“マネキンデュオ”誕生に秘められたエモーショナルなメッセージ

インタビューバナー

Interview & Text: 岡本貴之 / Photo: 興梠真穂

 意思を持つ2体のマネキンRiRiとLuLaによる、フィメール・ラップ・デュオ「FEMM」。Billboard JAPANのインタビューには初登場というのがかなり意外に思えるほど、2014年に発表した1stアルバム『Femm-Isation』がBillboard USの「ワールド・アルバム・チャート」でトップ10入りするなど、デビュー当初からボーダーレスな活動をしてきた彼女たち。2020年に“FEMM 2.0”にアップデートして以降、次々と楽曲を発表してきたふたりが、8月17日にデジタルリリースしたニューEP『THE SIX』のタイトル曲は、現在放送中のドラマ『生き残った6人によると』主題歌に起用されている。また、「Crawl Away」「Crystal Ball」といった、以前では感じられなかった感情が強く伝わってくる楽曲が印象的だ。今作のことを中心に話を聞いているうちに、“マネキンデュオ”というコンセプトが何故生まれたのか、FEMMの活動の核心に触れる、胸が熱くなるエモーショナルなインタビューとなった。

ドラマの世界観を落とし込んだ楽曲制作

――EP『THE SIX』のタイトル曲「THE SIX」は現在放送中のドラマ『生き残った6人によると』主題歌に起用されていますが、二宮健監督直々のオファーだったそうですね。

RiRi:そうなんです。ありがたいことに、二宮監督が以前から私たちを知っていてくれたみたいで、今回の作品のイメージに合うんじゃないかということで、お声がけいただきました。すごく嬉しかったです。

LuLa:本当に突然のお話だったんです。私たちはこの夏にヨーロッパツアー(英仏独を回る初のUK/EUツアー【FEMM-Isation UK/EU tour 2022】)に行っていたんですけど、その直前にお話をいただいて。「まさか!?」という感じで、とても光栄でした。


――ドラマも拝見しましたが、オープニングで「THE SIX」が流れてくるところは結構ポップな映像ですけど、タイトルが出るところでいきなりえげつないゾンビが出てきて驚きました(笑)。

RiRi:確かに(笑)。すごく個性的で面白いドラマですよね。


――ドラマの世界観をどう曲に落とし込もうと思いましたか?

RiRi:原作の同名マンガが作品のベースになっているので、そちらを読ませていただきました。ゾンビの世界なんですけど、シェアハウス的な男女の恋が発展していくというポップな世界観とミックスされていたので、その設定自体が個性的だなと思って。なので、なるべくキャラクターたちの気持ちを考えながらLuLaと一緒に歌詞を考えました。


Photo: 興梠真穂

――歌詞を作るときは、おふたりでどう作っているんですか?

RiRi:私たちは英語で歌うことがほとんどなんですけど、私は英語担当でLuLaは衣装担当というように、得意分野が分かれているんです。作詞をするときは私が英語メインで書きながら、LuLaも日本語で考えてアイデアをシェアしています。

LuLa:「THE SIX」は、私たちの横で、現在進行中で曲づくりが行われていたので、どういう感じの曲になるかまだわからないながらに歌詞を作っていく感じでした。なので、それぞれが原作の漫画を読んで作ってきたものを出してみて、曲のどこに合うかを探っていくような作業でしたね。


――主題歌のオファーって、「こういう言葉を入れてほしい」というリクエストがあるものなんですか?

RiRi:まさしく今回は、「メインの登場キャラクター6人の名前(梨々、れんれん、神(ジン)、平坂(ヒラサカ)、雫、ビースト)を、可能なら入れてほしい」というお話でした。そのアイデアがすごく面白いと思ったので、冒頭をちょっとお経みたいな感じにして<RiRi連々神雫比良坂獣LuLaも>って入れてるんです。ただ、英語で歌詞を書いているので、「平坂」をどうやってどこに入れようかってすごく悩みました(笑)。

LuLa:あはははは(笑)。

RiRi:「雫」「ビースト」とか、英語の単語で入れられそうなものを散りばめて、和訳したときにその名前が浮かび上がってくるギミックっぽい感じで入れています。


――その結果、「平坂」を「Flat(平)~slope(坂)」という歌詞にして入れているわけですね。

RiRi:そうなんですよ。名前の中で一番困ったのが平坂さんでした(笑)。ビーストはそのまま行けたんですけどね。


――主人公は「梨々(りり)」と言う名前ですよね。

RiRi:そこは便乗して(笑)。ただLuLaというキャラクターは出てこなかったので、最後にLuLaも入れました。

LuLa:ジョインしました(笑)。


――曲は、Diploのリミックスなどを手掛けるRadical Hardcore Clique(ラディカル・ハードコア・クリーク)がプロデュースということですが、どんなイメージで曲が出来上がったのでしょうか。

RiRi:実はオファーをいただいて最終決定したのが、UK/EUツアーに旅立つ1週間ぐらい前で、作業できるのが2日間しかなかったんですよ。なのでその場でメロディも一緒に作りつつ歌詞も書いて、歌ってという風にレコーディングしました。それをドラマ側に提出して、ミックスなどの仕上げはお任せして、ツアーに旅立ったんです(笑)。


Photo: 興梠真穂

――そんな中で、こうした歌詞のアイデアとかを織り込んでいくのはすごいですね。限られた時間で制作したからこその、混沌とした雰囲気が込められている気がします。

LuLa:そうかもしれません(笑)。

RiRi:本当に、自分の中では混沌としているイメージが強いです。


――トラックにはいろんなジャンル音楽要素が細部にわたって散りばめられているように感じました。アレンジはどのように考えましたか?

RiRi:ラディカルさんたちにお任せしながら一緒に作ったんですけど、トラックの一部で、ハードロックやメタルな雰囲気のところがあって。私たちの中では、「ボン・ジョヴィ・パート」って呼んでいるんです(笑)。80'sリバイバルを意識した、ちょっと懐かしいけど新しい感じで、とにかくパンチが効いたものにしました。

LuLa:ドラマからのオーダーでも、『ゴーストバスターズ』みたいな不穏な感じだけどポップな感じのイメージ、80年代を少し意識しているというお題はふんわりいただいていたので、それを意識した結果、「ボン・ジョヴィ・パート」が生まれました(笑)。


――そういう80年代要素というのは、『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のブームからもインスパイアされているんですかね。

LuLa:確かに、そうですね。

RiRi:時代は回っていってるし、若い世代からしたらあまり知らないものだから、新しく感じているというのはあるかもしれないですね。ゲームとかでもサイバーパンクとか流行っていますから。


――FEMMは以前からアニメ映画『AKIRA』っぽい世界観をアートワークに取り入れたりしていましたけど、今回のジャケットも退廃的かつビビッドで印象的です。どんなイメージでしたか?

RiRi:ジャケットのFEMMロゴは、ゆうたONEさんのフォントを使わせていただきました。面白い文字を作られる方なので、これまでもMVとかいろんなところで、彼のフォントを使わせていただいているんです。

LuLa:「THE SIX」というタイトルにちなんで「陸(ろく)」という文字が一番強いかなということで、こういうデザインになりました。


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“初めて”だった「THE SIX」MV

――「THE SIX」のMVは、ドラマの設定と同じ千葉県の海沿い、工業地帯で撮影されたそうですね。こうした場所で映像を撮るのはめったにないことじゃないですか?

RiRi:初めてですね。今まではスタジオで撮ることが多くてあまりロケもなかったので、今回は初めてのテイストに挑戦させていただきました。



「THE SIX」 / FEMM


――これまでのFEMMのイメージにない、日中の工場地帯の風景と、他に誰も生きていないような世紀末感がよかったです。

LuLa:そうですね、誰もいないですね(笑)。


――ドラマの設定に合わせておふたりもゾンビになっていますが、どんなイメージでゾンビを演じましたか?

LuLa:ストーリーがあって……ふたりの関係性で言うと、私が先にゾンビになっちゃった役なんです。RiRiも後々ゾンビになるんですけど、その後、先に亡くなっちゃうんです。それで私がひとりだけ生き残るんですけど、まだかすかにゾンビじゃない部分が残っていて。そのことをどこかで思い出して、エモーショナルな気持ちで思い出の地を彷徨うんです。そういう、さみしそうなゾンビのイメージが伝わればいいなと思います。


――今、ゾンビのドラマや映画ってたくさんありますよね。演じるうえで、ご自分たちの中で参考にした作品とかはありますか?

RiRi:『バイオハザード』ぐらいしかわからない(笑)。あそこまで強烈ではないですけど。

LuLa:あんまり怖いのが得意じゃないので。ドラマもこうして(顔を覆って指の隙間から見る)見てます(笑)。


――ドラマ『生き残った6人によると』に出てくるゾンビって、それこそ80‘sっぽい王道のゾンビですもんね。そこはできるだけちょっとキュートに?

LuLa:そうですね。

RiRi:女子らしさを無くさないくらいのゾンビにしました(笑)。


――マネキンという、本来命がない存在が感情を持って活動しているFEMMが、ゾンビという一度命を失って再生している存在になっているのがすごく面白いなと思いました。

LuLa:複雑ですよね。

RiRi:いろんな世界を行き来していますね。

LuLa:最近、ツアーのタイミングとかでファンの方と喋っていろんな交流ができるようにアップデートしたんですけど、ちょっとずつコミュニケーションを取れるようになってきたことがだいぶ生かされたMVになった気がします。


エモーショナルな「泣ける」曲

――まさに“FEMM2.0”としてアップデートされてからは、精力的に作品を発表していますね。EPは最新曲「THE SIX」に既発の5曲を加えた内容になっていますが、他の曲についても聞かせてください。「Crawl Away」はどのように生まれてMVが作られた曲でしょうか。

RiRi:「Crawl Away」は数年前にレコーディングしていた曲で、いつ出すかタイミングを伺っていた曲なんです。そんな中、今年の初めにリリースした『Tokyo Ex Machina』に収録して、最近MVを公開していて。時間差はあったんですけど、私たちの中ではずっと大切に温めていた曲です。すごくエモーショナルで人間味があって感情が乗っている曲なので、ベストなタイミングでやっと発表できました。ファンの方からは、「泣ける」とか「エモい」と言っていただけて、すごく嬉しいですね。

LuLa:私たちの曲はダンスチューンが多いので、ちょっと珍しい曲で思い入れもかなりあります。リリースまで時間が少し経っているせいもあって、久しぶりに聴いたんですけど、みなさんが好意的に受け取ってくれて嬉しいですね。私のアーティスト仲間のYup'in(ヤピン)なんかは、「すごく好きで泣きながら聴いた」って言ってくれて、それを聞いてさらに特別な曲になりました。



「Crawl Away」 / FEMM

――MVの映像は、歌っている内容とどうリンクさせているのでしょうか。

RiRi:2021年末と2022年始めに『Tokyo Ex Machina』と『Tokyo Girls Anthem』という2枚のアルバムを出しているんですけど、私たちの中ではこのアルバムはパート1、パート2として繋がっているんです。なので、『AKIRA』みたいなひとつの世界観の中に私たちが住んでいて、その中で歌っているような感覚で。EP『THE SIX』も、流れとしてこの世界観に出てくる車に乗っていたりもするので、ディストピアな空間で希望を歌っている感じですね。


――今のFEMMが表現しているものは、常にディストピアの中にある?

RiRi:コロナ禍に入って3年ぐらいになりますけど、その中でも希望を持っていきたいという意味で、すごく関係はしていると思います。


久しぶりの海外ツアーで感じたこと

――そんな中、この夏は久しぶりに海外ツアーを行ったわけですが、いかがでしたか?

RiRi:楽しかったよね?(笑)

LuLa:うん(笑)。


――ただただ、楽しかった?(笑)

RiRi:ファンの人とたくさん触れあえたので、それが一番楽しかったです。

LuLa:これだけツアーを回るというのが、私たちにとって初めての経験だったので、最初は「どうなるんだろう?」という不安もありました。でも今回ご一緒してくれたアーティストのMIKUROMIKA(ミクロミカ)ちゃんとツアーを回る中で、彼女のファンも私たちを観てくれるし、私たちのファンも彼女を観てくれて、温かい空間に包まれていて。「またやりたいなあ」ってしみじみ思うような時間でした。

RiRi:デビュー当時の2014年からずっと観てくれている人たちもたくさんいたし、ドイツやパリも初めてのパフォーマンスだったので、デビューの頃からずっと好きでいてくれていたけど(今回)「やっと会えた!」っていう、結構感動的な出会いもありました。



Photo: 興梠真穂

――やはりFEMMにとって海外での活動は欠かせないものですか?

RiRi:もともと私たちはマネキンなんですけど、人間との対等な共存というのが最初からの目標なので。メッセージを伝えていくといううえでは、幅広く世界に届けたいという気持ちはあります。


――海外ツアーの様子をSNSで拝見しましたけど、セーラームーンっぽい衣装でステージに立ってましたよね?

LuLa:いや、イベントに出たときは私たちが初期の頃からMVとかで身に付けていたラバーの衣装を着ていたんですけど、久しぶりの海外ということもありますし、アニメコンベンションもあるので、そういう衣装の方がいいかなということで着用したんです。ただ、セーラームーンではないんですよ(笑)。

RiRi:MVのことで言うと、FEMMには「全ての曲のMVを出す」というコンセプトがあるんですけど、昨年から一気に25~30曲近くリリースしている中で、世界観を統一しようということで作っています。FEMMはそもそもマネキンで、以前からAR、VRを取り入れてきたこともあって、そういう部分を組み合わせて、仮想空間を作ってその中で定期的にいろんなことをやっているんです。


――その場所が、仮想都市・新東京なんですね。

RiRi:そうです。曲自体も、実は最初からアメリカに向けてとかイギリスに向けて発信して行こうと考えていたわけではなくて。まだK-POPも今みたいな感じじゃなかったこともあって、何故アジア人だけが向こうで売れないのかが本当に理解できなかったんですよ。そこにトライしてみるうえで、世界でいちばん音楽的に可能性がある言語が英語だと思ったので、英語で歌うようになったんです。それでリリースしてみたら、アメリカで評価されて、ヨーロッパに飛び火した感じで。そういう意味で、ワールドワイドなメッセージを発信していこうと考えたときに、やっぱり差別ってあると思ったんです。だったら、肌の色とは関係なく、もっと別のモノからのほうが、そのメッセージを打ち出せると思って。


――なるほど、それで人間ではなく、マネキンというコンセプトが生まれたんですか。

RiRi:コンセプトというか、マネキンであるわたしたちが選ばれたというのが正しい表現ですかね。そういう文脈の延長線上で活動しているアーティストなので、ツアーに行くのも必ず欧米に行きたいというよりは、いつもグローバルに向けて発信していこうと思っています。

LuLa:常にボーダーレスなんですよね。仮想も現実もボーダーレスだし、ましてや国籍なんかあんまり意識しなくていいよねって。結果として、FEMMにとっては欧米が今一番マッチしているという感じです。


――マネキン・アーティストが生まれた背景に、国籍とか人種に関係なくメッセージを届けようという意思が込められていたということを初めて知りました。

RiRi:あんまり偏見がないほうが刺さると思うので。プロジェクトとして、チームのみんなと一緒に理解しながらやってきました。ボーダーレスという考え方はいつでもありますし、国とか関係なく音楽は言葉がわからなくても楽しめるものなので、そういった中でメッセージを伝えていくことをずっと続けている感じですね。

LuLa:結構身近に、ちょっとしたいじめとか差別とかってあると思うんですよ。それって、すごく悲しいなっていう気持ちがずっとあったので。それは日本でもあるし、海外に行ったとしてもあるものなので、それが無くなるのが一番なんですけど、強く心を持てるといいなということも楽曲に込めつつ取り組んでいます。


「“すべて諦めて最後に”というイメージで書いた曲」

――FEMMの活動の根幹がわかるすごく深い話ですね。今の話にも繋がってくると思うんですが、収録曲の「Crystal Ball」について訊かせてください。この曲はすごく人生観が出ているような気がしました。<So perfect like a crystal ball(水晶玉のような完璧さ)>という歌詞もありますが、どんなことを歌った曲なんでしょうか。

RiRi:「Crystal Ball」は私がメインで作詞をさせてもらったんですけど、人生の終わり、キャリアの終わりとか、“すべて諦めて最後に”というイメージで書いた曲です。曲自体のメロディがパンチの効いている曲で、「場末のバーのイメージで歌って」と言われて歌ったんですけど(笑)。今までは“ガールズパワー”をメインに歌ってきていて、強い女性を楽曲の中で表現してきたんですけど、やっぱり私たちも女性として常に元気ではないし、ずっとパワフルウーマンなわけではなくて。でも、そういった脆さやリアルな姿の芯のところに強さがあるんだよっていう、もうひとつ成長して大人になった自分たちを表現したくて書きました。公開されたMVでも、結構エモーショナルな表情とかに挑戦してみました。



「Crawl Away」 / FEMM

LuLa:最初にいただいたときに、とても壮大な曲だったので「自分に歌えるかな」ってちょっと不安もあったんですけど、(RiRiが)歌詞をすごく素敵に作ってくれたので。そのときに私もイメージを日本語で書いたものをいくつか渡して、それをみんなで組み合わせて作ったんですけど、私がいちばん最初に渡したイメージを「なんでわかるの⁉」っていうぐらいすごく素敵な歌詞にしてくれたんです。ちょっとした弱さとか頼りなさとか……思い入れはだいぶ強い楽曲です。

RiRi:実は、曲をもらってから完成まで1年半ぐらいかかっていて、歌詞も5回ぐらい書き直しているんです。歌唱も一番練習しました。歌いこんでも歌い込んでもむずかしくて、大丈夫かな?という感じだったんですけど、なんとか歌うことができました。


――そんなに時間をかけた曲なんですね。だからこそ、すごく情念が伝わってきます。

RiRi:ありがとうございます。弱さだけじゃなくてどこかに不条理さとかを感じていて、おっしゃる通り情念みたいなものがこの曲の歌詞にはあると思います。


アップデートを経て、これから

――こういう曲が出来たのって、アップデートしたFEMMだからこそですよね。

RiRi:アップデートしなかったら、絶対無理でしたね。「Peach」もそうですし、歌の難易度がグッと上がった感覚もあって、歌の内容的にも成長しないと歌えなかったと思います。今の時点での精一杯を出せたと思います。


――今後、ポストコロナ期とも言える世界で、どんな活動をしていきたいですか?

RiRi:活動を開始して8年ぐらいですけど、初期の頃と今とではまわりの反応も違いますし、世の中で流行っている音楽もK-POPがすごく人気だとか、流れがすごく変わっているのを感じます。それと、個々の時代だと思うし、SNSを介して普通の人でも誰でもスターになれて、それぞれ全員が中心の時代だと思うんです。かつては時代によって絶対的なディーバが必ずいて、多くの人がそれに憧れる時代だったと思います。今ももちろんスターはいますけど、どちらかというと今は「このアーティストが好きな私」っていう時代だと思うんですよ。だから私たちパフォーマー側も、リスナーのみなさんに寄り添いながら、より身近な、でもちゃんと表現はするという、メリハリが効いた新しい形を目指していきたいと思います。

LuLa:今回、ドラマのオープニング主題歌という貴重な機会をいただいたので、より多くの方に知っていただけるように、もうちょっと広まっていけたら嬉しいです。あとは、海外で行けていない場所もたくさんあるので、そこに行って、エージェント(FEMMファンの総称)のみんなに会って、もっとコミュニケーションを取れたらいいなと思います。


Photo: 興梠真穂


――9月には、スペインでパフォーマンスするんですよね?

RiRi:そうです。【Japan Weekend Madrid】(2022年9月24日~25日)に出演します。

LuLa:初めてのスペインなので、楽しみです。


――最後にお訊きしますが、「THE SIX」の世界観がドラマ『生き残った6人によると』の内容にフィードバックされるようなことがあるんですか?

LuLa:私たちもまだわからないのですが、監督から楽しみにしておいてというメッセージがあったので、楽しみにしてます(笑)。

RiRi:毎回何が起こるのか、私たちもいち視聴者としてドキドキしながら観てます(笑)。


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