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<インタビュー>馬渡松子がアニメ『幽☆遊☆白書』主題歌「微笑みの爆弾」を歌い納め、如月-kisa-として次のステージへ

如月-kisa-の名義で再出発

――馬渡さんは7月9日よりブラジルで開催される【Anime Friends】で「微笑みの爆弾」を歌い納めするとのことですね。【Anime Friends】には2015年にも出演されていますが、現地の盛り上がりはいかがでしたか?

馬渡:【Anime Friends】は10万人規模のアニメイベントで、会場にアトラクションがあったりコスプレしてる人がいたりして、そこにステージがあるんです。以前出た時は「MATSUKO」コールがすごかったんですよ。日本では聞いたことのないような。そこで私は拙い英語でしたけど思いを伝えたんです。私は病気になって声は出ないけれど、みんなに思いを伝えていきたい、一緒に歌いたいということを話したら、「おー!」って応えてくれたんです。ポルトガル語で「微笑みの爆弾」をみんなが歌うんです。すごいですよ。全然上手く歌えないと落ち込んでいる私に当時のマネージャーは、「思いを届けるってことは生きていくパワー。どれだけつらくてもそこをみんなに見せていくんじゃないの?」って励ましてくれたのを覚えています。帰りの空港でも現地の人が何人か待っていてくださったりして、「悩み事があったけど、あなたのパワーで俺は生きていくことができる」とメッセージをくれました。ブラジルでは今も盛り上がってくれていてラブコールがすごいんですよ。


――Netflixなどで『幽☆遊☆白書』のアニメが観られたり、Spotifyで馬渡さんの楽曲を聴くことができるストリーミングサービスの環境がその盛り上がりを継続させている要素でもあります。

馬渡:今回のブラジルのテーマは「No Spotify」なんです。要するに生で聴こうということ。とはいえ、時代は便利になって、アラブ共和国とかバングラデシュ、ドミニカ共和国というような世界各国の人に聴いてもらえているのはありがたいなと思いますね。


――この取材はブラジルに向かう前のタイミングですが、今の心境はいかがですか?

馬渡:まず何を伝えたいのか。練習したものを発表しにいくのではなく、今の馬渡松子を伝えに行く。そして、みんなで歌っていくということ。行くっていうことが大事なことだと思うんですよね。36時間かけて。ブラジルには一人で行くので、とにかく辿り着きたいと思っています。


――応援しています。「微笑みの爆弾」を歌い納めするということは、如月-kisa-として本格的なスタートを切るということでもありますよね。まずは如月-kisa-の名義で再出発を切ろうと思った理由を教えてください。

馬渡:2017年に自分でまたレーベルをやりたいと思い勉強をし始めたんですけど、その時にある恋愛をしたんです。今まで“女の歌”は歌いたくなかったんですよ。こっぱずかしいし、愛の歌ってありふれている、そう思っていたんです。またインディーズから頑張るために毎日法律と経営の勉強をしているうちに、お金が110円しかないくらいに底を尽きてしまいました。そんな死ぬか生きるかの状況でも、好きな人が涙を流してくれるような曲を作りたいと思って、1日1曲作っていったんですよね。私はその人が好き過ぎて精神病院に入院するんです。何もかも没収をされて、あるのは薬紙と貸し出しの鉛筆のみ。絵とポエムを書き始めた、それが2月だったんです。寒くてつらい思いをしている人たちに温かな気持ちになってもらいたいと思って、如月-kisa-として再出発しようと思ったんです。だから恋心から、ですかね。


――この『Love Legal』には「Only I need you」「Mistake同士」といった多種多様な恋愛ソングが収録されていますが、特に「駆け引きのゴールへ」は“強い女”が歌われていますよね。

馬渡:「駆け引きのゴールへ」は強気ですね。男と女が駆け引きをする世界観が私の中では都会のネオン街のようなイメージなんですけど、好きだった人が実際に駆け引きをしてくるような男の人だったんですよね。悲しい気持ちも客観的に自分の作品に落とし込んだ、そういった今までになかった曲です。


――『Love Legal』を聴いていて全体的にジャズの雰囲気が通底しているなと感じました。

馬渡:私が張る歌い方ではなく、そのままのナチュラルな声で歌っているのもあって、これもジャズ的要素だと思います。一番大きいのは、コード展開とかボイシングがジャズっぽいのは大きいかなと思いますね。「Learning Bridge」なんかは、一番最初のAメロは、ブリティッシュパンク……まではいかないですけど、パンクなんですよ。精神的なパンクの世界からAORを経てファンクになる。音楽のジャンルはそれぞれのメロディーで別々なんですけどそうは聞こえない、音楽の架け橋になっている。まさに「Learning Bridge」なんですよね。


――馬渡さんは「一般財団法Keep right」を立ち上げ、代表理事を務めていらっしゃいます。馬渡さんは事業の一環として「音楽療法としての講師」という顔もお持ちなんですね。

馬渡:初めて取った資格がメンタル心理ミュージックアドバイザーだったんです。みんなの心のケアになる音楽があってもいい。人間の作ったルールの中で気持ちいいと思えるもの、それがポップスなんですよね。


――平和貢献としての「Smile Bomb」の商標を取得したということですね。

馬渡:「微笑みの爆弾」の英語名なんですけど、ブラジルでも「Smile Bomb」と書かれたTシャツで歌うつもりです。みんなに“クリーンなスマイル”、つまりはみんなに笑顔でいてほしい。それだけのためです。泣いた後でも笑えるんですよね。


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如月-kisa-「Love Legal」

Love Legal

2022/07/27 RELEASE
KPRT-2 ¥ 2,500(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.Learning Bridge
  2. 02.Chain the world people
  3. 03.Mistake同士
  4. 04.Rainy Trouble
  5. 05.Only I need you
  6. 06.Invitation
  7. 07.駆け引きのゴールへ
  8. 08.Dreaming Star~希望の星~ (album Ver.)
  9. 09.Separate
  10. 10.Love Legal

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