Billboard JAPAN


Special

<コラム>才能と才能が出会う場所『UniteUp!』圧倒的なイケボで君臨するAnelaの存在感



コラム

謎多きYouTubeチャンネル『UniteUp!』

 様々な個性を持ったシンガーが集うYouTubeチャンネル『UniteUp!』の中で、謎のアイドル・ユニット“Anela”がひと際異彩を放っている。

 音楽に特化したYouTubeチャンネルの影響力が増している昨今。一発撮りをテーマにした緊張感溢れるパフォーマンス映像が人気の『THE FIRST TAKE』、SNSフォロワー数やYouTubeチャンネル登録者数が強みのアーティストを豊富にブッキングする『blackboard -One Cut Live Show-』、また海外では『Tiny Desk Concert』や『A COLORS SHOW』などを筆頭に、コンセプチュアルな音楽チャンネルの存在感は、ステイホームによるデジタル・コンテンツの需要が増していくコロナ禍以降、ますます大きくなった。

 もちろん、ショートムービー・プラットフォーム『TikTok』の台頭も無視できない。“踊ってみた動画”や“歌ってみた動画”にチャレンジしたり、何気ないVlog映像のBGMに使ったり、音楽と動画を組み合わせたUGC(ユーザー生成コンテンツ)を投稿するユーザーが増え、楽曲のバイラルが拡大するとともに話題性も高まり、やがてヒット・チャートに登場するまでの人気を獲得する。そんなふうに無名の新人アーティストがブレイクすることも今では珍しいことではなくなった。

 動画プラットフォームの強みは、アーティストがレコード会社やディストリビューターを介さずとも、気軽に作品を公開し、リスナーと接点を持つことができる点にある。今ではSoundCloudやBandcampにアップロードするよりも、YouTubeやTikTokで楽曲を発表したほうが、リーチできるユーザー数が膨大だ。新しい才能の発掘の場としても、YouTubeやTikTokはファンとアーティストを繋げる役割を担っている。

 今年に入り、徐々に注目を集め始めているのが、『UniteUp! Official YouTube Channel』と銘打たれたYouTubeチャンネル。2021年12月17日に最初の動画が投稿されたこのチャンネルでは現在、様々なシンガーによる計15本の歌唱動画が公開されており、中には100万回再生に届きそうなものもある。

 チャンネルの概要欄によると『UniteUp!』とは、「才能と才能を”Unite up”するキャラクターミュージックコンテンツ」とのこと。すべての動画のアートワークにキャラクターが描かれているが、多数のイラストレーターが参加しているため個性豊かだ。また、ミュージック・ビデオを手掛けているのは、DECO*27やTeddyLoidらを擁するクリエイター・チーム“OTOIRO”。音楽、イラスト、映像……異ジャンルの表現者たちが一堂に集ったプロジェクトであることは窺えるが、詳細はまだまだ謎に包まれている。


異色を放つダンスボーカルユニット=Anela

 楽曲に関しては、オリジナルもあればカバーもある。第一弾動画として公開されたのは、2022年より活動を開始した16歳の歌い手、KIKUNOYUによる「ハレハレヤ」(羽生まゐご)の歌ってみた動画なのだが、彼は最近、「サラマンダー」(DECO*27)の動画もアップしていたので、ボカロ系の楽曲を好んでいることがわかる。ほかにもラブソングを甘い声で切なく歌うEVANの「カタオモイ」(Aimer)、時代を超えて愛される名曲カバーに定評があるというすずの「春よ、来い」(松任谷由実)など、選曲のバラエティからもシンガーの個性を窺い知ることができる。



KIKUNOYU - 羽生まゐご「ハレハレヤ」歌ってみた


EVAN - Aimer「カタオモイ」(Cover)


すず - 松任谷由実「春よ、来い」(Cover )


 しかし、とりわけ大きな再生回数を記録しているのが、とっつきやすいカバー動画よりもむしろオリジナル・ソングであるという点は興味深い。愛媛県出身の男子学生、はる賀が歌う「IN&OUT」と「DAYDREAM BELIEVER」は、シンガー・ソングライターの佐藤千亜妃(ex.きのこ帝国)による書き下ろし。どちらのナンバーも、はる賀のシルキーでまっすぐな歌声の魅力を存分に引き出した仕上がりだ。、また、5月27日に公開された最新楽曲「好きだから、好きにならないようにするね」は、カリスマ的人気を集める音楽プロデューサー、清 竜人が提供。駆け出しの新人シンガーと気鋭のミュージシャン、音楽家同士の“Unite up”によるシナジーもたしかに生まれている。



はる賀 - IN&OUT


はる賀 - Mayday


 “Unite up”と言えば、現時点でこのプロジェクト唯一となるユニットとして活動しているのが、冒頭で紹介したAnelaだ。プロフィールには「子役出身の人気俳優・大月凛と、新進気鋭の若手作曲家・辻堂真音によるダンスボーカルユニット」とあり、チャート1位の複数獲得やドームツアーの成功といったバックグラウンド・ストーリーを読む限り、他のシンガーたちと比べても異彩を放っているように思う。

 歌う楽曲「TARGET」は、うねるベースと刺激的なシンセが荒れ狂うダンス・ナンバー。<数秒後には 心奪われた姿で 制御不能 You Surrender>と挑発的なリリックも特徴的だが、何より耳を奪われるのは、惜しみなく繰り出される圧倒的な“イケボ”の応酬だ。辻堂真音のセンシュアルな高貴さ、大月凛の中性的な妖しさと透明感が歌い繋ぐ「TARGET」は、「才能と才能を”Unite up”する」というこのプロジェクトのコンセプトを鮮やかに体現したナンバーでもあるように感じる。もちろん二人の王子様然とした麗しいヴィジュアルも注目ポイントだ。



Anela - TARGET


 突如、彗星の如く現れた音楽プロジェクト『UniteUp!』。今後も様々な才能が発掘され、それらが文字通り“Unite up”して魅力的なコンテンツが作られていくのだろうか。続報を待ちたい。

関連キーワード

TAG

ACCESS RANKING

アクセスランキング

  1. 1

    【ビルボード】Stray Kids『CIRCUS』が初週19万枚を売り上げてアルバム・セールス首位

  2. 2

    【ビルボード】HKT48『ビーサンはなぜなくなるのか?』初週16.8万枚でシングル・セールス首位

  3. 3

    レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、中絶権利をめぐる米最高裁の判決を受けて約6,400万円を生殖権団体に寄付

  4. 4

    オリヴィア・ロドリゴ、中絶の権利保護についてライブで力強いコメント

  5. 5

    テイラー・スウィフト、中絶禁止を容認した米最高裁の判決についてコメント「怖くてたまらない」

HOT IMAGES

注目の画像