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Billboard Japan 2022年上半期チャート発表、Aimerが【JAPAN HOT 100】/SixTONESが【HOT Albums】/YOASOBIが【Artist 100】首位に
2022年上半期Billboard JAPAN総合アニメソング・チャート“HOT Animation”で、テレビアニメ『鬼滅の刃』遊郭編のオープニング曲であるAimerの「残響散歌」が1位に輝いた。
2019年後半から徐々に本格化した空前の『鬼滅』ブームは遊郭編でも健在で、前期のオープニングを担当したLiSAからバトンタッチするようにAimerがトップの座についた。本曲はアニメ初回放送直後の12月6日に配信がスタート。2021年12月15日公開チャートでトップに初登場してから上半期最終週までに15回も首位に輝いている。ダウンロード、ストリーミング、動画再生、Twitter、ラジオの5指標で1位、CDセールス2位、CD読み取り回数のルックアップで2位、カラオケ3位と、どの指標も高ポイントを獲得して、アニメファンも納得の堂々のトップに立った。
▲ 「残響散歌」MV / Aimer
2位・3位には、2022年を代表する大ヒット映画『劇場版 呪術廻戦 0』より、King Gnuが歌う主題歌「一途」とエンディング曲「逆夢」がチャートイン。映画公開前の12月10日に配信スタート&ミュージック・ビデオが公開された「一途」は、「残響散歌」と初週が被ってしまったものの、映画のヒットとCD発売効果により、チャートイン4週目にトップに。“百鬼夜行の決行日”である12月24日から約5か月にわたって劇場公開された映画は興行収入137億円を突破。2023年にはTVアニメ第2期が放送される予定で、早くも注目が集まっている。第1期のオープニングを飾ったEveの「廻廻奇譚」は、EP収録曲(アルバム扱い)であるためフィジカル・ポイントがないものの、動画再生5位、ストリーミング6位、カラオケ8位と、リリースから1年以上経過しているが、上半期7位に入るロングヒットを記録した。
『東京リベンジャーズ』も原作ファンのみならず、幅広い世代から注目を集めたアニメだ。第1期は昨年9月に最終回を迎えたが、マイキーなど人気キャラクターに扮するコスプレやTikTok投稿が流行し、「ひよってるやついる?」も流行語になった。アニメのオープニング・ナンバーであるOfficial髭男dism「Cry Baby」は、カラオケ1位、ストリーミング4位、動画再生6位、ダウンロード9位を記録して、2021年年間チャートから1つ順位を上げて、4位にチャートインした。
『鬼滅の刃』『呪術廻戦』『東京リベンジャーズ』と、アニメ作品が様々なプラットフォームで盛り上がっているなか、2022年の目玉は現在放送中の『SPY×FAMILY』だろう。もともと原作ファンが多い本作は、そのストーリーとキャラクター、そして声優キャストが見事にはまり、ファンをも裏切らない傑作アニメに。オープニングのOfficial髭男dism「ミックスナッツ」(6位)、エンディングの星野源「喜劇」(11位)は、アニメ放送時から現在まで非常に好調な動きをキープしており、今年のアニメ下半期を大いに賑わすロングヒットが見込まれる。
Text by Mariko Ikitake
King Gnuが2位から4位独占
2022年上半期Billboard JAPANダウンロード・ソング・チャート“Download Songs”で、Aimerの「残響散歌」が2位以下に大差をつけて、堂々の1位となった。
人気テレビアニメ『鬼滅の刃』遊郭編のオープニング・テーマである「残響散歌」は、2021年12月15日公開チャートで1位に初登場し、通算7週首位に輝くヒットとなっている。2021年11月29日から2022年5月29日が集計対象の上半期チャートでは、累計426,381ダウンロード(DL)を売り上げ、上半期Billboard JAPAN総合ソング・チャート“JAPAN HOT 100”も制した。昨年の“Download Songs”年間チャートでは、優里の「ドライフラワー」が425,389DLで首位となっていたが、「残響散歌」は半年でそのDL数を上回ったことになる。
同じくAimerによる『鬼滅の刃』遊郭編のエンディング・テーマ「朝が来る」は“Download Songs”上半期6位につけており、トップ10に2曲が食い込んだ。
なお、昨年の“Download Songs”上半期首位は、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』のLiSAによる主題歌「炎」が獲得しており、2年連続で鬼滅関連の楽曲が上半期チャートを制し、シリーズの人気の根強さを証明した。そのLiSAは、TVアニメ『鬼滅の刃』無限列車編のオープニング・テーマ「明け星」を上半期10位にチャートインさせている。
“Download Songs”上半期2位から4位は、コンスタントにヒットを飛ばしたKing Gnuが制した。『劇場版 呪術廻戦 0』主題歌に起用された「一途」(190,782DL)が2位、同作のエンディング・テーマ「逆夢」(177,119DL)が3位、月9ドラマ『ミステリと言う勿れ』の主題歌「カメレオン」(147,058DL)が4位に続いた。12月10日に配信された「一途」は、“Download Songs”最高2位を記録し、13週にわたりトップ10圏内に居座り続けた。一方、12月24日配信となった「逆夢」は3週首位をマークし、通算14週トップ10入りしたが、リリースが2週間遅かったこともあり、DL数に差が出ている。
▲ 「一途」MV / King Gnu
TVアニメ『SPY×FAMILY』のオープニング主題歌であるOfficial髭男dismの「ミックスナッツ」はチャートイン7週にして、上半期5位となった。累計122,258DLを売り上げた本曲は、4月20日公開の“Download Songs”で2位にデビューし、4月27日、5月11日公開チャートでは首位となった。現在もトップ5圏内をキープし続けていることから、年間でも上位にチャートインすることが予想される。
累計107,919DLを獲得した優里の「ベテルギウス」を7位に挟み、米津玄師が上半期8位に「M八七」(98,525DL)、9位に「POP SONG」(91,310DL)を送り込んだ。興収30億円を突破した映画『シン・ウルトラマン』の主題歌に起用されている前者は、映画との相乗効果により、リリース3週目で上半期トップ10入りしており、「ミックスナッツ」同様に2022年後半のチャート・アクションにも注目だ。
Text by 岡田
2022年上半期Billboard JAPANダウンロード・アルバム・チャート“Download Albums”で、YOASOBIの『THE BOOK 2』が首位を獲得した。
本作は、2021年12月1日にリリースされた2nd EPで、初週8,717DLを売り上げ首位を獲得。その後も3週連続、通算5度の首位を獲得し、上半期ダウンロード・アルバム・チャート2連覇を成し遂げた。『THE BOOK』も様々なトピックによってロングヒットが続いており、『THE BOOK 2』もリリースから数か月経ってもなお、週間ダウンロード数が安定していることが特徴的だ。3月16日公開チャートまでトップ10内をキープし、NHKでのスペシャル・パフォーマンスが話題を呼び、5月11日公開チャートでは再び4位に浮上。現在もトップ30内をキープするなど、新規ファンを獲得し続けている。
▲ 「怪物」MV / YOASOBI
続く2位はAdoの1stアルバム『狂言』がチャートイン。『THE BOOK 2』の初動を大きく超える13,987DLで首位を獲得後、4週連続で首位キープと好調な推移を見せ、累計4,000DL差で上半期2位を獲得した。ゴールデンウィーク中に再びダウンロード数を伸ばし4位へと浮上、直近のチャートでも30位圏内をキープしているAdo。8月11日にはさいたまスーパーアリーナでの2ndライブが決定しており、自身初の年間1位を獲得することができるのか、今後の動きに注目したい。
そして3位は宇多田ヒカル『BADモード』だ。2022年1月19日に先行配信された約3年7か月ぶりのアルバムで、初週は10,603DLで首位を獲得。CDリリース後に再び順位を上げ、通算2度の首位を獲得するなど、計19回のチャートインによって上半期3位を獲得した。
藤井 風は『LOVE ALL SERVE ALL』が5位、『HELP EVER HURT NEVER』が10位と2作チャートイン。『NHK紅白歌合戦』への初出場や、初の冠番組が放送されるなど話題の多い上半期だったが、『LOVE ALL SERVE ALL』はチャートイン回数10週で、5位に食い込むという快進撃を見せた。
ポストコロナへと突入し、3年ぶりに数多くのフェスが開催される2022年。コロナ禍以前は、あいみょんや、ずっと真夜中でいいのに。がフェス出演で新規ファンを獲得し、アルバムやソングのダウンロード数を伸ばすというチャートアクションを見せたが、今年の夏はチャートがどのように動くのか。下半期のチャートアクションにも注目したい。
Text by Naoko Takashima
2022年上半期Billboard JAPANストリーミング・ソング・チャート“Streaming Songs”では、優里の「ベテルギウス」が首位を獲得した。
2021年11月4日にリリースされた「ベテルギウス」は、10月14日に放送開始されたドラマ『SUPER RICH』の主題歌。優里にとって初となる地上波ドラマの主題歌で、ドラマ初回放送の前日となる10月13日には<THE FIRST TAKE>のパフォーマンス映像が公開されるなど、楽曲の配信前から話題性を高めていたこともあり、チャートイン初週の11月20日公開分で22位、翌週の11月17日公開分では最初の1週間フル集計を迎えて1位にジャンプアップした。通算首位獲得回数は5回で、上半期の累計再生回数は195,552,223回を記録している。
▲ 「ベテルギウス」MV / 優里
続く2位はAimer「残響散歌」で、上半期の累計再生回数は189,177,412回を記録し、1位とは約600万回の小差となった。テレビアニメ『鬼滅の刃』遊郭編オープニングテーマの同曲は、12月5日にアニメ放送開始、翌日6日に楽曲の先行配信がスタートし、12月15日公開分で初登場首位を獲得、通算首位獲得回数は6回となっている。
人気アニメ作品とのタイアップによるヒットは今年も定石で、King Gnuは『劇場版 呪術廻戦 0』主題歌の「一途」が6位、同エンディングテーマの「逆夢」が8位に入り、2曲をトップ10内に送り込んだ。事前にアナウンスされていた「一途」に続き、映画公開日にサプライズで発表された「逆夢」の起用、そして楽曲配信の同時解禁といった一連の流れは、タイアップのシナジーを最大化させる巧みなプロモーションだったと言えるだろう。
新世代バンドの台頭も目覚ましい。2020年11月にトイズファクトリーからメジャー・デビューしたマカロニえんぴつは、2022年1月にリリースしたメジャー1stフルアルバム『ハッピーエンドへの期待は』の収録曲「なんでもないよ、」が3位に。TikTokの企画『#秋の歌うま』のアンバサダーに起用されたことも後押しして、SNS上では「なんでもないよ、」のカバー動画も多く投稿され、そこから音楽番組でのパフォーマンス披露なども経て、着実にリスナー層を開拓したことが窺える。
また、6月に日本武道館2days公演を控えるSaucy Dogは、2021年8月にリリースしたミニアルバム『レイジ―サンデー』に収録の「シンデレラボーイ」が4位となった。イラストレーターのますだみくが手掛けたミュージック・ビデオが徐々に話題となり、10月頃から右肩上がりにチャートを上昇。1月には『ミュージックステーション』への出演も果たし、2月2日公開分で8位に入り、自身初のトップ10入りを達成した。
コロナ禍以前はフェスと連動したストリーミング・ヒットも多く見られたが、SNS上のバイラルを起点にヒットした若手バンドが、今年のフェス復活の夏を経て、どんなチャート・アクションを見せていくか。このあたりは下半期の注目トピックかもしれない。
Text by Takuto Ueda
INI/乃木坂46が続く
2022年上半期Billboard JAPANシングル・セールス・チャート“TOP Singles Sales”で、Snow Manの『ブラザービート』が879,502枚を売り上げ首位を獲得した。
本チャートは、2021年11月29日から2022年5月29日までの6か月間のサウンドスキャンジャパン販売枚数データを累計したもの。『ブラザービート』は、メンバー全員が主演を務めた映画『おそ松さん』の主題歌で、3月30日にリリースされたのち、初週で809,082枚を売り上げた。この記録は現在、2022年度の最多初週セールスとなっている。
▲ 「ブラザービート」MV / Snow Man
2位は、同じくSnow Manの『Secret Touch』に。なお、Snow Manは、昨年2021年の年間Billboard JAPANシングル・セールス・チャート“TOP Singles Sales”でも『Grandeur』で首位、『HELLO HELLO』で2位を獲得しており、今回は2年連続でトップ2独占となった。
3位には、INIの2ndシングル『I』がチャートイン。4月20日の発売から4週連続で売上トップ10を守り、発売から約1か月で、2位『Secret Touch』(2021年12月1日発売)の売り上げ枚数867,286枚に急追する836,829枚を売り上げた。
特筆すべき点としては、今回トップ10にチャートインした作品のうち、じつに8作品が2022年3月以降のリリースであるということだろう。前年2021年の年間シングル・セールス・チャートでは長期間のロングセールスを続けた作品が目立ったが、まだまだリリースから3か月ほどのこれらの作品がどのように伸び、また新たにどんな作品が生まれてくるのか、今後の動きに注目したい。
Text by Maiko Murata
2022年上半期Billboard JAPANアルバム・セールス・チャート“TOP Albums Sales”は、SixTONESの『CITY』が獲得した。
本チャートは、2021年11月29日から2022年5月29日までの約6か月間のサウンドスキャンジャパンの販売枚数データの累計で決定する。SixTONESは『1ST』が2021年上半期“TOP Albums Sales”で首位を獲得し、2021年年間“TOP Albums Sales”でも3位を記録していた。2022年になっても勢いは衰えず、1月5日にリリースされたセカンド・アルバム『CITY』は562,717枚のセールスを記録し、2022年上半期“TOP Albums Sales”で首位を獲得した。
続いて2位は357,992枚を売り上げた乃木坂46の『Time flies』、3位は300,410枚を売り上げたJO1の『KIZUNA』、4位は242,033枚を売り上げたAdoのデビューアルバム『狂言』、5位は230,871枚を売り上げたジャニーズWEST『Mixed Juice』がそれぞれ獲得した。
▲ 「最後のTight Hug」MV / 乃木坂46
2021年は男性グループがランキングを独占した“TOP Albums Sales”だったが、2022年上半期は女性グループである乃木坂46やHKT48、女性ソロ・アーティストであるAdo、男性ソロ・アーティストである藤井 風がチャートインするなど、バラエティーに富んだ結果となった。
Text by kzskm
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