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<インタビュー>SPECIAL OTHERS ~15にまつわる話 Vol.2「仲間と歩んだ15年」~
東京・大阪のビルボードライブ15周年を記念してスタートした連載企画「15にまつわる話」。今回ご登場いただくのは、彼らも同じくメジャーデビュー15周年を迎えた、SPECIAL OTHERS。もともと高校の同級生だった彼らが日本屈指のジャムバンドとなり、音楽の楽しみを広めてきた。仲間と歩んだ15年、その想いと、6月に行われるビルボードライブ公演への意気込みも語ってもらった。
――デビュー15周年おめでとうございます。ご自身たちが好きな音楽を貫いて、多くの人に音に身を委ねる楽しみを教えてくれた15年だったと思います。活動に対する手応えはどういうものでしょうか。
芹澤:聴き続けてくれる人たちへの感謝が一番大きいですね。楽しくてやめられなかった結果が今なので、“貫いた”とか“教えてきた”なんて滅相もないって思います。15年間、同級生の友達と一緒にバンド生活をさせてもらえている事が何より幸せです。
宮原:そうだね。高校で同じクラスだったメンバーでバンドを結成して、こうしてメジャーで15周年を迎えられて。「奇跡みたいだね」ってよく言われますけど、本当にそうだなとも思うし、同時にその奇跡の本質が自分たちでよくわかってないみたいなところがあります(笑)。
又吉:気がついたら15周年、何だか不思議な感じです。メジャーデビュー後の活動の中で武道館やフジロックでライブがやりたいという漠然とした目標を立てて、それに近づくためにはどうしたらいいかを考えて。いつも前年の1.3倍くらい頑張って目標に到達しようとしてきました。そういう積み重ねで今があるんだと思います。
柳下:15年前、もともとビクターのインディーズレーベルで1年活動してから、ご縁あってメジャーデビューすることが決まったんですけど。スタッフも変わって、長いスパンでリリースなどの計画を立ててくれるようになって、よりチーム感が増しました。
――15年の活動の中で、特に印象に残っている思い出深い出来事は?
宮原:日本武道館公演を終えた帰りに、近所の立ち食い蕎麦屋で飯を食ったんですよ。夢だったステージに立てたら芸能人みたいになるのかな!?と思ったけど全然そんなことないんだなと思いました(笑)。
芹澤:2020年にコロナの影響で、15年のキャリアの中で初めて半年以上ライブをやらない期間があって、久々に開催することができた日比谷野音のライブはお客さん含め、今まで感じたことがない不思議な熱量があって素晴らしいものになりました。
――デビュー15周年のアニバーサリーイヤーを締めくくるアルバム『Anniversary』がリリースされます。ご自身たちにとってどういう作品になりましたか。
芹澤:色んな音楽のアウトプットを経て、自分の初期衝動的ルーツな、ロックを思いっきり表現することができた作品になりました。自分の中にある、NIRVANAやOasisへの憧れの心をBIG MUFFで思いっきり歪ませたローズ・ピアノに全力で込めました。
宮原:普段、音楽を聴いている中で「俺たちもこんなのやりたいな」と思って曲を作り始めることが多いんですけど、全然違うものができることがほとんど。今作では今更ながら自分の中でブームがきていたUnderworldっぽい曲を作りたいなと思ってできたのが「NEW WORLD」。でもUnderworldっぽくないのは、自分たちのフィルターを通ってるから。
柳下:結果的にそれが自分達のオリジナリティになっちゃうんですよね。今作では15周年なのでデビュー曲をリテイクした「THE IDOL」も収録しています。昔はレコーディング当日までアレンジが何も決まってないこともあったくらい、勢いでやっていましたけど、その分の青さやエネルギーが出ていたのかもしれない。今回は40歳を過ぎた自分たちが、ちょっと大人びたバージョンでリアレンジしてみました。
又吉:ぜひ聴き比べて楽しんで欲しいですね。
――長年この4人でセッションをしていると、その日のお互いのコンディションが何となくわかったりするものですか。
宮原:コンディションとまでは行かないですけど、誰かがこういうフレーズを弾いたらこういう展開になっていくだろうなっていうのはわかってきたりしますね。結構、雑な球を投げてもみんな打ち返せるんですよ。急にテンポを変えたりしても、ついてきてくれるっていう信頼感があります。
柳下:例えばギターソロのタイミングとかって明確な合図があるわけではないけど空気でそれを掴み取るようなイメージです。次の主導権を誰が握るのかっていうのを探るような瞬間がある。セッションはお互いを読み合うことの積み重ねです。
宮原:それを4人でバランス良くやれるのは、この15年の賜物かもしれないですね。
――バンドを組む前からの友人関係であることもSPECIAL OTHERSを語る上で大事なことですね。
宮原:そうかもしれないですね。高校時代から一緒に遊んでいる仲間だから、相手のことがわかる。それは楽器を演奏する上ですごく大事なことだと思います。
柳下:昔はドライブする時も、車内で聴くために作ったミックステープや誰かが持ってきたC Dを流しながら出かけていたから、そうやって色んな音楽を共有してきました。メロコアからミクスチャーバンドに興味を持って、そこからジャズやレゲエのエッセンスが入ったルーツミュージックを辿って行って。
宮原:G.LOVE & SPECIAL SAUCEとPhish、このふたつのバンドとの出会いは大きかったですね。
柳下:そうやって色んなジャンルの変遷がありながら、自分たちの音楽スタイルを確立したんです。
――音楽と共に人生を重ねていくことへの期待や理想は、どのようにありますか。
宮原:自分たちのスタジオが欲しいですね。昔は手の届かなかった機材も今では安く手に入ったりしますし、セルフ・レコーディングができるようになったら最高です。
芹澤:こんな夢みたいな生活をずっと続けていけるなら、人生になんの後悔もないなって思います。欲を言えば海外の人たちにもっと聞いてもらえるようになったら最高だなって思っています。
――6月に行われるビルボードライブ公演ですが、意気込みはいかがですか。どんな内容になりそうですか。
又吉:デビューから15年が経って自分たちで一番成長を感じる部分は、音の強弱の付け方や、そのダイナミクス。ビルボードライブの会場では、よりそれを感じ取ってもらえると思います。2ステージともに内容を変えてお届けします。
芹澤:ビルボードは憧れのアーティストがたくさん出ているめちゃくちゃ好きな場所なので、楽しい演奏になると思います。俺らもビルボードも15周年ということなんで華やかでみんな笑顔になる空間を作ることができたら最高ですね!
リリース情報
『Anniversary』
- 2022.06.08 RELEASE
- CD+DVD / ¥6,380(税込)
- CD / ¥3,300(税込)
- SPEEDSTAR RECORDS
公演情報
SPECIAL OTHERS & Billboard Live 15周年記念Tour 2022
ビルボードライブ東京:2022/6/11(土)
1st Stage Open 15:30 Start 16:30
2nd Stage Open 18:30 Start 19:30
>>公演詳細はこちら
ビルボードライブ大阪:2022/6/18(土)
1st Stage Open 15:30 Start 16:30
2nd Stage Open 18:30 Start 19:30
>>公演詳細はこちら
関連リンク
SPECIAL OTHERS オフィシャルサイト
Billboard Live オフィシャルサイト
Text:上野三樹
Photo:箱島崇史
Anniversary
2022/06/08 RELEASE
VICL-65655 ¥ 3,300(税込)
Disc01
- 01.Spark joy
- 02.Happy
- 03.THE IDOL
- 04.Yagi & Ryota 2
- 05.Timelapse
- 06.Flowers
- 07.DECO
- 08.Anniversary
- 09.NEW WORLD
- 10.WAGON
- 11.Session 317
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