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THE ALFEE『天地創造』2年ぶりの有観客ライブ後初インタビュー
昨年末、日本武道館と大阪城ホールにて約2年ぶりの有観客ライブ【THE ALFEE 2021 Winter Baby, Come Back!】を開催したTHE ALFEE。
今回のインタビューでは、桜井賢、坂崎幸之助、高見沢俊彦の3人揃い踏みで同公演について(ライブが何度中止になっても準備し続けた日々、2年ぶりの有観客ライブ実現、劇的に響いた「星空のディスタンス」など)がっつり振り返りつつ、最高傑作『天地創造』に込めた想いや、この新作を待ち侘びてくれたファンとの関係性についても語ってもらった。ぜひご覧頂きたい。
自分なりにレジスタンスを感じましたね。本当に厳しい2年間でした。
--約2年ぶりの有観客ライブ【THE ALFEE 2021 Winter Baby, Come Back!】に至るまでの2年間は、今振り返るとどんな日々だったなと思いますか?
高見沢俊彦:すべてにおいてキツかったですね。コロナ禍によって、長年続けてきたライブも出来なくなってしまったし、ツアーも4回中止になったり、ホントにいろんな面で厳しかったです。それまで当たり前だった、ライブで体を作っていくことも出来なくなったし、この2年間でライブが自分たちにとって、非常に大切で貴重なモノであったんだなと痛感しました。そのライブが「不要不急」と言われてしまったことにも、自分なりにレジスタンスを感じましたね。本当に厳しい2年間でした。--48年間も活動し続けていれば、これまでも様々な逆境もあったと思うんです。そんなTHE ALFEEの歴史の中でこの2年間の厳しさをランク付けするとしたら……
高見沢俊彦:1位じゃない? デビュー当時も上手くいかなかったけど、それは自分たちにも問題あったからね(笑)。 坂崎幸之助:ライブできない要因というのがさ、今回は自分たちだけの責任じゃないというか、僕らの力だけではどうにもならない、世界的なパンデミックという初めての経験でしたからね。 高見沢俊彦:SF映画で、ウイルスが世界中に蔓延して、大変なことになるって物語があったけど、そういうことが現実に起きちゃったわけだからね。これにはマジに驚きましたよ。 桜井賢:俺もキツかった。普段ライブしか仕事をしていないんで…… 高見沢俊彦:そんなことはないだろ(笑)。 桜井賢:ふたりはラジオやテレビの仕事があるけど、俺はライブしかやっていないので、そのライブを奪われちゃうと何もやることがないんですよ(笑)。ただ、僕らの大きな仕事として、ライブと新曲制作という二本柱があって、ライブは出来なくても、スタジオに入って新曲を作ることは出来るものですから、やり方はコロナ禍以前とは変わりましたけど、それが出来るだけでもまだ幸せでしたね。でも、自分の生活リズムは大幅に崩されてしまったけど、改めて2700本以上のライブをやってこれたことは誇りに思うし、ライブの大切さをつくづく感じました。無観客ライブは何回かやりましたけど、あれは何度もやるものじゃない(笑)。どれだけライブでお客さんからパワーをもらっていたのか……改めて気づきましたね。 坂崎幸之助:今までの逆境は何とか3人で力を合わせて回避したり、乗り越えたり、それを逆手に取ったりしてきたけど、今回のコロナ禍だけはね、どうにも出来ないから、「待つしかない」と。それこそ世界中の人たちと一緒に収束を待つ以外になかったですね。 高見沢俊彦:それしかなかったね。今はネット社会ですから、世界中の情報が共有できるじゃないですか。だからニュースが日々更新される中で、これは大変なことが起きてると思いました。それから音楽も自粛せざるを得ない状況になって、歌う自由すら制限されてしまった。仕方ないこととはいえ、これほどツラいことはなかったですね。当然、県を跨ぐコンサートツアーも自粛しなきゃいけなかった。そんなことは今まで一度もなかったからね。 桜井賢:この2年間は、実家に帰ろうとしても「あの人、東京から来たのよね」と近所に騒ぎ立てられちゃうらしいし、大変だよな。 坂崎幸之助:同調圧力ってやつだよね。人間って難しいなと思いましたよ。 高見沢俊彦:でも、あらためて、この国の人は凄いって思ったな。ほんの一部の人がルールを破っちゃうことはあったけど、大体の国民はみんなで何とかしようとしてきたじゃない? そういう「人に迷惑をかけない」という日本人の良さも再確認できたよね。コロナ禍1年目なんてさ、用事があって車で銀座に行ったら、あの銀座が廃墟のようでさ。四丁目の交差点に人がいないんだよ。まるで『バイオハザード』のワンシーンみたいだったから、思わず車降りて写真撮っちゃったよ(笑)。 坂崎幸之助:僕は『東京そぞろ歩き 浅草2020』という浅草の写真集を出したんですけど、4月、5月ぐらいに撮影したんですよ。本当に人がいなかったもんね。仲見世にひとりふたり歩いていたぐらいで、お店もシャッターを下ろしていましたから。あんなに浅草から人がいなくなることって、もうこの先ないと思うんですよ。--僕は昨年末の日本武道館公演を取材させて頂いたんですけど、そういう未曾有の事態を経てファンの方々が集まって、みんな笑顔でいるという奇跡みたいな光景を目の当たりにして感激しました。約2年ぶりの有観客ライブ、皆さんはどんな感慨を持たれましたか?
THE ALFEE「ライブステージこそ不要不急ではない!」2年ぶりの有観客ライブ実現! 再び武道館に轟いた「星空のディスタンス」ファン感涙
高見沢俊彦:「みんながそこにいる」という気配を感じ取ることができて……声を出せなくてもそこに居てくれるということは、ミュージシャンにとって、それだけで大きなエネルギーになるんだなって痛感しました。それを感じる為に音楽をやっていると言っても過言じゃないですね。お客さんは本来の半分しか入れられなかったけど、みんなが立ち上がって拍手してくれている光景を見たら、そんなに少なく感じなかった。皆さんも待ち続けてくれていたわけじゃないですか。そういう想いは、声を出せなくても感じるものですね。ちょっとした超能力者になったような気分だった(笑)。それを僕らは長年浴びてきたわけだけど、2年ぶりに日本武道館と大阪城ホールで再び感じ取れたことは……本当に嬉しかったです。- ブレーキがかからなくなるのは、そこにお客さんがいるからだよな
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リリース情報
天地創造
- 2022/02/23
- 初回限定盤A[TYCT-69230(CD)]
- 定価:4,400円(tax in.)
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関連リンク
Interviewer:平賀哲雄
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