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東京女子流 『Liar / W.M.A.D』インタビュー
アイドルファン注目の対決を前に、女子流が初登場!
2010年のデビュー以来、ハイセンスな楽曲クオリティが音楽マニアからも注目され、他のユニットとは一線を画した人気を誇ってきた。あの宇多丸や小西康陽も絶賛するサウンドは、初夏リリースの1stアルバム『鼓動の秘密』で確固たる評価へ……。今、最も注目すべきガールズユニット 東京女子流が初登場! 大人な一面を覗かせる最新作から、目前に控えた ももクロとの対決まで。5人に訊いてきました。
ももクロは強かったけど、横浜BLITZは譲れない!
--東京女子流は、ここにきて人気や認知度が飛躍的に上がっています。
山邊未夢(みゆ):今年の夏を過ぎた辺りから、街で声をかけられたりする機会が多くなってきたと思います。
小西彩乃(あぁちゃん):前に、ゆりとふたりで新大阪の駅で新幹線を降りたら、「あれ……女子流じゃない?」とか話してるのが聞こえたことがあって。でも、その時は証明写真を撮らなきゃいけなかったので、すぐにその場を離れたんです。
で、スピード写真で撮影して出てきたら、その人たちがまだ待っていてくれたみたいで、こっちをずっと見てくれていたので、ちゃんとに挨拶した方がいいかなって思って顔を向けたら、「じょ、女子流ちゃんですよね!? 頑張って下さい!」って声をかけてくれました。嬉しかったです!
中江友梨(ゆり):名古屋駅に5人でいた時も、高校生の男性の方がやってきて、「TOKYO GIRLS STYLEの方ですか?」って。
--なんで英語なんですかね?(笑)
庄司芽生(めい):めいは山形から通っているので、新幹線に乗って移動しているんですけど、最近イベントに来て下さった方と同じ車両に乗ってたんですよ! しかも、通路を歩いている時にすれ違って目が合っちゃったので、会釈をしたら相手の方も驚かれて(笑)。でも、東北から関東のイベントに来てくれていることが嬉しかったです。
--また、中でも音楽的な評価がズバ抜けている所も女子流の特徴です。
みゆ:レコーディングの時に曲をもらうと、毎回「良い曲を頂いてるんだなぁ」って実感します。だからこそ、私たち5人も持っている力を全部出し切って、歌ったり踊ったりパフォーマンスをしたいなって思います。
--制作陣には、編曲を手掛ける松井寛さんをはじめ、音楽ファンにはタマラない布陣が揃っています。皆さんは東京女子流の楽曲を、どんな音楽だと認識していますか?
新井ひとみ(ひーちゃん):良い感じの……ロック?(笑) 最近はバンドを取り入れてますよね。バンドと女子流の歌を組み合わせた、かっこいい感じというか。
あぁちゃん:最近、恋愛系の歌が多くなってきたんです。前作『Limited addiction』は好きな気持ちを伝える感じの曲だったし、今回の『Liar』は失恋ソングになってたり……。大人になった女子流が多いんじゃないかなって。
--女子流は年齢非公開となっていますが、確かに歌詞の世界観は若干大人ですよね。
みゆ:共感できる歌詞もあるんですけど、分からない言葉とかもあったりするので、自分で調べたりディレクターさんに訊いたりしています。ひとみの歌うパートが一番難しい言葉が多いと思うので、大変だと思います。
ひーちゃん:頭がぐるぐるしちゃう……(笑)。
みゆ:だからレコーディングの時は、想像しながら歌ったりしています。
あぁちゃん:ちゃんとした答えを探すんじゃなくて、自分の答えをそのまま素直に……。感情をそのまま歌にしています。
ひーちゃん:歌詞カードを見ていると、「あぁ……、そういうことなんだなぁー」って(笑)。悲しい曲だとちょっと涙目になったりしますね。
--また、女子流のライブは、激しく踊りながら歌うパフォーマンスが見所のひとつだと思うのですが、あそこまで踊りながら歌うのは大変なのでは?
ゆり:何曲も激しい歌をうたっていると、息が切れてきたりするんですけど、そこは腹筋とかして体力を作っていかなきゃって。
みゆ:そういう毎日があるから、デビュー当時に比べたら、歌もダンスもレベルアップしていってるんじゃないかなーって思います。
--ももいろクローバーZを相手に、腕相撲で5連勝しちゃうくらいの体力もついたと。
ひーちゃん:ももクロさんは強かったんですけど、「横浜BLITZは譲れない!」っていう気持ちがあったので……
あぁちゃん:私はじゃんけんで負けちゃって最後に勝負することになったんですけど、あのプレッシャーはヤバかったです! だって、最初は1点ずつだったのに最後に15点とか、いきなり逆転可能になって……。「いや、無理でしょ!?」って(笑)。
--とはいえ勝てた訳ですから、日頃のダンスレッスンで鍛えられたパワーが出た?
ゆり:ライブの時って、いつも左手でマイクを持っているじゃないですか。『Attack Hyper Beat POP』とか、ライブでは振り付けで手を凄い勢いで回すから、右腕に凄い筋肉が付いちゃって、もうイヤなんです!(笑)
めいてぃん:ムキッとマッチョマン!
Interviewer:杉岡祐樹
衝撃の『Liar』MV撮影は、とにかく大変だった?
--10月には銀河劇場で初のホールコンサートを開催しましたが、このステージでは生バンドの演奏で歌う演出もありましたね。
ゆり:本当に凄く嬉しかったです! 女子流も負けちゃうくらい、バンドさんの迫力が凄くて楽しかったです。
みゆ:そんな中にも苦労したことがあって、バンドさんと合わせるリハが前日だけ、それも数時間しかとれなかったんです。最初は不安もあったんですけど、練習していくうちに演奏とも合うようになってきたので、本番は頑張れるかなって思いました。
ひーちゃん:それに、いつもの音源とは違うから、自分たちの歌が聴こえ難かったです。歌いながら、「ちゃんとお客さんに聴こえてるのかな?」って思ったりしたんですけど、スタッフさんが「大丈夫、やっておいで!」って言ってくれたので、精一杯やれたと思います。
--そして、11月23日にはニューシングル『Liar / W.M.A.D』をリリースしますが、『Liar』はバックのサウンドが強烈な1曲になりました。
あぁちゃん:歌は低音と高音の幅が広いし、ファルセットも使うので、レコーディングで苦戦しました。
--あぁちゃんはライブでもAメロの低音パートを歌っていますが、あれは難しいですよね。
あぁちゃん:銀河劇場の1回目のライブで初めて歌った時に気付いたんですけど、踊りながらの低音を歌うのって本当に難しいんです! そこで気付けたので2回目の公演はもうちょっと上手く歌えたんですけど、けっこう大変でした。
みゆ:私はサビの“愛なら何度でも” “恋なら何度でも”って所をひとりで歌っているんですけど、私は歌っていると声がオカマっぽくになっちゃうクセがあるんです(笑)。そのクセが出ないようにディレクターさんと30分くらい練習して、一回は直ったんですけど、ブースに入って歌うとまた元に戻っちゃうんです(笑)。
あぁちゃん:これ、CDだと分からないと思うんですけど、ライブで聴くとすぐ分かりますよ(笑)。
--ということは、このインタビューを読んだ方は、これからリーダー(=みゆ)が歌うパートはより注意して聴くようになりそうですよね。
ゆり:私は“サヨナラ サヨナラ~♪”って地声から裏声に変わる所がレコーディングでは難しくて……
ひーちゃん:ゆりはそこ歌ってないよー。
ゆり:あれ……、あ、間違えた!
みゆ:ビデオクリップ撮影の時も、ゆりはそこを歌ってたよね(笑)。
ゆり:(焦りながら)えっと……、あの、歌詞見ていいですか? えっと……、そうだ、“見つけられるの だから♪”って所があるんだよ?
ひーちゃん:“だよ?”って!(笑)
ゆり:あぁ! “でした”です! あの……、そこのパートは上を向く振付で歌うので、喉がウッてなっちゃうんですよ。キレイに歌うのは難しいですね。
--……でも、レコーディングの時は踊らないですよね?
ゆり:あ、もちろん踊らないです!
(ひーちゃんとみゆが爆笑)
--また、『Liar』ではミュージックビデオも撮影していますが、今回の映像は衝撃的ですね。
みゆ:今回のビデオクリップ撮影は、初めてのことが本当に多くて、緊張する部分もあったんですけど、撮影の時は“次は何をやるんだろう?”ってワクワクした気持ちでした。
ひーちゃん:『Limited addiction』に続いてウサギが登場してますし。
--何と言っても、リーダーとめいさんのキスシーンがありますからね。
めいてぃん:最初は照れ臭くて笑っちゃって……
あぁちゃん:何回もやってたよね?(笑)
めいてぃん:角度とかが難しいんですよ! ダンスの先生から注意されたのは、「やらされてる感が出ないように、自分から自然に行けるように」ってことだったんですけど、そんなの分からないじゃないですか!(笑) だから何となく「こんな感じなのかな~?」って想像して撮影に臨みました。
--他にも、スカートを剥ぎ取るシーンや、黒い口紅を塗って佇むシーンなど、驚く映像が満載です。
あぁちゃん:あの口紅は、すぐに歯とか色んな所に付いちゃうので、笑うとちょっと怖いんです(笑)。だからみんな口を閉じてたし、撮影を待っている時もずっと無表情でした。
みゆ:あと、いつもと違って今回は、アップの撮影の時に、歌詞に合った振りを即興で考えて撮影しなきゃいけなかったんです。ぶっつけ本番みたいな感じだったんですけど、案外上手くできてるんじゃないかなーって!(笑)
Interviewer:杉岡祐樹
11.22 因縁の対決 狙うのはもちろん……?
--また、本作は『W.M.A.D』もタイトル曲となっていますが、女子流はシングルでも本当に良い曲、聴き応えのある楽曲を揃えてきますよね。
めいてぃん:ありがとうございます。もう、そんな風に言ってもらえることが嬉しいです! ……でも、確かにこの曲って、歌詞もタイトルも面白い曲ですよね?
ひーちゃん:「ピーターパン」に出てくるウェンディのフルネーム(ウェンディ・モイラー・アンジェラ・ダーリング)の頭文字がタイトルになっているんですけど、ピーターパンって飛ぶじゃないですか? 最初はこのタイトルになるなんて予想されてなかったのに、その時からこの曲のダンスの中には、飛んでいるような動きがあったんですよ。『W.M.A.D』はライブでも盛り上がりやすいので、お客さんと一緒に楽しめる曲だと思います。
--歌詞に関しては、年齢的にも『W.M.A.D』の方が共感しやすいのでは?
あぁちゃん:そうですね。『W.M.A.D』の方が、私たちでも理解しやすいというか。元気だし明るい感じだから、覚えやすかった部分はありますね。
ひーちゃん:この曲の歌詞は、女の子が男の子のことを歌っているような感じで、大人になると一緒にいられなくなっちゃうから“大人になりたくない”って思っているのかなって。
--因みに、皆さんにも“大人になりたくない”って気持ちはありますか?
ひーちゃん&あぁちゃん:なりたいです。
みゆ&ゆり&めいてぃん:なりたくないです。
--分かれましたね。
めいてぃん:もちろん大人になりたい気持ちもあるけど、今はもうちょっとこのままでいたいなーって(笑)。
みゆ:大人になったら楽しいことっていっぱいあると思うし、子供でも辛いことはたくさんあるんですけど、今この瞬間が楽しいので、ここで時が止まって欲しいですね!
ゆり:でも、大人には自由な感じがあるよね?
ひーちゃん:自由がありそう……
--今まったく自由が無いかのよう(笑)。
あぁちゃん:自由っていうか、周りの人たちから「○○をやりなさい」って言われることがなくなるじゃないですか。それに、例えば独り暮らしをしたとしますよね? そうすれば好きな時にお友達を呼んだり、お話したりできるから、それは憧れますね。
--ひーちゃんもその辺の悩みが多いですか?
ひーちゃん:んー、まあ……(含み笑い)
ゆり:ひとみはそれより勉強! テストがね?
ひーちゃん:大人になったら、あんまり勉強しないですよね?(笑) テストも無いだろうし……。それに今は地元から東京に通ってるけど、こっちにいたらこっちの学校に通えるし、放課後にお買物とか行けたりするのかなぁー、なんて。
--では、シングル『Liar / W.M.A.D』は皆さんにとって、どのような1枚になったと思いますか?
ゆり:『Liar』はかっこいい、『W.M.A.D』はパワフルと、それぞれ特徴のある2曲が入っていると思います。それに『Liar』のミュージックビデオは、ファンの方が見ても衝撃の映像だと思うんです。みんな怖いし、何か黒い液体が出てるし(笑)。今までに見たことのない女子流を見られるかと。『W.M.A.D』は、ライブでも一番といえるかもしれないくらい、女子流の中ではお客さんが盛り上がれる楽しい曲なので、このCDは絶対買った方がいいと思います!(笑)
あぁちゃん:一言でいうと、ちょっと大人な女子流! やっぱり『Liar』の方が大人なんですけど、『W.M.A.D』も歌詞の中に大人な言葉や表現が入ってるんですよ。……普段、あんまり“まなざし”とか言わないじゃないですか(笑)。あんまり聞いたことの無い言葉が入っていて、背伸びした感じだから、ちょっと大人かなって。
--そして、リリース前日の11月22日には、横浜BLITZで ももいろクローバーZとの対決が待っています。彼女たちも女子流と同じ日に、シングル『労働讃歌』をリリースする訳ですが、百田夏菜子さんは「1位を獲る!」と豪語してましたよ?
5人:えーっ!? 凄い……
ひーちゃん:ももクロさんの歌は、盛り上がりやすい曲が多いですよね? ももクロさんのファンの方は盛り上がりたいと思うんですけど、女子流は聴かせる曲が多いので、聴いてもらいつつ盛り上がってくれると嬉しいです。
あぁちゃん:普段はゆるゆるした感じの女子流ですけど、ステージでは切り換えて勝負するので、ももクロさんのファンの方も圧倒できるような一日にしたいです。
--狙うは完全勝利、ですね?
5人:はい!
Interviewer:杉岡祐樹
Liar/W.M.A.D
2011/11/23 RELEASE
AVCD-48239 ¥ 1,100(税込)
Disc01
- 01.Liar
- 02.W.M.A.D
- 03.Liar -Royal Mirrorball Mix-
- 04.Liar (Instrumental)
- 05.W.M.A.D (Instrumental)
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