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中川翔子 『涙の種、笑顔の花』 インタビュー
中川翔子 「グレンラガン」シリーズを締め括る感動の大作!
テレビシリーズから昨年秋に公開された劇場版第1弾「紅蓮篇」まで。「グレンラガン」シリーズの主題歌を担当してきたしょこたんが、その完結編となる「天元突破グレンラガン 螺巌篇」主題歌を遂にリリース! 春よりスタートした全国ツアーなど、近況を交えつつ色々訊いてきました。特に「魔法の天使 クリィミーマミ」のキャラソング、『ミルキィkiss』の件で見せる強烈な愛情は必見!
余裕を残して100回いったので150回はいけますね
--遂に【中川翔子マジカルツアー2009 ~WELCOME TO THE SHOKO★LAND~】がスタートしました。かなり忙しい日々を過ごしているのでは?
中川翔子:でも趣味も充実してるというか、毎日リフレッシュしながらなので、良い感じです(笑)。やっぱりツアーが始まったことで楽しい気持ちが大きいんです。しかも今回はステージでしたいことやセットリストについて色々意見を言ったり、衣装も自分で描いたりしたんです。でも練習していたら大きく衣装が変わったり、セットリストが入れ替わっちゃったりもして、それが本番の4日前だったりもして大変でした(苦笑)。でも、そのお陰で内容もスリムになりより良いものになりました!
初日は殆どファンクラブの方ということもあってか、8割がコスプレしていて私服が浮くという状況だったんですけど(笑)、1年前に約束した「次逢う時まで怪我しない病気しない死なないで、貪欲にまた逢おうね!」ってこと。時間が経ったから忘れちゃったかな、って思ってたんですけど、ますますヒートアップしていて凄まじかったですね。去年も来てくれた友達が「変さが増した!」って(笑)。
--また、先日「しょこたん ぶろぐ」では1日100回更新という記録を樹立しましたね。
中川翔子:何かそんな意識も無く、会場に来てくれたみんなの写真が面白いから、どんどん載せてたらそんな感じになってて。全然余裕を残して100回いったので、150回はいけますね、普通に(笑)。
--因みに今、逢ってみたい方っています?
中川翔子:漫画家の浜岡賢次さんに逢って対談してみたいです。浜岡さんの漫画が無かったら私の人生は無かったし、ブルース・リーを好きになったきっかけが「浦安鉄筋家族」で、その元ネタを探そうと調べて色々なものを好きになっていったので、全ての原点です。
--今、趣味も含めて色んなことが実現できている?
中川翔子:ペットも増えたし、イラストを描くのも「pixiv(ピクシブ)」に投稿しているんですけど、この間、デイリーランキングで200位くらいに入ったんですよ(笑)。この前も線画を書いて載せたら、みんなが色を載せてくれたりもして、「何ていう未来のツールなんだ!」と。Xbox360で「ストリートファイターIV」の対戦をするのも毎晩の楽しみだし、インターネットが無いと死んじゃうなって改めて思います。
--ブログも含め、ネットでのファンとの交流も楽しい?
中川翔子:インターネットがあってダイレクトに話せると、コンサートがまた楽しくなっていくのが嬉しいですよね。だから携帯が圏外になると本当に不安になるんですよ。ブログを更新することでストレスをひとつ解消している所もあるので、更新が多い時は焦っている時です(笑)。それにブログを更新することでみんなと繋がれてるんだなあって、改めて大事だと思います。もうレベル24目前なんですけど、この歳になってやっと気付くことが毎日あって、それはコンサートの時が一番多いですね。
--確かにコンサートをしている時が一番活き活きしてますよね。
中川翔子:今回は「マジカル」がテーマなんですけど、願望が全部、魔法で叶っちゃってる感じがしますね。それに『snow tears』とかも今までは難しくてどう声を出していいか分からなかったんですけど、心境の変化か、楽しく歌えているのが不思議です。アルバム『Magic Time』の時、全国ツアーを経験したことで、ライブを意識した意見を言えたりしたことも大きいと思うんですよ。
Interviewer:杉岡祐樹
最後の「ここにいるから」で少し笑顔になっていたい
--4月29日にニューシングル『涙の種、笑顔の花』をリリースしますが、「天元突破グレンラガン」シリーズの主題歌もこれで最後になります。
中川翔子:『空色デイズ』から始まって『happily ever after』、『続く世界』と続いたロックに出逢えたのが本当に嬉しくて。「このまま時が止まっちゃえばいいのに!」って思うくらい、歌うことも大好きになったし勇気も貰いました。
今回はレコーディングに16時間くらいかかったし、歌詞も13バージョン目でようやく最終決定になったり。スタッフも一丸となって、朝の6時半になっても誰も帰らないとか、凄く楽しかったですね。やっぱり最後っていうこともあって、凄く特別な曲です。『空色デイズ』もですけど、ライブで歌う度に色んな意味や色が見えてきたり。
--思えば『空色デイズ』の頃は「ロックが分からない」と話してましたよね。
中川翔子:まだ右も左も分かってないんですけど、担当の方に言われたのが、「中川はグレンラガンのシモンみたいだな」って(笑)。『空色デイズ』の頃は「どうしたらいいんだろう!? ヒーッ、すいませんすいません!」みたいな感じだったのが、「こうしたいです!」って。「俺はシモンだ! 穴掘りシモンだ!」みたいな感じで、「言わなきゃいけない!」って思えるようになったのは大きな違いで。
今回は初めてトラックダウン作業にも立ち会ったんですけど、その作業ひとつで曲が全然変わるんだと気付きました。あと、ヒット祈願にチームで九頭龍神社に行ってきた時、通っている人しかもらえないお清めされたお米を幸運にももらえたので、現場に炊飯器を持っていって「同じ釜の飯を食った仲」になりました(笑)。
--結果、関わる方々のエネルギーも強く感じる作品になりましたよね。
中川翔子:みんな言わないんだけど想いはひとつっていう環境があったので、レコーディングも長くなってきて疲れてるんですけど、それも心地良い疲れというか、学園祭前夜のあの感じ。青春時代にそういうことがなかったので、嬉しかったですね、みんなでひとつのものを作るって。
--人気アニメの完結編だけに、そのエネルギーに負けない楽曲を、というプレッシャーもありましたか?
中川翔子:いちファンとしてもグレンラガンが大好きだし、前回の『続く世界』の時、曲に合わせて絵を描いてくれたことが嬉しくて泣いてしまったんですけど、今回も曲に合わせて絵を描いて下さるってことなので、凄く楽しみです。アニソンの文化がある日本に生まれて良かったっていつも思うんですけど、アニメと共に時を超えていつまでも残りますよね。また、劇場で流れるのはアレンジが違うんですけど、それで雰囲気も全然変わってくるんですよね。
--作詞は今回もmeg rockさんが担当しています。
中川翔子:「朝も昼も夜も 見つけながら 迷いながら 僕らは約束の場所へ急ぐ」って歌詞が凄く好きなんです。あと、「ここにいるから」っていう歌詞もキーワードで、一番最後の「ここにいるから」で少し笑顔になっていたいなって。最初は全部強く歌っちゃってたんですけど、この場所だけに何時間も使って録り直したりしました。
グレンラガンは本当に空の色が綺麗なアニメで、朝も夕闇も宇宙も銀河も全部綺麗だったんで、そういう色んな場面。聴く人の時間のタイミングとか気持ちとかでも色が変わっていく歌になったと思います。この曲を聴いて色んな空の色を想像してもらいたいです。正に見つけながら迷いながらって感じなんですけど、これでグレンラガンの絵にバシッと合うに違いない! って信じてます。
--そしてカップリングの『午前六時』はryoさんが手がけた楽曲です。
中川翔子:光栄なことに、ryoさんは人間をプロデュースするのが初めてだったらしくて。この曲は最初にryoさんが仮歌を初音ミクで作ってきたんですけど、ryoさんが作っただけあって、既に完成してました。それをニコニコにアップしたいくらい(笑)。
曲は凄い胸キュンソングですよね。別冊マーガレットで連載されていそうな少女漫画のイメージです。胸が切なくなって走り出す女の子の絵が見えたので、想像しながら歌えて楽しかったです。これもA面で良いのに! って思っちゃうくらい好きな曲だし、カラオケで歌っても楽しいです。
Interviewer:杉岡祐樹
2次元の神がクリィミーマミです!
--[CD+DVD]と[CD only]に収録の『ミルキィkiss』では、meg rockさんと共にしょこたんが作詞を担当しています。
中川翔子:テレビ東京系「しょこリータ」って番組で勝手にキャラソンを作る企画があったんですよ、「ドラゴンボール」のナッパとか「最強伝説 黒沢」とか(笑)。そこでなんとスタジオピエロさんの公認で、「魔法の天使 クリィミーマミ」のキャラソングを作って良いと許可して頂けるミラクルが起きて。本当に私は「クリィミーマミ」が大好きなんですけど、80年代でアイドルで魔法で、もう完璧なんです! 3次元のネ申が松田聖子さんで、2次元のネ申がクリィミーマミです!
作詞はする度に恥ずかしくて全部消しちゃうんですけど、今回は(大伴)俊夫に対する(森沢)優ちゃんの想いをマミちゃんが歌うイメージで、楽しくノリノリで書いちゃいました。大人っぽいデートをしてみたいけど妄想しているのは、これだけ溜めて「kiss」だったりとか(笑)。OVAで中学生になった優ちゃんが俊夫とキスして終わるのがあるんですね、「ちょっと大人になっちゃって良いのかな」って瞳で。だから“いつか叶う”をテーマにしようと。
でも、1番で完成しちゃったので、2番以降が書けなくなっちゃって、meg rockちゃんと何回か合宿をしたんですけど、クリィミーマミを観ながら合宿してると眠くなっちゃうんですよ!(笑) 寝てないフリして「難しいね」とか言ってたら3時間くらい経ってたんですけど、朝方に真っ赤な目をしたmegちゃんが「できたよ!」って(笑)。
--「ミントのアイス」や「レモンスカッシュ」という単語を久々に聴きました(笑)。
中川翔子:80年代といえばレモンスカッシュとかがある喫茶店ですよね! 「ロマンティック」とか「ドラマティック」も言えないですもんね、普通(笑)。クリィミーマミの最終回で、魔法を返さなければいけないから大雨の中、10万人の前で最後のコンサートをするんですけど、マミちゃんが歌う最後の「kiss」の所で10万人が倒れるイメージですね(笑)。アレンジは『空色デイズ』チームにしてもらったんですけど、困ってましたね。「元気すぎないちょっと恥ずかしい感じでお願いします!」「……分からないです」って(笑)。
--歌う上での苦労は?
中川翔子:「クリィミーマミ」の曲の良さって、太田貴子さんのキャンディーボイスなんですね! あれは絶対マネできないから、本当なら太田さんに歌って欲しかったくらいなんですよ。優ちゃんが大人っぽいデートに憧れているので、ちょっとおしとやかめに歌ってみました。
--また、本作は全部で3形態でのリリースとなります。
中川翔子:[グレンラガン盤]に収録の『空色デイズ -天元突破EDITION 螺厳篇-』は映画の一番良いシーンでかかるので、絵を思い出して泣けるバージョンなんですよ。それにニアとヨーコのコスプレ写真集が付いているので、こちらも是非見て欲しいですね。 でも『ミルキィkiss』が入ることによって、このシングルがバラバラな感じになっている所も面白いですし、カオス感を楽しんで欲しいと思います! アニメを知らない方にも楽しんで頂ける作品になっていると思います。
--[CD+DVD]には『涙の種、笑顔の花』のPVも収録されています。
中川翔子:水がキーワードなので、プールを作ってそこに横たわってみたりしたんですけど、フルCGのFINAL FANTASYみたいになってますね。CGは「MATRIX」に関わっていた方が手がけてくれたので凄くクオリティも高くて、綺麗でびっくりしました。ゲームのヒロインみたいな感じで気分的にも凄く嬉しかったです。
--では最後に、2009年の目標があったら教えて下さい。
中川翔子:堂々と不安無しにコンサートをやれる人になりたいですし、もっともっと色んな歌が欲しいと思いますね! プライベートでは友達と話してるんですけど、週刊少年ジャンプで「バクマン。」って漫画があって、原作と作画に分かれて漫画を投稿するっていうのをやろうぜって言ってて。話が考えられないので、原作を考えてもらえる方と漫画を描きたいですね。短編を仕上げるのが今年の目標です!
Interviewer:杉岡祐樹
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