Special
<CASIO×Billboard Live>相川七瀬 ニューノーマル時代でも変わらないもの
「すべての人に音楽を奏でる喜びを」という想いから、新しい生活スタイルに寄り添う電子楽器を展開するCASIOがBillboard Liveとコラボレーション。Billboard Liveの出演者にリレー形式で「音楽の楽しみ方」を語ってもらう。
昨年デビュー25周年を迎え、そのキャリアを総括するような大規模なライブを成功させたシンガーの相川七瀬。長引くコロナ禍の中で、日常や仕事のあり方はどのように変化したのだろうか。自分の中に軸を持ち、心をフラットに保つ秘訣などを伺いつつ、2月12日から東名阪で開催される【相川七瀬 LIVE TOUR 2022 ~Rainbow Tears~】への意気込みなどを語ってもらった。
――長引くコロナ禍の中、相川さんの日常や仕事のあり方はどのように変化しましたか?
相川七瀬:家にいることが多くなったので、その空間を単に「休むだけの場所」から「暮らす場所」として整えるようになってきましたね。自由な時間も増えたので、これまで気になっていたけど直していなかった部屋のトビラを直したり、「塗り直したいんだよな」と思いつつそのままにしていた壁を塗り直したり、放置していた庭の芝生を張り替えたり。家に愛情と手間隙をかけるようになりました。
――暮らし全般を見直したのですね。
相川:今まで外に出ていくことで「刺激」をもらっていたつもりでしたが、実は家の中にだって刺激の素やインスパイアの源がいっぱいあることに気づいたんです。家でも子供たちと楽しくいられましたし、私自身も今、学生をやっているので、家から社会につながっているということを日々実感していてすごくポジティブな気持ちでいます。コロナ禍はまだ続いていますし予断の許さない状況ではありますが、決して悪いことばかりでもなかったと今のところは思っています。
それはきっと、普段から「自然」に触れるようにしていたのも大きいのかなと。例えば野菜を育てたり、季節の花を栽培したり。それはすごく良い効果を自分にもたらしていたと思います。自然の大切さを今まで以上に感じることができた時期でしたし、それは心のバランスを保つ上でも重要だったと思っていますね。
――ずっと家にいると朝昼晩の区別がつかなくなったり、季節の移ろいすら気づかなくなったりしてしまいますよね。
相川:カーテンを開けているか閉めているかだけでも、見える世界は全く違いますしね。そういえば、散歩もすごくたくさんするようになりました。緊急事態宣言中はジムにも通えなくなってしまったので、家族みんなで有酸素運動をしよう、と。それを習慣づけられたのはとても良かったし、家族共通の楽しみにもなりました。しかも、そうやって運動を続けていたおかげでライブをする上での「基礎体力」もついたから一石二鳥でした。「ジムへいかなければ体は鍛えられない」とか「ライブじゃなければ音楽が楽しめない」とか、そういうことではなかったんですよね。結局は自分次第というか、家の中でやれることもたくさんあることに気づいたし、もちろん外じゃないとできないことも明確になりましたね。そういう意味で、この2年は本当にいろいろな発見がありました。
――充実していたのですね。
相川:もちろん、ライブができなくなったり、他にも色々と制限がかけられたり苦しい思いもしました。ライブをやっても、お客さんにはマスクを着用してもらって声も出さないようにお願いするなど、心苦しい気持ちもありましたが、ちゃんと伝わってくるものがあるんですよね。それを言葉にすると「波動」としか言いようがないのですが(笑)。声はなくても伝わる「熱気」は確実にあるんです。そういう感覚も、25年間やってきて初めて味わいましたし、本当に貴重な経験をしているのだなとライブをやりながら思っていましたね。
ツアー情報
【相川七瀬 LIVE TOUR 2022 ~Rainbow Tears~】
- <愛知公演>
- 2022年2月12日(土)開場16:00/開演17:00
- 名古屋ReNY Limited
- <大阪公演>
- 2022年2月13日(日)1st開場14:30/開演15:30、2nd開場17:30/開演18:30
- Billboard Live OSAKA
- <東京公演>
- 2022年2月16日(水)開場18:00/開演19:00
- Shibuya DUO Music Exchange ツアー詳細はこちら
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いろんな感情の涙が虹となり
次のステップにかかっているところ
――これからの音楽は、どうなっていくのか、どうあるべきかと相川さんは思いますか?
相川:実を言うと、こんな中でも私自身はスタンスを全く変えていないんです。東日本大震災の時も、そして今回のコロナ禍でもそうですが、中心を変えず自分ができることをやっていきたいと。もし、その社会の背景や時代が音楽の中に刻まれているものだとするなら、その時感じたことをありのまま表現すればいいのかなと思うんです。これからも自分の音楽のアウトプットの方法を変えるつもりは特にないですし、それがおそらく自分のカラーになっていくのかなと。
――なるほど。
相川:このコロナ渦で、私たちアーティストは歌う場所が極端に減ってしまいました。皆さん、YouTubeでライブを配信するなど、様々なアウトプットの方法を模索していたと思います。私自身はこのコロナ渦、歌うことより「しゃべる」ことを意識してたくさん配信してきました。ファンの皆さんに自分の思っていることを語ることから、音楽への想像力というか力が湧いてくる。自分の頭で考えたことを口に出してみると、そこから歌詞のアイデアが生まれてきたり、それが私の「歌」になっていったりするんです。それが自分のスタイルなんだと気づいたのは大きな収穫でもありました。今こうやって話していることもいつかは歌詞になって出ていくと思うし、きっとこれからもこのやり方で続けていくのかなと思っています。
――無理に変化していくのではなく、流れに身を任せるというか。
相川:そうです。一時は「無理してでも変化したほうがいいのかな」と思ったりもしたのですが、自分のスタイルに合わないことや得意ではないことをしても、きっと続かないなと思う。しかも、私は「ミュージシャン」というよりは「歌い手」なんですよ。楽器が弾ければいろんな人の曲をカヴァーしてみるとか、そういう方法もあったかもしれないけど、そういうタイプの歌手では、きっとないんですよね。
今も歌は「作ろう」と思って作るというより、自分の中に言葉がたくさん溜まってきて、そこにメロディが乗っかって1曲ずつ形になっていく感じなんですよね。言いたいことがあるからそれが曲になって完成する。若い時は言いたいことがたくさんあったけど、歳をとると考えることも多くなるから、言いたいことをまとめる時間が必要になってくるんです。
――分かります。言いたいことがあっても、それをそのまま吐き出す前に様々な角度から吟味してみる時間が必要になってきますよね。
相川:そうなんですよ。先輩のアーティストたちを見ていても、キャリアを重ねていくと少しずつリリースまでのスパンが長くなっていくじゃないですか。うちの(プロデューサーの)織田哲郎さんなんて20年かかっていますし(笑)。それもすごくよくわかるんですよね。考えることが多岐にわたるから、それをまとめるのに時間が必要なのだろうなって。だからこそ、一つ一つの作品に深みがどんどん増していくのでしょうね。
――さて、今年は【相川七瀬 LIVE TOUR 2022 ~Rainbow Tears~】が開催されます。ツアーへの意気込みを最後に聞かせてもらえますか?
相川:昨年、デビュー25周年の集大成ともいえる大きなライブをやらせていただき、ずいぶん昔の楽曲も歌うことができて、改めて「音楽っていいな」とシンプルに思ったんです。それに、歌い手として自分の心がフラットであるかがいかに重要で、それが歌にどれだけ影響を与えるかを強く感じる出来事が多かったんですよね。自分が落ち込んでいたり、揺れていたりする時って、どうしても感情がぶれてしまっていい歌は歌えない。でもこの1年はすごくフラットに自分の歌と向き合い、織田哲郎という人と歩んだ25年をじっくりと噛み締めることができたんですよね。揺れなかったからこそ、その思いをストレートに歌えたんです。
――なるほど。
相川:きっと20代の頃は恋愛などプライベートなことで揺れていたし、30代は結婚してキャリアや出産、女性としてのこれからを考えて揺れたけど、40代になってようやく「芯」がしっかりしたというか。「一生歌っていくんだ」ということも、40代になってより強く思うようになったんです。ここから先は、いい歌を歌えるよう自分をさらに磨いていきたいですね。
今回、ツアータイトルを「Rainbow Tears」にしたのは、私の中にいろんな感情の涙が今までもあって、それが虹となり次のステップにかかっているところをイメージしたからなんです。セットリストも自分の曲ばかりでなく、大好きな楽曲のカヴァーなども入れながら組んでいくつもりです。
――大阪ではBillboard Live Osakaのステージにも立つ予定ですね。
相川:学生時代の私にとってBillboard Osakaは、Hard Rock Cafeと同じくらい「聖地」でした。レベル42とか好きで憧れていました。デビュー20周年をすぎたあたりから、そんな憧れの地でライブを定期的にやらせていただくようになり、相川七瀬というシンガーを育ててもらった場所と言っても過言ではないです。お客さんは普段よりも距離が近いし、皆さん音楽を熱心に聴きにきてくださっているので、心地よい緊張感もある。何よりご飯が美味しいんですよね(笑)!
ツアー情報
【相川七瀬 LIVE TOUR 2022 ~Rainbow Tears~】
- <愛知公演>
- 2022年2月12日(土)開場16:00/開演17:00
- 名古屋ReNY Limited
- <大阪公演>
- 2022年2月13日(日)1st開場14:30/開演15:30、2nd開場17:30/開演18:30
- Billboard Live OSAKA
- <東京公演>
- 2022年2月16日(水)開場18:00/開演19:00
- Shibuya DUO Music Exchange ツアー詳細はこちら
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