Billboard JAPAN


Special

<コラム>音楽の恵みをつなげる3組の海外アーティストがついに来日、ビルボードライブへ登場



インタビュー


 海外からの波が戻ってくる。これがコロナ感染拡大の波では困るが、こちらの波は、歓迎すべき音楽の波動だ。2021年11月に来日公演を行ったキング・クリムゾンなど、海外からのアーティストのステージが本格的に復活しようとしている。数々の夏フェスも開催が見送られた夏の状況を思えば、ちょっと信じられないスピード感だけれど、国内の感染者数がおさえられていることに加えて、これまでのエンタテインメント界の感染症対策の成果も後押しをしているに違いない。


 そんな中、東京・横浜・大阪のライブ・レストラン、ビルボードライブでも、2022年のスケジュールに3組の来日アーティストがアナウンスされた。2月から3月にかけて登場するシャカタクと、4月のアル・マッケイ・オールスターズは、それぞれ東京・横浜・大阪をツアー。4月のオールマン・ベッツ・バンドは、東京・横浜のビルボードライブのステージに立つ。海外アーティストを間近に見られるのは、いわばビルボードライブの看板。長く表に出せずにいた看板だが、ついに「ビルボード」に彼らの名前が輝く日がやってくる。


column

▲Shakatak

 まず先陣を切るのは、これまでのビルボードライブでもおなじみのシャカタク。ポップなセンスでフュージョン・ファンにとどまらない人気を誇る彼らは、2020年に結成40周年を迎え、2022年は日本でも大ヒットしたアルバム『ナイト・バーズ』からも40年を迎える。特に80年代には日本のみで発表されたアルバムも多数、「ナイト・バーズ」をはじめCMやTVドラマに使われたナンバーも多く、その透明感にあふれたスタイリッシュなサウンドは「お茶の間」にも浸透した。ヴォーカル/コーラスもそのサウンドの一部として流麗に奏でるスタイルで、インストルメンタル・バンドの可能性を大きく広げた存在。40年という歳月に負けない人気が、その存在感を物語ってくれている。






column

▲The Allman Betts Band

 続くのは4月に登場するオールマン・ベッツ・バンド。公演タイトルに「plays the songs of The Allman Brothers Band and more」とあるように、かのオールマン・ブラザーズ・バンドの後継者だ。中心メンバーのデヴォン・オールマンとデュアン・ベッツは、それぞれオールマン・ブラザーズ・バンドのグレッグ・オールドマンとディッキー・ベッツの息子と、まさに「正統後継者」。2018年にデビューを果たし、すでに2ndアルバムをリリースして、先代オールマンのレガシーを受け継ぎながら、オリジナルの新たなサザン・ロックも生み出している。ちなみにオールマン・ブラザーズ・バンドの結成からは50年を越え、名ライブ盤『フィルモア・イースト・ライヴ』からも2021年で50年。半世紀にわたるサザン・ロックのヒストリーを感じるステージになりそうだ。


▲The Allman Betts Band - Pale Horse Rider (Official Music Video)





column

▲Al McKay Allstars

 そして、4月に3都市のビルボードライブをツアーするのが、アル・マッケイ・オールスターズ。リーダー/ギタリストのアル・マッケイの名前を知らなくても、彼がアース・ウィンド&ファイアー在籍時にソング・ライティングに名を連ねた「セプテンバー」を知らない音楽ファンはいないはずだ。ギタリストとしてアル・マッケイが在籍した1973年から1980年はアース・ウィンド&ファイアーの黄金時代。アル・マッケイがソング・ライティングに参加している「シング・ア・ソング」「セプテンバー」、そしてビルボードHOT 100で1位を獲得した「シャイニング・スター」や「ブギー・ワンダーランド」などのヒットを連発。現在もアースのメンバーとして活躍するフィリップ・ベイリーが加入した時期とも重なり、やはり半世紀近くにわたって愛され続ける名曲/名パフォーマンスを生み出してきた。今回のアル・マッケイ・オールスターズの公演ももちろん「plays music of Earth, Wind & Fire」。2022年版の名パフォーマンスが生まれることに期待したい。



▲Earth, Wind & Fire - September (Official HD Video)

 こうして来日する3組に共通しているのは、ある時代に生まれた音楽の恵みを、時代を越えてつなげる人たち、そんな印象だ。そのサウンドが生まれる瞬間の熱狂を体験して、そして音楽でつながることで共に時代を越えてきた、まさに「同時代」がそこにある。ビルボードライブに限らず、快適に音楽を楽しむことができるクラブ・レストラン形式の場が増えたことで、そうした体験が途切れずに来たことがあらためて思い起こされる。


 これからのライブがどんな姿になっていくのか、そして客席はどんなマナーでそれを迎えればいいのか。常にアップデイトしなくてはいけないとはいえ、現時点で最良の感染症対策をお互いに行った上での「withコロナ」のエンタテインメント。「つながること」の喜びを、しっかりと、スマートに楽しむ、そんな2022年の同時代体験がはじまろうとしている。









オールマン・ベッツ・バンド
The Allman Betts Band plays the songs of The Allman Brothers Band and more

※公演中止

ビルボードライブ横浜
2022年4月6日(水)
1stステージ 開場17:00/開演18:00
2ndステージ 開場20:00/開演21:00

ビルボードライブ東京
2022年4月7日(木)- 4月8日(金)
1stステージ 開場17:00/開演18:00
2ndステージ 開場20:00/開演21:00

※日本政府によるオミクロン株に対する水際措置の緩和見通しが立たないため、公演を中止とさせていただきます。
>>詳細はこちら(1/24更新)




アル・マッケイ・オールスターズ
plays music of アース・ウィンド&ファイアー

※公演中止

ビルボードライブ大阪
2022年4月21日(木)- 4月22日(金)
1stステージ 開場17:00/開演18:00
2ndステージ 開場20:00/開演21:00

ビルボードライブ東京
2022年4月24日(日)
1stステージ 開場15:30/開演16:30
2ndステージ 開場18:30/開演19:30

2022年4月25日(月)
1stステージ 開場17:00/開演18:00
2ndステージ 開場20:00/開演21:00

2022年4月27日(水)- 4月28日(木)
1stステージ 開場17:00/開演18:00
2ndステージ 開場20:00/開演21:00

ビルボードライブ横浜
2022年4月30日(土)- 5月1日(日)
1stステージ 開場15:30/開演16:30
2ndステージ 開場18:30/開演19:30

※日本政府によるオミクロン株に対する水際措置の緩和見通しが立たないため、公演を中止とさせていただきます。
>>詳細はこちら(1/26更新)





関連キーワード

TAG