――アルバム『Dance Dance Dance』は世界旅行をしているようなアルバムですよね。

カイ：BULLET PINKのいる空港から飛び立ちました（笑）。「CARNAVAL」もそうでしたが、今年は“世界を元気に”というテーマをずっと続けていて、その流れのままこのアルバムが完成しました。

――今回のアルバムのタイトルはどうして『Dance Dance Dance』に？

ユーキ：超特急が10周年というのもあるので「踊りあかして一緒に10周年をお祝いしよう」という気持ちと、コンセプトが“世界を元気に”ということで、「ダンスを通じて笑顔にしたい、踊ってみんな元気になろう」っていう意味も込めました。

――タカシさんは様々な言語の楽曲にチャレンジされていましたが、発音など大変ではありませんでしたか？

タカシ：大変でしたね。実際に誰かがレクチャーしてくれるわけではなかったので、デモを聴きまくったり、デモで足りない部分はGoogle翻訳で確認したりしました。

――作詞家の方もすごいなと。過去にも沢山超特急の楽曲を担当されていますが、ロマンス倶楽部さんという方は一体何者なのですか？

タカシ：やっぱりロマンス倶楽部さん気になりますよね（笑）。 実は僕たちも素性を知らないんです。超特急の楽曲を作ってくださっている謎の作家チームなんですが、本当に全てが謎なんですよね。

――そうなんですか！

タカシ：色んなジャンルに強い人たちが集まっているからロマンス“倶楽部”っていうみたいです。

タクヤ：弟子入りしたいな。

――個性的な楽曲がそろい踏みですが、ここからはみなさんの推し曲を教えてください。

カイ：僕はなんだかんだ言っても「같이 가자」が好きです。音の使い方がIZ*ONEやRed Velvetみたいな、女性K-POPアイドルっぽさを感じていて、それを超特急がYUMEKIさんの振付でバキバキに踊るというのが、個人的にすごく好きです。

――K-POPを普段から聴くカイさんも推せる1曲ということですね。

カイ：はい。K-POPっぽい雰囲気なだけではなくて、その中にも拘りがある感じが良いですよね。

タクヤ：僕は「Chill out @JP」です。

――日本がテーマの曲ですね。日本をテーマにどうしてこういった楽曲になったのですか？

タカシ：僕も「Chill out @JP」好きなんですが、我の強い楽曲が並ぶアルバムの中で、心も身体も落ち着けるようなゆったりとした楽曲も必要だということで“Moring Break”という時間を選ばれたのかなと思ってます。この曲はシティポップのテイストもある曲で昔懐かしさを感じさせながらも、最近は時代が一周して、昔のシティポップのテイストが逆に新しく感じることもあるので、色んな受け止め方ができそうですよね。

――タカシさんのソロの雰囲気を超特急に良い意味で持ち帰れているような感じもします。

タカシ：僕はとにかくひたすら曲の世界観に入り込んでいるので、必然的にそうなっているのかもしれないです。

タクヤ：今の全部タクヤが言ったことにしてください。

リョウガ：いやあなた「Chill out @JPです」としか言ってないのよ。そしたらタカシがぶんどっちゃったのよ。

タカシ：ごめん！

タクヤ：いやでもありがとう。俺は歌ってないから曲への想いはわからなかったからね。

――タクヤさんはなぜ「Chill out @JP」が好きなんですか？

タクヤ：タカシの優しい歌声とカイのセクシーな囁きのラップが良い感じにマッチして、美味しい“モーニングショット”が完成しているんです。そして、カイの体温を感じられる。

カイ：申し訳ないですけど、タクヤの頭の中で僕はタクヤのこと抱いてますから。

タクヤ：ヤッター！　でも、タカシとカイの2人の歌は本当に新鮮だし、ガヤの域を超えたというのがすごいなと思います。

カイ：アルバムだからできたというのもありますけどね。

――何曲かカイさんがラップで参加されていますが、今回もオーディション形式だったんですか？

ユーキ：今回は指名でした。

――ラップと言えばここ最近はユーキさんのイメージもありましたが、今回はカイさんが抜擢されたということですかね？

カイ：はい、有難いことに。メンバーみんなそうだと思いますけど、上手いかどうかは別にして、歌うことが好きなのでレコーディングはすごく楽しかったです。いつもガヤの声を録る時と同じスタッフさんだったし、そこまで緊張するわけでもなく、純粋に楽しんで挑めました。

タクヤ：まあ、ライブであんなに何度もミスる奴は無理ですよ。

ユーキ：おいおいおいおい、イジんなよ！ アドリブ効いた方だろ！

カイ：まあ言葉を紡ぎだした方ではあったね。

――カイさんがボーカルに入ることで、メインボーカル的にはいかがでしたか？

タカシ：僕のレコーディングの時点ではすでにカイの歌入れ後だったので、気持ちも乗りやすかったですし、完成したものを聴いた時にも引き込まれるというか、純粋に「良いな」と思いました。

――大絶賛ですね。

カイ：ありがとうございます。後で何か渡しときます（笑）。

リョウガ：僕は「Sonrisa」ですね。作曲してくださったのが南田健吾さんという方なんですが、「ソードアート・オンライン」前期のエンディング、戸松遥さんの「ユメセカイ」を手掛けた方なんです。戸松さんもよくライブで披露されてますし、あの名曲を作られた方が、クセのある異国の曲も作れるという一面を見れて、健吾さんの恐ろしさを知りました。

ユーキ：僕は「You Don’t Care」です。この曲はR&Bの曲なんですけど、僕が元々R&Bが好きで。NE-YO、クリス・ブラウン、アッシャー、リアーナとか、ダンスを始めたきっかけもR&Bというくらい。メロディーがめちゃくちゃ良いですよね。

――10年間の思い出や感慨深さってあります？

タクヤ：感慨深さというのは正直あんまりないですね…。実感がないというのもありますし、あんまり10周年というのを信じたくないのもあります。もちろん年月を重ねることはグループとして糧になることだと思いますが、いつまでも若くいたいとも思いますね（笑）。

タカシ：あっという間に10年経ってしまったという感じですね。僕個人としては、10年のうちの高校生だった3年くらいは猛スピードでした。その3年はもう無かったことになっていて、体感ではまだ7年しか経ってないです。

カイ：10周年とはいえ、2020年は無かったみたいなもんですし。

タクヤ：あの時が10年間で1番大変でした…。

一同：本当にそう！（笑）

カイ：朝7時からインスタライブしたりしてたもんね！

タカシ：インスタライブのやり方がわからなくて、カメラを反転させてしまって部屋の全貌を映してしまったりもしましたね。

カイ：でも、とてもありがたいことに沢山の媒体の方から取材して頂いていたので、アンケートが1日30件くらいあったんです。時間刻みで締め切りがあって、スマホとにらめっこする時間が長かったな。

――ライブはできずとも、リリースや活動を止めない姿勢は素晴らしかったです。

リョウガ：逆に家の中でも活動ができる時代で良かったです。これが10年前だったら何もできなかったかもしれないですし。

カイ：それこそ、10年前はフリーライブ回ってたけど、またやりたいよね。コロナ渦が終わったら絶対にやりたい。

ユーキ：そうそう！ めっちゃやりたい！ あれはすごい楽しかった。

タカシ：特典会とかもな。大阪のフリーライブの特典会で、自分の私物のヒョウ柄の服をメンバーに着てもらったりしたのも楽しかったし。

ユーキ：あ、コロナが終わったら特典会で電車ごっこがしたいです！

――どういうことですか？（笑）

ユーキ：僕らが先頭で後ろに8号車の方が続いて、電車ごっこしたことがあったんです。すれ違いざまに「今日のライブどうだった～？」って会話しながら。あれは伝説ですよ（笑）。

タカシ：多分誰もやってないよな？

カイ：あ、あとさボイスメモまだ持ってる人いるのかな？

タカシ：8号車の携帯を一時的にお預かりして、僕らがボイスメモに「ありがと～」とか声を残すっていうのもやってたんですよ。他の人の声が入っちゃうので舞台袖で録音したりしてました。

ユーキ：そんな時代を知っている8号車さんが今もいてくれて、本当に感謝です。

カイ：その中にSUPER★DRAGONの玲於もいたっていうのもすごいよね。元々彼はDiSH//のファンで、僕らのイベントに来てくれていて一緒にチェキを撮ったりしてたんです。

タクヤ：それが今や同じEBiDANのメンバーって、すごいよね。彼らのことも応援してあげてください！（笑）

――そんな時代から10年経ったということですが、10周年のアニバーサリーライブも控えていますね。

ユーキ：今回はライブのグッズも沢山タクヤが考えてくれて、アルバムのロゴもタクヤが作ってくれたんです。

タクヤ：（小声で）今回衣装もやらなきゃいけないんです…。

リョウガ：言い方！ 「衣装もやるんですよ」でいいでしょ。

タクヤ：『Dance Dance Dance』を引っ提げてのライブですけど、今までのライブよりもしっかりビジョンが見えていて、コンセプチュアルなので作りやすいと思います。

――なるほど。今回はもちろん、踊りまくるようなライブに？

ユーキ：そうですね。踊りあかしたいなと。10周年をみんなとお祝いできるような企画も準備しつつ、アルバムの新曲たちも新鮮な気持ちで楽しんでもらいたいです。

カイ：ぴあアリーナMMのライブから半年くらい経ってますからね。

ユーキ：前回はできませんでしたが、できればまた皆さんと近づけるようなステージングにもできたらなと思っています。

リョウガ：超特急10周年という節目でもありますし、タイトルでも言っている通り本当にスペシャルなライブになると思います。来てくださるみなさんにとって「明日も頑張ろう！」という力を与えられるようなライブにしたいですね。

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Interview / Photo: Yuma Totsuka