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日本から世界へ――NOA 3か月連続リリース&メジャー・デビュー記念インタビュー



NOAインタビュー

 日本語・英語・韓国語を操り、自身で楽曲制作もし、高いダンススキルも持つ、日本から世界へ音楽を届けるには申し分ないポテンシャルを持つ新人アーティストNOAが3か月連続デジタル・シングルでメジャー・デビューを発表した。その第1弾は韓国のボーイズグループAB6IXのメインヴォーカルで、YGエンターテインメント練習生時代に切磋琢磨してきた旧友JEON WOONGをフィーチャリングに迎えた「LET GO feat. JEON WOONG (AB6IX)」。自身の長所を最大限活用し、多様な音楽やトレンドも吸収する現在21歳の若きシンガーに、音楽に触れたきっかけや気になる練習生時代のこと、最新曲や世界をまたにかける活動について話を訊いた。

――アーティストとしてのNOAさんのルーツからお伺いできますか?

NOA:5歳の時にミュージカル映画『ハイスクール・ミュージカル』を観て、歌ったり踊ったり、表現したりすることに刺激を受けたのが最初ですね。それまでも音楽好きではあったんですけど、そこで実際に自分も表現してみたいなっていう気持ちが芽生えて。そのあとは趣味程度で歌ったり、踊ったりしながら、小学校高学年の時にBIGBANGさんをテレビで拝見して。K-POP自体に興味はあったんですけど、こんなにかっこいい人たちがいるんだっていう衝撃を受けて。「じゃあ、韓国行くか!」ってなって……。

――行動が早いですよね。

NOA:あはははは。良くも悪くも先々のことを考えてなかったんですよね。BIGBANGさんのようになりたいという気持ちの強さだけで行って。今だったら、もっと慎重に考えちゃうかもしれないんですけど、まだ11歳くらいだったからこそ決断できたんじゃないかなと思います。その勢いで韓国に渡って、BIGBANGさんが所属している事務所<YGエンターテインメント>に入って、6~7年間、練習生生活を送りました。

――練習生時代はどんな日々でしたか?

NOA:12歳で入った時はレッスンを受けたらすぐに帰るっていう感じだったんですけど、14~15歳くらいになってからは、朝11時から最終電車がある時間までレッスン場にいましたね。本当は夜10時には家に帰るルールなんですけど(笑)、時間が足りなくて。1日5個くらいのレッスンを受けて、空き時間には月末評価の準備をしたりとか。作曲もしていたので、友達と曲を作ったりしてました。

――音楽漬けの日々ですよね。

NOA:そうですね。毎日、同じところに行って、同じように過ごしていましたね。そこで友達もたくさんできて。他の事務所に行ってデビューした子もいれば、YGエンターテインメントからデビューした子もいるんですけど、共通の思い出が多い仲なので、韓国でできた友達とはこれからも長年付き合っていくんじゃないかなと思いますね。

――歌とダンスだけじゃなく、曲作りもしてたんですね。

NOA:事務所に入る前からコンピュータで曲や映像を作ったりすることが好きだったんですよ。事務所に入ったら、もっと本格的にやっている子がいて。その子を見て、衝撃を受けて、自分もちゃんとやってみようかなっていう気持ちになって。ただ作曲はレッスンを受けたわけではなく、その友達と遊び感覚でずっとやってましたね。

――12歳で韓国に渡ったことを今、振り返っても後悔はないですか?

NOA:全くないですね。あの時、決断して、行ってよかったなとしか思わないですね。その中で、最初はアイドルとして、チームとして、ずっと練習をしてきたんですけど、段々と一人で作詞作曲ができるアーティストになりたいっていう夢が大きくなって。チームとしての熱が冷めてきて、ソロ・アーティストとしてやっていきたいっていう気持ちが大きくなった頃に、ONE OK ROCKさんのソウルのコンサートを拝見したんです。世界で活躍されている日本のアーティストさんがいるってことにびっくりしたし、そこでまた背中を押してもらって。韓国から日本に戻るっていう決断はそんなに簡単なものじゃなかったんですけど、日本に戻って、日本人として世界に発信していこうっていう決心をして、2018年に戻ってきました。

――韓国でグループでのデビューの声がかかっていたらどうしてましたか?

NOA:実際にそういう流れも何回もあったんですけど、なかなかビッグチャンスがなくて。ただ、そこでも得るものもたくさんあったし、身につけたものもいっぱいあったので、今となっては、ソロ・アーティストとしてやっていることが自分にとっては正解だったというか。すごく楽しくやってます。

――YGから離れちゃうのはもったいないという声もあったんじゃないですか?

NOA:そういうふうに直接言われたりもしたんですけど、自分が叶えたい目標はもっと大きいものだったんですよね。自分が作った曲で、ソロ・アーティストして、日本から世界に発信していきたい。そのためには、そこに留まるよりは、外に出ていきたいなっていう気持ちの方が強くなってました。

――帰国後はどうしたんですか?

NOA:18歳の時に日本に戻ってきて、すぐに、今所属しているアミューズのオーディションを受けました。

――BIGBANGを見てYGに入って、ワンオクに背中を押されてアミューズに所属するって。さらっと言ってますけど、そんなに簡単に実現できることではないですよね?

NOA:ずっと韓国にいたので、日本の芸能界の知識は持ってなかったんですけど、それでもやっぱり、挑戦してみたいっていう気持ちが大きかったし、僕は一回、掲げた目標は成し遂げたいという思いが強くて。そこからアミューズに所属して、デビューに向けて、ずっと準備していましたね。


▲「LIGHTS UP」

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信号待ちしているところをお見かけして…
あそこで声をかけたのはチャレンジングでした

――2020年1月にまず、デジタル・シングル「LIGHTS UP」がリリースされました。

NOA:練習生時代からずっと一緒に練習していた同期の子と共同作業で作った曲です。最初、ワンバースだけのトラックを作った時にMILLENNIUM(チェ・レソン)がふと思い浮かんで。日本に呼んで一緒に作った感じですね。

――練習生時代に本格的に曲を作っていた子?

NOA:その子です! 12歳の時に入った時に、他は今のiKONのメンバーだったり、先輩ばかりだったんですよ。当時、唯一の同い年の子は彼だけで、2~3年はずっと二人だけで一緒にいて。もう10年近い仲ですね。

――練習生だった二人がソロのアーティストと音楽クリエイターとしてコラボしているのは、昔から二人を見てきたファンにとってはとても感慨深いでしょうね。そして、6月にはtofubeatsをフィーチャリング・ゲストに迎えた「TAXI」を配信リリースしました。

NOA:tofubeatsさんは韓国にいた頃から大ファンだったので、ご一緒できたことが今となっても不思議ですね。日本に戻ってきて、偶然、信号待ちしているところをお見かけして。あそこで声をかけたのはチャレンジングでしたね。

――NOAさんが声をかけたんですか? しかも、偶然? アミューズからのオファーではなく?

NOA:はい、僕から声をかけさせてもらいました。2019年で、まだマスクもしていなかったので、「あれ? tofubeatsさんかな?」って思って。すぐに声をかけることができなかったんですけど、信号を渡りながら振り向いて確認したら、やっぱりtofubeatsさんで。「今、声をかけなきゃ! こんなビッグチャンスは二度と来ないな」と思って、勇気を振り絞って声をかけて。そこで自己紹介をして、DMで連絡を取り合うようになって。スタジオに遊びに行ったりもしたし、今でもよくしてくださってますね。

――お話を聞けば聞くほど、行動力がありますよね。

NOA:練習生時代に同じ空間で同じ人としか会っていなかったので、外では人見知りなところもあるんですけど、このチャンスは逃しちゃいけないって思って。その出会いから「TAXI」ができるまでの期間も短かったですし、一緒にミュージックビデオまで撮らせてもらいました。


▲「TAXI feat. tofubeats」

――YouTubeの視聴回数が240万回を超えてますし、タイのバイラルチャートで1位も獲得してます。

NOA:びっくりしましたね。「TAXI」のMVは僕の部屋で撮ったビデオを箱に入れて、tofubeatsさんの家に送ったんです。多くの人に聞いていただくのが目標だったんですけど、本当に想像してないことが起きて。TikTokでみんなが踊ってくれたり、Vlog風に使ってくれたりするのを見ていたんですけど、いろんな使われ方があって、本当に嬉しいことばかりでした。1月にデビューして、2月にファンミーティングをした時に実際にファンの方とお会いできたんです。そのあとはステイホーム期間だったので、ひたすら家からできることを探していました。今となっては「TAXI」のMVも含めて、貴重な体験だったかなって思いますね。今はSNSがあるおかげで、世界各国のファンの方ともコミュニケーションできる。悔しい部分や寂しい部分もあったんですけど、あの時だったからこそできたことですし、あの時だから生まれたアイデアだったなと思います。

――タイをはじめ、インドネシアやフィリピンなどアジア各国ですでに人気を得ていることをご自身ではどう感じてますか?

NOA:正直、嬉しい気持ちしかないです。3月に行ったオンラインライブの時もライブ用のハッシュタグがトレンド入りしたり、タイのトゥクトゥクの看板にしてくれたりして、ファンの方々が予想できないことをしてくださるので、本当にいつもびっくりしますし、嬉しいです。まだ実際にお会いできてないので本当に早く会いたいなって感じですね。

――年が明けて、2021年1月には1st EP『Too Young』をリリースしました。

NOA:表題曲は僕が15~16歳の時に韓国で書いた曲で、歌詞も韓国語。16歳で書いた時のままを出しているんですね。だから、韓国にいた時に書いた曲と、こっちに戻ってきてから書いた曲があって、韓国にいた時から今までにしてきたことやルーツが含まれた、一枚目に相応しいEPなんじゃないかなと思ってます。あと、偉大なプロデューサーさん達とやらせていただく中で、学んだこともたくさんありました。それぞれカラーが違う曲ばかりになったし、もっともっと幅広く、いろんな曲に挑戦していきたいなっていう気持ちが強くなりましたね。

――歌う言語もいろいろですよね。

NOA:そうですね。三か国語を使っていると、それぞれの言語に魅力があります。その言語でしか表現できない単語が多いので、そういう単語をうまくバランスよく使うようにしてますね。日本語、英語、韓国語の三か国語を話せるからこそできることだと思うので、みんなが聴きやすくて、意味が深くなるような言葉を選んで歌っていきたいですね。


▲「Too Young」

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ウンさんが日本語で歌ってくれたのは嬉しい
ファンの方にも喜んでもらえるんじゃないかな

――そして、この夏にメジャー・デビューが決定しました。最初に聞いたときはどんな心境でしたか?

NOA:メジャー・アーティストとして、常にアップグレードしていく自分をお見せしないといけないなって思いました。何よりもこれからが楽しみで仕方がないので、楽しみな気持ちをファンの方とも共有したいし、これまで応援してくださってる皆さんのおかげなので、ちゃんとお返しができたらいいなと思いますね。

――3か月連続でデジタル・シングルのリリースもスタートしました。

NOA:僕の魅力をこの3曲でお見せしたいと思ってます。あと、今の時代は短期間でリリースされる方が本当に多いと思っていて。インタラクションも増えますし、みんなとの触れ合いや関わり合いも増える。僕自身、今回の3曲を作っていてとても楽しかったので、みんながどう受け取ってくれるのかを想像して、今、ウキウキしてますね。

――第1弾「LET GO feat. JEON WOONG (AB6IX)」には<今を楽しもう>というメッセージが込められています。

NOA:題名の通り、嫌なことは捨てて、気楽に楽しんでいこうよっていう応援ソングでもありつつ、踊れる曲にもなっていて。「ガツンと頑張ろう!」っていうよりは、涼しい風に吹かれながら、体を揺らして欲しい。夏に聴いて、みんなが頑張れたり、ハッピーな気持ちになったり、楽しくなったりするようなエナジーが湧き出てくる曲にしたいなって思いながら作ってました。フィーチャリングで、ウンさんが参加してくださったのが大きいですね。魅力的な歌声が爆発してるので注目して欲しいです。

――練習生時代を共に過ごしたAB6IXのチョン・ウンさんはNOAさんにとってどんな存在ですか?

NOA:兄弟みたいですね。韓国にいたときに一緒に日本に旅行に来たりしてたんです。日本が本当に大好きで、日本の曲もよく聴いてるんですよ。二人でカラオケに行ったり、夏祭りに行ったりもして。韓国にいる時も一緒にダンスをしたりして、本当に仲がいい、3つ上のお兄ちゃんっていう感じですね。

――仲良くなかったきっかけは?

NOA:練習生の時よりも、自分が別の場所に行ってから仲良くなった気もしますね。それこそ、日本が好きなので、そこから繰り広げた話も多いです。例えば、映画を見て、江ノ島が好きになって、「湘南に興味がある」って言うから、日本に来たときに連れて行ったりとか。あとは、清水翔太さんや嵐さんがお互いに好きなので、コンサートのDVDを一緒に観たり。お互いにシェアするものが多いですし、ウンさんはダンスがすごく上手なので、ダンスも教わったりしました。

――日本語も交えたラップになってますね。

NOA:ウンさんは日本語がすごく上手で、歌う面でも日本語が流暢なんですよ。今回、僕が日本語で作詞をしたものをそのまま渡したので、ウンさんが日本語で歌ってくれたのは嬉しいですし、ファンの方にも喜んでもらえるんじゃないかなって思ってます。

――NOAさんの声も色彩豊かで、いろんなヴォイスを重ねてますよね。

NOA:ありがとうございます。「捨てていこうよ」っていう気楽な応援メッセージでもあるので、とにかく元気なエナジーが伝わればいいなと思いながら、楽しくレコーディングしました。コーラスワークは、海外の曲を聴いて研究してますね。

――ちなみに最近のお気に入りは?

NOA:LANYやjoan、Fly By Midnightとかのインディーズ・ポップですね。あとは、ブラック・アイド・ピーズのアルバム『ジ・エンド』(2009)やジェイ・Zの『マグナ・カルタ...ホーリー・グレイル』(2013)を聞き返したり。いい音楽はいつ聴いてもいいんですよね。あと、当時の思い出とか、その当時に感じた衝撃を今でも感じるので最近、聴いてますね。

――時代もジャンルも幅広く聴いてるんですね。

NOA:そうですね。最近観た映画『ミッドナイト・イン・パリ』(2012)の中で流れるジャズも聞いたりしてます。コール・ポーターのプレイリストを聴いたり、山下達郎さんや杏里さんとか、シティポップも大好きですし。常に幅広く、1つのジャンルにとらわれずにいろいろ聴いてますね。

――MVはどんな内容になってますか?

NOA:今、一緒に撮ることは難しいので、僕がいる東京とウンさんがいるソウルの2つの絵を重ねてます。お互いのシティの魅力も映っているし、一緒の場所にいるわけじゃないけど、二人が一緒に楽しんでいるような姿もあって。なかなかできない経験をさせてもらったので、楽しかったですし、カッコよく撮っていただきました。


▲「LET GO feat. JEON WOONG (AB6IX)」

――その後の2曲はどんな内容になってますか?

NOA:第2弾「Don’t Waste My Time」は今までリリースした曲の中でも、性格が強いというか、ルードっぽい男の子が主人公になっていて。ただ単純にルードというよりかは、「時間を無駄にしないで。僕のそばにいたら、なんでも叶えてあげるよ」っていう男らしいメッセージもあったりする。シンプルだけど違う要素でインパクトをつけたビートも含め、新しい魅力をお見せできるんじゃないかなと思います。そして、第3弾「Highway」は、タイトル通り、高速道路をテーマにした、聴いたらドライブしに行きたくなる曲ですね。

――どんなメッセージを込めてますか?

NOA:今はみんな、どうしてもストレスを感じたり、一回、止まってしまうような感覚になったりする時があると思うんですよ。でも、そんな時でも止まらずに、速度をあげて進もうよっていうメッセージを込めたいと思って。シンプルにドライブに行くときに、みんなで楽しみながら聴ける曲でもありますし、厳しい状況のなかで生きるみんなの背中をプッシュするような曲になってるんじゃないかなと思います。この3曲とも今年の4~5月に作った、僕の中でもフレッシュな曲たちなんですね。だから、最近の僕が思ってることが詰まってるし、新鮮なメッセージを伝えられるのが嬉しいですね。

――最後に今後の目標について聞かせてください。

NOA:やっぱりジャンルを問わずにいろんな曲を作っていきたいですし、年齢や性別を問わず、多くの人に自分の曲が届くといいなと思います。世界各国にいるアーティストさんとも、どんどんコラボレーションしていきたいなって思いますね。あと、この状況が収まったら、本当にワールドツアーをしたいです。もっともっと僕の音楽が世界に広がって欲しいし、同じ空間で一緒に楽しめる場所がどんどん増えたらいいなと思ってます。また、機会があれば、演技のお仕事にも挑戦したいですね。アーティストとしても、役者としても活躍できる、一人の表現者として、一人のエンターテイナーとして、幅広くいろんなことに挑戦していきたいです。

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