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一発撮りオーディション「THE FIRST TAKE STAGE」 ファイナリスト4組が決定
2019年11月にスタートしたYouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』。「一発撮り」という斬新なコンセプトと、真っ白な背景で歌うアーティストの直球勝負は、多くの人の心を動かし、立ち上げから1年半でチャンネル登録者数は460万人(2021年6月時点)、参加アーティストは93組以上(2021年6月26日時点)へと成長した。そして、新たにスタートした企画のがオーディションプログラム【THE FIRST TAKE STAGE】だ。全国各地から集まった応募者の中から1次(書類/動画)選考・2次(オンライン)選考を経て、3次(対面)選考を勝ち抜いたセミファイナリスト(3次選考通過者)14組がYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」上に公開された。その中から4次(動画)選考を通過した4組の若き才能が選ばれた。本特集では、ファイナル選考に進んだ4組を紹介。見事勝ち抜いたグランプリは7月9日に、THE FIRST TAKEへの出演し、配信専門レーベル「THE FIRST TAKE MUSIC」からのデジタルリリースが決定している。
本オーディションの選考ポイントは「一発撮りのパフォーマンスを通して、自分の人生を、自分らしく表現できていること」。また、「誰の真似でもないオリジナルのパフォーマンスができるか」「声質・音感・リズム感などの能力や発声などのスキルがあるか」、「人の心を動かす言葉をもっているか」、「その人自身の生き様が伝わる佇まいがあるか」、「多くの人が愛してしまう魅力をもっているか」という5つの視点で、選考は進められた。
ざきのすけ。
北海道出身、20歳。3次選考では、「Feel Like」というオリジナル曲で、素晴らしいグルーヴとリズム感、力強い歌声でパフォーマンスを披露し、選考委員らを魅了した。3次選考では感想を求められると「一発撮りというのは、ある意味ライブと同じだけれど、とても新鮮だった」とコメントをし、終始、緊張を感じさせない堂々としたパフォーマンスと笑顔を見せてくれた。そしてファイナル選考でも、オリジナル曲「MINT」を披露した。今まで、作ってきた曲の中で最も感情移入しやすいという理由で選ばれた本楽曲は、ほろ苦い思い出を描いたラブソング。実体験をもとに作られており、愛する人への忘れられない想い、そして彼女との思い出を、持前のリズム感とグルーヴで丁寧に歌い上げた。「和魂洋才」をキーワードに、和の魂を大切にしながら、洋の要素を取り入れていくということを、大切にしていきたいとインタビューで答えていた”ざきのすけ。”。今後の目標は、ミュージシャンという枠にとらわれず、アーティスト、クリエイターとして様々なジャンルで活躍していくこと。これから様々な経験をしながら、彼がどのように変化していくのかが楽しみだ。
▲ ざきのすけ「MINT(オリジナル)」
hapi
セミファイナルでは、緑黄色社会「Mela!」を参加者の中で唯一、アカペラで披露し、ゲスト選考員の亀田誠治から「グサッと入ってくる説得力がある」、ハマ・オカモトから「度胸と、(亀田さんもおっしゃっていましたが)相手。届ける相手と交流することによって生まれる自信がないとできないパフォーマンス」と評されたhapi。3次選考のインタビューでは「自分には特別なところも、飛び抜けた才能もない」と答えつつも、THE FIRST TAKEのオーディションで、アカペラを披露するという唯一無二のパフォーマンスによって、選考委員たちを驚かせた。進むファイナル選考で選んだのは、DISH//「猫」だ。THE FIRST TAKEの動画から火が付き、配信したTHE FIRST TAKE verの音源もストリーミングヒットを記録、THE FIRST TAKEのチャンネル自体が世の中に一層浸透するきっかけとなった「猫」を、豊かな表現力によって歌い上げ、思わず惹きこまれてしまうようなパフォーマンスを見せてくれた。
3次選考でも、ファイナル選考でも、自分のアーティスト・ネームである”hapi”の由来である「ハッピー」という言葉を何度も口にしていたhapi。だがhapiが大切にしているのは、自分がハッピーになりたいという気持ちより、身近な幸せへの感謝や、周りの人の様々な幸せに寄り添いたいという願いだ。「24時間いつも開いていて、なんでもそろっているコンビニエンスストアのような存在になりたい」。そんなhapiが作る、オリジナル曲をいつか是非聴いてみたい。
▲ hapi「猫(DISH//)」
山下 優太郎
沖縄出身の25歳、山下 優太郎。歌がはじまるやいなや、まず驚かされるのは、少年のような天性のハイトーンボイスだ。3次選考ではmilet「inside you」を披露し、真っすぐで無垢な歌声を披露した。そして、ファイナルでは平井 大「祈り花」を披露。緊張が、ひしひしと伝わってくるパフォーマンスからは、「歌うこと」への彼の思いが痛いほど伝わってくる。まさに、体当たりのようなパフォーマンスはTHE FIRST TAKEの企画の趣旨である一発撮りというのが、いかにアーティストを丸裸にするなのかを改めて教えてくれるようだった。
パフォーマンス後のインタビューでは「歌うことを何度も諦めていたけど、ここに立って改めて歌うことをあきらめないで良かった」と吐露。普段から、自分が生きている今を表現するために、日々感じていることを書き留め、歌詞を書いているという。そして夢は、「一曲でも、皆さんが知っている、共感してもらえるような曲を作ること」だ。歌唱直後には「(亡くなった)父親にも歌が届けられたんじゃないかと思います。結果は、どうあれ悔いはありません」と力強く締めくくった山下。その思いは、天国の父親のみならず、パフォーマンス動画を見た多くの人に届くことだろう。
▲ 山下 優太郎「祈り花(平井大)」
麗奈
鹿児島県出身、20歳のシンガー・ソングライター麗奈。3次選考では、オリジナル曲「僕だけを」を自身のギターとともに披露した。「僕だけを」は男性目線で描かれた切ないラブソング。そよ風のようにさわやかな歌声と、男性目線の切ない歌詞というギャップが心地よく、何度も聴いていたいと思わせるような一曲に仕上がっていた。続くファイナル選考では、オリジナル曲「ワンルーム」を披露。実体験が生々しく描かれていることもあり、本人のもつ世界観にマッチした楽曲で、歌詞は切ないが、メロディからは、まだ心の中に残っている楽しかった思い出や、彼を信じていたいという気持ちが伝わってきて、主人公の芯の強さを感じることができる。同じ悩みを持った女の子の背中を、そっと押してくれるような一曲だ。
パフォーマンス後のインタビューでは「ずっと画面越しに見ていたファイナリストの皆と会うことができて、まるで芸能人の方に会ったような気分でした。特に、ざきのすけ。さんのパフォーマンスに感動したので、握手をしてもらいたい」と、出てくるコメントはあくまで自然体。そんなところも、彼女の魅力の一つだろう。そして将来の目標は「全国で歌ってみたいこと」と、「自分の曲を多くの人に歌ってもらいたいということ」だ。恋愛や、なかなか口に出せないような思いを歌詞にしていくことで、自身と同じように悩んでいる人たちや、同じ境遇の人達に共感できればという麗奈。近い将来、彼女の歌声が、各地でそっと寄り添ってくれる日がくるだろう。
▲ 麗奈「ワンルーム(オリジナル)」
ファイナリストから、グランプリに選ばれるのはこの4組の中から1組だ。結果は、7月9日22時に、YouTubeチャンネル 「THE FIRST TAKE」にて発表される。