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大塚 愛『LOVE PiECE』 インタビュー

大塚愛 『LOVE PiECE』 インタビュー

 数々の革命と伝説を築き上げ、今や日本のシーンになくてはならない存在となった感もある大塚 愛。その安定感と常に新鮮さを求める性格とが見事なアルバムをここに完成させた。『LOVE PiECE』、全収録曲がそれぞれあらゆる方向に振り切れたこのアルバムについて、本人にいろいろと語ってもらったのだが、そのアルバム同様、あらゆる方向に話が振り切れたインタビューとなった(笑)。あと、今回も(笑)、めっちゃ多いです(笑)。

革命~歌うことの恐怖

--まず【a-nation'07】、東京公演を観させて頂いたんですけど、ぶったまげました。もう完全にしてやったりだったんじゃないですか?

大塚愛:(笑)。今回は2バージョン用意したんですよ。観て頂いた東京公演と仙台・愛媛の公演はまた違うバージョンだったんです。そっちはそっちで面白くて、どっちも面白かったなと思いつつ。ちなみに仙台・愛媛での大塚チームは・・・袖まで歩かない。

--・・・。

大塚愛:意味が分かんないですよね(笑)。あの~、すごくアナログな感じなんですけど、ディズニーのパレードのように、台車が動いて、そこにダンサーと私が乗って、左右に動くだけなんですけど。

--(笑)。

大塚愛:それが果てしなくくだらなくて、気持ち良かったです。

--また、全国各地で、数万人で、自分のファンも他のアーティストのファンも巻き込んで『CHU-LIP』を踊る。しかもあの振り付けを。そんな【a-nation】の歴史が動いた瞬間を見つめて、どんなことを感じましたか?

大塚愛:今まで【a-nation】のステージ上では、踊る方はたくさんいたと思うんですけど、お客さんが踊るっていうのは初めてだったんじゃないかなと。・・・革命(笑)。

--正しく革命と。ちなみに“a-nation”ではなく“ai-nation”と書かれたプラカードを持って大人数を引きずれた行進をされましたけど、前々からいつかは【ai-nation】にしてやりたいと、目論んではいたんでしょうか?

大塚愛:えぇ。ただいつ(エイベックス・松浦)社長に怒られるんだろうと、ビクビクしていたスタッフも居たかとは思います(笑)。でも私はよりエイベックスと仲良くなりたいなと思って・・・。

--あのような行動に出たと?

大塚愛:はい(笑)。

--あと、余談なんですけど、あの大塚さんの【a-nation】のグッズ、タオルとかに“JAKKAS”と書かれていたじゃないですか。あれ、意味が分からなくてしばらくムカついてたんですけど、そのムカつくというリアクションも大塚さん的には大正解?

大塚愛:ンフフフ。いや、あの、特に深い意味はなくて(笑)。ただメンバーの名前の頭文字を並べただけなんですけど。

--それに気付いたのは、【a-nation'07】が終わった翌日でした。

大塚愛:(笑)。でもよく分かりましたね!?

--まぁそんなこんなで相変わらず軽くムカつかれることが快感になっている大塚 愛さんにですね(笑)、今日は同時リリースされる、ニューアルバムとライブDVDについてお話を伺っていきたいんですが、まずライブDVD。こちらに収録されている今年のツアーは、本人的にはどんな印象のツアーになりましたか?

大塚愛:初めて「これこそツアーと呼ぶんじゃないか」と思えた、まるで観光ツアーのような、統一感のある団体行動が出来たなと。サーカス団の旅みたいな感じがすごくして、本当にツアーらしいツアーでしたね。

--あのツアーでのライブの構成は、本気で泣いて、本気で笑うといった大塚さんのふたつの魅力を徹底的に追求した内容になっていましたが、特に今回印象的だったのが『ネコに風船』『羽ありたまご』『Cherish』『恋愛写真』『金魚花火』『大好きだよ。』『プラネタリウム』といったバラードの連続披露。頭が痛くなるほどの集中力を要しそうなブロックとなりましたが、実際各会場でやってきていかがでした?

大塚愛:緊張感がないとそこは乗り切れないというか、一曲一曲を本当に大事にしていかないと乗り切れないコーナーではありましたね。

--その歌声からも表情からも感じられるんですが、バラードを歌う際の大塚さんは、僕が観た公演で自身も「心乱れることなく、一曲一曲を大切に歌ってきました」と言ってましたけど、その楽曲の世界に完全に感情移入できるじゃないですか。それっていうのは大塚さんの女優としての才能が長けているのか、その楽曲の内容に嘘がないからなのか、どっちなんでしょうか?

大塚愛:いや、演技できませんよ、ねぇ?

スタッフ:・・・できませんよ!

--(笑)。例えば、『恋愛写真』だったら終盤の「あなたに出会ってあたしの毎日は キラキラと輝いたよ」と、涙を堪えながらも本当に「キラキラと輝いた」んだと笑顔を感じさせたりする瞬間に心を打たれるわけなんですけど、その感情の動きは意識してコントロールできるモノじゃなくて、湧き上がってくるモノだからこそ、僕らは感動するのかなって。

大塚愛:そうですね。自分にそういう一筋の気持ちがないと、それは成立しないでしょうね。ただ歌っているのと、ちゃんと一人の人に向けて歌っているのとでは、全然完成度が違う。特にライブはそれが明確に見える危険な場所なので、「なんとなく歌ってるな」と自分が思ったり思われたりしたときのことを想像すると、恐ろしくなりますね。なんとなく歌ってるって、いろんなモノに対して失礼になるじゃないですか。やっぱり一曲に対しての本気度というか、同じ楽曲を何回歌うとしても、そこに何かしら気持ちがないと。

--ちなみにライブDVD『「愛 am BEST Tour 2007」~ベストなコメントにめっちゃ愛を込めんと!!!~at Tokyo International Forum Hall A on 9th of July 2007』の仕上がりは自身でご覧になられて、どんな感想を?

大塚愛:恐ろしく出来が良い。・・・まぁ前回のに比べると(笑)。なので、エンジニアチームもみんなビックリしてて、「すごい」って。あのツアーの裏にはいろんな細かい努力があったなっていうのを改めて思いましたね。

--また、そのDVDを観ても感じたんですが、『CHU-LIP』はあのツアーで完成した感じがありましたよね。『さくらんぼ』に次ぐ代表曲になったなというか。

大塚愛:私の中で『CHU-LIP』という楽曲は、とても賢い子なんです。何回聴いても飽きないし。ただ別に代表曲だからと言って最後にもう一回やった感じではないです。なんか、その場の雰囲気というか。やっぱり最後、うわぁ~って盛り上がってるときに「じゃあ、次は『ネコに風船』」とかだと、みんなもう一回戻んなきゃいけないの!?っていう感じになるので(笑)、そういう意味では、最後にもう一回歌っても当たり障りのない楽曲と言った方がいいかもしれない。

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大塚愛「LOVE PiECE」

LOVE PiECE

2007/09/26 RELEASE
AVCD-23396 ¥ 3,981(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.未来タクシー
  2. 02.ユメクイ
  3. 03.Mackerel’s canned food
  4. 04.PEACH
  5. 05.クムリウタ
  6. 06.星のタンゴ
  7. 07.蚊取線香
  8. 08.フレンジャー
  9. 09.CHU-LIP
  10. 10.HEART
  11. 11.恋愛写真

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