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<インタビュー>原因は自分にある。が語る、バラエティ豊かな“らしさ”が詰まった1stアルバム『多世界解釈』
2019年8月に改名し、再スタートを切った原因は自分にある。(以下、ゲンジブ)。遊び心満載の歌詞やその特徴的なサウンドによって、近年の百花繚乱のボーイズ・グループ・シーンの中でもひと際独特の存在感を放っている。そんな彼らがこの度、1stアルバム『多世界解釈』をリリースした。アルバムにはずっと真夜中でいいのに。の編曲を手がける100回嘔吐や、YOASOBIのコンポーザーとしても活動するAyaseといった豪華クリエイター陣が参加し、その唯一無二の世界観がさらに深みを増している。リリースに向けてメンバーの吉澤要人、武藤潤、桜木雅哉、小泉光咲、大倉空人、杢代和人、長野凌大の7人に話を聞いた。
自分たちを客観視した1年間
――改名、そしてデビューから1年以上経ちましたが、「原因は自分にある。」という名前にはもう慣れましたか?(インタビュー実施は2020年11月)
小泉:さすがにもう慣れました。
――YouTubeには新しいグループ名が発表された直後の様子も公開されていましたよね。最初は戸惑いもあったように見えました。
武藤:懐かしい。でも1か月くらい経ったら、むしろ良い名前じゃんって思えてきて。
小泉:今はみんなポジティブに捉えているよね。“原因”という言葉は悪い意味で使われることが多いですけど、逆に解釈して、時代を変える“原因”となるのが僕らなんだと思うようにしているんです。
――それはみなさん一致しているんですね。
吉澤:最初はわりと人それぞれ感じ方も違ったかなと思っています。
――だんだんとみなさんの捉え方が合ってきた。
吉澤:そうですね。みんなゲンジブというものを自分の中で飲み込めているような気がします。自粛明けのインタビューとかでゲンジブについて聞かれた時の返しが、前よりしっくりきているというか。今はみんな考えていることが一致しているなって思います。
――なるほど。デビューしてからこの期間で、名前に対しての考え方がちゃんと合ってきたんですね。ちなみに2020年はみなさんにとってどんな1年でしたか?
吉澤:1年前の自分たちは「きっと忙しい1年になるだろう」って覚悟を決めていました。それが新型コロナウイルスの影響もあって、予定通りにはいかなくなって。でも、その分もう一回、自分たちを見つめ直せる良い時間になったとは思います。
武藤:逆にこうなったからこそできたり、考えられたこともたくさんあって、悪いことばかりではなかったです。それに今もデビューした時も、結局はこれから先の自分たち次第だと思っているので、そこは変わらないですね。
桜木:僕は自粛期間中に色々なDVDを観て研究していました。それで今やるべきこととか目標がより明確になったと思います。
――DVDというのは他のグループのですか?
桜木:はい。憧れているNissyさんやBTSさんのライブ映像です。ダンスの見せ方とかすごい参考になりました。
小泉:今までのようにファンの方と接することはできませんでしたけど、だからこそパフォーマンスだったりを見つめ直せる期間だったんじゃないかなと思います。
大倉:グループとしてどう転んでいくかは分からないですけど、この期間でそれぞれ考える時間が増えたので、それが今後のゲンジブの活動にも活かされるように頑張りたいです。
――この特殊な状況でも、その中でできることをしてきた1年だったというのは、みなさん共通しているようですね。
杢代:ただ、この状況が良かったかと言われると、僕はやっぱり悔しいです。最初は色んなステージに立たせてもらって、そこでたくさんの人たちと出会えて、それに生きがいを感じていました。でも、突然こういう状況になって、大きなライブや日々のリリース・イベントができなくなってしまったので、ものすごく悔しかったというのが正直な気持ちです。
長野:本当にこれからって時にコロナがやってきたので…。でもある意味、自分たちを客観視することが増えました。(桜木)雅哉みたいに映像を見たりして。そういう面では、これからの僕たちにとってはプラスになったんじゃないかなって思うし、数年後にこの時期が僕たちにとって良い時間だったよねって言えるように、これから頑張って行きたいです。今はこの1stアルバムで再出発という気持ちですね。
ゲンジブへの“入り口”が用意されたアルバム
――デビューからお互いに成長したと思うところはありますか?
大倉:雅哉の身長にびっくりした。
小泉:そっちの成長かよ!(笑)
長野:自粛中もzoomで喋ったことはあったけど、自粛期間後に取材で会ったら大きくなっていてね。
大倉:だって自粛前までは俺より小さかったんですよ。自粛後に急に(武藤)潤より大きくなっていて、今はもうグループで2番目に大きいんです。
――見た目が成長したと(笑)。
大倉:そうなんですよ。一人だけ4センチくらい伸びていて。前はもうちょっと幼くて、丸みがあったんですけど。
――さて、そんな成長期のゲンジブですが、1stアルバム『多世界解釈』がリリースされました。どんな作品になりましたか?
小泉:一言で言うと“入り口”がたくさんあるアルバムです。アニメが好きな方もアイドルが好きな方も、どんな方でも必ず一つは刺さるような、僕らを好きになってもらえる“入り口”になる曲が集まっているんじゃないかなって思います。
桜木:アトラクションのたくさんある遊園地みたいな、一つひとつに特徴があるアルバムです。
長野:おもちゃ箱っていうのかな。色んな世界の主人公を引っ張ってきたみたいな。誰に聴いてもらっても絶対刺さる曲があると思います。ライブで披露するのも楽しみです。
吉澤:どんな感情にも寄り添ってくれるアルバムになったのかなと思います。悲しい気持ちにはこの曲、泣きたいときにはこの曲、逆に元気になりたいときとかオシャレな気分とか、色々なシチュエーションに合うアルバムになっています。もちろん“ゲンジブらしさ”は全部の曲に入っているんですけど。
武藤:“ゲンジブらしさ”という意味では「これがゲンジブだ」と思えるような重要な役割を担っているのが1曲目の「柘榴」。歌詞に“オンライン”とか“ディスプレイ”とか、今の時代ならではの言葉が盛り込まれています。
――ゲンジブの楽曲は歌詞も特徴的ですよね。
大倉:“ゲルニカ”とか、意味を知らなくて調べました。
長野:潤さん、歌詞を書くのは今もやっているんですか?
武藤:えっとねえ…。
――歌詞を書く?
武藤:レコーディングするときに自分で歌詞を書いておいたほうが「ここでこう歌う」というのが頭に入りやすいんです。自分のものになるというか。
杢代:それは前までの潤でしょ。今はどうなの。
武藤:ゲンジブになってからは文字数も増えたし、分からない漢字も多くてWordに…。
一同:(笑)。
――それでも続けてはいるんですね。
武藤:書くのが一番です。
杢代:じゃあやれよ!(笑)
――歌詞が難しいので歌うのも大変ですよね。
長野:全曲難しいです。
Ayase提供曲「スノウダンス」は“表現力が問われる曲”
大倉:歌で言えば、自分が一番難しいと思うのは「夢に唄えば」。サビが高いのにテンポも速いんです。高い音を歌う時に情景が浮かぶような歌い方ができなくて、音程を合わせることだけに集中してしまって、そっちまで気が回らない。まだまだ練習が必要です。
杢代:「ネバーエンドロール」もめっちゃむずい。曲を書いていただいた100回嘔吐さんにレコーディングもしてもらったんですけど、想像していた歌い方とは全然違くて。ボカロPの方なので、人間ではできない歌い方に僕たちが近づいてく、みたいな作業でした。
小泉:「っ」とかね。
――「っ」?
杢代:一文字ごとに切り離して歌うんです。
大倉:子音と母音を分けて、たとえば「わかって」だったら「わあっかあってえっ」って歌うように言われたり。
――うわ大変。
小泉:難しかった…。
杢代:けっこう何回も録り直して録り直しての繰り返しで時間もかかりました。でも、良い経験になったと思います。
――100回嘔吐さん以外の方ともレコーディングしたんですか?
長野:はい。
――「スノウダンス」を提供されているAyaseさんにもお会いできましたか?
長野:Ayaseさんとはスタッフさんを通してのレコーディングでした。
武藤:でも、めっちゃかっこいい曲を提供していただいて。
原因は自分にある。-スノウダンス
――このアルバムの中ではまたちょっと違ったテイストですよね。
武藤:そうなんですよ。
吉澤:「スノウダンス」は特にダンスが難しくて。曲によっては揃えることが重要だったりしますけど、「スノウダンス」に関しては揃えることが目的じゃないというか。表現力が問われる曲で。
大倉:”芝居感”強いよね、舞台芝居。
吉澤:今の僕らの課題を詰め込んでいる振りだなと。これをクリアしたら、僕らにまた一つ武器ができるんじゃないかと思います。
大倉:この曲は“色”を考えるのも難しくて。僕らは踊るときにその曲ごとに“色”を付けるんです。
――“色”を決めるのはなぜですか?
大倉:全員で同じ認識をするためですね。
小泉:それで曲に対する表現の仕方が全員で一致するんです。
大倉:たとえば赤だったら強く踊ったり、青の曲だったら静かに動いたり。それぞれがバラバラなイメージを持っちゃうと、その時点でダンスへの向き合い方に差ができて世界観が見えにくくなっちゃう。だから色を決めているんです。
――なるほど。
大倉:僕たちの曲って読み解かないと分からない歌詞がけっこうあるんです。その中で「スノウダンス」は歌詞自体がすごく伝わりやすくて、踊る側も聴く側もイメージしやすいと思うんです。なので、逆に表現を強くしないとダンスが薄く見えちゃう。迫力が出ないんです。メンバーによってはけっこう動きのない人もいるもんね。
杢代:@〓□・*&●※!(お菓子を食べながら喋る)。
小泉:何言ってるの(笑)。
杢代:「スノウダンス」は(吉澤)要人が一番踊っているよね。振付師さんが「この曲は要人さんのイメージに合ってる」って言っていました。
吉澤:そうそう、その話を振付師さんに言っていただいたときに、和人が「要人の曲なんだ。いいよな?」って言ってきて。
長野:嫉妬してるんだ。
杢代:嫉妬じゃない!
一同:(笑)。
吉澤:昔バレエをやっていたので、この曲はそういう要素のある振り付けだから、曲のニュアンスをより伝えやすくする役目として僕を選んでくれたんだと思います。でも結局、踊るのはみんななので、全員で表現する意識でパフォーマンスしています。
色んな人に解釈してもらえるようなグループに
――ボーナス・トラックを除けばアルバムの最後が「ネバーエンドロール」で終わるのも面白い構成ですよね。この曲についてはどうですか?
大倉:今まで自分が聴いてきた音楽って、AメロはAメロ、サビはサビ、みたいにメリハリの効いたものばかりだったので、この曲の曲調は自分にとって新鮮でした。最初から最後まで同じ熱量で歌える曲っていうのかな。リズムも新しい感じで。
小泉:ストーリー性を感じるよね。これから演技っぽい振付にも挑戦したいと思っているので、これからの僕たちにも繋がる曲だと思う。
武藤:ピアノもいいよね。
長野:最近のピアノ・ロック・バンドとか、ずっと真夜中でいいのに。さんやヨルシカさんみたいな若い世代で流行っている音楽に近い感じだよね。僕たちもこういう曲を歌えるのが嬉しいです。最後のサビで駆け抜けていく感じが本当に好きで。
杢代:最近流行ってるエモラップともちょっと近い感じがするし、今の時代に合っている気がします。
吉澤:色んな方が歌っているのを聴いてみたいですね。一般の方とか他のアーティストさんとか。それこそ“歌ってみた”みたいな。
――それでは最後に、これからゲンジブはどんなグループになりたいですか?
吉澤:今たくさんいるボーイズ・グループの中でも、ゲンジブには他とは違うものを感じてもらえると思うんです。その“ゲンジブ感”を武器に、幅広い世代の人に届けられるように頑張っていきたいと思います。
武藤:音楽の幅が広いので、ゲンジブを通して世界の音楽を知ってもらえたら嬉しいかな。音楽の教科書みたいな存在。
桜木:『多世界解釈』のタイトルにもありますけど、色んな世界の人に届いて、色んな人に解釈してもらえるようなグループになりたいです。
大倉:でも、まずは目の前のことをちゃんとできるグループになりたいですね。土台をしっかり作って、それで7人全員で壁を乗り越えていけるようなグループになれたらと思っています。
Photo by Yuma Totsuka
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