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「Pretender」が史上最速で1億回再生突破! Official髭男dismの大躍進をストリーミング・チャートで振り返る
今、Official髭男dismの勢いが凄い。2019年5月にリリースした「Pretender」が、Billboard JAPANの総合ソング・チャート“JAPAN HOT 100”で20週連続トップ10入り。7月にリリースした「宿命」と共に、2曲同時トップ10入りを8週連続でキープしている。この根強い人気を支えているのが、ストリーミング・サービスでのヒットだ。本特集では、そんなストリーミング・チャートのデータから、Official髭男dismの躍進を振り返っていきたい。
歴代記録を次々と更新
そもそも、Official髭男dismはストリーミング・サービスでどのくらい聴かれているのか。現在、ストリーミング・ソング・チャート“Streaming Songs”では、「Pretender」が2019/6/3付チャート(集計期間:5/20~5/26)以降、18週連続1位をキープ中。2019/7/22付チャート(集計期間:7/8~7/14)からは、11週連続で週間再生数500万回超えを達成している。「1週間で500万回再生」がどれほどインパクトのある数字かというと、下図のストリーミング・チャート楽曲別週間最高再生数(※)トップ10を見てほしい。2017年10月のストリーミング・チャート集計開始以降、週間再生数が400万回を超えたことがある楽曲は4曲のみ。なかでも1位の「Pretender」は、2位以下に150万回以上の差をつけて、唯一500万回を超えた楽曲となる。ストリーミング・チャートの歴史のなかでも、飛び抜けた勢いで聴かれていることがわかるだろう。
▲楽曲別週間最高再生数(※)トップ10
対象期間:2017/9/25~2019/9/22
またOfficial髭男dismは、2位に「宿命」、7位に「イエスタデイ」、8位に「ノーダウト」がトップ10入りを果たしている。2019年7月に配信がスタートした「宿命」は、2019/9/2付チャート(集計期間:8/19~8/26)で440万回を超える再生回数を記録。累計再生回数は3,600万回を超え、「Pretender」に迫る勢いを見せている。
▲「宿命」
さらに、アーティスト別で見てもその存在感は明らかだろう。下記の図は、各アーティストの最も週間再生回数が多い週をランキングにした表になる。Official髭男dismは、2019/9/30付チャート(集計期間:9/16~9/22)で11曲がチャートイン。総再生回数は21,835,778回を記録し、歴代1位をマークした。
▲アーティスト別週間最高再生数(※)トップ10
対象期間:2017/9/25~2019/9/22
このように、歴代記録を次々と塗り替えるほど支持を集めるOfficial髭男dism。この勢いはいつから始まったのか、さらに詳しく見ていこう。
楽曲別推移から見るブレイクポイント
下図は、Official髭男dism楽曲のストリーミング・チャートでの再生回数の推移を表したグラフだ。まず、2018/4/30付チャート(集計期間:4/16~4/22)で「ノーダウト」が57位に初登場。その後じわじわと再生回数を伸ばしていき、同曲が主題歌のドラマ『コンフィデンスマンJP』が最終回を迎えた2018/6/25付チャート(集計期間:6/11~6/17)では977,481回再生を記録。当時の自身最高記録となる週間チャート7位を獲得した。
▲Official髭男dism ストリーミング・チャート再生回数(※)推移
2019年3月頃には一度チャートから姿を消すが、「Pretender」の配信スタートと共に再浮上。「Pretender」初登場時の再生回数は、「ノーダウト」「Stand By You」を超える545,359回再生を記録した。前2作のスマッシュ・ヒットから、“Official髭男dismの新曲”への注目度が十分に高まっていたことが推測できる。その後、「Pretender」CDリリース前後でグラフは急上昇。『ミュージックステーション』などテレビ番組への出演をはじめ、【METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2019】【NOW PLAYING JAPAN vol.3】などイベントへの出演も相次ぎ、2019/6/3付チャート(集計期間:5/20~5/26)では、自身初の週間チャート1位を獲得した。同時期には「ノーダウト」「Stand By You」もピーク時を上回る再生回数をマーク。ここが第一のブレイクポイントと言えるだろう。
第二のブレイクポイントとなったのが、「宿命」のCDリリースタイミングである7月末~8月。この時期には、2015年リリースのアルバム『ラブとピースは君の中』収録曲「SWEET TWEET」や、ライブでも頻繁に披露されている「Tell Me Baby」など、過去作より4曲が初チャートインを果たした。「Pretender」リリース時にも旧作掘り起こしの動きは見られたが、「宿命」のヒットにより、その勢いがさらに加速したことがうかがえる。
この2つのポイントに共通するのは、新曲リリースのタイミングにトピックを切らさなかったことだ。『コンフィデンスマンJP』『熱闘甲子園』などのタイアップや音楽番組への出演といったお茶の間での浸透に加え、フェスやイベントにもコンスタントに出演。お茶の間とライブ、双方のアプローチが、楽曲へのアクセスが手軽なストリーミング・サービスでの再生数増に繋がったと考えられる。また、ストリーミング・サービスを通じて過去曲を掘り起こしたリスナーが新たにファンとなり、さらなるチャート躍進を後押ししたのではないだろうか。
「Pretender」が1億回再生を突破
そして、2019/9/30付チャート(集計期間:9/16~9/22)では、ついに「Pretender」が総再生回数1億回を突破した。1億回再生突破は、2019年リリース楽曲では初。2017年10月のストリーミング・チャート集計開始以降、あいみょん「マリーゴールド」、DAOKO × 米津玄師「打上花火」、エド・シーラン「シェイプ・オブ・ユー」に次ぐ4作目の快挙で、チャートイン23週での突破は史上最速となる。
▲「Pretender」
10月9日にはニューアルバム『Traveler』をリリース、10月26日からは同作を引っ提げた全国ツアーがスタートするOfficial髭男dism。来年3月からはアリーナツアーも決定しており、その音楽はさらに多くの人の耳に届いていきそうだ。
Billboard JAPAN ストリーミング・ソング・チャート“Streaming Songs”
GfK Japanが提供するオンデマンド型国内主要音楽聴き放題サービス(Amazon Music Unlimited、Apple Music、AWA、Google Play Music、KKBOX、LINE MUSIC、Rakuten Music、Rec Music)の再生回数とプレイリスト型ストリーミングサービス(dヒッツ、うたパス)の再生数を合算しています。
Text:Mika Fuchii
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