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YUNA初来日&最新アルバム発売記念インタビュー&サイン入りポラロイド写真を抽選で2名様にプレゼント! 「このアルバムを聴いて“あなたは独りじゃない”と思ってほしい。」
マレーシア出身、現在はLAを拠点に活動するR&Bシンガー、YUNAが【Local Green Festival'19】出演のため待望の初来日を果たした。14歳から故郷クアラルンプールのジャズ・カフェや喫茶店で演奏をスタートし、2010年には、マレーシアのグラミー賞と言われる【Anugerah Industri Muzik】で、<最優秀新人賞>や<最優秀楽曲賞>といった主要部門含む4部門で受賞。2012年にファレル・プロデュースの下全米デビューし、ファッション・アイコンとしても注目される彼女は、H&MのCMへの曲提供、バーニーズ広告に登場するなど、現在はアメリカのポップ・カルチャーの中で重要な位置を占める存在へと成長している。そんな彼女に、初めての日本の印象や、“YUNA”という名前について、LAに拠点を移した経緯、そして最新アルバム『ルージュ』など色々と語ってもらった。
「“YUNA”って呼ばれることが全然好きじゃなかった。」
−−プライベートも含めて、今回が初めての来日ですか?
YUNA:そうよ!10年近く音楽をやってきて、他のアジアの国には行ったことがあったけど、東京は今回が初めてなの。私がマレーシアで音楽を始めた頃からサポートしてくれているファンが日本にいることを知っていたから、ずっと日本に来たいと思っていたわ。
−−ファンのみなさんにとっても待望の来日だったと思います。【Local Green Festival】でのステージはいかがでしたか?私も観に行きましたが、素晴らしかったです。
YUNA:見に来てくれたのね!日本での初めてのパフォーマンスで、どんなショーになるか全く予想出来ていなかったけれど、素晴らしい経験になったわ。観に来てくれたみんなも楽しんでくれているようで最高だった。
−−ショー中のMCで「みんな静かね(笑)」と言っていましたが、日本のオーディエンスは他の国と比べるとやはり少し静かだと感じますか?
YUNA:そうね、でもみんな手を振ってくれたり、ある曲でオーディエンス側から手拍子が起こったときがあったの。そのときに「あ、みんなこの曲が好きなんだ!」と感じたわ。みんなが各々の楽しみ方で私のショーを楽しんでくれていたと思う。
−−最前列にはマレーシアのファンもいましたね。
YUNA:スクール・トリップの一環だったみたい。日本中を旅していたみたいで、横浜にも訪れていたようね。それに、あの日に同じエリアでマレーシア料理のフェスもあったみたいよ。きっとマレーシア人が多く集まるからわざと同じにイベントを開催していたんじゃないかしら。(笑)でもマレーシアのファンも来てくれて本当に嬉しかったわ!
−−今着ているそのジャケットは昨日のステージでも着ていましたよね?そういったステージ衣装はご自身で選んでいるんでしょうか?
YUNA:そうよ。スタイリストはいないから、私自身で買いに行くの。このジャケットはニューヨークで買ったわ。
−−衣装選びの基準などはありますか?そのジャケットは、私じゃ着こなせないので、さすがだなと思います!(笑)
YUNA:このジャケットを選んだときは、キラキラしてていいな〜と思って買ったの。いつもショッピングするときには、「この洋服は、ショーでも着れて、日常使いとしてカジュアルにも着れるかな?」と考えて選ぶことが多いわ。このジャケットはちょっと例外だけど、でもショッピングに行く時とか着れるかもしれない…たぶん。(笑)ファンシーな気分のときとかね!
−−東京では買い物に行く時間はありましたか?
YUNA:少しだけど原宿に行ったわ。もう一回行きたいくらい。
−−何か買いましたか?
YUNA:ショーで履いていたピンクのパンツを買ったわ。
−−そうだったんですね!東京での滞在を楽しんでいるようでよかったです。
YUNA:またすぐにでも戻ってきたいと思っているわ!
−−次の来日も楽しみにしています。それでは、YUNAさんご自身についての質問なのですが、“YUNA”という名前は本名でしょうか?
YUNA:そうよ。“YUNALIS”が本当の名前なんだけど、実はこの名前はマレーシア語でもないから、名前の意味は私もわからないの。私が音楽を始めだした頃、周りの人からは“ALIS”と呼ばれていたわ。それが私のニックネームだった。ただ、何人かの友人からは“YUNA”と呼ばれていたんだけど、その時は“YUNA”という名前が好きじゃなかったの。
−−“YUNA”はお気に入りの名前ではなかったんですね。
YUNA:そうなの。“YUNA”って呼ばれることが全然好きじゃなかった。でも音楽を始めて少し経ってから、イベントのオーガナイザーたちから「君は何て呼べばいい?」って言われたときに、“ALIS”は私の家族が呼ぶようなプライベートなニックネームで、それをステージネームにしたくないと思ったから、「“YUNA”でいこう!」と思ったのよ。結果的にとても良い決断を下したと思っているわ。それに、マレーシアにいた頃は“YUNA”はただの名前でしかなかったけど、アメリカに移ったときにアジア系のファンが増えて、そのとき「YUNAって何人?韓国人?日本人?どこの国の人だろう?」ってミステリアスな印象を与えることができたのよ。今こうして“YUNA”として活動していることが、昔じゃ予想もついていなかったと思うと面白く感じるわ。
−−“YUNA”という名前は日本語にもありますし、それに今回のジャケットにはカタカナで“ユナ”という文字も記載されていますよね。
YUNA:このカタカナを誰が教えてくれたか予想できる?MIYAVIが教えてくれたのよ!このアルバムに入っている曲ではないんだけど、彼とコラボレーションした曲のシングルのアートワークに“ユナ”という文字が入っていて、あとで誰かにカタカナの意味を教えてもらったときに「え、これ私の名前なの?」ってびっくりしたわ。でもとても嬉しかったから、今回のアルバムのアートワークにも入れようと思ったのよ。
−−日本盤だけのオリジナルかと思いましたが、これが世界的に出回っているということですよね。
YUNA:そうよ!アルバムのジャケットも、「Blank Maquee」や「Pink Youth」のシングルのアートワークにも入れているの。
▲Yuna, Little Simz - Pink Youth
−−日本語の“ユナ”の文字も気に入ってくいれているようでよかったです!
YUNA:私の作品に日本語を取り入れる時がきた!と思ったの!(笑)
−−ステージで着ていたシャツにも“ユナ”というカタカナが入っていましたね。
YUNA:あれは私のファンが作ってくれたのよ。「ツアーがんばってね!」という意味を込めてツアーTシャツに、ジャウィ文字と日本語を入れてくれたの。
−−素敵なファンの方ですね。YUNAさんはマレーシアで生まれ育ち、音楽でも成功を納めて、マレーシアでは申し分ない生活を送っていたと思いますが、何がきっかけでLAへ移住しようと思ったのでしょうか?
YUNA:マレーシアを離れようと思った大きな理由は、私の英語の曲が売れていなかったから。マレーシアで有名にはなったけど、なかなか英語で書いた曲がヒットしなくて。それに私は自分の英語の曲もすごく良い曲だと自信があったから、何かしなきゃいけないと心の中で思っていたの。それでLAに行こうと決めたわ。LAにいけばもっと良い機会や出会いがあると思ってね。その頃に、Myspaceで私の英語の曲を聴いてくれた人がいて、その人から「LAにいるプロデューサーと曲を作ってみない?」とメールをもらって、「行くしかないわ!」と決心して行動に移したの。今はもうMyspaceを使っている人なんてあんまりいないと思うけど、当時はMyspace上でファンや友達がたくさんいたからね。だからアメリカに移った理由は、マレーシアで出来ることはやり尽くして、でも自分は年を取っていく一方で、私が作った英語の曲で何かしなきゃ、という思いが強かったからということ。
−−英語の曲を広めたかったということですが、マレーシアはマレー語と英語も公用語ですよね?
YUNA:マレーシア人はどちらも理解できるんだけど、音楽に関して言うとラジオからは流れて来る英語の曲はほとんどアメリカやヨーロッパの曲ばかり。だから欧米のアーティストの曲は売れるんだけど、私のようなマレーシア生まれのアーティストが英語で歌ってもインディーレベルで留まってしまうのよ。マレーシアには英語で曲作りをしているアーティストがたくさんいるけど、マレーシアのアーティストが英語の曲だけでやっていくのはなかなか厳しい現状になっているわ。マレー語で歌った方がしっかりと広がるわ。
▲Yuna - Crush ft. Usher
−−英語の習得はいつから始めましたか?
YUNA:スピーキングは8歳くらいから始めたわ。ライティングは14歳からで、最初は詩を書くことから始めていったの。それで、19歳のときにギターを始めたんだけど、その時に英語で曲を書くようにもなったの。私が一番最初に書いた曲は英語の曲だったわ。
−−そうだったんですね。歌詞を書く時に英語とマレー語では何か違いはありますか?
YUNA:もちろんあるわ。もしかしたらマレー語は日本語に似ている部分があるかもしれないけど、マレー語は韻律(音のリズム)がとても長くて、言いたいことを一文にまとめるのが難しいの。特に音楽的にね。4つのバースの1つにまとめなきゃいけなかったり…。それと比べると英語はシンプルよね。だから世界の公用語になっていると思うわ。3単語にたくさんの意味が入っていて、それだけで成立したりする。だから英語で歌詞を書く方が好きだわ。あともう一つの理由としては、アメリカの音楽やブリティッシュ・ポップを聴いて育った環境だったことも影響していると思う。
リリース情報
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Text:Ayaka Matsui
Photo:Yuma Sakata
「このアルバムを聴いて“あなたは独りじゃない”と思ってほしい。」
−−それでは最新作『Rouge』について教えてください。“ルージュ”(赤)はYUNAさんのお気に入りの色ですか?なぜこの色を選んだのでしょうか?
YUNA:“ルージュ”を選んだ理由は、赤という色が私の周りにあったから。例えば、私の夫は赤が大好きで、結婚したときに彼が「結婚式では赤を着よう!」って言ってきたくらい。私は「ノー!」って思っていたけど。(笑)というのも、それまでは赤という色が明るすぎてちょっと怖い印象があったし、アジア人として赤いリップをつけていると人から「赤いリップをつけているのね」ってわざわざ言われたりするから、赤いリップをつけることを避けていたくらい。私は、元々シャイな性格で、赤を身につける自信を持ってなかったの。でも今作は、ありのままの自分を受け入れられて、結婚もして、大人になって、10年間この音楽業界で音楽を作り続けてきて。その中で色んな人から「なんで彼女はこうなの?」とか「彼女はもっとマレーシア人であるべき」とか「もっとムスリムであるべき」とか様々なことを言われてきたけど、そんなこと気にぜずに自分自身を表現すればいいんだと思えて、その時に“赤”が私の勝利の色だと思えたの。とても力強い色だしね。
−−実は、YUNAさんにインタビュー出来るということで、YouTubeで色々なビデオを見ていたんですが、YUNAさんが2016年に投稿していたVLOGシリーズの中で、ファンからの質問に答えるという企画がありました。その当時、ファンから「好きな色は?」と聞かれていたのですが、そのときは「うーん。黒とか白とか、緑…」と、特に決まったお気に入りの色(私はずっと赤がお気に入りの色なのかと思っていましたが)はないと言っていました。ですが、今のお話を聞いて、旦那様の影響が大きいんだなと感じました!
YUNA:ハハハ!そうね、彼からはかなり影響を受けたわ。今は、“赤”も私の色と言えるわね。でも確かに、結婚が私の人生にポジティブな影響を与えてくれたと思う。遠慮せず自分に正直になったし、私の本当の意味での良いところを引き出してくれるパートナーに出会えたことに感謝しているわ。
▲YUNA VLOG #1 : Q&A
−−ちなみに、もう一つファンからの質問で「遠距離恋愛についてどう思いますか?」という質問に、YUNAさんは「私は遠距離はしたくないわ。LAに住んでる人と付き合いたい。」と答えていたんですが、旦那様のアダムさんとはマレーシアとLAの遠距離恋愛だったんですよね?(笑)そこも興味深いなと思ってしまいました。
YUNA:ハハハ!きっとその質問をした人には私の未来が見えていたのかもね。(笑)それにしても私って本当に彼から影響を受けているわね。
−−今作にはたくさんのラブ・ソングが入っていますが、パートナーとの別れを歌う曲が多い印象でした。これらはYUNAさん本人の経験が元になっているのでしょうか?
YUNA:もちろん自分が経験したことを歌詞にすることもあるけど、今作については他のソングライターやプロデューサーと共同して作った曲が多いの。私はあまり誰かと一緒に曲作りや歌詞を書いたりしないんだけど、今回はもっとオープンに、色んな人と一緒にやってみようと思えたの。若いソングライターとかから新しいアイデアをもらったり、一緒に考えたり。例えば「(Not) Love of My Life」という別れの曲があるんだけど、これは私も実際に「この人じゃないな」と感じた経験があって出来た曲なの。
▲Yuna - (Not) The Love Of My Life
−−そういった自身の経験や他の人の経験も込められた今作を通して一番伝えたいメッセージはどういったことなのでしょうか?
YUNA:このアルバムを聴いた人には、どれか一曲でいいから共感を持ってもらえる部分があるといいなと思っているわ。マレーシア出身のイスラム教徒の女性作った曲を聴いて、ニューオーリンズ在住のアフリカ系アメリカ人がその曲に共感持ったとしたら、そこには何か共通するものがあると思うの。このアルバムを聴いてくれている人にとても感謝しているし、このアルバムを聴いて“あなたは独りじゃない”と思ってほしい。もし辛い別れを乗り越えようとしている人がいれば、ぜひ聴いてほしいし、特に辛い状況の渦中にいる女性リスナーにはこのアルバムを聴いて自信を取り戻してほしいと思っているわ。
▲Yuna - Blank Marquee ft. G-Eazy
−−ラブ・ソングの他には「Likes」というアイデンティティを歌う曲もありますが、アジア人としてアメリカで活動することに何か違和感などを感じたことはありますか?
YUNA:もちろん、私はアメリカ出身ではないからアメリカでは外部から来た人と思われているだろうけど、でも私はここで音楽を作っているから、私はアメリカがホームになったと感じているわ。ソングライティングをするときに、みんなが好きになってくれる曲を書かなきゃとか、アジア人向け、マレーシア人向け、ムスリム向けとか、アジアからきた欧米に来た女の子は保守的すぎるとか、このエンタメ業界でどういう風な見せ方をしなきゃいけないとか、色々考えたり、色んな批評もあるけど、ある時に気づいたの「私は私でしかない」って。「お願いだから私を理解して」って強制的にやっても意味がないし、私の音楽が好きなら好きだし、嫌いなら嫌いだし。他にもたくさんアーティストがいるわけだから、みんなに好きになってもらわなくてもいいんだと受け流せるようになったわ。そういったことを「Likes」という曲で表現したつもりよ。
−−最新作について色々教えて頂きありがとうございます。それでは、このインタビューを読んでいるファンの方へのメッセージをお願いします。
YUNA:今回は初めての来日だったから、もっと日本のファンのことを知りたいと思っているわ。実際にお喋りもしてみたい。マレーシアにいた頃に、一度来日のチャンスがあったんだけど、何かの理由で上手くいかなくて、今回やっと日本に来れたの。初めての日本で、ファンのみんなが温かく受け入れてくれて本当に感謝している。また何度も来日することができればいいなと心から願っているわ!国も文化も人も、日本の全てが大好きだから、ファンのみんなとももっと素晴らしい関係性が作れるといいなと思っている。これからもたくさん音楽を作り続けていくから、みんなもこれからも応援してね!
−−もしチャンスがあれば、ぜひ日本語の曲を作ってください!(笑)
YUNA:もちろん考えるわ!実は小さい頃に日本語の曲も聴いていたの。宇多田ヒカルが好きだったわ!
−−そうなんですね!宇多田ヒカルさんとコラボレーションできたらいいですね。
YUNA:出来るなら本当にしたいわ!彼女はどこにいるのかしら?(笑)
−−ちなみに宇多田さんのどの曲がお気に入りですか?
YUNA:「First Love」も大ヒット曲で好きだけど、私は「SAKURAドロップス」が好き!それと「光」も。
−−ではYUNAさんの日本語の曲を楽しみにしていますね!インタビューに答えて頂きありがとうございました!
YUNA サイン入りポラロイド写真を抽選で2名様にプレゼント!
応募〆切:2019年9月16日(月・祝)23:59までに、Billboard JAPANの公式twitterアカウント(@Billboard_JAPAN)と洋楽専用アカウント(@BillboardJP_INT)を両方フォロー&ハッシュタグ#YUNA_BillboardJPでツイートした読者の中から抽選で2名様に取材時に撮影したサイン入りポラロイド写真をプレゼント!下記注意事項を必ず確認の上、ふるってご応募下さい!
・応募締め切りは、2019年9月16日(月・祝)23時59分となります。
・当選者の方には、@Billboard_JAPANよりDMを送ります。当選時に@Billboard_JAPANと@BillboardJP_INTをフォローされていない場合、当選は無効となります。
リリース情報
関連リンク
Text:Ayaka Matsui
Photo:Yuma Sakata
ルージュ
2019/07/12 RELEASE
UCCB-1046 ¥ 2,750(税込)
Disc01
- 01.キャスタウェイ ft.タイラー・ザ・クリエイター
- 02.ブランク・マーキー ft.Gイージー
- 03.ノット・ザ・ラヴ・オブ・マイ・ライフ
- 04.ティーンエイジ・ハートブレイク ft.MIYAVI
- 05.ピンク・ユース ft.リトル・シムズ
- 06.フォーゲット・アバウト・ユー
- 07.ライクス ft.カイル
- 08.エイミー ft.マセーゴ
- 09.ダズ・シー ft.JAY PARK
- 10.フォーエヴァーモア
- 11.ティアダ・アヒール
- 12.レッスンズ (日本盤ボーナス・トラック)
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