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リサ・ローブ 新アルバム発売&来日記念インタビュー ~「今作には、あなたを幸せへと導いてくれるかもしれない手掛かりを入れたつもりよ」



 シンガー・ソングライター、リサ・ローブは映画『リアリティ・バイツ』のサウンドトラックに加えられた「ステイ」で、正式デビュー前にも関わらず全米ビルボードHOT100の1位をマーク、プラチナ・ディスクを獲得するという鮮烈なデビューを果たした。トレードマークのメガネとアコースティック&ポップなメロディでリスナーの心を掴んだ彼女はその後も「ドゥ・ユー・スリープ?」「タフィ」など洞察力に満ちたリリックとナチュラル・ボイスで数多くのヒットを記録してきた。2018年には「“子供の音楽と大人の音楽”という区別を曖昧にさせるような楽曲集」をテーマにしたアルバム『Feel What U Feel』で同年のグラミー賞を獲得するなど、新たな表現の道を開拓し活躍を続けている。そして今年も新アルバム『ア・シンプル・トリック・トゥ・ハピネス』をリリース。更にその新作を携え、9月2日(月)にビルボードライブ大阪、9月4日(水)・5日(木)にビルボードライブ東京で5年ぶりの来日公演を開催する。そんなリサにインタビューを行い、新作と来日公演についてたっぷり語ってもらった。

今作には、あなたを幸せへと導いてくれるかもしれない手掛かりを入れたつもりよ

―最新作『ア・シンプル・トリック・トゥ・ハピネス』について教えてください。まず、アルバムのタイトルにはどんな意味を込めましたか?


▲『ア・シンプル・トリック・トゥ・ハピネス』

リサ・ローブ(以下:リサ):このアルバムは私にとって凄くパーソナルなものになったわ。今年の初めに作曲を始めて、私自身の個人的な経験をシェアするために、今の自分にとって大切なテーマが入った曲を描いていったの。このアルバムのタイトルは、「The Upside」という曲の歌詞から得たもので、それ自体がトリックそのものなのよ。幸せへのシンプルな道筋がないようにね。今作には、あなたを幸せへと導いてくれるかもしれない手掛かりを入れたつもりよ。それは例えば、仕事とか人間関係とか、あなたが罠にはまってしまったと感じている状況から敬意を払いながら去っていくことだったり。そして、常に努力しながらも、その物事を受け入れて感謝もする、というメッセージも作品に入れたわ。このアルバムを聴くと、様々な異なる方法で人生をより良いものに出来るということを深く考えさせられると思うし、どこかの誰かもあなたと同じような経験しているということに気付かされると思うわ。

―制作する際に意識した部分、アルバムを通じて伝えたいメッセージはどんなものですか?

リサ:私自身の人生、私がこれまでに学んだレッスン、そしてここ数年で経験したこと「成長して、結婚して、子供を授かった」ということにフォーカスしたわ。それと、この世界に出てミュージシャン/ソングライターとして一生懸命働いて、たくさんの事を見て・経験したこと、それと同じくらい様々な人から聞いた話とか。そういったことにインスピレーションを受けたわ。

―日常を切り取って、我々もその光景をイメージし易い歌詞を書かれる事が多くありますが、どこから着想を得て作詞をするのですか?

リサ:私の奥深くにある考えや、頭から離れないメッセージに影響を受けているわ。これまでに学んできたことや自分の子供に伝えていきたいことを考えたりするの。それと日々の生活で多くの人と話すようにしているわ。コンサートに向かう飛行機で隣に座った人、ショーの後に出会ったファン、子供のクラスメイトの親、それから一緒に仕事をしている人とも。当たり前と思う考えも時々あったりするけど、話していくうちに私の考えていることが相手にとってはとても大きな啓示になっているということに気付かされたりするのよ。

―前作『Feel What You Feel』に続いて、リッチ・ジャックスをプロデューサーに迎えていますが、彼との仕事は曲作りにどんな影響がありますか?。

リサ:リッチと私は仕事仲間として素晴らしい関係性を築けているわ。私は「こういうサウンドになってほしい」という強い思いを持っているタイプなんだけど、彼もそうなの。私の曲が光り輝くよう、新しいモダンなプロダクションの方法を見つけるために一緒に取り組んでいるわ。彼は、私が今まで使ったことのないモダンな計装やテクスチャのバランスを見つける才能を持っていて、そのために必要なミュージシャンを連れてきてくれたり、ソングライティングする上でのコラボレーターと私を繋げてくれたりするのよ。



▲Lisa Loeb - Feel What U Feel

―個人的に日々を“幸せに生きる”為に心掛けていることや、日々続けている習慣があれば教えてください

リサ:クロスワード・パズルをすること、十分な睡眠を取ること、家族と過ごすこと、そして近所を散歩することが大好きよ。仕事と休暇の丁度いいバランスを見つけるようにしている。旅行も大好き。私は常に物事そのままを見るようにして、私なりに何か変化を加えられる方法がないか探して、仕事にたくさん情熱を注ぐの。そして時には一歩下がって、いつが辞めどきか理解するようにしているわ。

―世界がより良い場所になるために、人々に必要な考え方や生き方はどんなものだと考えてますか?

リサ:もっとお互いが尊敬しあって、もっと努力すべきだと思う。「気候変動を止めるために何もすることができない」とか「お互いに残酷な存在になってしまっている」と人々は思ってしまっていると私は感じているの。私たちは、それが小さな一歩だったとしても、一緒に一歩ずつ前へ進んで行く必要があるわ。人は大きな力を持っているのよ。私たち自身のエネルギーを重ねあって、私たちの価値に焦点を定め、そういった意識を持った人たちを見つけて、私たちの強みを合わせて働き続けたら何かを変えることができると思うの。私たちが声を上げることが重要ね。「Say Hello」という曲は、人々が互いを認め合うことを促す内容で、そういったシンプルな一歩がこの世界や私たちのコミュニティの中で共鳴して長い道のりを進んでいくきっかけになると思うわ。


▲Lisa Loeb - Say Hello

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