Special

熊木杏里 『春隣』 インタビュー

熊木杏里 『春隣』 インタビュー

 『春隣』はいわゆる春ソングではありません。春のようにキラキラとした、いつでも隣に感じていたい存在を想った歌。春も夏も秋も冬も自分を照らしてくれる優しい日だまりのような歌なんです。今回のインタビューでは、彼女がそんな素晴らしい歌を生み出した経緯について話を伺ってきました。ただ、その前に例のアウォード(!?)のグランプリ受賞についてお話を。

もう「何もないから何かになりたい」じゃない

--まずは、手前みそというか、何というか、アレなんですけど、「2007年度 hotexpress編集部が選ぶ MVP」グランプリ獲得、おめでとうございます!グランプリを獲得した今の心境をお願いします(笑)。

熊木杏里:(笑)。いや、嬉しいです!1位はやっぱり嬉しいです。

--特にトロフィーとかないんですけど(笑)、これまで以上に熊木杏里をパワープッシュしていきたいと思いますので。また、熊木さんに投票してくれた読者の皆さんにも一言もらえればと思うんですが。

熊木杏里:本当にありがとうございます!ノミネートされているアーティストさんの中には有名な人もいっぱいいて、その中で自分がたくさん支持されているのを見たときは嬉しかったですね。この先も変わらずに行こうと思いますので、これからも応援してください!

--ではでは、アルバム『私は私をあとにして』以来、約半年ぶりのインタビューを始めさせて頂きたいんですが、まず新作『春隣』の話を伺う前に、昨年秋の【熊木杏里ライブツアー~私は私をあとにして~】、そして今年春の【熊木杏里 Spring Tour 2008 ~春隣~】、それぞれ自分にとってどんなツアーになったか、聞かせてもらえますか?

熊木杏里:昨年秋のツアーは、アルバム『私は私をあとにして』の曲をいっぱい歌っていたので、どちらかと言うと、広がりのある内容と言うよりは、伝えたいこと重視みたいな内容だったんだけど、今年春のツアーで目指したところは一体感。こちらから提供できる今の精一杯のアクティブ感が出せたライブだったかなって。

--で、今年春のツアーのライブを赤坂BLITZで観て思ったことなんですけど、振り返ってみると、昨年秋のツアーは「これからも新しく自分の道を突き進んでいく」という明確な想いを訴え続けてきたここ数年の熊木杏里の集大成的なツアーでもあったのかなと。自分ではどう思いますか?

熊木杏里:確かにそうだったかもしれませんね。だからこそ、今年春のツアーはそれまでと違う感じになったんだと思うし。それは良かったなって思います。

--で、今年春のツアーでは、実際に「これからも新しく自分の道を突き進んでいく」という意思表明の先にある世界でライブをしていましたよね?

熊木杏里:そうですね。ちょっとさらけ出した感が前より大きかった分、またいろいろなことが出来たライブになりました。

--それが顕著に表現できていたのが、『長い話』に新たに加わった26才のくだりで。26才になった今は、過去の自分も許せるようになってきた。人が好きになった。人が好きすぎて悲しくなった。まだまだ悩むことはあるけど、私は「今日の中で何かでありたい」っていう。

熊木杏里:『長い話』は、すごく日記的な歌で、22才のときまでの自分について歌っているので、今の熊木杏里がどう思っているのか?っていうのは伝えられなくて。もちろん今の自分の歌は他にあるのでそれを聴いてもらえば良いんだけど、なんか、ああいう弾き語りの歌だし、自分だけのオンリーコーナーみたいな感じだったから、今の気持ちをちょっと付け足してみても面白いかなって。でもやっぱりちょっと流れが違って、不思議な時間の感覚がありました。それだけ22才から今に至るまでは遠く、いろいろあったんだなって。でも今の自分の気持ちを良い感じに言えて良かった。

--最近言ってきたことですもんね、あの歌詞は。「人が好きすぎて悲しくなった」って歌われたときは、完璧だなって思いました。

熊木杏里:(笑)。

--「今日の中で何かでありたい」っていうのも。

熊木杏里:ライブで歌うからっていうのもあったんだけど、もう「何もないから何かになりたい」じゃないなと思って、今は。

--それを初のワンマン以来のギター弾き語りで歌うっていうね。

熊木杏里:いろいろありましたけどね、あれは挑戦です。

--地方公演ではなんかやっちまったっていう噂も聞きましたけど(笑)。

熊木杏里:そうそうそう、やっちゃいました。全く詞が出てこなくなっちゃって、人生白紙みたいに(笑)。

  1. < Prev
  2. NEXT PAGE
  3. Next >

熊木杏里「春隣」

春隣

2008/05/21 RELEASE
KICM-34 ¥ 1,234(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.春隣
  2. 02.時の列車
  3. 03.時計(re-birth version)

関連キーワード

TAG

関連商品

生きるとは
熊木杏里「生きるとは」

2024/11/27

[CD]

¥3,300(税込)

生きるとは
熊木杏里「生きるとは」

2024/11/27

[CD]

¥9,400(税込)

風色のしおり
熊木杏里「風色のしおり」

2022/11/23

[CD]

¥3,000(税込)

風色のしおり
熊木杏里「風色のしおり」

2022/11/23

[CD]

¥10,000(税込)

なにが心にあればいい?
熊木杏里「なにが心にあればいい?」

2020/11/11

[CD]

¥3,000(税込)

なにが心にあればいい?
熊木杏里「なにが心にあればいい?」

2020/11/11

[CD]

¥5,280(税込)

生きるとは
熊木杏里「生きるとは」

2024/11/27

[CD]

¥3,300(税込)

生きるとは
熊木杏里「生きるとは」

2024/11/27

[CD]

¥9,400(税込)

風色のしおり
熊木杏里「風色のしおり」

2022/11/23

[CD]

¥3,000(税込)