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特集:CASIOPEA 3rd~日本を代表する現在進行系のフュージョン・グループ
日本を代表するフュージョン・グループ、CASIOPEA 3rd。カシオペアとしてデビューしてから40週年を迎える彼らは、紆余曲折ありながら現在も第一線で絶大な人気を誇っている。ここでは、過去を紐解きながら、現在進行系の彼らの魅力を浮き彫りにしていきたい。
HISTORY OF CASIOPEA ~ CASIOPEA 3rd
世界中にクロスオーヴァーやフュージョンの波が押し寄せていた1979年、カシオペアはデビューした。オリジナル・メンバーは、野呂一生(ギター)、向谷実 (キーボード)、櫻井哲夫(ベース)、佐々木隆(ドラムス)の4人。1977年に結成し、アマチュア・バンドとしてすでに評価も高かったが、プロとなりCMで「I LOVE NEW YORK」が使用されてさらに認知度が高まった。その後、ドラムスが神保彰に代わり、いわゆる第一期の黄金時代に突入する。
レコードの売上もライヴの動員数も、日本のジャズ/フュージョン・アーティストとしてトップに立ったカシオペアは、テレビやラジオなどのメディアでも引っ張りだことなる。1984年にはマクセルのCMにメンバーが登場し、さらに人気が高まった。ロックやポップスのアーティストと並んで歌番組に登場することもあれば、海外公演の人気ぶりをニュース番組で報道されるなど、いわゆる音楽ファン以外にもアピールすることになった。「ASAYAKE」、「EYES OF THE MIND」、「DOMINO LINE」、「MISTY LADY」、「HALLE」といった代表曲は、アマチュア・バンドのレパートリーにも取り上げられるほど、カシオペアの影響力は多大なものだった。
しかし、80年代末になると徐々に人気が低迷。メンバー間の不和も生じ始め、重要なリズム・セクションの櫻井と神保が脱退。90年代に入ると鳴瀬喜博と日山正明が加わるが、間もなく日山が脱退し熊谷徳明が加入。数年で熊谷が脱退した後は、神保がサポートに入るなど流動的な活動となる。定期的なリリースやライヴが行われていたとはいえ、メンバーそれぞれのソロ活動を並行していたこともあり、カシオペア本体は一時の勢いはなくなっていた、そしてついに、2006年に活動休止宣言を行い、長いバンド活動にピリオドを打った。
沈黙の後、結成35周年を迎えた2012年には、ついに活動再開を発表した。と同時に、オリジナル・メンバーの向谷が正式に脱退。新たに大高清美が加入し、野呂、鳴瀬との3人編成に神保がレギュラーでサポートで入るという形に固定された。また、バンド名が、CASIOPEA 3rdとなり、イベントやツアーなどのライヴを中心に活動。『TA・MA・TE・BOX』(2013年)、『A・SO・BO』(2015年)、『I・BU・KI』(2016年)、『A・KA・RI』(2018年)と、コンスタントなアルバム・リリースを行っている。CASIOPEA 3rdはすっかり安定したバンドとなり、再び日本のフュージョン・シーンにおけるトップ・アーティストに君臨することになった。
MEMBERS OF CASIOPEA 3rd
(ギター)
学生時代からセミプロとして活動していたが、自身のグループとしてカシオペアを結成。以来、バンドのリーダーでありメイン・コンポーザーとしても音楽面でも牽引。ソロ活動の他、オットットリオ、Vibes、お気楽ギグといった様々なプロジェクトに参加。現在は、CASIOPEA 3rdと並行してISSEI NORO INSPIRITSの活動も行っている。ヤマハのSGがトレードマーク。
(ベース)
70年代初頭からプロとして活動し、スモーキー・メディスン、金子マリ&バックスバニー、うるさくてゴメンねBAND、野獣王国、ザ・チョッパーズ・レボリューションなど、独特のチョッパー奏法を駆使し、幅広いジャンルで活躍。カシオペアとは1977年にコンテストの審査員として出会って以来の付き合い。1990年の加入以降は、野呂と並ぶバンドの顔でもある。
(キーボード)
エレクトーン講師などを経て、オルガン奏者として1998年にソロ・デビュー。assureやSpark7といったプロジェクトへの参加でも注目を集め、ジャズ/フュージョンからハードロックやプログレまでも網羅。そのユニークな活動が認められ、向谷実の後任に抜擢された。川口千里とのKIYO*SENでも活躍中。
(ドラムス)
学生時代にスカウトされてカシオペアに加入。シャンバラ、JIMSAKU、熱帯JAZZ楽団、Synchronized DNA、PYRAMIDといった数多くのプロジェクトに参加。ドラム・トリガー・システムを使ったワンマンオーケストラが大きな話題となる。CASIOPEA 3rdはあくまでもサポート・メンバーではあるが、ほぼ正式メンバーと同じ扱いとなっている。
公演情報
ビルボードライブ東京:2019/4/6(土)-7(日) >>公演詳細はこちら
1st Stage Open 15:30 Start 16:30 / 2nd Stage Open 18:30 Start 19:30
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Text: 風奏陽
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