Special
THE ALFEE『Last Run!』高見沢俊彦単独インタビュー
歳を重ねることは決してネガティブに捉えるようなことじゃない
10月にコンサート通算2700本達成!(日本グループ史上最多記録更新) そんな2018年のクライマックスに大阪国際女子マラソン イメージソングコンプリートアルバム『Last Run!』をリリースするTHE ALFEE。いよいよ来年デビュー45周年を迎えるタイミングで、高見沢俊彦に現在の心境、そして、あらゆる読者へのエールと成り得るメッセージをたくさん頂戴してきた。ぜひご覧頂きたい。
音楽と小説の、大谷選手のように二刀流で活動していくことが現実に
--THE ALFEE及び高見沢俊彦の2018年はどんな1年でしたか?
高見沢俊彦:これからデビュー45周年を迎えるタイミングで、10月にTHE ALFEEがコンサート通算2700本達成(日本グループ史上最多記録更新)という節目を迎えた。これは大きいですね。あと、今年もソロでシングル『薔薇と月と太陽~The Legend of Versailles』を出したし、小説家としてデビューしたことも大きかったかな。また新たな扉を開いて、音楽と小説の、大谷選手のように二刀流で活動していくことが現実になったので。--小説第2弾『秘める恋、守る愛』も書いているんですよね。早速、2作目に踏み出せた要因は何だったのでしょう?
高見沢俊彦:1作書いて、それから間隔が開いちゃうと「なんだ、フロックじゃねぇか」とか「1作だから書けたんじゃないか」とか言われたくないですからね。まぁでも、ひとつ書き出したら「こういうテーマはどうだろう」とか「こういうテーマも面白いかも」とか頭の中でプロットがいくつも浮かび上がるようになりましたね。今までそんなことなかったんだけど。で、1作目のような『音叉』と同じ音楽モノを書いてもつまらないし、次は違う物語にしようと思って恋愛モノにしました。恋愛と言ってもロマンティックな恋愛じゃないんですけどね(笑)。--そうなんですね。
高見沢俊彦:二刀流を掲げたからには、両方やっていないと嘘になりますからね。音楽はやり続けてきたホームみたいなものですが、小説は突然生まれた新境地。で、新たに2作目の話をしたら、編集部も乗り気になってくれたので、またこうして連載に踏み切りました。--1作書いて「夢を叶えた、以上」ではなく、小説家としての人生を本格的にスタートさせたというか、書きたいモノがある限りは続けていくつもりなんですね?
高見沢俊彦:そうですね。書きたいモノがある限りは、生まれる限りはやり続けたいと思っています。歴史的な小説も書きたいし、サスペンス的な小説もいつかトライしたい。今音楽と同じぐらいワクワクしてますよ。だから、この2作目がある意味勝負ですね。--高見沢さんの場合は、音楽だけでも「こんな歴史を歩んだ人は他にいない」的なエピソードがいくらでもある訳ですけど、これだけ長く音楽活動をしてきたミュージシャンがこのタイミングで小説家としてのキャリアを本格始動させる。そんな人……
高見沢俊彦:ここにいるよ(笑)。--世界的に他に探してもいないかもしれないです。
高見沢俊彦:この年齢からはね(笑)。だから難しさもありますね。THE ALFEEが長い分、高見沢俊彦の認知度もそれなりにある。その男が書く小説となると、特に1作目『音叉』なんて音楽モノだったから、どうしても僕を重ねてしまうらしい。いくら創作と言い切っても、そこは限界があるみたいですね。本当に自分ではないんですけどね。--パブリックイメージが弊害になる?
高見沢俊彦:弊害とまでは言わないけど、そこは小説の世界では払拭していきたいと思っているし、そういう意味ではいくつも書いていきたいですね。--ちなみに、本格的に小説家人生を歩み出せたのは、各書店1位で重版にもなった1作目『音叉』に手応えを感じたからでもある?
高見沢俊彦:自分の中でも思うところはたくさんあって、要するにまだまだ未完成ですからね。未完成であるゆえに次を書きたい。音楽もいっしょで、45年やってもまだ未完成なんだから、小説なんてまだ1年ぐらいなんで未完成で当然ですよ。--音楽で例えると『音叉』は1stアルバムで『秘める恋、守る愛』は2ndアルバムになると思うんですが、小説を書く上での1stと2ndの心持ちの違いとかあったりしますか?
高見沢俊彦:ビートルズで言うと『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』の次に『ザ・ビートルズ(ホワイト・アルバム)』みたいな、全く違うイメージ。そういう感じですね。キャラクターも設定も内容も全然違う訳ですから。前作は70年代の青春群像劇でバンドマンの物語だったけど、今作は家族を通したひとつの……恋の形と言うのかな? 愛の形と言うのかな? そういったモノを描いてみたいなと思っているので。でもこれがなかなか難しい(笑)。--どんなところが難しいですか?
高見沢俊彦:恋愛小説と言っても、素敵な男性と女性が出てきて……みたいなモノではないので。家族を通して「人は何を秘め、何を守るのか」みたいなね、答えはないのかもしれないけど、そういったモノを探りながら書いていこうと思っているので、簡単ではないですね。- 規模は全然違うけど【ライヴエイド】におけるクイーンみたいなもんじゃない?
- Next >
637