Billboard JAPAN


akiko Meets New Orleans

 40~50年代スウィング・ジャズをポップにカヴァーしたシングル『Swingy, Swingy』、そしてジャズ・スタンダードを歌い上げた最新アルバム『黒い瞳/Dark Eyes』と、ニューオーリンズ録音による作品を立て続けに発表し、ルーツ・ミュージックへの敬愛を表現してみせたakiko。
 ジャズをベースとしながらも、そこだけに捕われない自由な音を奏で続けてきた彼女が、デビュー10周年という節目を通過した今、音楽の源流ともいえる彼の地“ニューオーリンズ”に辿りついたのは、ごく自然かつ必然的な流れだったといえるだろう。

私の心を惹き付けてやまないもの、キーワードは"ニューオーリンズ"。

 ニューオーリンズの街を歩いていると「ここは本当に音楽の街だな」と感じる。ジャズだけではない。ブルース、ファンク、現在はHIP HOP好きな若者達もたくさんいる。街を歩けば聴こえてくるそのどの音をも、決して嫌いではない、いや、むしろ結構好きかも、と思っている自分を発見する。

 私とジャズを結びつけたのは、10代の頃好んで聴いていたR&Bやブルース、ロックンロールに他ならない。それらがニューオーリンズで生まれた音楽だということもまだ知らなかった頃、ヒューイ・スミスやルイ・プリマ、リトル・リチャードは私の心をときめかせた。それから数年後に出会ったニューオーリンズ・ジャズがまた、そうであったように。

 時代は過ぎ音楽スタイルは変わっても、根本にあるものは変わらない。私の心を惹き付けてやまないもの、キーワードは"ニューオーリンズ”。
                              akiko

akikoセレクト ニューオーリンズ 8選 <入門編>
akikoがセレクトしたニューオーリンズの音楽史を紐解くための8タイトルを本人のコメントと共に紹介。

ルイ・アームストロング『ホエン・ユー・スマイル~ベスト・オブ・ルイ・アームストロング』

『ホエン・ユー・スマイル~ベスト・オブ・ルイ・アームストロング』
ルイ・アームストロング

UCCU-1279

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 ニューオーリンズをこの人抜きには語れない。ニューオーリンズ生まれのジャズ・レジェンド、ルイ・アームストロング。陽気なトランペットと個性的なダミ声、愛くるしい笑顔で人々を魅了し続けてきた彼が、ジャズ史に残した功績は計り知れず。聴けば思わず笑みが溢れる、この素晴らしき音楽。聴く人を幸せにする魔法、それがサッチモの音楽。

ビリー・ホリデイ『レディ・デイ:ザ・ベスト・オブ・ビリー・ホリデイ』

『レディ・デイ:ザ・ベスト・オブ・ビリー・ホリデイ』
ビリー・ホリデイ

SICP-245/6

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 その波乱万丈の人生や暗く重い歌唱ばかりがフォーカスされがちなビリー・ホリディだけれど、若かりし時代の彼女の歌は何とも愛らしくキュート。サッチモと一緒に出演した映画で共に披露している『Do You Know What It Means To Miss Orleans』は、歴史に残る名演奏。

プロフェッサー・ロングヘア『クロウフィッシュ・フィエスタ』

『クロウフィッシュ・フィエスタ』
プロフェッサー・ロングヘア

PCD-23969

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 ニューオーリンズを代表するピアニスト、プロフェッサー・ロングヘア。彼が後続のブルースやR&Bのミュージシャン達と一線を画しているのは、ブルースを基調にしつつもそれだけにとどまらず、カリプソやマンボなどラテンのリズムを取り入れて独自のスタイルを築き上げて行ったパイオニアだという点にある。『Mardi Gras in New Orleans』はティーンエイジャーだった私の心をわしづかみにした大好きな曲。

ヒューイ

『ハヴィング・ア・グッド・タイム』
ヒューイ"ピアノ"スミス

PCD-93016

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 私が10代の頃に通っていた『ロカビリー・ナイト』というイベントで、必ずかかる曲があった。Aceレコードから出ていた、ヒューイ・スミスの『Sea Cruise』という曲。その他にも『Rockin' Pneumonia and the Boogie Woogie Flu』や『Don't You Just Know It』など、この偉大なるニューオーリンズ出身のR&Bピアニストの曲達は盛り上がる事必至のパーティのお決まりの曲だった。

ザ・ダーティ・ダズン・ブラス・バンド『トゥエンティ・ダズン』

『トゥエンティ・ダズン』
ザ・ダーティ・ダズン・ブラス・バンド

COCB-53998

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 ニューオーリンズに行くと、通りのあちこちでブラス・バンドの演奏を目にするが、代表格はやはりダーティ・ダズン・ブラス・バンド。伝統的なブラス・バンドスタイルを踏襲しつつも、常に新しい音楽の要素を取り入れて進化し続けている。今回の私のレコーディングではスーザフォンのカークも参加してくれた。

ザ・ミーターズ『ミーターズ・ファースト +2』

『ミーターズ・ファースト +2』
ザ・ミーターズ

WPCR-75468

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 ニューオーリンズではジャズだけでなくブルース、R&B、ロックンロール、ファンクなど様々な音楽が生まれ、そして現在も息づいている。ニューオリンズ・ファンクの代表、ミーターズは現在でも根強い人気を誇っている。再結成したらしいが、その事情は複雑だったり!?

ギター・スリム『アトコ・セッションズ』

『アトコ・セッションズ』
ギター・スリム

AMCY-6144

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 ブルース・ギタリスト兼歌手であるギター・スリムのレコードも昔よく聴いた。50年代のニューオーリンズでヒューイ・スミス等と一緒に活躍していた彼は、スペシャリティ、アトコ等といったレーベルにレコーディングを残している。アトコのセッションは、若くして逝った彼の比較的晩年の演奏。

マヘリア・ジャクソン『エッセンシャル・マヘリア・ジャクソン』

『エッセンシャル・マヘリア・ジャクソン』
マヘリア・ジャクソン

WPCR-75468

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 ニューオーリンズには彼女の名前がついたシアターがあるほど、市民に愛されているゴスペルシンガー、マヘリア・ジャクソン。ドキュメンタリー映画『真夏の夜のジャズ』にも収録されているニューポート・ジャズフェスティバルでの歌唱はあまりにも有名。ニューオーリンズの音楽は、きっとゴスペル抜きには語れない。現地を訪れたら教会で一度体験してみるのもオススメ。

ライブ情報
ニューオーリンズ録音2作品にもコーラスで参加したチャイチーシスターズ(紗理、優日)の2人とともに最新アルバム『黒い瞳 / Dark Eyes』の世界観を届ける東京、大阪各一夜限りのスペシャル・ライブ。

  • 2012年10月23日(火) @ビルボードライブ大阪
  • 2012年10月25日(木) @ビルボードライブ東京
  • Member :
    akiko / akiko(Vocals)
    柴田 敏弥 / Toshiya Sibata(Piano)
    島田 剛 / Go Shimada(Bass)
    安藤 正則 / Masanori Ando(Drums)
    紗理 / Sari(Chorus)
    優日 / Yuka(Chorus)

    INFO : www.billboard-live.com