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NOBU CAINE 『今ここにあるべき百戦錬磨~7人~』発売記念インタビュー



NOBU CAINE

 ベテラン・パーカッション奏者、斉藤ノヴが率いるスーパー・グループ“NOBU CAINE”が、18年ぶりに復活し、アルバム『今ここにあるべき百戦錬磨~7人~ 』をリリースした。パーカッション、ドラム2人、キーボード2人、そしてベース、ギターという、他にはない豪華な編成で、NOBU CAINEでしか出すことができない、圧倒的なサウンドを聴かせている。

 日本の音楽シーンを支え続けてきた、まさにレジェンドともいうべきベテラン・パーカッション奏者である斉藤ノヴが率いるスーパー・グループ“NOBU CAINE”が、18年ぶりに復活した。NOBU CAINEは、元々は1987年の角松敏生の全国ツアーで、斉藤ノヴ(perc)、村上“ポンタ”秀一(ds)、青木智仁(b)らが参加したことで意気投合して、セッションを始めたところからスタートしており、1988年からNOBU CAINEとして活動を開始、1989年1月25日にファースト・アルバム『NOBU CAINE』をリリースして、2ドラム+1パーカッションが叩き出す超強力なリズムと、2キーボード、ギター、ベースという編成による多彩なサウンドで大きな話題となった。その後NOBU CAINEはメンバー・チェンジを重ねながら活動を続けていったが、1999年6月に活動を停止し、2000年9月21日にラスト・アルバム『encore』がリリースされた。

 それから18年、そんな伝説のグループNOBU CAINEが復活し、アルバム『今ここにあるべき百戦錬磨~7人~ 』をリリースし、11月にはビルボードライブ東京でのライブも決定した。そこでリーダーの斉藤ノヴと、ギターの福原将宜に、NOBU CAINE復活について話を聞いた。

「NOBU CAINEはNOBU CAINEだなって思いましたね。」

−−まずは、NOBU CAINEが18年ぶりに復活した経緯を教えてください。

斉藤ノヴ(以下:斉藤):夏木マリさんのイベントで、福原(将宜)と重実(徹)と一緒になったんですけど、その時に“あ、このメンバーはNOBU CAINEじゃん”っていう話になって、そのあたりからNOBU CAINEをまたやろうかっていう気持ちになってきたんです。

福原将宜(以下:福原):この3人が集まったら、もうNOBU CAINEですよねって。

斉藤:3人が集まった時の音の感じっていうのがあるんだよね。でもオレは青木(智仁:ベース、2006年に他界)がいなくなってから、NOBU CAINEを諦めていたこともあって、やるにしてもメンバー、特にベースをどうしようかという話になったんです。それでオレは川崎哲平が気になっているという話をしたら、福原も重実もそう思うって言ってくれて、これは決まりじゃん、って。

福原:ぼくも哲平しか思い浮かびませんでした。あいつしかいないって。

斉藤:それですぐに哲平に電話して、“やらない?”って話をしたら、“ぜひ”ということになって。あとNOBU CAINEにはポンタ(村上“ポンタ”秀一)は欠かせないから、すぐに連絡して、という流れです。それでキーボードは、以前は重実と小林信吾だったんだけど、信吾は体調面の不安もあったので、その弟分じゃないけど、宮崎裕介はよく一緒にやっているので、彼がいいかな、と。あともう1人のドラムに関しては、しっかりした若手をって考えたら、もう山内(陽一朗)しかいないだろうと。彼は夏木マリさんのツアーでずっと一緒だったから。それでこのメンバーが揃いました。若いヤツを入れて、スパークしたほうが面白いものになるかなって思ったし。


写真


−−それでこの7人が集まって、音を出してみていかがでしたか?

斉藤:NOBU CAINEはNOBU CAINEだなって思いましたね。元の4人のプレイはもうわかっているし、でも新しい3人が入ってすごく新鮮というか、そういう意味では若返ったと思うし、1人1人が面白いからステキになったよね。

福原:音を出せば、NOBU CAINEだなって。テイストが若返った部分はあると思いますけど、それも含めて今のNOBU CAINEなんだと思います。新メンバーが新しい血を入れてくれて、それが元メンバーといいブレンド具合いになっているというか。

斉藤:以前のメンバーでずっとNOBU CAINEが続いていたとしたら、もっとオッサンっぽくなってて、落ち着き過ぎちゃって、オレ自身がつまんなくなっていたと思う。

−−NOBU CAINEといえば、2ドラム+1パーカッションと2キーボードというのが基本的な編成でしたけど、今回もその編成は継続されてて、山内さんのドラムが入っても、やっぱりNOBU CAINEのリズムになっていますね。

斉藤:それはもちろん。山内はスタッフでいうと、クリス・パーカーの立ち位置ですね。

福原:山内がノヴさんとポンタさんのリズムを繋いでくれているというか。彼の存在もすごく重要だと思います。

斉藤:若いドラマーで、そういうのができるのはなかなかいないからね。

福原:パワーもありますし。

−−哲平さんのベースも、さすがにメンバーおすすめだけのことはある、とてもグルーヴィーなプレイですね。

斉藤:アルバムのベース・ソロが、やたら多いんですよ。

福原:インストのアルバムとしては、ベース・ソロ、多いですよね。

斉藤:待ってました、という感じでね。(笑) それだけ安心感があるというか、歌っているよね。

−−ツイン・キーボードならではの音のゴージャスさみたいなものもありますし。

斉藤:重実と裕介のツインの感じが、危ないのが2人になった感じで面白くて。(笑) 元々NOBU CAINEって、結成当時は崩れていたからね。“ウワー!”って。(笑) あの“ウワー!”っていう感じが、すごく欲しかった。荒い方がバンドっぽいじゃん。今、このバンドぐらいなんじゃないかな、そういうのを好きなようにガツッとできるのって。レコーディングも一発だし。



▲「Midnight Circus」MV/NOBU CAINE


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「お客さんと一緒に楽しむという感じでやりたいです。」

−−アルバムの楽曲は、どのような感じで制作していったのですか?

斉藤:新メンバーにも曲を書けって言ってたんだけど、結局書いてきたのは裕介だけで。でも面白い曲を書いてきたよね。

−−ディスコですね。

福原:あの曲だけ、ちょっとイメージが違いますもんね。

斉藤:ああいうのがあると面白いよね。やっぱり裕介って、ちょっと変わってるんだよ(笑)。まぁ、変わってるヤツばっかりだけどね。(笑)

−−福原さんの曲は、どういうイメージで書いたのですか?

斉藤:もう、もろNOBU CAINEだよね。

福原:「White and Red」は、パーカッションやドラムがいっぱいあるバンドだし、賑やかなラテン風味ロックというか、そういう感じがいいかなと思って書きました。

−−重実さんの曲は、相変わらず変拍子が多いですね。

斉藤:そういう曲はオレが書かなきゃ、って言ってました。(笑)

−−ノヴさんの「Asian Blow」という曲は?

斉藤:NOBU CAINEにはアジアのカラーもあるので、それにドンズバの曲を作らないとな、という思いで書きました。タイトルは自分の事務所の名前で。(笑)

福原:満を持してこのタイトル、という感じですよね。



▲「Asian Blow」トレイラー/NOBU CAINE


−−メンバーのコーラスも入っていますし。

斉藤:プロデューサーが、この曲のデモを子供に聴かせたら、それに合わせて歌い出したんだって。それはいいんじゃないかということで、メンバー7人でコーラスをやろうと。ライブでは、どうしようか。(笑)

−−『今ここにあるべき百戦錬磨~7人~ 』というアルバム・タイトルは、夏木マリさんの命名なんですね。

斉藤:これは本ですか、みたいなタイトルだよね。(笑)

福原:ぼくも映画のタイトルみたいだなって思いました。

斉藤:最初このタイトルを見たときには、正直言ってピンと来なかったんだけど、でもずっと残ってくるんだよね。

福原:マリさんが、ぼくたちを客観的に見て付けてくれたタイトルなので、そういう面白さはありますよね。絶対我々じゃ付けないタイトルだから。その感性はすごいですね。

斉藤:ミュージシャン的じゃないからね。

−−そして11月に久しぶりのライブが決定しました。

斉藤:NOBU CAINEとしてのライブは、たぶん1999年以来になりますね。NOBU CAINEらしいライブというか、技を見せつけたりするのではなくて、お客さんと一緒に楽しむという感じでやりたいです。お客さんと一杯飲みながら、宴会みたいな感じで。(笑)

福原:NOBU CAINEとしては、今回が第6期になるのかな? ぼくがいたのが第4期だったから、そこから20年以上経ったんですけど、気持ち的にはあまり変わっていないですね。だからこのメンバーだったら、演奏はこんな感じになるだろうというのはわかるんですけど、お客さんを見た時の景色とかが、どんな感じになるのかなって、そこは楽しみしかないですね。

斉藤:昔、六本木ピットインでやっていた頃なんて、ポンタがライブ中に客席に行って、お客さんと一緒に見てたりしましたからね。(笑)

福原:ポンタさんがぼくの目の前で見てるという。(笑)

斉藤:もう、むちゃくちゃだよね。(笑) でもすごく嬉しいのは、Billboard Liveさんがこんなやさぐれたバンドのライブをやってくださるということですね。(笑) おいしい酒と食事があって、楽しんでもらえるし。

−−ニュー・アルバムの曲だけではなくて、昔の楽曲もやる予定ですか?

斉藤:もちろん、新旧織り交ぜて。これぞNOBU CAINE、という曲を。今、番頭(川崎哲平)が曲目を考えてます。(笑)

−−今、ツイン・ドラム+パーカッションという編成を、ライブで聴けるバンドなんて、なかなかないですもんね。

斉藤:ないよね。きっと面白いと思いますよ。

−−今回のアルバムやライブで、初めてNOBU CAINEの音楽に触れた若いファンの人たちに、伝えたい思いのようなものはありますか?

斉藤:これだけリズム楽器がいると、すごい音になるんだろうなって思う人もいるかも知れないけど、上手くまとまっていて、楽曲をすごく活かしているというのが、NOBU CAINEのいちばん肝心な部分なんです。リズム・セクションが静かにひたひたとやったり、あとはガッと行ったり、そういう意味ではバラエティに富んでいるし、音楽的にちゃんと作っているバンドなので、ただリズム・セクションが多くて、ドンジャカやってるバンドじゃないということはわかって欲しいですね。

福原:普段、それぞれで活動している7人がひとつに集まって、そこで生まれる化学反応というか、各自が外から持ってきたものを融合させるという感じなので、そのエネルギーを感じて欲しいですね。30代から60代まで、各世代のエネルギーが融合したすごさと面白さを。(笑) 今、日本にこういうバンドはないですから。

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NOBU CAINEのメンバーからコメントが到着!

村上“ポンタ”秀一 / Shuichi "PONTA" Murakami(ds)

−−11月のアルバム発売記念ライブに向けた意気込みを教えて頂けますか?


先ずは再結成に呼ばれて光栄ダ!「ノブ」ありがとう!
いいメンバーが集まったネ♪
初代"ノブケイン"を楽しんでくれた皆さん、新しく楽しんでくれるみんな、楽しい、興奮の空間を体感・共有しましょう!ありがとう!!


重実 徹 / Toru Shigemi(key)

−−新作アルバム『今ここにあるべき百戦錬磨〜7人〜』の制作を通して思い出深い出来事などありましたか?また、この作品に込められた想いとは?


今回、4つ楽曲を作曲させてもらいましたが、
アルバムで完成したのが全部想像以上に素晴らしいのは、ひとえにバンドのチカラです。
死ぬほどギターで弾きにくい曲も作ったのですが、フクちゃんがいとも簡単に弾いたのは少し残念でした...


−−11月のアルバム発売記念ライブに向けた意気込みを教えて頂けますか?


聴いたことがないような生のグルーブが展開しますよ、きっと。


川崎哲平 / Teppei Kawasaki(b)

−−新作アルバム『今ここにあるべき百戦錬磨〜7人〜』の制作を通して思い出深い出来事などありましたか?また、この作品に込められた想いとは?


レコーディングが今年の2月の大雪の日でみるみるスタジオの外が真っ白になっていったのが印象的でした。
そのような大雪の中でしたが、どの曲も2.3テイクくらいの少ないテイクでとても勢いのある作品になったと思います。
自分が大切にしているノリと楽器のトーンの部分を最大限に発揮できていると思います。


−−11月のアルバム発売記念ライブに向けた意気込みを教えて頂けますか?


楽しみにしているファンの方もたくさんいると思いますが、ステージに上がる僕自身も非常に楽しみです。本番は何が起こるかわかりません!


宮崎裕介 / Yusuke Miyazaki(key)

−−新作アルバム『今ここにあるべき百戦錬磨〜7人〜』の制作を通して思い出深い出来事などありましたか?また、この作品に込められた想いとは?


決起集会という名の飲み会。相当飲んだ気が、、、
大人気ない先輩方、遠慮のない後輩達、
7人全員が
音で会話し、音で分かり合い、
音で罵り合う美しさ。


−−11月のアルバム発売記念ライブに向けた意気込みを教えて頂けますか?


1夜限りのライブ、そして打ち上げ。
何より自分たちが楽しみたいと思っています。


山内陽一朗 / Yoichiro Yamauchi(ds)

−−新作アルバム『今ここにあるべき百戦錬磨〜7人〜』の制作を通して思い出深い出来事などありましたか?また、この作品に込められた想いとは?


ノブさんとは夏木マリさんのバンドで長くお世話になっていまして、ノブさんから直々にNOBU CAINEやらないか、とお誘いを受け参加させていただいております。自分にとってこの伝説的バンドに参加できる事は大きな出来事であり非常に光栄でした。
NOBU CAINEはドラマーだけは常にポンタさん島村さんのツインドラムで作品を残してきている中で、僕とポンタさんという新たなツインドラムで、今までと違う新たな風を吹かせられたらと意気込んで作品に参加しました。
しかしレコーディングするにあたって何せ多忙な皆さんですから、rec当日まで揃う日が無い中、いざ音を出せばまさに'百戦錬磨'の先輩達。驚きと興奮の連続でした。
印象的だったのはツインドラムという珍しい編成で、まずポンタさん以外のメンバーで一発録りをして、後からポンタさんのドラムを録音するという手法を取ったのですが、ポンタさんの歌心溢れるドラムが入った瞬間にそれぞれの曲が立体的かつ独特な雰囲気が醸し出され、まさに' NOBU CAINEの色'というのがこれなんだ、と一曲出来上がる度に感動しておりました。


−−11月のアルバム発売記念ライブに向けた意気込みを教えて頂けますか?


11/14は非常に多忙なメンバーのスケジュールがようやく合致した奇跡の日です。
初のNOBU CAINEでのライブは今から非常に楽しみです。この貴重な瞬間を全力で楽しもうと思っている次第です。
次はいつになるか分かりませんから、
この歴史的な瞬間を絶対にお見逃しなく‼︎



NOBU CAINE 斉藤ノヴ 村上“ポンタ”秀一 山内陽一朗 重実徹 宮崎裕介 福原将宜 川崎哲平「今ここにあるべき百戦錬磨 ~7人~」

今ここにあるべき百戦錬磨 ~7人~

2018/05/16 RELEASE
KICJ-781 ¥ 3,300(税込)

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  5. 05.プリンセス・オブ・スノウ
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