今夜は先週、真央ちゃんが参加したイベント「The place of dispatch」とは180度方向性の違って、踊り狂うことを目的としたイベント「Dancer'sParty」。彼女の登場する前にもう何組ものダンサーチーム、アーティスト達がライヴパフォーマンスを行っており、もう既に会場はホットな空気に包まれている・・・と思いきや、今夜のイベントのトリはあのEXILE（エグザイル）ってことで、彼ら目的のファンが多かったみたい。よって、他のアーティストにはあまり興味なしって感じの人が多かったんですが、真央ちゃんの前に登場した山嵐（なぜ「Dancer'sParty」に！？）の「みんな体揺らしにきてんだろ！！」の一喝で会場の雰囲気は変化。それは良かったけど、このノリの後に歌うのって結構プレッシャーなのでは！？などと不安だったのですが・・・。
　山嵐効果で熱気に包まれた会場へゆっくりと一人の女性シンガーが登場。そして、この心地良いイントロは「耳もとにいるよ・・・～Ring the bells～」 。あの素敵な笑顔を見せながら歌う彼女。激しい戦いの後の地に咲く一輪の花って感じで、その笑顔と歌声にようやくオーディエンスの動きも「Dancer'sParty」らしいものに。彼女の登場前に私が抱いていた不安も一気に消えていきました。
　「こんばんわ、傳田真央です」と挨拶すると、「ちょっと待って！」と言ってステージの袖へと走って来てしまった真央ちゃんにみんな唖然。“一体何が起こってしまったのか！？”という「ガチンコ」のナレーションが欲しい状況がしばらく続くと、再度真央ちゃんの登場。「ごめんなさい、衣装が壊れました！」と、驚きのハプニング！危機一髪状態だったんですねぇ、直って何よりです。

　気を取り直して、「Georgy Porgy」をサンプリングしたアレンジで「あなたとふたりで～Be with me all day long～」を披露。先程のハプニングが彼女の緊張をほぐしたのか、彼女の歌声がナチュラルに僕らの体に染み込んでくる。そして、先週同様、このナンバーが終わると、ギター＆キーボードがステージに登場し、アコースティックアレンジの「SOME ONE 2 LOVE」！このアレンジがCD化を希望したくなるほど素晴らしく良く、後半にかけて明るい空間が一気に広がっていく感じが、この場にいて素直に楽しいと思わせます。

　それでも今夜は、やはりEXILE目的の人間が多かったため、彼女の楽しい雰囲気のパフォーマンスとオーディエンスのリアクションがなかなか比例しない。そんな状況下でも、持ち前の笑顔を曇らせず、「Keep on movin'」を歌い上げる姿には素直に感動。「（ロックテイストの強い曲に）ちょっとビックリしてる人もいるかもしれませんが、最近はこんな感じなんですよ」と笑顔で一言。そして、「何曲分も心を込めて歌いたいと思います」と言って聞こえてきたのは「Happy Ever After」。この極上のバラードナンバーと彼女の美声を目の前にして、他のアーティスト目的のオーディエンスも魅了されていくのが分かります。クライマックスにかけて、誰もが彼女の歌声を求め始めていく感じ、この溶け込んでいく感じがとても気持ち良い。最後に彼女の想いがこもったメッセージと美声に心打たれた会場中全ての人々。ラストに大きな拍手が巻き起こったことがそれを実証していました。

　傳田真央のライヴパフォーマンスが終わり、会場を後にする途中、彼女に対しての誉め言葉を囁いていた人と通りすがるたびに、私は心の中で「でしょ？」とつぶやいた。2002年春、何か素敵な出来事が起こりそうな、そんな清々しい気持ちでいっぱいの夜となりました。