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純名里沙 アルバム『う・た・が・た・り』リリース&ライブ開催記念インタビュー



純名里沙 インタビュー

 聡明なイメージでありながら凛とした強さ、内に秘めた熱情のようなものを感じさせる歌手・純名里沙。その想いが、柔らかな声と弦や鍵盤の響きに重なり奏でられた作品が、笹子重治プロデュースの最新アルバム『う・た・が・た・り』。大きく変化を遂げようとしている現在(いま)、彼女の中にあるのは、揺るぎない音楽への愛。

日本語の表現というものを歌いながら楽しめるようになりました

純名里沙 2年半ぶりのニューアルバム「う・た・が・た・り」
純名里沙 2年半ぶりのニューアルバム「う・た・が・た・り」

--リリースしてから少しの熟成期間を経た今回のアルバム、ステージで歌う事などで、ご自身に新しい発見などはありましたか?

純名里沙:そうですね、最初アルバムを出した時は、あそこをこう歌えば良かったとか、気になる事が多くて冷静に聴けなかったんですけど、より音楽を客観的に聴ける時間があった事で「あれ、結構いい感じかも」みたいに思える様になって、それからもっと歌い込むうちに楽しくなってきましたね。先日、笹子さん(ギタリスト兼プロデューサー)とリハーサルをしたのですが、言葉(詞)の乗せ方、表現をこうやったら面白いな、とか、歌う度に毎回毎回違ってて。日本語の表現というものを歌いながら楽しめるようになりました。

--日本語の面白さを改めて感じたような?

純名里沙:前作はほとんどがカバーで英語詞でした。洋楽も大好きなんです。英語にはそもそもリズムがあるので音楽にも乗りやすいですし、歌いやすい部分もあります。ただ歌っていると発音もちゃんとしなきゃ、とか色々と意識がいくことも多くて、私はバイリンガルではないので表現するのには限界もある。日本人として、日本語をいろんな形で表現できる、表現を自由に変化させていけるところって、歌い続けていけることの強みでもあり、歌えば歌うほど、どんどん面白くなって来ています。今その事に気が付いてちょっと嬉しいです。

笹子重治:最初はそうじゃなかったですよね。前作は殆どが英語詞だったので、「日本語縛りにしよう」と決めたのに、後々には、「縛らなければよかった…」とか言いながらやっていました。音に対して乗せる情報量が違うんですよね。日本語は。細かい作業の中で音楽を創っているので、1つ1つがとても難しい。改めてこんなに日本語って難しかったんだ、という事と向き合いながらの作品づくりでした。ですから、お互い楽しむまでに少し時間がかかったかな、という感じです。リリースしてから時間が経って、今は自然になってきているので、1つの進歩があったのでは、と。

--歌声とミュージシャンの音が重なること、純名さんの中での漠然としたイメージやこだわりのようなものはありましたか?

純名里沙:前作は笹子さんとのデュオで、笹子さんとの1対1の会話みたいな感じでした。今回もそういった曲もあるんですけど特に、柏木広樹さんのチェロが変幻自在!こうくる?!みたいな(笑)1音1音が楽しくてホントにワクワクしました。そして、笹子さんはとてもとても優しいギターを弾かれる方なので、深いところでもの凄い音色がくると涙が出そうになりました。収録曲の中に「知りたくないの」という女性が歌うと、とても難しい曲があるんですけど、そのギターがすごく優しいんですよ。レコーディングで泣きそうになったくらい。私はとても影響されやすい人間なので(笑)、林正樹さんのピアノや岡部さんのパーカッション・・いろんな音に影響されて、今回は更にいろんな表現ができているんじゃないかな、と思います。

--笹子さんは純名さんの声を常にイメージして作り上げていくのでしょうか?

笹子重治:凄く考えているように見えますが、実はそうも考えていません。音楽を一緒に創る事は常に会話なので、ミュージシャンそれぞれにそれぞれのやり方があります。純名さんは、最初どんな人なのかあまり分からなかったですが(笑)、一緒に積み上げていくうちに分かるようになってきて、今回はそれの応用編だった感じですね。前作は私だけだったので、今回はサウンドの部分に広がりを持たせるという事も含めて、林正樹(ピアノ)、柏木広樹(チェロ)、岡部洋一(パーカッション)、ストリングスアレンジに中島ノブユキ、という、純名さんとの相性を最大限に考えたメンバーを揃えました。

--初体験の作詞や作曲の中で、印象的だった事をお聞かせください。

純名里沙:作詞作曲した「子どものように」は、曲が先に出来ていたんですが、何かつまらくて、何かもうひとひねり、って思っていたので、笹子さんに教わったり、他のシンガーソングライターの方とも共演する機会があったので、その都度「もっとここを伸ばしてもいいんじゃない?」とか具体的なアドバイスをいただいたりしました。作詞に関しても、最初のうちは結構悩んでいたので、正直いろんな方に助けて頂き完成させました。でも、この曲は私だけのものなんだ!という作品が初めてで、嬉しくて、、全て出来上がった時に涙が出たんですよね。笹子さんに作って頂いた曲にも歌詞を乗せたんですけど、その時も完成する度に「出来た!」っていうあの感動!ひとりで震えながら涙していました。初めて味わう感覚でしたね。

--詞(言葉)を生み出すのは、日常生活の中が多かったですか?

純名里沙:そうですね。私の場合は曲を何度も何度も聴いていると、言葉が降りてくるんです。この言葉をここにあてたいな、という感じで。こんなストーリーにしよう、って決め込んで始めるのではなくて、「タラララ」というような、4音くらいのメロディがあったらここには何が乗る?からなので、それを継ぎ接ぎにしていったらだんだんこんなストーリーになってきたから、じゃあこっちの方向にいこう、みたいに音に乗る言葉が先なんです。充てる言葉から導かれたストーリーで歌を紡いでいった感じ。音を伸ばすところなんかは、感覚的に響きがいい言葉を選んでいると思いますね。

笹子重治:小さな頃からミュージカル好き、ということで、メロディに乗せる「劇的」ボキャブラリーについての感覚が凄くあると思うんです。その辺りが普通のシンガーソングライターと違うところかな、と。乗せるのがうまい、というか、そういう言葉を知っているんだと思いますね。

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素敵な音の波動を届けることが出来る歌手でいたい

--アルバムの中には、様々な女性が存在しますよね。特に際立ったのが8曲目の「かわいくてごめんね」でしたが。

純名里沙:2年くらい前かな?笹子さんも一緒にいる時に、「イヤな女の歌を作りたい」というようなお話していたら、たまたまシンガーソングライターのNUUさんから電話が掛かってきて、これはもうNUUちゃんしかいない!と(笑)「今、こんな曲はどうかな?みたいな話で盛り上がっているんだけど」って即ご相談しました(笑)。それから随分経ったので忘れているだろうな、とは思いながら今回アルバムを作るので、とご連絡したところ、本当に作ってくださって。詞もちょこっと共作という形で参加したのですが、結構この曲が 評判よくて、入れてよかったな、と感じています。きっと私、歌の中でもいろんな人を演じたいんですよね。いろんな人を表現したい、やはり女優のサガなんですかね。様々な世界に自分が入りながら歌うのが好きなんです。

--地元、大阪でのライブというのは、どんな印象?

純名里沙:とにかく、基本がほっこりしているので、そこから違いますね。地に足が着いているというか。「大阪やん〜」っていう安堵感が凄くいいですね。落ち着いて歌えます。MCにしても助けてもらえるし、とても楽しくステージに立てています。ビルボードライブ大阪は本当に素敵なライブハウスで、広すぎず、狭すぎず、全体が1つになれる恵まれた空間なんですよね。何にも遮られず、皆さんの顔が見えるし、なんかあったかい。ビルボードライブ、って言葉のひびきは眩しくて煌びやかなイメージなんですが、中に入ると包まれる、ほっこりする。音の響もとてもいいので、ここで歌えるのはとても幸せなことです。

--アルバムの世界が会場でさらに広がりそうですね。

純名里沙:前回は笹子さんと2人でのステージでしたが、今回はレコーディングメンバーでお届けできるので、私自身も楽しみですし、幅広い世代の方に楽しんで頂けると思います。絶対来て欲しいです〜!

--純名さんにとって、音楽とは?

純名里沙:音楽って本当に楽しいです。音楽がないと私はダメですね。震災があった時にも色々考えたのですが、心を元気にするものってやっぱり必要だな、と。気持ちにすぐ作用する音ってやっぱり凄いなって思います。そんな素敵な音の波動をお届け出来る歌手でいたいですね。

--歌にこだわって伝える、ということを大切になさっている純名さんの中で、核となっていて変わらないものは何ですか?

純名里沙:私は宝塚時代から歌で抜擢して頂くことが多く、有り難い事に舞台に立って歌う事で皆さんに喜んでいただいて来た感覚を、身体中で感じて生きて来ました。モチロン歌う事が大好きだったので、ずーっと歌いたい、歌を届けたい、という気持ちを持っていました。女優業が忙しくて音楽に向き合えなかった時期を経て、改めて、6年前から歌う事にシフトして活動をしていますが、こだわっているというより、歌わないと私じゃない、みたいな所があるのかも知れません(笑)。そして、舞台ではお客さまと一緒に心で音楽を感じること。自分も楽しみながら、お客さんの気持ちも持ち上げていけたらといつも思っています。お客さまを魅き込みたい、といった舞台人としての情熱も変わらないです。

--今後、特にアピールしていきたいことは?

純名里沙:本格的に歌手として活動している事を、もっと知っていただきたい!とまず思っています。そして、音楽好きな方々にもっともっとライブに来ていただき、ミュージシャンとしての私の音楽を感じて頂ければ嬉しいです。笹子さんの音楽が好きで、生粋のミュージシャンの元に飛び込んで丁寧に作品づくりをしてきました。過去のイメージが強い方も多いと思うのですが、「純名里沙」は音楽のホンモノに食らいついていってるんだ、というところをもっと見て欲しいですね。

--ライブを楽しみにしている関西のみなさんにメッセージをお願いいたします。

笹子重治:このメンバーってアラフォー、アラフィフ世代のトップランナーだと思うんですよね。ミュージシャンを見るだけでもおトクです。当たり前の言い方になりますが、他では聴けないライブになると思います。

純名里沙:ホームグラウンドなので、凄く楽しみにしています。夏ですし、静かな曲も多いですが、今回はリズムも入って楽しい曲も沢山ご用意していますので、一緒に盛り上がりましょう!ぜひ応援しにきてください!

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純名里沙「『う・た・が・た・り』」

『う・た・が・た・り』

2018/03/14 RELEASE
UICZ-4418 ¥ 3,300(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.奥様お手をどうぞ
  2. 02.ヒールを脱いで
  3. 03.蘇州夜曲
  4. 04.月と散歩
  5. 05.子どものように
  6. 06.黄昏のビギン
  7. 07.耳に残るは君の歌声~「真珠採り」から
  8. 08.かわいくてごめんね
  9. 09.知りたくないの
  10. 10.かさぶた
  11. 11.テネシー・ワルツ
  12. 12.風を感じて

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