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ソウル・レベルズ来日記念特集~メタリカ/ナズらとコラボする世界最強のブラスバンドに迫る
世界最強のブラスバンド。ソウル・レベルズを表現するなら、こんな言葉がお似合いだ。けっして大げさに言っているわけではない。実際に、彼らのパフォーマンスを目の当たりにすれば、誰だってそう頷くに違いない。2人のドラムスと、6人のホーン・セクションという特殊なスタイルで奏でられるのは、ニューオーリンズに脈々と伝わるブラス・バンドを軸にミックスされた、ジャズ、ロック、ヒップホップといった躍動的な音楽だ。まさに唯一無二のアンサンブルを繰り広げるバンドの来日公演が、いよいよ始まろうとしている。
ソウル・レベルズの結成は、90年代初頭にデリック・モスとルマー・ルブランという2人のドラマーが出会ったことから始まる。彼らは、ニューオーリンズの歴史あるグループ、オリンピア・ブラス・バンドに所属していた。ホーン・セクションのメンバーを集め、名もない状態でバンド活動を始めたが、老舗ライヴハウスのティピティナスでシリル・ネヴィルの前座を務めた際、シリルがソウル・レベルズと名付けたそうだ。
▲ 「Heartbreak Hotel」(Live)
活動初期は主に地元のライヴハウス「ル・ボン・トン・ルーレ」を拠点としていたが、そのパフォーマンスは徐々に話題となり、その名もニューオーリンズ以外でも知られるようになっていった。1995年にはファースト・アルバム『Let Your Mind Be Free』をリリースしたことを皮切りに、『No More Parades』(1998年)、『More Jams From No More Parades』(1999年)、『Rebelution』(2004年)、『Urban Legend』(2006年)、『No Place Like Home: Live in New Orleans』(2009年)と、リミックスやライヴ・アルバムも含めてコンスタントにアルバム・リリースを行ってきた。いずれも共通しているのは、伝統的なブラス・バンドにヒップホップを含めた新しい息吹を加えていることだ。
▲ 「The Soul Rebels with Metallica」 (Live)
▲ 「Sweet Dreams Are Made Of This」(Live)
しかし、彼らの進撃は2010年代以降に加速していく。2011年にメタリカと共演したことで大きくメディアにも取り上げられ、アルバム『Unlock Your Mind』(2011年)ではユーリズミックスの大ヒット曲「Sweet Dreams Are Made Of This」のカヴァーをしたことでも話題になった。このあたりがひとつのブレイク・ポイントとなり、数々の共演を行っていく。ラキム、ナズ、ジョーイ・バッドアス、タリブ・クウェリ、GZAといったラッパーたちを中心に、グリーン・デイのビリー・ジョー・アームストロングや、ファンク・レジェンドのメイシオ・パーカー、そして彼らが敬愛し度々楽曲を取り上げているロイ・ハーグローヴまで、ジャンルを超えたコラボレーションを続けている。
こういった彼らの懐の深さを物語るには、2013年に突如ウェブ上で発表されたアルバム『Power=Power Mixtape』を聴けばよくわかる。本作には、ブルーノ・マーズ、ジミ・ヘンドリックス、ダフト・パンク、ジェイ・Zなどジャンルを超えたアーティストのカヴァーで構成されていることで話題を呼んだ。また、世界中のヴェニューやフェスなどにも参戦しており、2015年には初来日し、SUMMER SONICにも参戦。強烈なパフォーマンスを披露することで、日本のオーディエンスの度肝を抜いた。
▲ 「Happy」 (Live)
▲ 「Touch The Sky」(Live)
現在のソウル・レベルズは、サックスのエリオン・ウィリアムス、トロンボーンのコリー・ペイトンとポール・ロバートソン、トランペットのジュリアン・ゴシンとマーカス・ハバード、スーザホンのマニュエル・パーキンス・Jr.という6人のブラス・セクションに加え、バス・ドラムのデリック・モス、スネア・ドラムのルマー・ルブランという2人の打楽器部隊を加えた8人組となっている。とくに、楽器だけでなくメンバーが代わる代わる取るヴォーカルやラップの迫力も抜群。これまでで最強のメンバーによるパフォーマンスを、ぜひ楽しんでいただきたい。
▲ The Soul Rebels + Special Guests (Live at Brooklyn Bowl)
公演情報
The Soul Rebels
ビルボードライブ東京:2018/5/15(火)>>公演詳細はこちら
1st Stage Open 17:30 Start 19:00 / 2nd Stage Open 20:45 Start 21:30
ビルボードライブ大阪:2018/5/17(木) >>公演詳細はこちら
1st Stage Open 17:30 Start 18:30 / 2nd Stage Open 20:30 Start 21:30
【BAND MEMBERS】
デリック・モス / Derrick Moss (Bass Drum)
ルマー・ルブラン / Lumar Leblanc (Snare Drum)
エリオン・ウィリアムス / Erion Williams (Saxophone)
コリー・ペイトン / Corey Peyton (Trombone)
ポール・ロバートソン / Paul Robertson (Trombone)
ジュリアン・ゴシン / Julian Gosin (Trumpet)
マーカス・ハバード / Marcus Hubbard (Trumpet)
マニュエル・パーキンス・Jr. / Manuel Perkins Jr. (Sausaphone)
関連リンク
Text: 栗本 斉
アンロック・ユア・マインド
2015/08/05 RELEASE
UCCO-6013 ¥ 2,750(税込)
Disc01
- 01.504
- 02.スイート・ドリームス
- 03.ターン・イット・アップ
- 04.マイ・タイム
- 05.アンロック・ユア・マインド
- 06.ウィ・ゴン・テイク・ユア・ボディ
- 07.ナイト・ピープル
- 08.アイム・ソー・コンフューズド
- 09.ショータイム
- 10.セイ・ナ・ヘイ
- 11.アイ・メイド・イット
- 12.汚れた街
- 13.レット・ユア・マインド・ビー・フリー
- 14.ボスコヴィル (日本盤のみのボーナス・トラック)
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