Special
THE イナズマ戦隊 アルバム『PUMP IT UP!』インタビュー
結成20周年を迎えたこの春、3回目のメジャー復帰を果たしたTHE イナズマ戦隊が、オリジナルアルバムとしては1年5か月ぶりの新作『PUMP IT UP!』をリリースした。
記者とのインタビューは実に7年ぶりとなる中、改めて問う不朽の名曲「応援歌」の今、バンドシーンを代表する諸先輩方の活躍に見る現状と、結成20周年を機に振り返るこれまでの軌跡。そして新作『PUMP IT UP!』に見る変わっていくものと変わらないもの。メンバー4名を招へいし、隅々まで応えてもらった。
最近の「応援歌」は、昔の勢いの感じでいく
▲YouTube「THE イナズマ戦隊 「そして夜空に浮かぶ月のように」MV」
--個人的にイナ戦には【ARABAKI ROCK FEST】のイメージがありまして、10年位前になるんですけど、イナ戦のライブ終わりに若い子たちが“ソーレ!”って歌っていた姿が印象的だったんです。それで今年、久しぶりにアラバキに行ったら、やっぱり同じ光景に遭遇して、“さすがだな「応援歌」”と。
上中丈弥:さすが「応援歌」(笑)。今年アラバキに出演したのは10年ぶりだったんですけど、確かに「応援歌」については最近自分たちでも感じてますね。ちょっと歌うのがイヤになった時期もあったけど、今となっては“あってくれて、ありがとう”ですね。--かつてはTVなどでも取り上げられた代表曲ですし、イナ戦の貴重な財産だと思います。
上中丈弥:大ヒットとは言えないかもしれないけど、イナ戦の名前が知れ渡るキッカケとなった曲でしたし、「応援歌」が無かったらバンドとして生き残れていたかもわからないですよね。ここ最近、3年くらいまた自分たちも力強く歌うようになったし。「応援歌」のありがたみというか、続けさせてもらっているありがたみが分かってきて。 久保裕行:作品でもギターとか音をいろいろ重ねまくったりしていた時期があったりしましたけど、今は削ぎ落として削ぎ落としてって形に戻ってきたりしてますしね。 中田俊哉:ライブでも、勢いじゃなくて演奏力を上げていきたいとか、見せていきたいとか思ってくるんですけど、ここ最近の「応援歌」は、昔の勢いの感じでいく方が気持ちいいんですよ。勢いのあった時期、演奏力を高める時期、考えながら演奏してた時期などを経て、もう1回この勢いのあるような演奏を…… 上中丈弥:原点回帰ってことやな? 中田俊哉:原点回帰です。 久保裕行:まとまったね(笑)。--この関係性も相変わらずで(笑)。
山田武郎:さっき久保さんも言ってたけど、最近はギターとかを重ねすぎるのはどうかなってモードになっていってて、近作のプロデューサーを担当してくださっている名村武さんもそういう方向で考えてくれていますね。重ねれば重ねれるほどパッと見は豪華になるんやけど、もっと楽器を前に出すために1本の音の太さが重要になってきましたね。--特に初期の頃と比べると、音の太さは変わりましたよね。
上中丈弥:デビューの時は赤ん坊と一緒で、何も知らずに“ただバンド楽しいな~”って言ってた奴らでしたね。時代と共に変わっていくもの、変わらないもの
--結成が1997年で、デビューが2003年。
上中丈弥:地元の北海道で“バンド楽しいな~”ってやってた奴らが、急に全国でしたからね。ましてや当時はYouTubeもなかったし、OKAMOTO'Sみたいな積み重ねもなかったし(笑)。そんな俺らだったから、当然音作りにしたって、赤ん坊から徐々に学んできたって感じでしたね。 中田俊哉:デビュー作なんて上京して1週間目くらいにレコーディングしたので、訳分かんないですよ。“ライブと同じようにやったらいいのかな……”って感じでやってましたね。 久保裕行:当時もプロデューサーさんが入ってくれてたんですけど、そのありがたみを分かってなかったですね。“いてもらえると良くなるなぁ”って感覚はあっても、実際何をやってくれているの分からなかったですし。その後、実際に全部を自分らでやるようになってから、いかにありがたかったかが見えてきて。で、その状態で『GALAPAGOS』(2016年リリース)から新しく名村さんにプロデュースしてもらい始めて、削ぎ落とすことの良さを突き詰められてるから、そういう過去も良い経験だったと思いますね。
--ただ、当時の荒々しいエネルギーも好きで、2nd『馬鹿者よ大志を抱け』は名盤だと思いますよ。
上中丈弥:あれはもの凄く金かかっていて、まあとにかく豪華やったよね。録音も1日1曲とかやったもんね? タバコ吸いすぎて喉ガラガラでレコーディングしてたもん。レコーディング・ブースに灰皿があったのも今じゃ考えられないですよね。今、楽屋でタバコ吸うやつおったらムッとしますもん(笑)。 山田武郎:当時は楽器陣の演奏も巧くないから、もの凄く時間がかかるんですよ。だから一番可愛そうなのは丈弥で、待ち時間が長すぎて暇だからプレステを持ち込んでゲームやってましたよ(笑)。 上中丈弥:しかもレコーディング・スタジオを何日間も連続で抑えてるから、毎日片付けなくてもええし。今じゃ絶対に考えられへん。確かにアルバム1枚作んのに、けっこうな予算をかけてもらってた。今はその1/7くらいやもん(笑)。--先日、今年の『紅白歌合戦』にデビュー30周年を迎えたエレファントカシマシの初出演が発表されました。同じく初出演となる竹原ピストルさんは、野狐禅でのデビューがイナ戦と同じ2003年。また、少々前の話にはなりますが、2014年の怒髪天の初武道館を皮切りに、2015年はフラワーカンパニーズ、今年もTHE COLLECTORSやThe ピーズなどなど、20年30年のキャリアを誇る大先輩たちが近年になって武道館公演を実現と、近年はキャリアのある方々の活躍も目立っています。
上中丈弥:今挙げられた人たちは、僕らよりももっと苦労してますよね。もっと前の時代からやってきて、今も生き残ってて、今の時代と共に変わっていくものも変わらないものも持ち続けている人たちやから。もっと苦労したことがあったと思いますよ。まあでも、その血を受けているというか、後ろに流れている中に僕たちもいるのかもしれないです。- まだ生き残ってるっていうのはよっぽどバカ
- Next >
PUMP IT UP!
2017/11/29 RELEASE
CRCP-40534 ¥ 3,056(税込)
Disc01
- 01.That’s so great!!
- 02.突っ張り大一番
- 03.そして夜空に浮かぶ月のように
- 04.すすきのエレジー
- 05.愛らしいじゃない
- 06.たまには地元に帰ろう!
- 07.人生は最低で最高だ
- 08.戦え boys & girls ~栄光のpump up~
- 09.青春時代延長戦
- 10.ガムシャラの一言に尽きるぜ
- 11.赤い命が燃えている
- 12.君に捧げよう
0