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Calmera(カルメラ)×やついいちろう『JAZZY GOLD CHAIR』対談インタビュー
Calmera(カルメラ)×やついいちろう対談が実現!
最新リリース3作品が連続して週間チャートトップ10している、話題のエンタメジャズバンド・Calmera(カルメラ)。9枚目のフルアルバム『JAZZY GOLD CHAIR』リリースを記念して、かねてより親交の深いやついいちろうとの対談インタビューをここに実現! 双方の音楽に対する熱さとユーモアが交錯した貴重なクロストーク、ぜひご覧頂きたい。
Calmera(カルメラ):
西崎ゴウシ伝説(agitator,trumpet,guitar,percussion)
小林洋介(trumpet)
辻本美博(alto sax,clarinet)
たなせゆうや(trombone)
PAKshin(keyboard)
宮本敦(guitar)
HIDEYAN(bass)
こんなリーダーがいるバンドやったら1回観に行ってみたいな
--今回はカルメラ×やついいちろうによる対談ということで、やついさんから見たカルメラの魅力についてもお伺いできればと思っているのですが、まずはカルメラ各メンバーがどのような経緯でこのバンドに集結したのか。まだカルメラを知らない方々の為にも語って頂きたく、西崎さんから順番にお聞かせください。
西崎ゴウシ伝説:僕はリーダーなのでカルメラが出来た瞬間から居たんですけど(笑)、元々ギターの宮本と一緒に…… やついいちろう:あら、やっぱり? 西崎ゴウシ伝説:そうなんですよ(笑)。一同:(笑)
やついいちろう:そんな気がしてました。 西崎ゴウシ伝説:で、宮本とふたりで、僕の家で夜な夜な曲を作りながら「バンドしたいな」と言っていたんです。それでメンバーを集め出したんですけど、その当時のメンバーはこのふたり以外はひとりも居なくて。そこから当時居たメンバーのバイト先の友達を紹介してもらったり、対バンして「あいつ、良いな」と思っていた奴に「あんまり喋ったことないけど、誘ってみよう」と思って電話したりして、今に至っている感じです。--そもそもなんでカルメラのような形のバンドを組みたいと思ったんでしょう?
西崎ゴウシ伝説:二十歳ぐらいのとき「音楽には歌詞があるもの」と思っててインスト音楽の存在も知らなかったんですけど、大阪に今の僕らと同じようなタイプのバンドがいて、たまたまライブを観る機会があったんです。当時の僕はロックが好きだったんで、暑苦しいライブをするようなバンドに憧れていたんですけど、管楽器とかのバンドやのにそういう熱いライブをするという概念がそれまでなかったので、ソレを初めて観たときに「俺もこれやりたい」と思って。それでやったこともないトランペットを買いに行ったんです(笑)。--あ、管楽器経験ゼロのところからスタートだったんですね。
西崎ゴウシ伝説:それまではギターボーカルだったんですけど、改めて考えたら凄いですよね(笑)。 やついいちろう:そんなに感銘受けたんですか? 西崎ゴウシ伝説:そうですね! 今は解散してるんですけど、スカパラさんの弟分みたいな感じでデビューされたバンドで。その人たちのライブを観て「あれ、俺もやりたいな」と。--宮本さんはどういう経緯で西崎さんと知り合ってバンドを組んだんでしょう?
宮本敦:僕はゴウシくんがそのバンドをやっているときに「ギタリストが逃げたから来ないか?」と誘われて、それで行ったんです。そのときに実はウチのHIDEYANくんもそのバンドにいて、僕はHIDEYANくんと繋がっていたから「じゃあ、行きます」と。僕からしたら先輩ばっかりだったんですけど、仲良くなってきた頃にみんなが忙しくなって、残ったのが僕とゴウシくんだけやったんです。で、みんな帰ってこないから「新しいバンド組もう」となった流れですね。--HIDEYANさんはどのタイミングで再び合流するんですか?
HIDEYAN:僕は元々自分のバンドがあって、そこに招いたのがゴウシくんとあっちゃん。で、僕が別のバンドにサポートで入って、そのまんまデビューしちゃって、それ以外のことが出来なくなって、そのタイミングでふたりが新しいバンドをやり始めたのがカルメラだったんですけど、いちばん最初のデモ音源には僕も参加していたんです。そこから何年か経って、自分のバンドが解散したので…… 宮本敦:「帰ってらっしゃい」って(笑)。 HIDEYAN:面白かったのが僕とゴウシくんとあっちゃんとパクちゃん(PAKshin)も一緒だったかな。バイトが一緒やったんです。事務作業をやっていたんですけど、横の席がゴウシくんで、前の席があっちゃんやったんですよ。で、隣で「そろそろベース辞めるかもしれんなぁ」みたいな感じで話していて、ちょくちょくゴウシくんからは「もしかしたら手伝ってもらうかも」と言われていたんです。そのとき自分はバンドには所属していなかったんで、サポートしていたらいつの間にかメンバーに表記が変わっていたという(笑)。--そこで一緒にバイトしていたPAKshinさんはどういう経緯で?
PAKshin:僕は大学生のときに軽音楽部でキーボードをやっていたんですけど、そこ以外でもセッッションだったりサポート活動をしていたときに、たまたま会った始めましての人が当時カルメラでパーカッションを担当していた人で、「今、ちょうどキーボードが抜けたんで、入ってくれませんか?」と言われて。リーダーでもない、始めましての人に「よかったら入ってください」と誘われるのって結構なことだなと思ったんですけど(笑)、「今度スタジオ入るんで、よかったら遊びに来てください」と言われたんで「じゃあ、行きますわ」ってめっちゃ軽い気持ちで行ったんですよ。そしたらソレがオーディションだったみたいで。--遊びに行ったら勝手にオーディション受けさせられたんですね(笑)。
PAKshin:で、僕の前にもうひとりオーディションを受けていて、その人があんまり真剣に音楽やりたい人じゃなかったみたいで、それに対して僕は大学生で時間もあるからいろいろ合わせられるし「全然活動できますよ」と伝えたら「ぜひ入ってほしい」と言われて。 西崎ゴウシ伝説:ただ、僕からしたらオーディションを受けに来てくれたと思っていたから、そのわりには「もし俺が入ってあげたら、俺が作る曲とかも出来るんですか?」ってすごく上からだったので驚いて(笑)。でも「どんな曲ですか?」と聴いたらひとりでピアノを弾き出して、それがめっちゃ格好良くて! それが「入って!」という決定打になったんですけど。 HIDEYAN:それ、一歩間違えたら採用されてないよな。人として(笑)。--まぁいろんな勘違いはあったけれどもお互いに「一緒にやりたい」となった訳ですね。辻本さんはどんな経緯で加入されたんですか?
辻本美博:僕はこの中でいちばん最後に入ったメンバーなんですけど、当時のカルメラと対バンしていた別のバンドに元々在籍していて、そのバンドがある日突然解散することになって、ある日突然解散することを僕たちもブログで知ったんですけど(笑)、リーダーが情緒不安定で飛んじゃったんです。それで「えぇ?」と思っていたら、その12時間以内に西崎ゴウシという人からケータイに長文のメールが届いて「何スクロールせなアカンねん」と思いながら読んでたら、要するに「突然バンドが解散になって大変やと思うけど、実は君のことをすごく良いと思ってて、でも放っておいたらすぐ他に誘われるかもしれんから、イチ早くと思って連絡してます」みたいな。という感じで始まって、カルメラというバンドはこうこうでこんなところを目指してて「その為に君の力が欲しいんです」と。それまで挨拶ぐらいしかしたことなかったんですけど、そういうすごく熱いメールが届いて、僕は熱い人が好きなんで、正直カルメラというバンドに対してそれまで興味はなかったんですけど「こんなリーダーがいるバンドやったら1回観に行ってみたいな」と思って。それでスタジオに行ってみたら個々に格好良いプレイヤーがいっぱいいたんで、それで「サポートでしばらくやらせてもらいます」という話だったんですけど、気付いたらウィキペディアから「サポート」という文字が消えてて、オフィシャルサイトからも「サポート」という文字が消えてて。「あれ? 俺、メンバーになると言った覚えも「新しいメンバー迎えます」という発表もないけど、まぁいっか」と思って。 西崎ゴウシ伝説:そろそろ発表する?一同:(笑)
--前のバンドの解散も今のバンドへの加入もネットで知ったんですね。
辻本美博:ハハハハ! そうなりますね(笑)。リリース情報
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Interviewer:平賀哲雄|Photo:Jumpei Yamada
カルメラさんが出てくれる限りは続けたいと思ってるんですけど
--たなせさんはどういう経緯で?
たなせゆうや:僕は元々吹奏楽をやっていたんですけど、それで大学も音楽大学に入りまして。それでさっき話題に出たバイト先とはまた別のバイト先で、ピアノをやってる人から「ウチ、トロンボーンがおらんねんけど、入りませんか?」と言われて。それでスタジオに遊びに行ったら、そこにいたバンドがカルメラでした。 西崎ゴウシ伝説:居酒屋のね。 たなせゆうや:居酒屋のバイトの先輩に誘われました。--その居酒屋のバイトの先輩はどこへ行っちゃったんですか?
西崎ゴウシ伝説:結婚して、横浜で細々と暮らしています。 宮本敦:細々かどうかは分かんないですけどね(笑)。--小林さんはどういった経緯で?
小林洋介:僕は高校卒業して大学も行かずずっと働いていたんですけど、セッションに行くのが大好きで、その当時のカルメラのベーシストがたまたまそのセッションに来ていて、僕はindigo jam unitの笹井さんと仲良くさせて頂いていたんですけど、その方経由で紹介してもらったんです。そこでベーシストの方に「トランペットを探している。リーダーがトランペットなんだけど、金属アレルギーになってトランペットを吹かれへんようになってしまった」と言われて、「じゃあ、音源聴けるだけ聴かせてもらって、1回スタジオに遊びに行きます」と答えて。で、音源聴いたらすごく格好良くて「あ、こんな音楽、今までやったことないけど興味あるな」と思って実際にスタジオへ行ったんですけど、そこから……いつのタイミングで正式加入したのかはイマイチ覚えてないんですけど(笑)。 西崎ゴウシ伝説:俺も覚えてない。気付いたら入ってた。 宮本敦:結構みんなボヤっと入ってるな。--みんな大体誰かに誘われて気付いたら入ってる(笑)。そんな7人組のカルメラ、やついさんは何がきっかけで知ったんでしょう?
やついいちろう:僕は飯田ですね。ゲッターズ飯田が……薦めてきた。一同:(笑)
やついいちろう:端的に言うとそういう感じ。--ここも自分からじゃないという(笑)。
やついいちろう:それで「格好良いな」と思って、僕はフェスをやっているんですけど、そのフェスに呼んだほうがいいと言われたんですよ。飯田に。「じゃあ、呼ぼう」となって、そしたら出てくれたんですけど、僕はそこでやりたいことがあって、歌合戦がやりたかったんですよ。いろんな人たちと一緒にワイワイワイワイやるやつを。それでハコバンみたいなバンドが居てくれると嬉しいなと思っていたんですよね。そのときにカルメラさんに会ったので「ピッタリだ!」と思って。それでお願いしたら「すべて出来る」って言うんで!--めちゃくちゃ万能なバンドを見つけたと。
やついいちろう:実際にすべて出来ましたね! 蛭子さんが「ヨイトマケの唄」をカルメラさんの生演奏で歌ったんですけど、ずーっと蛭子さんのリズムが狂い続けるんですよ。それに見事に合わせているところを見て「これだ!」と思いました。みんなキョロキョロしてました(笑)。即興で合わせてくれていたんですよ。それがいちばん最初の付き合いで、それはまぁ仕事の付き合いだったんですけど、そこから飲み屋で一緒になって、共通の好きな番組の話をすごくするようになって一気に仲良くなりました。「あれ、観た?」みたいな。 西崎ゴウシ伝説:「あのシーン、良かったよね」みたいな。 やついいちろう:そういう関係(笑)。--ちなみに番組名は?
やついいちろう:『バチェラー・ジャパン』。 西崎ゴウシ伝説:『バチェラー・ジャパン』の話がしたいから、やついさんに会いにやついさんの行きつけの居酒屋へ俺も行く(笑)。--そんな2組が出逢うきっかけとなった【やついフェス】。そもそもどういった経緯で毎年開催するような流れになったんでしょうか?
やついいちろう:フェスはサニーデイ・サービスの曽我部恵一さんに「やったらどう?」と言われたんで、やったんですよ。端的に言うとそういう感じ。 PAKshin:もうちょっとないんですか(笑)? 宮本敦:端的過ぎますやん! やついいちろう:でも本当にそうなの(笑)。DJを始めたきっかけも曽我部恵一さんが「やったら?」と言ってくれたからなんですけど、それでやったらロッキンオンのフェスに呼ばれるようになりまして。で、ロッキンオンってテレビ番組もいっぱい作ってるじゃないですか。スワンという制作会社があって。それでテレビ東京で「ストリートのミュージシャンを紹介する」という番組があったんですけど、僕はそのリポーターをやっていたんです。そしたら「こいつ、妙に音楽に詳しい」ということになって、そこに渋谷陽一さんが来たんですよ。「君、なかなか詳しいな」みたいなことを言われて、俺もロッキンオンのフェスに行きたかったから「無料で入らせてください」みたいなことを言ったんですよ。そしたら「なんかやんなきゃダメだ」って言うから「じゃあ、DJやりますよ」と言ったのがきっかけで【ROCK IN JAPAN FESTIVAL】に出させてもらって、飛び入りでDJを30分やらせてくれたんです。一同:へぇー!
やついいちろう:それから毎年出るようになったんですけど、それを観ていたビクターの人が「CDを出しませんか?」と言ってきて、それでCDを出していたら曽我部さんが「フェスやんなよ。このCDの選曲をしているような感じでやればいいんじゃない」と言ってくれて、それで始めたのが【やついフェス】なんです。だから本当に流れ流れてこうなった感じで。--それで今や巨大なフェスができるようになったんですね。
やついいちろう:巨大かどうかは分からないですけど(笑)、あれ、3人で作ってますからね。どこの大人の会社も入ってないんで。なんか本当は入れなきゃいけないんですよね、そういう制作の人。なんかいるんでしょ? そういうプロみたいな人が。一同:(笑)
宮本敦:よく3人でやってますよね。 やついいちろう:だから逆に言えば何のしがらみもない。「コレを出したらコレ出しちゃいけない」って言うらしいですね、ああいう人たちは。【やついフェス】はそういうのが一切ない。ただ、誰の協力も得られない(笑)。 西崎ゴウシ伝説:最初から今の規模感のフェスやったんですか? やついいちろう:1回目は5会場かな。今の半分ぐらいで、1日だったし、「これだったら余裕だろうな」と思って最初は自分で電話してブッキングもしていたんですけど。 西崎ゴウシ伝説:でも今の規模になってきたら把握しきれないですよね? やついいちろう:友達付き合いではまかないきれない。あと、やっぱりみんな事務所に入ってるんで、事務所の人に言わないとダメなんですよね。だからもう僕は電話をするのはやめました。あとで揉められても困るので(笑)。 辻本美博:でも毎年凄い数のアーティストが出ている訳じゃないですか。その皆さんにやついさんが手書きで「今日よろしくお願いします」と手紙を送ってくださって。 やついいちろう:1回目は全員直接挨拶しに行ってたんですよ。まだ1日で行けたんですよね。とりあえず全員に挨拶できたんですけど、2年目からちょっと多くなりすぎて「ムリだな」ということになったんで、手紙を書くことにしたんです。そしたらもっと出演者が増えちゃって! 大変なのよ(笑)。でもそうしないとただ呼んでライブしてもらうだけになっちゃいますからね。だから歌合戦みたいなことをもっとやりたんですよ。あれはカルメラさんが出てくれる限りは続けたいと思ってるんですけど。リリース情報
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Interviewer:平賀哲雄|Photo:Jumpei Yamada
器用な何かが見たい訳じゃなくて、そこに流れてるぐるぐるしたものが見たい
--カルメラ、すごく重要な存在じゃないですか。
一同:おぉー!
西崎ゴウシ伝説:お願いします! やついいちろう:だから今違う人たち探してるんですよ。 西崎ゴウシ伝説:え? やついいちろう:このままカルメラが売れていった場合、使いづらくなるので。一同:(笑)
やついいちろう:もうちょっと売れない人を探してる。売れるとなかなかね! 跳ね上がるからな、いろいろ!一同:(笑)
やついいちろう:怖いですよねぇー。平気で売れていきますから! 俺たちを置いて(笑)。--今後新たにカルメラ×やついいちろうで何かするとしたら、どんなことがしてみたいと思いますか?
やついいちろう:今、ひとつやってみたいことがあって、バンドと誰かボーカルを掛け合わせたりしてみたいんですよ。カルメラがカルメラでやる楽曲はもちろんあると思うんですけど、例えば「この人をボーカルで迎えてみたほうがいいんじゃないか」みたいなことをいろんな人たちとやりたいなと思っていて。 西崎ゴウシ伝説:やついさんがどなたかボーカルさんを呼んできて「演奏する奴ら、誰にしようかな?」と思ったら、僕ら大体何でも出来ると思います(笑)。 やついいちろう:カルメラ的にも別に損はないもんね。誰かボーカルを連れてきて、その人と一緒にやって、それがきっかけで仲良くなれたらいいだろうし。 宮本敦:僕らも歌う人を立てて、僕らがバックに徹するイベントみたいなものを昔やったことがあるんですけど、でも僕らが発想するボーカリストってやっぱり自分らが「一緒にやりたい」と思う人になっちゃうんですよね。そこでやついさんが「この人とやってみたらいいじゃん」とブッキングしてくれる感じは面白いなって。僕らはどうしても好きな人を選んじゃうから…… やついいちろう:そんなに好きじゃない人も来ちゃうから(笑)、でもそれも面白いんじゃないかな。 宮本敦:その予測できない化学反応を起こすんだったら、そういうコーディネイターみたいな人がいてくれたほうが面白いですよね。 やついいちろう:それで10曲入りぐらいのアルバムを作りたいと思っていて。で、発注の仕方としては「4曲目」みたいな。そんな発注来たことないでしょ?「アルバム10曲入るんですけど、カルメラさんは4曲目なんで、4曲目感でお願いします」みたいな。一同:(笑)
やついいちろう:それで10曲集めてアルバム作ったら、そのライブがやりたいですね。それは【やついフェス】でもいいんですけど。ちなみに「4曲目」って発注来たらどうします? 1曲目は分かりやすいと思うんですよ。で、10曲目も分かりやすいと思うんですよ。でも4曲目って(笑)。 宮本敦:難しい! やついいちろう:どういう流れで来るか分かんないんだよ?--あ、前後の曲の情報もないんですね(笑)。
やついいちろう:でも「4曲目」と思って作った曲だから4曲目なんですよ。これ、画期的だなと思ったのが「曲を跳ばして聴かれないな」って。4曲目を1曲目に聴いたらダメじゃないですか。だからアルバムを通して全曲聴くんじゃないかなと思ったりして。--このアルバムが聴かれづらい時代に……
やついいちろう:ちゃんと順番に聴かせる。だって「4曲目」って発注してるから。一同:(笑)
--その画期的なアルバムの前に、カルメラの新アルバム『JAZZY GOLD CHAIR』もちゃんと表に打ち出しましょう。
やついいちろう:それはそうだ!--このアルバムはどういった作品を目指して作られたものなんでしょう?
西崎ゴウシ伝説:5月からメンバーが新体制になったんで、その新体制一発目の音源になるんです。なので、ファーストアルバムぐらいのつもりで気合い入れて作ったんですけど、僕らもやりたい音楽がいっぱいあるんで、俗に言うジャズの固定概念に縛られ過ぎないような、ロックもポップスも吹奏楽もあるオールジャンルのアルバムを目指しました。以前『ゴールデン・バラエティー』というアルバムを作ったんですけど、それはとりあえずバラエティー溢れるラインナップにしたいなと思って『ゴールデン・バラエティー』と名付けたんです。でも今回はそれ以上にバラエティー溢れるラインナップになったなと思っています。--今作より「IDOLA」のミュージックビデオを観させて頂いたのですが、管楽器をベースにしたバンドで「あそこまで激しくエモーショナルにアプローチするのか」と驚きました。辻本さんは今回のアルバムにどんな印象を持たれていますか?
辻本美博:ここから始まって……売れますわ。一同:(笑)
辻本美博:カルメラはちゃんと1年1年「去年より進んでるな」という風にここまで来たんですよ。だから「やり甲斐があるバンドだな」と思って一生懸命やっているんですけど、今回は新体制になったこともあって「第二章の始まり」感があって。で、このアルバムからは「第二章の始まり」の蠢きを感じるんです。『じゃりン子チエ』のはるき悦巳さんが書き下ろしてくれたカルメラ兄弟の兄のジャケットも含め、ここから始まる一枚だと感じます。--やついさんは『JAZZY GOLD CHAIR』を聴いてどんな感想を持たれました?
▲YouTube「Calmera(カルメラ)「CHANCE」Music Video」
一同:(笑)
西崎ゴウシ伝説:嫁おる! 嫁おる!--では、最後に。カルメラにどんなバンドになっていってほしいと思いますか?
やついいちろう:今後も出てくれるなら、売れ続けていいです(笑)。それはともかくカルメラは自分たちで全部決めれると面白いタイプだと思うんですよね。人が決めたところにハメられるとあんまり自分を発揮できないタイプっていて、僕はどちらかと言うとそっちのタイプだから、そういうタイプの人に物凄くシンパシーを感じるんですよ。「あ、この人は誰かにハメられちゃダメなんだろうな。でも任せるとすごく面白い」って。だから僕はそういう人たちと一緒に仕事をやるときは任せる。そこで出てくるグルーヴが見たいんですよね。器用な何かが見たい訳じゃなくて、そこに流れてるおもしろのなんかぐるぐるしたものが見たいんですよ。だからそれを変に消さないように、グワァーと流れているものがこのバンドにはあるので、ソレをそのまんま飲み込ませるような活動をいていってほしいなと思います。 西崎ゴウシ伝説:ありがとうございます。 やついいちろう:ちゃんとしたね、最後ね(笑)。一同:(笑)
やついいちろう:でも本当にそう思います。リリース情報
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Interviewer:平賀哲雄|Photo:Jumpei Yamada
JAZZY GOLD CHAIR
2017/11/22 RELEASE
FABTC-3 ¥ 2,750(税込)
Disc01
- 01.SPIDERMAN
- 02.IDOLA
- 03.Nova Estrada
- 04.CHANCE
- 05.Shine
- 06.The Downtown Story
- 07.Snow White Moon
- 08.やっぱ好きやねん
- 09.追憶の赤い日々
- 10.時が流れても
- 11.Someday You Will Understand
- 12.ムーンビーチ(吹奏楽ver.)
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