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s**t kingz インタビュー ―10th anniversary―



s**t kingz インタビュー

 shoji、kazuki、NOPPO、oguriの4人によるダンス・チーム、s**t kingz(シットキングス)が2017年で結成10周年を迎え、東阪ビルボードライブにてアニバーサリー・ライブを開催する。結成以来、米国のダンス・コンテスト【BODY ROCK】での連続優勝(2010年・2011年)をはじめ、チーム自身の単独公演や、海外ツアー、世界各地でワークショップなど、ボーダーレスな活動を続けており、また、三浦大知やBIGBANG、EXOなど国内外のハイレベルなパフォーマー達ともコラボを重ね、日本のダンス・シーンを牽引しているs**t kingzに今回Billboard JAPANでインタビューを実施。改めて軌跡を振り返り、さらに現在のダンス・シーンやビルボードライブ公演への意気込みについて語ってもらった。

元々は、コンテストに出たくなくてs**t kingzのメンバー集めたんですよ

−−結成10周年ということですが、まずはs**t kingzを結成することになったきっかけから聞かせて頂けますか?

kazuki:日本でそれまで見たことなかったようなダンスをYouTubeで見て、単純に「日本でもこういうことがしたい」っていう憧れから、クラブで踊っていて上手いなと思った自分と同世代のメンバーに声を掛けました。その時は1度だけショーを作って踊るつもりだったんですが、意気投合して…そのまま10年が経ちました。

−−1度だけの予定だったんですか。

kazuki:1つのネタで何度かショーケースに出演していたら、そのうち評判の良さを感じて。「次も作ろうか」っていうのが続いて今に至ります。

−−当時はどういう場所で踊られていたんですか?

kazuki:渋谷の『eggman』というライブハウスが多かったです。

−−その頃から皆さんの中に、「海外でダンスをしたい」という想いはありましたか?

kazuki:僕はNOPPOとアメリカに行ってレッスン受けたりもしていて、海外のスタイルには興味がありました。s**t kingzをやろうと思ったのも海外ダンサーの動画がきっかけなので、憧れはみんな持っていたと思います。

shoji:まさかダンスで海外に行ける機会があるなんて当時考えたこともなかったんです。だけど実際にヨーロッパやアメリカに行ってみて、海外のダンサーに初めて触れて「ダンサーってこんなにいっぱいいるんだな」と思ってからは、自分たちが海外で活動することに興味を持ち始めましたね。

−−海外と日本でダンスシーンの違いを感じることはありますか?

kazuki:日本はしょっちゅうダンスイベントがありますが、海外行くとたまに大きいイベントで頑張るっていう方が多くて。その感覚は違うかもしれません。

oguri:日本みたいにクラブで何十組もダンサーが次から次へと出てくるっていうのはあんまり見たことがないですね。アメリカやヨーロッパでもそんなにないみたいです。

−−日本だとショーケースは多いですよね。

shoji:クラブでのショーケースは割と普通にありますね。

oguri:海外でも無いわけじゃないんですが、イベントの中で2、3組だけ出ているぐらいですかね。DJの時に踊っているほうがメインになっています。

−−では、アメリカのコンテスト【Body Rock】に出ることになったきっかけを教えてください。

shoji:たまたま日本に来ていたアメリカのダンサーの方が、コンテスト団体の主催もされてたのが大きなきっかけの一つですね。kazukiがさっき言ってたs**t kingzを作るきっかけになったのが、GEN2というグループが【Bustagroove】というダンスの大会で踊っている動画で、その大会が後に名前を変えて【Body Rock】という大会になった時に、出演の誘いを頂いたんです。



▲s**t kingz - 【Body Rock 2010】


−−偶然の出会いが重なったんですね。

shoji:そうなんです。アメリカには大会が続くダンスシーズンのような時期があって、【Body Rock】はそこで優勝した人たちが出られるコンテストなので、本来エントリーも簡単にできないんですよね。だけど、今まであんまりインターナショナルな出場者もいないし、s**t kingzのこと言ってみるよって仰って。僕らは最初、(会場で)普通にショーをしようと思っていたんだよね。

oguri:うん。

shoji:だけど、kazukiが「せっかく出るんならコンテスト出たらどうかな」って言ったんです。一番コンテストを毛嫌いしてたのに(笑)。

kazuki:え、そんなこと言ったの?! 覚えてない…僕もともとは、コンテストに出たくなくてs**t kingzのメンバー集めたんですよ。

−−というと?

kazuki:ずっとコンテストに向けたショーをストイックに練習していたんですが、それが受験みたいで嫌で「ダンス楽しくないな」と思ってしまって。なので、単純に4人で踊っていて楽しいショーがしたかったんです。

−−なるほど。そんなkazukiさんがコンテストに出場すると仰ったんですか?

kazuki:自分から言ったとは思えないですね(笑)

shoji:(笑)確か、kazukiの「せっかく出るんだったら」っていう言葉にみんなが賛同して、初めてs**t kingzとしてコンテストに出ることにしたんです。

−−結成してからどのくらい経っていたんですか?

shoji:2010年だから…3年目ですね。

−−【Body Rock】に出場されて、その場での手応えは感じられましたか?

shoji:手応えではないですが、歓声は凄かったです。アメリカのお客さんは、どのチームにも大きな拍手や歓声を贈るんですけど「こんなに盛り上がってくれるなんて!」と思いながらアドレナリンが勝手に出てしまうような感覚だったのは、まだ記憶に残っています。

−−コンテストの楽しさを知ったという感触ですか?

kazuki:楽しかったのは覚えているんですが、緊張のせいか普段ミスらない場面でのミスとかもあったんです。だからまさか優勝するなんて、って感じでした。

shoji:そうですね。「よーし、やってやったぜ!」っていうのもなくて。何なら俺はミスって相当へこんでたから…。

oguri:踊り終わったら3人だけ楽屋にいて、shojiだけいないんですよ。「あれ?shoji君どこ行ったの?」って言ってたら裏にいて…

ogurikazukiNOPPO:shoji号泣。

shoji:わーーー!めっちゃ恥ずかしいからやめてー!

一同:(笑)

shoji:帰りの車の中では、ウルフルズさんの「笑えれば」を大音量で誰かがかけてくれて。聴きながら帰りました…。

−−すごい慰められてる!

oguri:優勝できたんだし笑えればいいよねーって言いながら、shoji君には何も言わずにウルフルズをかけたという。良い思い出ですね(笑)

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