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ももいろクローバー 『ミライボウル』インタビュー
アイドル戦国時代の風雲児 遂に登場!
今、巷で驚異的な勢いを見せているガールズユニットがいる。キャッチーかつ突飛な展開で音楽ファンをも楽しませる楽曲に、観る者全てを一瞬で惹き込む強烈なライブパフォーマンス。先日は、神聖かまってちゃんとの対バンライブも開催し、ロックファンに衝撃を与える一撃を繰り出した6人組アイドル ももいろクローバーが、遂に初登場です!
激動の1年 「冒険? ツアーだ 青春だ~♪」
--(取材開始直前まで、はしゃぎ合う6人を見て)……皆さん、本当に仲が良いんですねー。
玉井詩織(しおりん):気持ち悪いくらい、いつもくっついてます!
早見あかり(あかりん):しかも、くだらないことばっかりやってるんです。自分たちしか分からないことで、いつも笑ってます(笑)。
--ともあれメジャーデビュー以降、ももクロ快進撃は凄まじいモノがありますね。
百田夏菜子(かなこ):ビックリすることも多かったし、去年も本当に色々あったよね?
佐々木彩夏(あーりん):思い出せないくらい!
あかりん:「あれ、あのイベントって今年だっけ?」って思うことばっかりです。だって、映画「シロメ」って去年ですよね? あれ、8月とかでしょ? 全然最近の話なのに、上からどんどん新しい記憶が上塗りされていくから、すぐに懐かしい感じになっちゃうんです。
--「シロメ」も凄い映画でしたよね。
かなこ:全部ドッキリだったんですもん! 本当にびっくりした! 後から映画だって聞いたので、私たち的には「あれは映画だったのかな?」って感じです。
--最近になって、急激に認知度が上がってきましたが、戸惑いを覚えるところは?
有安杏果(ももか):戸惑いよりも嬉しさの方が大きいですね!
かなこ:ビックリの方が多いと思います! 私たち、毎年何回か全国ツアーをさせて頂いて、色んな地方をまわっているんですけど、最初の頃は数人しかお客さんがいないとか……。でも、今はたくさんのお客さんが待っててくれますし、たまにしか行けない所だと、前回から次までの間にどれくらい知ってもらえたのか、余計に実感できるんですよね。
あかりん:最初の頃は、例えば大阪でイベントをやっても、会場には東京のファンの方々がついてきてくれていたんです。つまり、目の前にいる方々が、そのままファンの人数だったというか。でも、今は待っていてくれるファンの方がいる。その場所に来るのを楽しみにしてくれている方がいることが、大きく変わったところですね。
--そうした周囲の盛り上がりを実感することは?
かなこ:ないですね! ただ、最近は「友達の友達がももクロのファンだよ」って言われることが多いんですよ。妹の友達とか、知らなかった人たちとか……。私は静岡出身なんですけど、最近はCDショップにももクロのCDを置いてもらっているし、コンビニでも曲が流れてたりするので、感動します! 私のお兄ちゃんも「この前、お店でももクロかかってたよ」って。
--街を歩き難くなったりは?
全員:全然ない!(笑)
かなこ:だって、お母さんに「オーラがない」って言われてますし……。
しおりん:もっと出してこう!(と両手を天に掲げる)
--オーラの出るポーズですね(笑)。また、ももクロはサプライズの多い活動も特徴ですよね?
あかりん:毎日がワンダフル! 本当に冒険のような毎日で……
かなこ:冒険? ツアーだ 青春だ~♪(と、『ピンキージョーンズ』を歌い出す)
あかりん:邪魔しない!(笑) 型にハマらないというか、「アイドルだから、こうするべき」っていう概念が、ももクロには存在しないんです。それに、「できない」って思っていても、やってみるとできちゃうこともありますよね。人間、やれないことなんてないんだなって、最近思います。
かなこ:ステージでも本当にこのままの感じで話してたりするし、振り付けにはコマネチとか変顔もあるし。“アイドルだから”っていうイメージに縛られていないというか、そういう世間のイメージを良い意味で壊していきたいんです!
Interviewer:杉岡祐樹|Photo:佐藤恵
伝説のAX「1時間のうち55分は踊り続けてた」
--先日は「しゃべくり007」に出演し、正にアイドルの垣根を超えた一面を覗かせてくれました。皆さんはバラエティに対する自信もある?
あかりん:面白いのが好きなのと、自信がなくてもやらなければいけないっていう状況が(笑)。とりあえずチャレンジ、みたいな感じがももクロにはあるので、結局やるしかないんですよね。リハの時に「もう無理です……」って弱音を言ってても、本番になるとできちゃったりするんです。
かなこ:どれだけ「できない!」って思っても、マネージャーさんが「できるよー」って言ったら、「はい、できます!」みたいな。
あーりん:「しゃべくり007」に出た時は、芸人さんの臨機応変さって凄いと思いました。だから私たちも勢いだけじゃなくて、周りを見渡せる冷静さとかが加われば、もっと面白くなれるんじゃないかって。もっと頑張って腕を磨いていきたいです!
--また、先日は神聖かまってちゃんとの対バンライブもありましたが、あの7曲連続披露の瞬間を目の当たりにして、正直、ちょっと泣きました。アレは凄かった!
あかりん:あれも、マネージャーさんが「今日は7曲連続でやるから。イケるよ!」って(笑)。最初の頃は5曲連続すらなかったのに、段々それが当たり前になってきて、遂には7曲まで……。もう気力だけですよね。途中で酸素が足りなくなっちゃって、「倒れるんじゃないか?」って思うくらい、体力の限界でした。かなりフラフラだったんですけど、「もう気力でやるしかない!」って!
かなこ:ももクロはバラードが少ないんですけど、中にはおとなしめの曲ってあるじゃないですか、『オレンジノート』とか『きみゆき』とか。でも、そういう曲はまったくやらずに、『Chai Maxx』とか『キミとセカイ』とか、激しい曲が7曲連続になってて……。ただ、終わった後は、身体中の塩分を全部出し切ったような、やり切った感が凄くありました!
ももか:完全燃焼でしたね。
かなこ:だって、1時間のうち55分は踊り続けてたって言われましたよ! 55分ずっと走れっていわれても、絶対に無理だと思います。しかも、ライブハウスは人口密度が高いし! ……そう考えると不思議だよねぇ。
--ファンの応援があるからこそ、踊り切れる?
あかりん:力になりますね! 今、ここで踊れって言われても、3曲くらいで限界きちゃいます。
ももか:本当にファンの方の声援って、凄いと思います。力がみなぎってきますし、リハの時とも全然違いますね、身体の軽さも、気持ちも。
--そして、そのAX公演でも披露したニューシングル『ミライボウル』が、3月9日にリリースとなります。
かなこ:今までの私たちと新しい私たち、両方を感じられるシングルですね! 去年の12月に初めてやった単独ホールコンサートのタイトルが“脱皮”だったんですけど、AメロとBメロ ―――私たちは“セリフパート”って呼んでるんですけど、そこは振り付けもアイドルらしいし、可愛く歌ってる感じなんです。そこが新しいももクロなんですけど、サビはいつものももクロ! ガッツリ踊って、歌って!
あかりん:初めて聴いた時はちょっと戸惑ったんですけど、聴けば聴くほど味が出てくる曲なんですよね。スルメみたいな曲です。
かなこ:よし! じゃあこれからそういう曲はスルメソングって呼ぼう! スルソン!
しおりん:(イイ声で)「聴いて下さい。ももいろクローバーで、“スルソン”」。スルスル・ソンソン・スル・ソンソン♪
Interviewer:杉岡祐樹|Photo:佐藤恵
あかり脱退 「今はこの6人の時間を大切にしたい」
--また、あかりさんは4月でももクロを脱退することが決定しています。『ミライボウル』の歌詞って、5人からあかりさんへ贈る言葉にも聴こえますよね。
(全員で『ミライボウル』の歌詞を確かめるように歌いながら)
かなこ:言われてみれば……。
高城れに(れに):「何で、最後の最後で急に“ありがとう”なんだろう?」って話してたよね。
あかりん:え、私のために作ってくれたの?
しおりん:じゃあ、これからはあかりんのことを考えながら歌おう!
かなこ:私たちの中では、ファンの方とか、関わってくれている方々への“ありがとう”だったんです。でも、あかりんって考えると、確かにそう思えますね。
あかりん:感謝曲、カンキョクだ!
全員:それでは聴いて下さい、スルソンからのぉぉおおお! カンキョクッ! キミにありがとう~♪ ほんとありが(『ミライボウル』続く)
--脱退を1か月後に控える今の心境は?
あかりん:考えてはいるんですけど、実際ライブになると忘れちゃう自分がいるんですよ。昨日ブログを書きながら、「あ……、あと1か月しかないんだ、私」って改めて実感したんですけど、その時も「もっと楽しく頑張ろう!」、「ひとつひとつ、全力で頑張ろう」って思いました。 だから、4月10日に向けて頑張っているというよりは、とにかく今を楽しんでる感じです。もちろん、最後のライブも大切なんですけど、私の中では……、うん。まだこのツアーは終わってないし、楽しみたいです。
--その脱退宣言を受けて、5人は今、どのように感じていますか?
かなこ:何が起こるか、それは私たちにも分からないんですけど、やっぱりその時になってみないとって思うんですよね。あかりんが言ったように、今はこの6人の時間を大切にしたいんです。考えるのは目の前に来た時だし、あかりんが抜けるのは中野サンプラザ公演が終わってからのことなので、後のことはまったく考えてないし分からないです。ファンの方にとっても私たちにとっても、スタッフさんにとっても、このツアーを悲しい思い出、暗い思い出にはしたくない。いつ振り返っても“あのツアーは良かったよね!”っていえるように、「良い思い出として残るようにしよう!」って、いつもみんなで話してます。
--そのためにも、まずは『ミライボウル』をたくさんの方に聴いてもらいたいですよね。
あかりん:『ミライボウル』は最初、目が点になるくらい「何だコレ!?」って感じると思うんですよ。私も「コレを曲と呼んでいいのか!?」って思ったんですけど(笑)、他のアイドルさんにはできない、ももクロらしさのある曲だと思うんです。最初は変だと思っても、聴き込んで惹かれていって欲しいですね。あと、音だけ聴くよりも、ライブで感じて欲しいですね。私たちの面白さって、ライブに来てくれると伝わりやすいと思うんですよ。なので、是非ライブに遊びにきて下さい!
ももか:毎回変化があるし、何が起こるか分からないのが私たちのライブなので、何度も足を運んで欲しいなって思います!
れに:私は2曲目の『Chai Maxx』も聴いてもらいたいです! 本当に元気な曲で、聴いてる方も自然と笑顔になれるんです!
かなこ:『Chai Maxx』は、今までのももクロを全部出し切った、またひとつ階段を昇ったももクロを感じてもらえると思います。『ミライボウル』と良いコンビなんです!
あーりん:ももクロは変なこともするし、アイドルらしくない部分もあると思うので、アイドルに興味を持っていなかった方にも、興味を持ってもらえるんじゃないかって思うんです。その上、『ミライボウル』はセリフパートとか衣装とか、アイドルっぽい部分もあるので、アイドル好きな方にも聴いてもらいたいし……。とにかくたくさんの方に知ってもらって、ももクロのことを好きになってもらえるように頑張りたいと思います!
Interviewer:杉岡祐樹|Photo:佐藤恵
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