Special
THE YEAR of AOR ~2016年のAORを総括。SONY AOR CITY1000・WARNER AOR BEST SELECTION 1300 人気TOP 10も発表
元祖AORといわれるボズ・スキャッグス『シルク・ディグリーズ』の発売から40周年となった2016年。 ビルボードライブでは数々のAORアーティストが来日し老若男女問わず多くのオーディエンスを魅了した。さらにソニー・ミュージックからはAOR CITY 1000、ワーナー・ミュージックからはAOR BEST SELECTION 1300と、世界初CD化の作品を含むAORの名盤が一挙に再発され活況を呈したAORシーン。 そんな2016年を振り返るべく、2016年に行われたAORアーティストの公演の模様を一挙に公開。さらに、AORの伝道師として今年も大車輪の活躍をした金澤寿和氏と中田利樹氏からの総括コメント、AOR CITY 1000、AOR BEST SELECTION 1300、それぞれのコレクションの人気トップ10も発表する。
SONY “AOR CITY 1000” 人気タイトルTOP10
(SICP-4840)
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AORがここから始まったといわれる金字塔。60 年代から音楽活動を始め、評価を高めていたボズ・スキャッグスの名を一躍世界的なものにした通算7作目。全米アルバム・チャートで2 位を記録。ジェフ・ポーカロ(ds)やデヴィッド・ペイチ(p)など、後にTOTOとしてデビューする腕利きミュージシャンが奏でるスムーズで洗練されたサウンドとボズのシブいソウルフルな歌声で、アダルト・コンテンポラリーというジャンルを一気に世に広めた。グラミー賞を受賞した「ロウダウン」(全米3位)、ボズの代名詞的なバラード「ウィアー・オール・アローン」を収録。このアルバムからTOTO、レス・デューデックという新しいミュージシャンを誕生させた。
(SICP-4843)
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今やグラミー賞常連プロデューサーとして名高い若き日のデヴィッド・フォスターと、スティーリー・ダンとの名演などで知られる人気ギタリスト、ジェイ・グレイドンが組んだスーパー・ユニット唯一のアルバム。レコーディングには、スティーヴ・ルカサー(g)やジェフ・ポーカロ(ds)などTOTOの面々を筆頭に西海岸の一流ミュージシャンが勢揃いし、ヴォーカルには後にボストンに参加するトミー・ファンダーバークをフィーチャーしている。本国以上に日本で絶大な支持を得て、AORのマスターピースとして人気を獲得している。ジェイ・グレイドン自らによる2010年リマスタリング音源を使用。
(SICP-4884)
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1943年生まれ、NY・ブルックリン出身。ピアニスト/作家/アレンジャーとして下積みを経て1973年にデビュー。「悲しみのマンディ」「歌の贈りもの」「涙色の微笑」「コパカバーナ」など多くのヒットを放ち、これまでに8千万枚以上のセールスを記録している。1980年にリリースされた本作からは、ジェラード・ケニーと共作した「メイド・イット・スルー・ザ・レイン」が全米トップテン入り(アダルト・コンテンポラリーでは4位)。アルバムは全米15位を記録。この時期、英国や日本など米国外でもマニロウの人気に火がつき、大規模なコンサートが成功を収めていた。
(SICP-4880)
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1948年、ミシシッピ州生まれ。60年代後半にカントリーの世界でソングライターとして注目を集め、その後1970年にソロ・デビュー。本作は5作目にあたる彼の代表作で、オープニングの「アイ・ゴー・クレイジー」は全米チャート最高7位まで上昇し、40週連続してチャートインするロングセラーになった。後にこの曲は映画『なんとなく、クリスタル』(原作は田中康夫)のテーマで使用され話題を呼んだ。他にもビーチ・ボーイズのカバー曲「ダーリン」など、ウェストコースト的なレイドバックした雰囲気が充満したアルバムになっている。デイヴィスは2008年、60歳で亡くなっている。【日本初CD化】
(SICP-4862)
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1933年、シカゴ生まれ(2006年没)。幼い頃から教会で歌い、高校時代あのサム・クックと同級生だったというのは有名な話。後年、レコーディングにも参加し、素晴らしい掛け合いを聴かせてくれた。1962年にデビューし、ヴェルヴェットのようなスムースな歌声とジャズ~ソウルの要素をミックスしたスタイルで「別れたくないのに」(全米2位)など多くのヒットを残した。本作はレコードのA面にAOR楽曲、B面にジャズ・スタンダードを配した異色作。プロデューサーにジェイ・グレイドンを迎え、デヴィッド・フォスターやペイジズ(Mr.ミスター)の2人、キーンの2人、ロビー・ネヴィルらが参加している。【世界初CD化】
(SICP-4856)
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1954年、デトロイト生まれ。スティーヴィー・ワンダーのバックバンドに抜擢されたことをきっかけに音楽業界でその名が知れわたる。1978年に自身のグループ、レイディオを率いてデビューを果たし、いきなり「ジャック&ジル」がトップテン入りするヒットを記録。本作は4作目で、人気を決定づけたベストセラー。R&Bチャートで1位(全米4位)を獲得した「ウーマン・ニーズ・ラヴ」のライトでオシャレなサウンドは“ブラコンの聖典”として当時のOLや女性大生~AORマニアまでをトリコにした傑作。他にも「ザット・オールド・ソング」など、この時期のレイ・パーカー・サウンドの集大成ともいえるアルバムだ。
(SICP-4847)
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英国出身、1949年生まれのドラマー/シンガー。エルトン・ジョンのバンドのドラマーとしての活動が有名(現在もバンドに在籍)。1975年ソロ・デビュー後、活動の拠点をアメリカに移し、1979年には「涙のダンシング・シューズ」が全米18位のスマッシュ・ヒットを記録した。本作は4枚目のアルバムで、ヴォーカルやドラムなどほぼすべてのレコーディングを自分で行ったポップな作品。「愛はどこへ(Should We Carry On)」は、エアプレイのアルバムにも収録されているデヴィッド・フォスター&ジェイ・グレイドンによる甘いバラード。他にも、トニー・シュートがソングライターとして参加している。【世界初CD化】
(SICP-4913)
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ロサンゼルスをベースに活動していた敏腕スタジオ・ミュージシャンたちによるバンド「ペイジズ」のリチャード・ペイジ(vo/b)とスティーヴ・ジョージ(key/sax)を中心に結成された4人組。デビュー作では満足する結果を残すことができなかったが、このセカンド・アルバムからは「ブロークン・ウィングス」と「キリエ」の2曲が連続して全米ナンバーワンとなる大ヒットを記録。アルバム自体も全米1位を獲得している。緻密に作りこまれたサウンドとドラマティックなメロディーの妙は、AORファンの間でも高く評価されている。バンドは1987年に3作目をリリースして活動を停止した。
(SICP-4867)
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1948年、ロサンゼルス出身。ジャクソン・ブラウンらと共にアサイラム・レコード契約第1号アーティストとして1973年にデビュー。本作はコロムビア移籍第一弾となるアルバムで、元祖AORと呼ばれる名盤。プロデューサーにソウルの名門スタックスで数々のレコーディングに参加してきたギタリスト、スティーヴ・クロッパーを起用。ドヒニーのソウル趣味を巧みに料理し、小粋で洒落た作品に仕上げている。コーラスでイーグルスのグレン・フライとドン・ヘンリー、リンダ・ロンシュタット、J.D.サウザーらが参加している他、若き日のデヴィッド・フォスター(p)の名前も。「恋は幻(Get It Up for Love)」はカバー・バージョン多数。
(SICP-4926)
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1945年、京都生まれ。60年代から本格的に活動を始め、70年代は海外アーティストと次々にアルバムを制作。その後L.A.に拠点を移し、ハービー・ハンコック(p)との共演盤『バタフライ』(1979年)など、ジャズ/フュージョン/R&Bなど幅広いジャンルで作品を残している。本作は80年代に入って最初のアルバムで、プロデューサーにミニー・リパートン作品で知られるリチャード・ルドルフを招き、ジェイ・グレイドン、リチャード・ペイジ、マーク・ジョーダンというAORキーマンを配したアーバン・コンテンポラリーな作品。「アイム・ソー・マッチ・イン・ラヴ」はスティーヴィー・ワンダー曲。
AOR CITY 1000オフィシャルHP : www.sonymusic.co.jp/aorcity1000/
公演情報
Bobby Caldwell
ビルボードライブ東京:2017/1/25(水), 27(金)~28(土)
>>25(水)公演詳細はこちら
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ビルボードライブ大阪:2017/1/30(月), 2/1(水)~2(木)
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BAND MEMBERS
ボビ-・コールドウェル / Bobby Caldwell(Vocals, Keyboards, Guitar)
マーク・マクミレン / Mark McMillen(Keyboards, BGV)
アンドリュー・ニュー / Andrew Neu(Saxophone, BGV)
カーライル・バリトウ / Carlyle Barriteau(Guitar, BGV)
ロベルト・バリー / Roberto Vally(Bass, BGV)
トニー・ムーア / Tony Moore(Drums)
Ray Parker Jr. & Raydio
ビルボードライブ大阪:2017/2/28(火)
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ビルボードライブ東京:2017/3/2(木)~3(金)
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BAND MEMBERS
レイ・パーカー / Ray Parker (Vocals, Guitar)
アーネル・カーマイケル / Arnell Carmichael (Vocals)
マヤ・トーマス / Maya Thomas (Vocals)
ロブ・ベーコン / Rob Bacon (Guitar)
レディー・フレディー / Ready Freddie (Bass)
チャールズ・グリーン / Charles Green (Saxophone, Flute, Keyboards)
ハーマン・ジャクソン / Herman Jackson (Keyboards)
ドネル・スペンサー Jr / Donnell Spencer Jr (Drums)
Christopher Cross
ビルボードライブ大阪:2017/3/1(水)~2(木)
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ビルボードライブ東京:2017/3/7(火)
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BAND MEMBERS
クリストファー・クロス / Christopher Cross(Vocals, Guitar)
マーシャ・ラミレス / Marcia Rameriz(BGV)
キム・パレント / Kim Parent(BGV)
アンディー・スズキ / Andy Suzuki(Saxophone,Keyboards)
ケビン・レヴィレンド / Kevin Reveyrend(Bass)
フランシス・アーナード / Francis Arnaud(Drums)
Stephen Bishop
ビルボードライブ東京:2017/3/4(土)
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BAND MEMBERS
スティーヴン・ビショップ / Stephen Bishop(Vocals, Guitar)
ジム・ウィルソン / Jim Wilson(Keyboard, Vocals)
関連リンク
WARNER “AOR BEST SELECTION 1300” 人気タイトルTOP10
(WPCR-17468)
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センチメンタルな夜、追憶のメロディに胸は高鳴る。哀しみのバラードすら、涙で埋めつくされて。。。アメリカン・ルーツ・テイストとAORの程よいブレンドで長らく復刻が待たれていた“通好みの名盤”が世界初CD化で登場!
(WPCR-17418)
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忘れじのあの人の“声”が、ふたたびこの胸の高まりを呼びおこす-後期ドゥービー・ブラザーズの栄光を演出したマイケル・マクドナルドの初ソロ・アルバム。全米シングル・チャート4位を記録したヒット・シングル「アイ・キープ・フォーゲッティン」ほか収録。全米アルバム・チャート最高位6位。
(WPCR-17408)
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心温まるヴォーカルと甘いメロディにあの頃の淡い思い出が鮮やかに蘇る…アンブロージアの中心人物であり、グループ解散後プロデューサーとしても大活躍したディヴィッド・パックの唯一のソロ・アルバム。M.マクドナルド、J.イングラム他と創るハーモニー… そして、彼の暖かな歌声と甘いメロディはまさに絶品!!AOR史上に残る名盤。
(WPCR-17408)
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揺るぎないミュージシャン・シップと切れ味鋭いファンクネス。これがジャンルを越えた最高のツイン・リーダー・アルバム!!フュージョン、R&B、ロック、ポップスとジャンルを超えて、最高のミュージシャン・シップをみせた最強タッグ・チーム、ラーセン=フェイトン・バンドのワーナー移籍第1弾アルバム。
(WPCR-17405)
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デビュー・アルバムにして、世界中を魅了したハイトーン・ヴォイスが冴える名盤。これを聴かずしてAORは語れない―。AORを代表する男性シンガー、クリストファー・クロスの記念すべきデビュー・アルバム。1980年度グラミー賞「アルバム・オブ・ザ・イヤー」に輝き、400万枚以上を売り上げたと言われている名盤中の名盤。
(WPCR-17400)
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さわやかな風とともに、スウィート・ミュージックをもう1度…クインシー・ジョーンズ総指揮、クリストファー・クロスがプロデュースを担当。そして、選び抜かれた一流のゲスト・ミュージシャンが参加したアルバム。厳選された楽曲、洗練されたヴォーカル、豪華なサポート陣で仕上げたアレッシーの大傑作を高音質SHM CDで再リリース。
(WPCR-17424)
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さりげなくモノトーンを着こなす男の、ソフィスティケイテッド・ソウルをあなたに―。全米大ヒット「ふたりだけの夜」で一躍スターダムにのし上がったシンデレラ・ボーイ、ロビー・デュプリーのデビュー・アルバム。ウエスト・コースト・サウンド・ファンを虜にする素敵なソフィスティケイテッド・ソウル・フレイヴァーの効いた名作。
(WPCR-17485)
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ささやくハスキー・ヴォイス、夢見るセンチメンタリズム。今宵あなたを魅了する“恋が叶う”悦びの詩。名盤の誉れ高いローレン・ウッドのセカンド・アルバム。映画『プリティ・ウーマン』の名場面を盛りあげた名曲「フォーレン」、ロビー・デュプリーとのデュエット曲「ワーク・オン・イット」等素晴らしい楽曲を多数収録!
(WPCR-17477)
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乾いた風を運んではじける、正真正銘、生粋のカリフォルニア魂!ドゥービー・ブラザーズ解散の翌年に、トム・ジョンストン、マイケル・マクドナルドなどの盟友や、デヴィッド・パック、ニッキー・ホプキンスなど豪華なゲストを迎えた初のソロ・アルバム。スマッシュ・ヒットしたシングル「ソー・ロング」ほか収録。
(WPCR-17475)
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時にはドレスアップして、ゴージャスな夜に乾杯。LAの一流セッション・メンを驚嘆させたハイ・センスなポップ感覚。TOTO、デイヴィッド・フォスター、ビル・チャンプリンらトップ・ミュージシャンのバック・アップを得たワン&オンリーの傑作アルバム。
AOR BEST SELECTION 1300 オフィシャルHP : wmg.jp/special/aorbest/
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Bobby Caldwell
ビルボードライブ東京:2017/1/25(水), 27(金)~28(土)
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ボビ-・コールドウェル / Bobby Caldwell(Vocals, Keyboards, Guitar)
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ビルボードライブ大阪:2017/2/28(火)
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レイ・パーカー / Ray Parker (Vocals, Guitar)
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ビルボードライブ大阪:2017/3/1(水)~2(木)
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クリストファー・クロス / Christopher Cross(Vocals, Guitar)
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Stephen Bishop
ビルボードライブ東京:2017/3/4(土)
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スティーヴン・ビショップ / Stephen Bishop(Vocals, Guitar)
ジム・ウィルソン / Jim Wilson(Keyboard, Vocals)
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右肩下がりが続く昨今の音楽業界にあって、昨今のAORシーンの堅調ぶりは頼もしいかぎり。70〜80年代全盛期をリアルタイムで知るエルダー・ファンも然ることながら、最近はその子供たち世代に当たる若年層リスナーからの支持も熱さを増してきている。
特に2016年は、AORシーン初のビッグ・セールスを記録した大名盤、ボズ・スキャッグス『シルク・ディグリーズ』の発売から40年目に当たるアニヴァーサリー・イヤー。例年通り大物アーティストが次々来日してファンを盛り上げたのに加え、日本の大手レコード会社も廉価復刻シリーズに挑み、150枚を超える名盤・貴重盤がお求めやすい価格でショップを賑わせた。監修、もしくは選盤に関与した立場からベストセラー作品のラインナップを見ると、初CD化や今まで入手困難だったアルバムの復刻に人気が集まったのは、おおかた予想通り。でもその一方で、ボズやマイケル・マクドナルド、クリストファー・クロス、ネッド・ドヒニーなど、いわゆる定番モノが上位にランクされており、その人気の根強さにビックリさせられる。もちろん、デジタル・リマスターによる買い直し需要はあっただろうが、いずれも何度か再発を繰り返しており、往年のファンなら“何を今更…”と言いたくなるアイテムばかり。つまりこれは、新しいリスナー、もしくは楽曲は知っててもアルバムは持っていなかった、そういうご新規ファンを開拓した証しだろう。またリアルタイム派がAORと捉えてこなかったバリー・マニロウが上位に喰い込んだ点も、要注目。時代と共にAOR系リスナーの感覚が変化し、裾野が広がってきたのだ。
こうした再発シーンの活況は来年も続く予定で、大手各社ともシリーズ続編を目論んでいる。当然、大物AORア-ティストたちの訪日もあるだろう。それに加えて来年は、最近デビューしたニュー・カマーらの来日公演にも大いに期待したい。ベテラン・アーティスト勢の活躍、エルダー・ファンの熱い応援はシーンに不可欠とはいえ、ノスタルジーでは真の活況は生まれ得ない。ジワジワ湧き出している新しい血をどう反映させるかが、2017年のAORシーン最大のテーマだ。
―音楽ライター 金澤 寿和
2015年7月にスタートしたムック『AOR AGE』(シンコーミュージック)掲載用に、2016年もいろいろなライヴを観、そして取材もさせていただきました。いくつになっても”麗しの”という形容詞がよく似合うカーラ・ボノフ、取材当日に体調を崩しインタヴューが中止になったにもかかわらず後日北欧をツアー中のホテルで電話インタヴューに答えてくれたアルバート・ハモンド、ギター1本あるいはピアノでの弾き語りながらコード進行や音使いが実に多彩でシンガー・ソングライターというより1人のエンターテイナーと称したくなったリヴィングストン・テイラー、基本的にはジャズを歌うグループながらライヴの終盤はAOR時代の作品で盛り上げてくれたマンハッタン・トランスファーが、特に印象に残っています。また、ボビー・コールドウェル、クリストファー・クロス、カラパナ、シャカタク、エア・サプライといった定番アーティストも”年中行事”的に楽しませていただきました。
2016年は”AOR40周年”として、メジャー・レーベルから大きなCD再発シリーズがあったり、全体的にとても充実した年だった気がします。プロのミュージシャンによるAORのカヴァー・ライヴも各地で行われましたし、中には30代前半のミュージシャンが活躍するライヴもあります。ですので、2017年もその流れを断ち切らずさらに盛り上がることを願う限りです。個人的には、クラッキンの再結成ライヴ、そして、トミー・ファンダーバーク sings エアプレイ・ライヴが日本で実現することを心から願っています。あとは、アメリカで人気を得ているヨット・ロック・レヴューが日本でも行われたら嬉しいです。ロビー・デュプリー、アンブロージア、スティーヴン・ビショップ、プレイヤー…が一緒に楽しめる、そんな贅沢なステージ。AORのエヴァーグリーンな魅力が2017年も輝き続けますように。
―中田利樹
2016年に行われたAORアーティストの公演の模様を一挙に公開
Billboard Live OSAKA 1/18(月) / Billboard Live TOKYO 1/20(水)~21(木)
ここ数年はJ.D.サウザーやジミー・ウェッブとともに来日していたカーラ・ボノフだが、今年は盟友ニナ・ガーバーとのデュオ編成で登場。「Trouble Again」や夜景をバックに「When You Walk In The Room」を披露しビルボードライブのAOR初めを飾ってくれた。
Billboard Live TOKYO 1/29(金)~30(土) / Billboard Live OSAKA 2/1(月)
ビルボードライブ初登場となった70年代を代表するシンガー・ソングライター、アルバート・ハモンドは、代表曲「フリー・エレクトリック・バンド」や「落ち葉のコンチェルト」、そして一世を風靡した「カリフォルニアの青い空」など自身の名曲はもちろん、作曲を手掛けたカーペンターズの名曲「青春の輝き」やレオ・セイヤーの「ウェン・アイ・ニード・ユー」も披露し、オーディエンスの胸を熱くした。
Billboard Live TOKYO 2/28(日)~29(月) / Billboard Live OSAKA 3/2(水)
ブラック・コンテンポラリーを代表する実力派シンガー、パティ・オースティンは3年半ぶりにオン・ステージ。クインシー・ジョーンズ・メドレーや、ジェイムス・イングラムとのデュエットで全米No1になった「あまねく愛で(Baby、Come To Me)」など、色あせぬシルキー・ヴォイスでAORセットを披露した。
Billboard Live TOKYO 4/4(月) / Billboard Live OSAKA 4/6(水)
セルジオ・メンデスのバンド・メンバーの一員として来日した1971年以来45年ぶりに来日を果たしたブラジル音楽界の至宝、エドゥ・ロボ。「ウパ・ネギーニョ」や「ザンジバル」を息子、ベナ・ロボとともに披露。リオ・オリンピック・イヤーにふさわしい貴重なステージとなった。
Billboard Live TOKYO 4/11(月) / Billboard Live OSAKA 4/13(水)
日本でも大ヒットとなった名盤『ポースレイン(微笑にふれて)』が2015年に25周年を迎え、同アルバムのナンバーをはじめ、10cc「I’m Not In Love」やスティーヴィー・ワンダー「Sir Duke」といったカバーも交えたセットで、暖かいステージを届けてくれた。
Billboard Live OSAKA 4/25(月)~26(火) / Billboard Live TOKYO 4/27(水)~29(金・祝)
2012年の初登場以来、毎年春に登場するクリストファー・クロスは非の付けどころのない盤石のパフォーマンスで、今年もオーディエンスの心をがっちりつかんだ。デビューアルバム『南から来た男』はワーナー・ミュージックのAOR BEST SELECTION 1300で再発され、人気TOP10にも入っている。そして、2017年の来日も決定している。
2017年来日公演
Billboard Live OSAKA:2017/3/1(水)~2(木) >>公演情報
Billboard Live TOKYO:2017/3/7(火) >>公演情報
Billboard Live TOKYO 5/6(金)~7(土)
AOR全盛期の名盤『イヤー・オブ・ザ・キャット』(1976年)で知られるイギリスのシンガーソングライター、アル・スチュワートが初登場。“愛の吟遊詩人”という呼び名のごとく、時代を経てなお美しくロマンティックな名曲の数々に酔いしれた。
公演情報
Bobby Caldwell
ビルボードライブ東京:2017/1/25(水), 27(金)~28(土)
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ボビ-・コールドウェル / Bobby Caldwell(Vocals, Keyboards, Guitar)
マーク・マクミレン / Mark McMillen(Keyboards, BGV)
アンドリュー・ニュー / Andrew Neu(Saxophone, BGV)
カーライル・バリトウ / Carlyle Barriteau(Guitar, BGV)
ロベルト・バリー / Roberto Vally(Bass, BGV)
トニー・ムーア / Tony Moore(Drums)
Ray Parker Jr. & Raydio
ビルボードライブ大阪:2017/2/28(火)
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ビルボードライブ東京:2017/3/2(木)~3(金)
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レイ・パーカー / Ray Parker (Vocals, Guitar)
アーネル・カーマイケル / Arnell Carmichael (Vocals)
マヤ・トーマス / Maya Thomas (Vocals)
ロブ・ベーコン / Rob Bacon (Guitar)
レディー・フレディー / Ready Freddie (Bass)
チャールズ・グリーン / Charles Green (Saxophone, Flute, Keyboards)
ハーマン・ジャクソン / Herman Jackson (Keyboards)
ドネル・スペンサー Jr / Donnell Spencer Jr (Drums)
Christopher Cross
ビルボードライブ大阪:2017/3/1(水)~2(木)
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ビルボードライブ東京:2017/3/7(火)
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BAND MEMBERS
クリストファー・クロス / Christopher Cross(Vocals, Guitar)
マーシャ・ラミレス / Marcia Rameriz(BGV)
キム・パレント / Kim Parent(BGV)
アンディー・スズキ / Andy Suzuki(Saxophone,Keyboards)
ケビン・レヴィレンド / Kevin Reveyrend(Bass)
フランシス・アーナード / Francis Arnaud(Drums)
Stephen Bishop
ビルボードライブ東京:2017/3/4(土)
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BAND MEMBERS
スティーヴン・ビショップ / Stephen Bishop(Vocals, Guitar)
ジム・ウィルソン / Jim Wilson(Keyboard, Vocals)
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Billboard Live TOKYO 6/25(土)~26(日) / Billboard Live OSAKA 6/28(火)
2015年に40周年を迎えたカラパナが2年連続でオン・ステージ。「ナイトバード」や「愛しのジュリエット(Juliette)」など名曲の数々を披露、ハワイアンAOR最高峰の実力をみせつけ、夏の訪れを告げてくれた。
Billboard Live TOKYO 7/14(木)~16(土) / Billboard Live OSAKA 7/18(月・祝)
ビルボードライブのAORの代名詞ともいえるボビー・コールドウェル。2015年に『クール・アンクル』をリリース。AORを常にアップデートし続けながらも、色褪せない名曲もしっかりと披露し往年のファンを120%満足させるステージには毎回脱帽させられる。2017年1月にも再び来日公演が決定しており、AORファンはもちろん、若い世代もぜひ一度ミスターAORのステージを体感してほしい。
2017年来日公演
Billboard Live TOKYO:2017/1/25(水), 27(金)~28(土)
>>25(水)公演詳細
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>>27(金)~28(土)公演詳細
Billboard Live OSAKA:2017/1/30(月), 2/1(水)~2(木)
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Billboard Live TOKYO 8/15(月)~16(火) / Billboard Live OSAKA 8/18(木)
今年1月に日本でもスマッシュヒットとなったジェイク・ワンとのユニット=タキシードで来日した現代のブルー・アイド・ソウル界の筆頭株、メイヤー・ホーソーンがファン待望の最新ソロ・アルバム『マン・アバウト・タウン』をひっさげて登場。新曲はもちろん、過去のヒット曲、そしてタキシードのナンバーまでをカバーしたセットを披露し、メロウでスタイリッシュなパフォーマンスで真夏の夜に最高の癒しをもたらしてくれた。
Billboard Live TOKYO 9/3(土)&5(月)
ジェイムス・テイラーを兄に持ち、チャーリー・プースなど多くの若き才能の育成もおこなってきたアメリカ・ポップス界の良心的、リヴィングストン・テイラーが初登場。観るもの誰しもが唸る歌と演奏は、ビルボードライブに至福のひとときをもたらしてくれた。今なおポップス名盤として名高い『マンズ・ベスト・フレンド』と『三面鏡』はソニー・ミュージックのAOR CITY 1000で再発された。
Billboard Live TOKYO 9/25(日) / Billboard Live OSAKA 9/26(月)
夏には映画『ゴーストバスターズ』のリブート版も公開され、AOR CITY 1000では『ウーマン・ニーズ・ラヴ』が再発。絶好のタイミングでの開催された今回の公演も、多くのファンが詰めかけ満席となった会場を魅惑のカッティング・ギターとディスコ・クラシックからメロウなファンク・ナンバーできらびやかに演出した。そして2017年の来日も決定。80's感溢れるきらびやかなステージが再びやってくる。
2017年来日公演
Billboard Live OSAKA:2017/2/28(火) >>公演詳細
Billboard Live TOKYO:2017/3/2(木)~3(金) >>公演詳細
Billboard Live TOKYO 10/4(火)
マルチ奏者のマイク・ディロンとともに3年ぶりにオン・ステージ。「恋するチャック」や「1963年土曜日の午後」を披露し、天性の魅力をいかんなく発揮しオーディエンスを虜にした。AOR BEST SELECTION 1300では、名盤『浪漫』が再発され、トップ10にこそ入らなかったものの、11位にランクインしている。
公演情報
Bobby Caldwell
ビルボードライブ東京:2017/1/25(水), 27(金)~28(土)
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ビルボードライブ大阪:2017/1/30(月), 2/1(水)~2(木)
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>>2/1(水)~2(木)公演詳細はこちら
BAND MEMBERS
ボビ-・コールドウェル / Bobby Caldwell(Vocals, Keyboards, Guitar)
マーク・マクミレン / Mark McMillen(Keyboards, BGV)
アンドリュー・ニュー / Andrew Neu(Saxophone, BGV)
カーライル・バリトウ / Carlyle Barriteau(Guitar, BGV)
ロベルト・バリー / Roberto Vally(Bass, BGV)
トニー・ムーア / Tony Moore(Drums)
Ray Parker Jr. & Raydio
ビルボードライブ大阪:2017/2/28(火)
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ビルボードライブ東京:2017/3/2(木)~3(金)
>>25(水)公演詳細はこちら
BAND MEMBERS
レイ・パーカー / Ray Parker (Vocals, Guitar)
アーネル・カーマイケル / Arnell Carmichael (Vocals)
マヤ・トーマス / Maya Thomas (Vocals)
ロブ・ベーコン / Rob Bacon (Guitar)
レディー・フレディー / Ready Freddie (Bass)
チャールズ・グリーン / Charles Green (Saxophone, Flute, Keyboards)
ハーマン・ジャクソン / Herman Jackson (Keyboards)
ドネル・スペンサー Jr / Donnell Spencer Jr (Drums)
Christopher Cross
ビルボードライブ大阪:2017/3/1(水)~2(木)
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ビルボードライブ東京:2017/3/7(火)
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BAND MEMBERS
クリストファー・クロス / Christopher Cross(Vocals, Guitar)
マーシャ・ラミレス / Marcia Rameriz(BGV)
キム・パレント / Kim Parent(BGV)
アンディー・スズキ / Andy Suzuki(Saxophone,Keyboards)
ケビン・レヴィレンド / Kevin Reveyrend(Bass)
フランシス・アーナード / Francis Arnaud(Drums)
Stephen Bishop
ビルボードライブ東京:2017/3/4(土)
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BAND MEMBERS
スティーヴン・ビショップ / Stephen Bishop(Vocals, Guitar)
ジム・ウィルソン / Jim Wilson(Keyboard, Vocals)
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