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【再掲】ナ・レオ&アリアナ・セイユ来日記念特集
ー美しい “声の集まり” ナ・レオー 正式なグループ名はナ・レオ・ピリメハナ(Na Leo Pilimehana)。ハワイ語で、“暖かさに包まれた声の集まり”という意味だ。それを省略して、ナ・レオ。ハワイ語の“声の集まり”の部分にあたる。つまり、メンバーであるアンジェラ・モラレス、ナラニ・チョイ、レフア・カリマ3人の声のことだ。今年も、彼女たちの美しい歌声を堪能できる夏が、ビルボードライブにやってくる。演奏が始まったとたん、会場はハワイのそよ風が吹き抜けるような心地よさに包まれ、その風に乗って、お馴染みのトップフラダンサー、アリアナ・セイユが華麗な舞を披露する。今年もトロピカルな一夜となることは間違いないだろう。
ナ・レオは2014年に結成30周年を迎えた。今までにリリースしたアルバムは23枚。ハワイ版のグラミー賞として名高いナホク・ハノハノ・アウォードでの受賞数は22にのぼる。名実ともにハワイを代表する女性ヴォーカルグループだが、3人はどのようにして出会い、グループを結成したのか。ナ・レオの歴史をたどってみよう。
出会いはカメハメハ・スクール時代
3人が出会ったのは学校を通じてだった。アンジェラとナラニは1年生(小学校1年生)のときからの幼なじみだ。ふたりとレフアとの出会いは、少しあとの7年生(中学校1年生)のときのこと。3人はハワイの名門私立学校カメハメハ・スクールの同級生だった。仲良しとなった3人は、グリークラブ(合唱団)に所属した。しかし、歌うことだけでは満足できず、バンドを結成する。ここにナ・レオが誕生したのだ。楽器はアンジェラがウクレレ、ナラニがアコースティックギター、レフアがウッドベースの担当だった。当時、ラジオ局KIKIが主催するブラウン・バグズ・トゥ・スターダムというティーンの間で人気のあったタレントコンテストがあり、彼女たちはそのコンテストに出場することにした。そして、みごと優勝を飾る。1984年のことだ。
▲ナ・レオ
高校生バンドにかかわらず一躍有名となったナ・レオは、同じ年にデビューアルバムもリリースすることになる。そして翌1985年、ナホク・ハノハノ・アウォードで初受賞に輝いた。「Local Boys」が年間シングル曲賞に選るという、誰もが納得の結果だった。ナ・レオは、ミュージシャンのキャリアとして、理想的なスタートを切ったのだった。
▲「Local Boys」
それぞれの道から再びひとつの道に
ところが、彼女たちが高校卒業を前に下した決断は意外なものだった。音楽活動の休止だ。結婚、就職、アメリカ本土への大学進学と、それぞれお互いの生活の道に歩むことを決めたのだった。休止といっても、事実上は解散に近かっただろう。美しいハーモニーもさることながら、キャッチィなメロディとハワイのロコガールならではという目線で書かれた歌詞。コンポーザーとしても注目をされていただけに、多くのファンがそのニュースに落胆したに違いない。大好きな音楽の道。ファンからの大きな期待と名声。音楽ビジネスとしての成功。しかし、彼女たちには他にすべきこと、やりたい目標があった。それぞれの道を進んだアンジェラ、ナラニ、レフア。学生時代とは違い、お互い離ればなれの生活が始まった。だが、彼女たちの友情関係が終わったわけでは決してなかった。
大学卒業や子育てなど、それぞれの目的がひと段落したころ、3人は活動を再開した。あらためて、3人で音楽に向き合う機会が巡ってきた。人気のトラディショナル・ハワイアン・バンド、パンダナス・クラブのリーダーであるケネス・マクアカーネの協力を得て、2枚目のアルバムがリリースされた。タイトルはシンプルに彼女たちのグループ名と同じ『Na Leo Pilimehana』。1993年のことだった。ファーストアルバムから9年、活動を休止してから7年が経っていた。しかし、待っていたファンがいた。アルバムは着実に売り上げを伸ばし始めたのだった。
▲「Friends」
アルバムに「Friends」という曲が収められている。クリスチャン・ミュージックのシンガー、マイケル・W・スミスの曲だ。なぜこの曲を取り上げたのか。歌のサビ部分にこんなフレーズがある。“And friends are friends forever”。“友だちは永遠に友だち”。グループのリユニオンを果たした彼女たち。それは3人がカメハメハ・スクール時代から築き上げてきた友情があったからこそ。別れを乗り越えて、これからは音楽の道をともに歩んでいこう、その決意を「Friends」に込めているのだと思う。
以後、ナ・レオは精力的に活動を開始し、アルバムをリリースし続けた。1996年には、アルバム『アイランド・ブリーズ』で日本デビューを果たしている。これで一気に日本のファンを獲得したのだった。また、レフア・カリマは2011年にソロアルバムを発表している。そして、3人がひとつとなって今日まで途切れることなく活動を続けている。
フレンズ・フォーエヴァー
ここで、ナ・レオのコンサートに彩りを添えるフラダンサー、アリアナ・セイユの経歴を紹介しよう。
▲アリアナ・セイユ
アリアナがナ・レオのダンサーとして踊り始めたのは1995年、10歳のときからだという。21年という長きにわたって続くナ・レオとのパートナーシップ。その間に培った信頼関係があるからこそ、ナ・レオのハーモニーと見事にシンクロした踊りをすることができる。アリアナはナ・レオのもうひとりのメンバーと言っていいかもしれない。今回も曲ごとに衣装を替えて、キュートな、そして優雅なフラを披露してくれるに違いない。
▲Aureana Tseu Do The Hula
ハワイという大地で長い友情関係から醸成された極上のハーモニー。そして、ハワイの伝統文化であるフラとのコラボレーション。ハワイの風に吹かれながら、ナ・レオの魅力に今年もきっと酔いしれることだろう。
公演情報
ナ・レオ featuring アリアナ・セイユ
ビルボードライブ大阪:
2017年9月15日(金)
1stステージ開場17:30 開演18:30
2ndステージ開場20:30 開演21:30
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ビルボードライブ東京:
2017年9月16日(土)& 18日(月・祝)
1stステージ開場15:30 開演16:30
2ndステージ開場18:30 開演19:30
※9/16 1stステージは貸切公演となります。
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INFO: www.billboard-live.com
MEMBERS
ナラーニ・チョイ / Nalani Choy (Vocals)
レフア・カリマ / Lehua Kalima (Vocals)
アンジェラ・モラレス / Angela Morales (Vocals)
アリアナ・セイユ / Aureana Tseu (Hula Dancer)
ブライアン・ケスラー / Bryan Kessler (Guitar)
ショーン・ピメンタル / Shawn Pimental (Guitar)
アレックス・イケハラ / Arex Ikehara (Bass)
アーロン・ネルソン / Aron Nelson (Keyboards)
ロッド・エステバン / Rod Esteban (Drums)
関連リンク
Text: 神保 滋
ハワイアン・ヴォイセズ ~30周年記念ベスト・コレクション~
2014/07/16 RELEASE
VICP-75138 ¥ 2,970(税込)
Disc01
- 01.ローカル・ボーイズ
- 02.アイ・ミス・ユー・マイ・ハワイ
- 03.ソフィスティケイテッド・フラ
- 04.ストローリング・オン・ザ・ビーチ・アット・ワイキキ
- 05.フライング・ウィズ・エンジェル
- 06.ジャスト・マイ・イマジネーション
- 07.ハワイアン・アイズ
- 08.キャンドル・イン・ザ・ナイト
- 09.フレンズ
- 10.パイナップル・プリンセス
- 11.リズム・オブ・ジ・オーシャン
- 12.ラヴ(ハワイアン・スタイル)
- 13.ハワイアン・ララバイ
- 14.クウ・ホア
- 15.ウア・マウ
- 16.ドゥ・ザ・フラ
- 17.セイヴィング・フォーエヴァー
- 18.ザ・レスト・オブ・ユア・ライフ
- 19.ノース・ショア・セレナーデ
- 20.ワイキキ
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