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THE Billboard HOT100~2016年上半期NO.1ソング特集
2016年上半期の洋楽ヒットチューンを総ざらい。全米ビルボードHOT100でNo.1を記録した全8曲をミュージックビデオとともに紹介!※()内はNo.1を獲得したチャート週
1月
爆発的ロングヒットを記録したアデルの『25』(2015年11月発売)からのリードシングル「ハロー」が前年の勢いそのままNo.1独走状態からスタートした、2016年のHot100チャート。年をまたいで10週にわたり首位に君臨していたアデルをトップの座から引きずりおろしたのは、ジャスティン・ビーバーだった。どれだけプライベートの言動で世間を騒がせようと、音楽できっちり良い仕事ができるのがビーバーのスゴイところ。8週間にわたって2位につけていた「ソーリー」だったが、1/23付チャートでついにアデルからNo.1の座を奪取し、ビーバー自身初の全米No.1ソングとなった前作「ホワット・ドゥ・ユー・ミーン?」に続き、アルバム『パーパス』から2曲連続で首位獲得を果たした。
(1/1, 1/9, 1/16:前年より10週連続)
全世界が待望していたアデルのニューアルバム『25』のリード曲である「ハロー」。『21』での世界的ブレイク、そして出産というプライベートにおける転機も経て、力強く包容力のある歌声に磨きがかかったアデルを引き出すシンプルなバラードは、2015年~2016年にかけて爆発的ヒットを記録。ビルボードチャートにおいても初登場1位を獲得して以降10週にわたり首位の座をキープする快挙を成し遂げた。
(1/23, 1/30, 2/6:3週連続)
2015年11月リリースの5thアルバム『パーパス』からのセカンド・シングルとなった「ソーリー」。楽曲が公開するやいなや、その内容から元恋人のセレーナ・ゴメスにむけて歌ったものではないかと話題に。スクリレックスらが手がけたダンス・チューンにのせて90年代風ストリートファッションに身を包んだ女性ダンサーが踊るMVがSNSで話題となり、マネをする若者が世界中で続出。振り付けを担当したのは、MVにも登場するパリス・ゲーベル。弱冠24歳ながら世界的注目を集めるトップ・ダンサーの1人だ。
2月
長らくチャート独走状態だったアデルからNo.1の座を奪ったビーバーは「ソーリー」の次曲となる「ラブ・ユアセルフ」でも首位を獲得。同曲のNo.1は1週のみとなったが、2位に「ソーリー」がチャートインし、見事1位2位独占という快挙を成し遂げた。しかし翌週には新たな刺客が…衝撃のワン・ダイレクション脱退から1年の歳月を経て、ついにソロ・デビューを果たしたゼイン・マリクの「ピロートーク」が初登場でNo.1に。1D時代から根強い人気を誇るゼインの再出発ナンバーはかなり手強いと思われたが、翌週には再びビーバーが首位の座を奪還するという「男の意地」を見せつける結果となった。
(2/13, 2/27)
『パーパス』からのサード・シングルとなった同曲もまた、セレーナ・ゴメスへの思いを綴ったナンバーとの噂。ダンサブルな「ソーリー」とは一転、シンプルなサウンドと美しいメロディーラインがビーバーのボーカリストとしての才能を存分に引き出している。女性側の立場からするとなんとも複雑な歌詞の内容なのだが、ナチュラルで温かい歌声に思わずキュンとしてしまう。同曲はコーラスにエド・シーランが参加したことでも話題となった。
(2/20)
元1Dのメンバーとして抜群の注目度を誇ったゼイン。同曲のMVは1月末に公開され、1週間で5000万回視聴を突破した。実は1D時代にも全米ビルボードHOT100首位を獲得したことがなく、ソロデビュー曲にしてキャリア史上初の「全米No.1ソング」という栄誉を手にした。2015年は公私ともにゴタゴタ続きでファンをやきもきさせたゼインだが、すべてを払拭する完璧な再出発となった。
3月~4月
3月~4月のHOT100は一つの楽曲によって独占されることになった。多少の事前リークはあったものの、1月末にデジタル配信が突如スタートするという、近年のトップアーティストらしいやり方で発表されたリアーナの新作『アンチ』。同作からの先行シングル「ワーク」はラッパーのドレイクをフィーチャーしたナンバーで、リアーナにとっては14曲目、ドレイクにとっては2曲目のHOT100首位獲得となった。同曲は9週目の首位を獲得し、リアーナはビートルズを抜いて同チャート史上2番目に多いNo.1獲得記録(60週)を樹立すること。ちなみに1位はマライア・キャリーで79週。この快進撃により、アルバムもロングヒット、同曲はすでに2016年のイヤーエンドチャート上位入りが確実視されている。
(3/5~4/30:9週連続)
2016年上半期最大のヒットチューンとなった「ワーク」。リアーナと現在のラップ・シーンをリードするドレイクとのコラボ曲はヒットしないわけがないのだが、キャッチーで中毒性のあるリフレインは多くのリスナーの耳に強烈なインパクトを残したようだ。ここで繰り返し歌われる「ワーク」とは、実は「セックス」のことで、リアーナの母国であるバルバドスやジャマイカなどのカリブ海周辺国のスラングとして使われているそう。
5月
2か月にわたりチャートの女王に君臨し続けたリアーナをトップの座から引きずり降ろしたのは、チャート常連のアーティストではなく、ブルックリン出身、弱冠18歳の新人ラッパー、デザイナー。デビュー曲「パンダ」はじわじわと順位をあげ、チャートイン9週目にしてついにリアーナから首位の座を奪うことに成功。実はアメリカ人アーティストが同チャート首位に輝いたのは、実に42週ぶりのことだった。彗星のごとく現れた新世代ラッパーは2週連続No.1獲得に成功したが、リアーナの「ワーク」にもフィーチャーされたドレイクの「ワン・ダンス」にチャートの座を明け渡すことになる。アルバム『ヴューズ』リリースと同時に首位に踊り出た「ワン・ダンス」の快進撃については6月の項で改めて紹介したい。しかし、翌週にはジャスティン・ティンバーレイクの「キャント・ストップ・ザ・フィーリング!」にあっさりと初登場1位を奪われることになった。
(5/7, 5/14)
カニエ・ウェストのイチ押ラッパーとして一躍シーンに躍り出たデザイナーのデビュー曲「パンダ」。同曲を偶然耳にし気に入ったカニエは、自分の楽曲のサンプリング使用するだけでなく、主宰レーベル「グッド・ミュージック」にデザイナーを招聘。カニエのプロデュースするブランド「Yeezy Season 3」のショーで契約を発表するという派手な演出でシーンの注目を集めることに成功した。パンダとはBMW社のSUV「X6」のことで、そのルックスがパンダに似ていることから。
(5/28)
ドレイクの独走を阻止したジャスティンの「キャント・ストップ・ザ・フィーリング!」。軽快なダンス・ポップはまさに彼の真骨頂。同曲は今秋に全米公開予定のドリームワークスによる最新アニメ映画『トロールズ』のサウンドトラックに収められる楽曲からの1stシングルとなっており、ジャスティンは映画の音楽的クリエイティヴを総指揮するエグゼクティブ・ミュージック・プロデューサーを務めている。「キャント・ストップ~」含め3曲のナンバーを提供予定とのことで、それらが映画の公開にあわせて下半期のチャートを賑わすことになるだろう。
6月
2か月にわたりチャートの女王に君臨し続けたリアーナをトップの座から引きずり降ろしたのは、チャート常連のアーティストではなく、ブルックリン出身、弱冠18歳の新人ラッパー、デザイナー。デビュー曲「パンダ」はじわじわと順位をあげ、チャートイン9週目にしてついにリアーナから首位の座を奪うことに成功。実はアメリカ人アーティストが同チャート首位に輝いたのは、実に42週ぶりのことだった。彗星のごとく現れた新世代ラッパーは2週連続No.1獲得に成功したが、リアーナの「ワーク」にもフィーチャーされたドレイクの「ワン・ダンス」にチャートの座を明け渡すことになる。アルバム『ヴューズ』リリースと同時に首位に踊り出た「ワン・ダンス」の快進撃については6月の項で改めて紹介したい。しかし、翌週にはジャスティン・ティンバーレイクの「キャント・ストップ・ザ・フィーリング!」にあっさりと初登場1位を奪われることになった。
Text: 多田 愛子
ヴューズ
2016/06/24 RELEASE
UICU-1275 ¥ 2,750(税込)
Disc01
- 01.キープ・ザ・ファミリー・クロース
- 02.9
- 03.ユー・ウィズ・ミー?
- 04.フィール・ノー・ウェイズ
- 05.ハイプ
- 06.ウェストン・ロード・フローズ
- 07.リデンプション
- 08.ウィズ・ユー feat.パーティーネクストドア
- 09.フェイスフル feat.ピンプ・C&DVSN
- 10.スティル・ヒア
- 11.コントローラ
- 12.ワン・ダンス feat.ウィズキッド&カイラ
- 13.グラミーズ feat.フューチャー
- 14.チャイルズ・プレイ
- 15.ポップ・スタイル
- 16.トゥー・グッド feat.リアーナ
- 17.サマーズ・オーヴァー・インタールード
- 18.ファイア&デザイア
- 19.ヴューズ
- 20.ホットライン・ブリング (ボーナス・トラック)
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