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「自分に正直でいること、心の内をそのまま表現すること」―レイチェル・プラッテン初来日インタビュー
“自分にはまだ頑張れる力が残っているはず”と、自身を奮い立たせるために書いた「ファイト・ソング」が世界中で同じ苦境に立つ多くの人達の背中を押し、歌が持つ力を世界に証明したレイチェル・プラッテン。苦節10余年の下積み活動を経て、ついに日の目を見た彼女が、米ビルボードアルバムチャート初登場5位を記録した『ワイルドファイア』を引っ提げ初来日。チャーミングな笑顔と親しみやすい性格で、自然と周りを明るくさせるレイチェルに、アルバムや曲作りに関して話を訊いた。
「ファイト・ソング」で、自分をさらけ出すことの重要性に気付いた
――「ファイト・ソング」は全米ビルボードチャートでは最高6位、メジャー・デビュー・アルバム『ワイルドファイア』は初登場5位と大ヒットを記録しました。「ファイト・ソング」はビルボードジャパン洋楽チャートで3週連続1位を記録するなど、ここ日本でも話題になっていますが、今の心境を聴かせてください。
レイチェル・プラッテン:長年努力してきたから、とても素晴らしいわ!ここまでヒットするとは想像していなかったから、最高の気分よ。
――アルバムの制作期間はどれくらいかかったのでしょうか?
レイチェル:1年半くらいかしら。それまで3年くらい曲を書き溜めてはいたけどね。
――多くの人達が「スタンド・バイ・ユー」や「ファイト・ソング」に勇気づけられていますね。【iHeartRadio Music Awards】では、アデルやエド・シーランを抑え、見事、最優秀歌詞賞を受賞しています。曲作りで一番気にかけていることは何でしょうか?
レイチェル:自分に正直でいることと、心の内をそのまま表現することね。
――自分の心の内を公にすることに抵抗はありませんか?
レイチェル:ヒットソングを狙っていた頃は、自分の苦しみや拒絶されることを題材にすることは恥ずかしく思っていたから、抵抗があったし、自分をさらけ出すことをそこまで重要に思っていなかった。でも、自分の経験を歌にしようと決意をして書き上げた「ファイト・ソング」で、その重要性に気付いたし、この曲が導いてくれたって感じね。
Rachel Platten - Fight Song
――そうなんですね。では、アルバムのタイトルを『ワイルドファイア』にしたのは何故でしょうか?
レイチェル:マネージャーから「君はこれまで長年、多くの人の心に火を灯してきた。だから今度は自分の心に火を付ける番だ」と言われたの。“火を起こす”というフレーズが私たちのモットーになって、「ファイト・ソング」がヒットした時にそれが実現したって分かった。だからタイトルを“Wildfire(野火)”にしたのよ。これ以外のタイトルは思いつかなかったわ。
――ファースト・トラックの「スタンド・バイ・ユー」はFUN.のジャック・アントノフや、ザ・シビル・ウォーズのジョイ・ウィリアムズが参加していますね。これはどういう経緯で実現したんでしょうか?
レイチェル:この曲は、元々、ジャックとジョイがベースとなるものを作ったもので、私はジョイとは一度も会ったことがないの。パブリッシャーからこの曲の話を持ちかけられた時は、あまり乗り気じゃなかった。でもある日、ジャックと取り組んでいた別の曲のセッション時に、この曲から何かヒントがあるかもと思ってもう一度聴き直したの。一緒に新しく作り直そうって流れになって、部分変更したり、繋ぎ合わせたりしてこの曲を完成させたのよ。作業はとてもスムースで、楽しかったわ。
――楽曲に対するアイデアはしっかりと採用されましたか?
レイチェル:共作となると、誰かがピアノを弾いて、作詞に関して色んな人たちのアイデアを盛り込んでいくから、どのくらいの割合で自分がその曲を作り上げたのか定義するのは難しいけれど、「スタンド・バイ・ユー」というタイトルにしたのも私だし、作詞も担当したから、ジャックには自分の意思をたくさん伝えたわ。
Rachel Platten - Stand By You
――「ヘイ・ヘイ・ハレルヤ」で共演しているアンディー・グラマーとは一緒にツアーも行っていますね。彼について少し教えてください。最初から男性ボーカルを入れようと考えていたのでしょうか?
レイチェル:彼の曲の「Honey, I’m Good.」って最高よね! 彼とは同じマネージメントなの。クールで、兄のような存在で、音楽に関して多くのアドバイスをくれるわ。全然ファンがいなかった頃から、ツアーの前座に私を選んでくれた人だったから、この作品で彼と共演することは当たり前のように思えた。この曲は、私が男性を翻弄している歌だから、サビの部分で男性をフィーチャーさせようと当初から考えていた。女性にめちゃくちゃにされている男性の視点も加えたかったの。
――この女性像はレイチェルさんご自身に近いんですか?
レイチェル:もう少し若かった頃はそうかもね。でも、今は結婚して10年経つからそんなことないと思うし、そうしていないことを願うわ(笑)。
“Out Of The Box(常識に囚われない)”な考えも重視
――サウンド面で特にこだわったところはありますか?
レイチェル:チェロやホーン等の楽器の生演奏やゴスペル隊などオーガニックな要素と、エレクトロニックな要素を組み合わせたかったの。(音楽ソフトの)ロジックの使い方やプログラミングの勉強も今までしてきたからそれを反映させたかった。もうひとつ、“Out Of The Box(常識に囚われない)”な考えも重視していたわ。コンピューター・サウンドというよりも、その場の成り行きで自由にサウンドが変わっていくコンサートにいるような、そういうサウンドにしたかったの。
――オーガニックな要素とエレクトロニック要素の組み合わさったサウンドにしたいと思ったのはなぜですか?
レイチェル:シンガー・ソングライターとして活動し始めたから、クラシックピアノもギターも弾くし、ドラムも少し叩ける。そういう本来の自分のアーティスト性を損なわないようにしつつも、シンセサイザー等のエレクトロニックなサウンドの魅力に惹かれていたし、開拓していて楽しかったから、それを融合させたかったのね。コーラス部分に関しては、スタジアムでも壮大に聞こえるサウンドにしたかった。あと、感情的な曲や歌詞には、その雰囲気をサウンドから感じ取れるように楽器の生演奏を取り入れるよう心がけたの。
――そうだったんですね。「ベター・プレイス」はまるでオルゴールを聴いているような心地よいサウンドですが、この曲は妹さんに贈った曲なんですよね?
レイチェル:そうなの。それまで一生独身でいると思っていた彼女が、今の旦那さんと出会った時、電話越しに彼女がとても幸せいっぱいで嬉しそうにしているのが分かった。その時のことを歌にしたラブソングよ。
Rachel Platten - Better Place
――とてもロマンチックですね。昨日行われた来日ショーケース・イベントはいかがでしたか?今では何千人規模の会場でライブをしているので、小規模な会場(200名ほど)は久しぶりで緊張しませんでしたか?
レイチェル:そうね、少し緊張したし不思議だった。最近は何千人もの前でパフォーマンスをしているし、豪華な照明やダンサーもいるから、いつもとは違う雰囲気だったわ。でもそれはビッグな会場用のための演出で、あれくらいの小規模の会場だとピアノやギターだけのアコースティック・ライブが多いの。だから、普段行っているバンド・スタイルの演奏をそのまま小規模な会場で行うのは、どうなるのか分からなくて少し心配だった。でも実際のパフォーマンスではその心配は全く感じられなかったし、すごく楽しかったわ!
――それは良かったです。それでは最後に、今後の抱負を教えてください。
レイチェル:また曲作りに戻ろうと思っている。この1年半でたくさんのことを経験したし、いっぱい成長もしたから、それらの経験がどのように曲になっていくのか楽しみだわ。自分が誇りに思える何かを作りたいって思う。それに、一生懸命頑張ってきたから、これまでの自分の成功をしっかりと味わいたいし、頑張った自分を労いたいわね。あと、プロモーション続きで少し疲れているから、いっぱい寝たいわね(笑)!
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リリース情報
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ワイルドファイア
2016/04/13 RELEASE
SICP-4752 ¥ 1,980(税込)
Disc01
- 01.スタンド・バイ・ユー
- 02.ヘイ・ヘイ・ハレルヤ feat.アンディー・グラマー
- 03.スピーチレス
- 04.ビーティング・ミー・アップ
- 05.ファイト・ソング
- 06.ベター・プレイス
- 07.ローン・レンジャー
- 08.ユー・ドント・ノウ・マイ・ハート
- 09.エンジェルズ・イン・チェルシー
- 10.アストロノーツ
- 11.コングラチュレーションズ
- 12.スーパーマン
- 13.ロンリー・プラネット (海外デラックス盤ボーナス・トラック)
- 14.スタンド・バイ・ユー (アコースティック) (海外デラックス盤ボーナス・トラック)
- 15.スピーチレス (アコースティック) (海外デラックス盤ボーナス・トラック)
- 16.ファイト・ソング (デイヴ・オード・リミックス) (日本盤ボーナス・トラック)
- 17.スタンド・バイ・ユー (DJマイク・D・リミックス) (日本盤ボーナス・トラック)
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