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セルジオ・メンデス来日記念プレイリスト&ビデオ・メッセージ(再掲)
3月に公演を控える言わずと知れたブラジル音楽界のレジェンド、セルジオ・メンデス。ボサ・ノヴァ・ブームの旗手となった1960年代から現在までブラジリアン・ミュージックに多大なる貢献をしながら、音楽シーンの最前線で活躍し続けてきた彼に、日頃聴いている曲や、好きな曲についてインタビュー。今年2016年にリリース50周年を迎える代表曲「マシュ・ケ・ナダ」を含む15曲をセレクト。
さらに、セルジオ・メンデス『ランデヴー』ではスーパーヴァイザーも務めた中原仁氏、ディスクユニオンでブラジル・ミュージックを中心にバイヤーを務める江利川侑介氏から、来日公演へ向けてのコメントが到着!
01. SOMEONE TO LIGHT UP MY LIFE - Frank Sinatra with Antonio Carlos Jobim
“it is the magnificent combination of my favorite composer with my favorite singer, in a song that is a true Jobim classic.”
私の好きな作曲家とシンガーによるコンビネーションが見事で、ジョビンの最高傑作だ。
02. DESAFINADO - Antonio Carlos Jobim
“Jobim’s recording of it with arrangements by Claus Ogerman is a jewel.”
クラウス・オガーマンによる編曲のジョビンのこの曲は一際すぐれた作品だ。
03. SONG FOR MY FATHER - Horace Silver
“my mentor and musical inspiration.”
ホレス・シルヴァーは私の良き指導者で、私にインスピレーションを与えてくれる人だ。
04. PROCISSAO - Gilberto Gil
“Gil’s impeccable rhythm and magical guitar – a Brazilian classic.”
ジルベルト・ジルの非の打ち所のないリズムと魅惑的なギター演奏、これぞブラジリアン音楽の傑作だ。
05. TRAVESSIA - Milton Nascimento
“this gem of the Brazilian Songbook is probably one of the most beautiful records of all time.”
ミルトン・ナシメントが作曲し歌ったこの歌は、ブラジリアン音楽の中でも、最も美しい曲のひとつだね。
06. MOONGLOW - Art Tatum
“Art Tatum’s recording of it is flawless – my favorite piano player.”
アート・テイタムが手掛けたこの曲は、文句のつけようのない完璧な曲で、彼は私が大好きなピアニストでもある。
07. APRIL IN PARIS - Billie Holiday
“What a song! What a performance!”
ビリー・ホリデイが歌ったバージョンは、曲もパフォーマンスも完璧だ!
08. A TIME TO LOVE - Stevie Wonder and India.Arie
“Stevie Wonder and India.Arie – the legend and the bright new star…it gives me goose bumps…”
レジェンドのスティーヴィー・ワンダーと才能豊かな期待の星インディア.アリーが歌うこの曲を聴くと鳥肌が立つよ。
09. WATERS OF MARCH - Antonio Carlos Jobim
“Jobim’s the essence of songwriting craftsmanship.”
ジョビンの曲作りの熟練技が詰まった楽曲だ。
10. WALTZ FOR DEBBIE - Bill Evans
“brings me wonderful memories of my awakening to the magical world of jazz, as a teen-ager in Brazil.”
この曲を聴くと、ティーンネイジャーの時にジャズの魅力に気付いた時のことを思い出す。
11. MORRO VELHO - Milton Nascimento
“a beautiful song by Milton Nascimento, sung by Gracinha Leporace in my album “Pais Tropical” from 1971 – a wonderful performance that still sounds fresh after all these years, with a glorius orchestration by Dave Grusin.”
ミルトン・ナシメントが書いたこの曲は、1971年に私が発表した『パイス・トロピカル』でグラシーナ・レポラスが歌っている素敵な曲だ。デイブ・グルーシンによる見事な編成で、今でも新鮮に聞こえる素晴らしい作品だ。
12. SACI - Guinga and Aldir Blanc
“a gem of a song written by my dear friend Guinga and Aldir Blanc, sung by Guinga, with so much heartfelf emotion.”
親友ギンガとアルディール・ブランクによって書かれた、ギンガが歌うこの曲は本当に素晴らしい曲。心の奥底から出る感情がこもった楽曲だ。
13. THE GIRL FROM IPANEMA - Stan Getz
“a timeless song by Antonio Carlos Jobim, a brilliant record by Stan Getz, with lovely vocals by Astrud Gilberto – what a treat!”
この曲は時代を超えた不朽の名曲だよ。アストラッド・ジルベルトの歌声が愛らしい、アントニオ・カルロス・ジョビンが手掛けたスタン・ゲッツの楽曲だ。なんて豪華なメンバーなんだろう!
14. LONG AGO (AND FAR AWAY) - Ira Gershwin & Jerome Kerns
“this song is so magnificent, done by so many wonderful singers/musicians.”
この曲は本当に素晴らしく、これまでに多くのシンガーやミュージシャン達によって演奏されてきた傑作だ。
15. MAS QUE NADA - Sergio Mendes
“I love both versions of it – Brasil’66 and the one with the Black Eyed Peas from my album Timeless.”
アルバム『ブラジル’66』のバージョンも好きだし、『タイムレス』に収録されたブラック・アイド・ピーズとのバージョンも、どちらも私は大好きだ。
セルジオ・メンデスから公演へ向けたビデオ・メッセージが到着!
公演直前!ブラジル・ミュージックに精通する中原氏と江利川氏が語る来日公演の見どころ!
70代の半ばを迎えたセルジオ・メンデスだが、音楽も本人のたたずまいも、年と共にむしろ若返ってきた印象を受ける。
2013年、セルジオが日本の女性歌手たちとコラボレートした企画アルバム『ランデヴー』の制作をお手伝いした際、打合せの席で彼の口からこんな言葉が飛び出してきた。"同じことを繰り返したくない"。"私は人を驚かせることが大好きだ"。"私はつねに若者に受け入れられたい"。録音のスタジオでも、緊張の面持ちの歌手勢に優しく接しながら鋭いディレクションを与え、限られた時間の中で歌手のベスト・パフォーマンスを引き出していた。曲のアレンジにもニヤリとさせられる粋な細工を施していて、そのことを指摘したら "こういうのを私はCandyと呼んでいるんだ" と、悪戯好きの少年のような表情で話してくれた。
今年のライヴでは、どんな驚きを与えてくれるのだろうか。そこが何よりも楽しみだ。
--中原 仁(Jin Nakahara)
J-WAVE「サウージ!サウダージ」など音楽番組の選曲/制作、CDやライヴのプロデュース、空間BGM選曲、執筆、DJ、MCも行なう。ブラジル渡航回数は30年で50回近い。『ランデヴー/セルジオ・メンデス』のスーパーヴァイザーをつとめた。
ウェブサイト: http://blog.livedoor.jp/artenia/
セルジオ・メンデスは常に時代が求めるものに返答してきた音楽家である。サンバ・ジャズ、ボサノヴァからキャリアをスタートさせ、アメリカに渡ってからはソフトロックやディスコ、近年はヒップホップに至るまで様々な音楽を貪欲に取り込んできた。またエドゥ・ロボやギンガ、カルリーニョス・ブラウンといった、その時代のブラジルでもっとも旬な音楽家とコラボレーションを繰り返すことで自身の音楽的可能性を広げてきた。だからこそ彼の音楽は古びることなく、いつの時代も新鮮であり続けているのである。「マシュ・ケ・ナダ」の世界的ヒットから50年と節目の年にあたる2016年。“今”のセルジオ・メンデスは、ここ東京でどんな音楽を繰り広げるのか。実に待ち遠しい来日公演である。
--江利川 侑介(Yusuke Erikawa)
1983年生まれ。 株式会社ディスクユニオンにてブラジル音楽を中心に、ワールドミュージックのバイヤーを務める。 ライナーノーツや雑誌、WEB媒体への執筆、レーベルや公演の企画運営、DJやトークイベントなどもときどき。ウェブサイト:http://unimusica.blog.shinobi.jp/
セルジオ・メンデス&ザ・ニュー・ブラジル’77
2015/09/23 RELEASE
WPCR-16554 ¥ 1,430(税込)
Disc01
- 01.ラヴ・ミー・トゥモロウ
- 02.ラヴ・シティ
- 03.モザンビーク
- 04.愛ある別れ
- 05.ペニンシュラ
- 06.ホワイ
- 07.ザ・リアル・シング
- 08.ピーカブー
- 09.ライフ
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