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藍井エイル インタビュー
2011年10月、TVアニメ「Fate/Zero」ED曲に抜擢された1stシングル『MEMORIA』にてメジャーデビューを果たし、2013年には1stアルバム『BLAU』を海外20カ国以上で発売、2015年はフランスを皮切りに初の海外ツアーを成功させるなど国内外で活躍する藍井エイル。そんな彼女が考えるヒットとは?
最近はストリーミングのプレイリストを通じて、新しい音楽と出会うことが多い
−−藍井エイルさんは、日頃 音楽チャートをご覧になりますか?
藍井エイル:テレビやネットで、たまに見ます。自分の作品をチェックする場合もありますし、友達と話していて知らないアーティストが話題に上がった時に調べる場合もあります。
−−Billboard JAPAN HOT 100は、音楽の聴き方の変化にあわせて使用するデータをアップデートしており、現在ではCDセールス、ダウンロード、ラジオ、ルックアップ、YouTube、Twitter、ストリーミングの7種類を合算しています。藍井さんは、日頃どうやって音楽を聴いていますか?
藍井エイル:昔はパッケージを買うことが多かったですね。好きなアーティストのCDを集めるのが楽しくて。最近は、なんでもインターネットで調べることが多いので、気になる曲があればネットで検索します。あと、車に乗っている時や移動中はストリーミングでヒットチャートやJ-POPメドレーを聴いて、新しい音楽に触れるようにしています。
−−今年は、日本で多くのストリーミングサービスがスタートしましたが、藍井さんも使ってらっしゃるんですね。
藍井エイル:はい、使っています。なので最近はストリーミングのプレイリストを通じて、新しい音楽と出会うことが多いですね。何気なく聞いていても、気になっていたバンドの音楽が流れてきたりしますし。自分で検索したりCDショップで探したりすると、どうしても自分の好きなジャンルに偏りがちですが、ストリーミングのおかげで新しい音楽を聴くことに対するハードルが低くなって、色んなジャンルの音楽と出会う機会が増えて嬉しいです。
−−先ほど、「昔はパッケージを買うことが多かった」とおっしゃっていましたが、その頃はどうやって新しい音楽を探していたんですか?
藍井エイル:テレビの音楽番組を見て知る場合もありましたが、主な情報源は友達ですね。発売日を教えてもらってカレンダーにメモしておいたり、逆に発売日にCDショップに行って友達に自慢したり。私のクラスでは、どれだけ早く新曲を覚えて歌えるかを競うのが流行っていたので、CDを買ったら一生懸命に練習して、みんなでカラオケに行った時に披露していました。「え?その曲、もう歌えるの?」って言われるのが嬉しくて(笑)。
−−今だと、TwitterやFacebookが情報源という人が多いですが、それも結局まわりの人からの口コミですから、今も昔も変わっていないのかもしれません。
藍井エイル:そうですね。時代が変わっても、そこは変わらないっていうのは嬉しいですね。
−−しかも、今はストリーミングのおかげで知った時にすぐ聴けるようになって、より新しい曲へのハードルが下がりました。
藍井エイル:そうそう。なので、昔は友達とオススメのCDを貸し借りしていましたが、今は好きな曲のリンク先をメールするだけでシェアできる。会わなくても音楽を広めていけますね。
−−その分、無料で音楽を聴く機会も、とても増えました。藍井さんは、ご自身の作品をYouTubeにアップされていますが、無料で音楽を聴けるYouTubeについて、どう思いますか?
藍井エイル:私は、YouTubeにフルコーラスをアップせずに、1コーラスだけアップしているので、特に影響は感じていません。できれば生のライブで見て感じていただくのが一番なので、YouTubeをきっかけにライブへ訪れてくださるのが一番嬉しいですね。ライブをするために新しい作品作りをして、出来上がった作品と一緒にライブでみなさんと1つになれればと思っています。
リリース情報
シューゲイザー
- 藍井エイル
- 2015/10/28 RELEASE
- [SECL-1791/2 定価:¥3,2,500(tax in.)]
- 詳細・購入はこちらから>>
- [SECL-1795 定価:¥1,300(tax in.)]
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- [SECL-1793/4 定価:¥2,200(tax in.)]
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自分の中に理想のアーティスト像を思い描いている
−−ただ一方で、世の中にはYouTubeだけで藍井さんの曲を聴いているリスナーも いると思います。YouTubeだけで楽しむのではなく、そこからファンになってもらうために必要なことは何だと思いますか?
藍井エイル:ファンになっていただくために必要なことというのは、時代に応じて変わっていくとは思いますが、私は「自分だったらこういうアーティストに憧れるな」という像を思い描いて、その理想像に自分が近づけるようにしています。また、そのためにやっていることが独りよがりにならないように、周りのスタッフの意見も聞くようにしています。
−−藍井さんにとっての理想のアーティスト像があるんですね。
藍井エイル:そうなんです。なので、自分の理想像と周りの皆さんが思い描いている“藍井エイル像”の両方をイメージして、それらに近づけるように日々努力しています。具体的にやっていることを挙げると、私は今までジャケ写で一度も口を開けて笑っていないんです。
−−たしかに、そうですね。
藍井エイル:“藍井エイル”のイメージの根本であるクールさ、ミステリアスさを保つために、デビュー曲「MEMORIA」も口元を隠した写真を使っていて、それ以降も笑った写真は使っていません。少し微笑んでいる程度です。曲のイメージって、メロディと歌詞だけじゃなく、歌う人のイメージや世界観も影響していると思うんです。なので、それらがブレないように意識しています。
−−藍井エイルさん自身は、今日お話ししていても、とても可愛らしくて笑顔の絶えない方ですが、どうしてクールなイメージを作ろうとしたんですか?
藍井エイル:自分が、クールじゃないからかもしれません。子供の頃から、歌うことが大好きで、周りからは“歩くスピーカー”って言われたり、笑いだすと止まらなかったり、本当の性格はクールとはかけ離れた性格なんです。でも、小さい頃にテレビで見たミュージシャンの方たちって、みんなトーク部分では全然喋らないのに、歌うと一気に表情が変わるじゃないですか。そのギャップが すごく衝撃的で、ミステリアスだなあって思ったんです。なのでデビューした時は、地元の友達に全然気付かれませんでした。みんな「なんか見たことのある顔だなあ」って思っていたみたいです。
−−具体的に目指しているアーティストの方は、いますか?
藍井エイル:ライブの前に、テンションを上げるために他の方のライブ映像を見たりするんですけど、最近よく見ているのはL'Arc-en-Cielです。あと、学生時代からずっと好きなのはエヴァネッセンスです。髪を振り乱して歌うエヴァネッセンスのエイミーには、とても影響を受けていて、先日のメキシコのライブでも、かなり首を振ってきました(笑)。そうやって、憧れのアーティストのパフォーマンスを取り入れたりしています。
−−今年は、初の海外ツアーに挑戦されて、7月のフランス公演を皮切りに9カ国でツアーをされました。国によって反応の違いはありましたか?
藍井エイル:ありました!日本でライブをする時は、ファンの皆さんはサイリウムを振ってくださるんですが、フランスでライブした時は皆さんウチワを持ってくださっていたんです。会場内にウチワを手作りできるブースがあったみたいですね。ウチワに、「結婚して」とか「こっち見て」って日本語で書いてあって驚きました。あとイギリスでは、イギリス人の可愛い女の子が演歌を歌っていて驚きました。日本語の発音も、バッチリだったんですよ。
−−イギリスでは演歌が流行っているんでしょうか?
藍井エイル:どうなんでしょう?今回のツアーを通じて、皆さんが日本を好きだという気持ちを肌で感じることができて、すごく良い経験でした。あと今回のツアーの話ではありませんが、インドネシアでライブをすると、いつもみんな一緒に歌ってくれるんです。モニターから自分の声が聴こえない時もあるくらい(笑)。もちろん みんな日本語で、しかも2番まで歌ってくれて。
−−2番まで、歌えるっていうのは すごいですね。
藍井エイル:そうなんです。YouTubeで自分の曲を検索すると、海外の方がカバーしてくださっている映像がたくさんアップされています。日本より、海外の方がYouTubeのユーザーが多い気がしますね。インドネシアの方は、アニメを通じて知ってくださった方が多くて「このアニメが好きで、曲も好きになりました」という感想を、よく聞きました。
▲ 「Eir Aoi SPECIAL LIVE 2015 at 日本武道館」
−−今年は、初の武道館ライブやミュージックステーションへの出演など、藍井さんにとって初挑戦の多い一年でした。自分がヒットしているなあと感じたのは、どの瞬間でしたか?
藍井エイル:まだ自分自身がヒットしているとは思っていませんが、今年は自分が夢だと思っていたことが沢山叶った一年でした。毎年、「今年も充実してた」って思って1年を終えるんですが、今年は1年で最もライブをした年でもありましたし、怒涛のように過ぎた2015年でした。パリに行ったのも、すごく最近のことのようです。南米など、なかなか行くチャンスのない国にも行くこともできました。
−−南米は、旅行でもなかなか行きづらい場所ですもんね。
藍井エイル:そうですよね。南米に行けて、その国の人たちと触れ合うことができて、日本という国がどういう風にその国の人の目に映っているのかを体験できたのは、本当に貴重な経験でした。あと武道館についてはデビュー前から「いつか武道館に立ちたい」って思い続けていたので、本当に嬉しかったです。武道館のステージに立った瞬間は、もちろん緊張もしましたが、今まで一緒に回ってきたバンドメンバーやスタッフや、応援し続けてくれたファンの皆さんの顔が一気に浮かんでSEが鳴った瞬間に涙がこみ上げてきちゃって。「落ち着け 落ち着け」って必死で思いながら歌い続けて、結局ライブの最後には泣いちゃったんですけどね。そういう意味でも、今年は今までの人生の中で一番濃い1年だったように思います。
−−アニソン界での活躍から一歩抜け出して、さらに活躍の場を広げられた一年でしたね。
藍井エイル:そうですね。でも、今もスタッフの方と食事をしている時に自分の曲が流れてきたら、ニヤニヤしますし、他の方のテーブルから自分の名前が聞こえてくると、「ビクッ」としちゃいます。で、嬉しくて「今、USENで流れてる!」ってTweetしたりしています(笑)。
リリース情報
シューゲイザー
- 藍井エイル
- 2015/10/28 RELEASE
- [SECL-1791/2 定価:¥3,2,500(tax in.)]
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- [SECL-1795 定価:¥1,300(tax in.)]
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- [SECL-1793/4 定価:¥2,200(tax in.)]
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「そうそう、この曲!」って、多くの人に思ってもらえる曲がヒット
▲ 「Eir Aoi LIVE TOUR 2015 -BEYOND THE LAPIS-」
−−次に、立ってみたいステージはありますか?
藍井エイル:なんだろう。大きな会場では、やってみたいと思いますね。
−−今は、聴き方が幅広くなってきた分、ヒットの仕方もアーティストによって異なってきています。藍井さんは、“ヒット”とはどういうことだと思いますか?
藍井エイル:より多くの人に求められる曲がヒットなんだと思います。世の中には、色んな音楽があって調性も、リズムも、歌詞もアレンジも様々です。で、みんな自分が好きな曲について、「なんのキーで、どんなリズムで…」って明確に説明なんてできないですよね。でも、「そうそう!これが欲しかったんだ!」って、自分にぴったり合う曲に出会える時がある。その瞬間って、すごく幸せです。そうやって「そうそう、この曲!」ってより多くの人に思ってもらえる曲が、ヒットに繋がるんじゃないかなと思っています。
−−なるほど。
藍井エイル:私にとって、作曲したり歌を歌ったりすることって、サプライズプレゼントをする時の気持ちに近いんです。友達の誕生日に、「プレゼント、何にしようかな?」、「お手紙どうやって書こうかな?」って考えるみたいに、みんながどうしたら喜んでくれるかを日々考えています。だから、その結果 喜んでくれる人が多かったら、その曲は多くの人に愛されてヒットに繋がるんだと思います。
−−逆に、他のアーティストの曲について、どういう時に「流行っているなあ」って実感しますか?
藍井エイル:やっぱり、それも友達からの情報ですね。友達がカラオケで歌っていたり、友達の話題によく上がっていたり、SNSで見かける機会が多いと、「流行ってるんだなあ」って思います。
−−先ほど、リスナーの人が求めているものを届けるのがヒットソングだとおっしゃいましたが、今年は活躍の場が広がって、より伝えられる人も増えたんではないでしょうか。藍井さんが、次に目指すものは何ですか?
藍井エイル:1曲ずつに込めた気持ちを、もっと伝えていけるように努力したいと思っています。私が、小さい頃に音楽を好きになったのは親の影響なんです。生まれが北海道で、車に乗る機会が多かったので、家族で車に乗る時はいつも音楽を聴いていて。例えば、工藤静香さんとか欧陽菲菲さんとか、あとは美川憲一さんとか門倉有希さんとか。そういう心に残るメロディにのったメッセージって、たとえ歌い手の顔を見ていなくても伝わってくるんですよ。言葉に込めた想いが音に乗って伝わってくるというか。なので、私も曲に込めたメッセージを、より丁寧に届けられるようになりたいなと思っています。
−−次の作品を作る際に、ヒットを意識することはありますか?
藍井エイル:多くの人に届けたいという気持ちはあります。それが結局ヒットということを表すのかもしれませんが、変に焦って頑張りすぎないようにしたいと思っています。私らしい部分も大切にしながら、より多くの人に届けられたらなとは思います。
−−ちなみに、私達は毎週のチャート発表以外に、チャートインしてから現在までを折れ線グラフで表す「チャートインサイト」というサービスを展開しています。例えば、「ラピスラズリ」は、セールスのポイントも高いですが、ルックアップのポイントもとても高いので、若い層に人気が高いこと、持ち歩きたい、カラオケで歌いたい曲なんだなということが見えてきます。
藍井エイル:リリースの結果って、必ず数字で表されるじゃないですか。だから私、いつもリリースの前後は気になって眠れなくなるんですよね。明確な数字で表されてしまうので…。
−−たしかに、自分の音楽を成績表で表されているみたいですもんね。CDのセールス数だけでランキングを作ると、その週にリリースした曲ばかりがチャートインして、ものすごく音楽の流行のサイクルが早いように見えます。でも、実際 世の中で聴かれている曲はそんなに遷り変わるものではないと思っています。ラジオやYouTubeなどデータを複合してチャートを作ることで、そんなリアルな流行を見ることができると思っています。
藍井エイル:そうですね。私は、国内にも海外にも自分の曲を届けることができて、とても幸せだと思っています。
−−2016年はどんな一年にしたいですか?
藍井エイル:2015年は海外でのライブが多かったので、2016年は国内16カ所を回るツアーをやる予定です。日本でたくさん歌いたいと思っています。
−−初めていく場所もありますか?
藍井エイル:あります。とても楽しみです。あとは新曲の制作も進んでいるので、それがどんな形で受け取ってもらえるのかを考えると今から楽しみです。なので、一言でまとめると2015年以上に沢山笑える一年にしたいです。
−−大切ですね。
藍井エイル:今年も相当笑いましたけど、来年も、もっと笑って過ごしたいです。
リリース情報
シューゲイザー
- 藍井エイル
- 2015/10/28 RELEASE
- [SECL-1791/2 定価:¥3,2,500(tax in.)]
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- [SECL-1795 定価:¥1,300(tax in.)]
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Eir Aoi Special Live 2015 WORLD OF BLUE at 日本武道館
2016/02/10 RELEASE
SEXL-71 ¥ 6,600(税込)
Disc01
- 01.~Theme of WORLD OF BLUE~
- 02.アヴァロン・ブルー
- 03.シンシアの光
- 04.AURORA
- 05.GENESIS
- 06.KASUMI
- 07.Back To Zero
- 08.クロイウタ
- 09.~空を歩く (Instrumental)~
- 10.A New Day
- 11.Roses
- 12.虹の音
- 13.コバルト・スカイ
- 14.サンビカ
- 15.ゆらり
- 16.~Movie “WORLD OF BLUE”~
- 17.青の世界
- 18.シューゲイザー
- 19.INNOCENCE
- 20.Bright Future
- 21.シリウス
- 22.IGNITE
- 23.ラピスラズリ
- 24.MEMORIA -orchestra ver.-
- 25.HaNaZaKaRi
- 26.ツナガルオモイ
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