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リトル・ミックス来日インタビュー 「だって一回しかない人生なんだから、好きなようにやった方が楽しいじゃない!」
最新3rdアルバム『ゲット・ウィアード』を11月11日にリリース、さらに同じく11月にはプロモーション来日も行い、タワーレコード渋谷で限定インストア・イベントを行ったことも記憶に新しい英国のガールズ・ユニット、リトル・ミックス。本国の人気番組『Xファクター』の優勝を通してデビューし、今や英国最大のガールズ・グループとなった彼女たちだが、その攻め気の姿勢は相変わらず。『ゲット・ウィアード』はこれまでの彼女たちのキャリアのどの作品よりもバラエティ豊かなサウンドを持った意欲作に仕上がった。
今回はそんなリトル・ミックスに来日インタビューを実行、新作『ゲット・ウィアード』に込めた思いや、“ウィアード”だと思うアーティストについて話を聞いた。今回、急病のためにジェシーが残念ながら来日できなかったが、ペリー、レイ・アン、ジェイドの三人が質問に応えてくれた。
みんな「人と違う」ということをもっと大事にすべきだと思う【ペリー】
――リリースして少し経ちますが、現在の心境はいかがですか?
ジェイド:ようやく新作を出すことが出来てすごく嬉しい! すごく時間が掛かったアルバムで、曲作りに1年くらい時間を掛けて、これまでのどの作品よりも仕上げるのに苦労したアルバムなの。でも、その甲斐があって、自分たちが心から好きだと言える作品になったと思う。それを多くの人に気に入って貰えて、今はとても満足してるわ。
――あなた達のアーティストとしての成長が刻まれた作品だと思いました。
全員:(日本語で)アリガトー!
――まずは『ゲット・ウィアード』(=ヘンテコリンになれ!)というタイトルの理由を教えてください。
ペリー:だって私たちはヘンテコな人たちだから。
――(笑)。
ペリー:とにかくみんな「人と違う」ということをもっと大事にすべきだと思う。多くの人が、自分の見た目とか、振る舞いとか、周りの目を気にしちゃう。でも、やっぱり人と違って色んな個性があるからこそ面白いわけだから、自分らしさはみんなもっと大事にすべきだと思うわ。
――なるほど。アルバムの中では「ラヴ・ミー・ライク・ユー」が、とても印象的でした。モータウン調のスロー・テンポな曲で、あの曲をシングルにしたのはあなたたちにとってもチャレンジだったんじゃないですか?
レイ・アン:そうね。その前のシングルの「ブラック・マジック」はすごく盛り上がる曲だったけど、私たちはそういう曲ばっかりをやってるグループじゃないでしょ? だから「ブラック・マジック」の後で、自分たちの落ち着いた面もみんなに見せたいと思ったの。これまでモータウン調の曲もやったことがなかったしね。
ジェイド:そうそう。
レイ・アン:このグループが色んな音楽性を取り入れてるってことをしっかり見せる意味でも良かったんじゃないかな。サビがすごく良い曲よね。
私のおばあちゃんとかも好きよ(笑)【ジェイド】
――今まで歌ったことのない曲調で、歌うときに苦労したことなどありましたか?
▲Little Mix - Love Me Like You
ジェイド:うーん…たしかに歌うとき、メロディとかハーモニーのつけ方とか、今までにない感じだったかな。「シャララララ~♫」とか。あと歌詞が強気だったり生意気だったりするのにメロディは甘いから、そのバランスは考えたわ。
レイ・アン:今でもパフォーマンスするとき、「ブラック・マジック」は元気いっぱいに盛り上げるけど、この曲は、もっと…説明が難しいけど…
ペリー:もっとフェミニン?
レイ・アン:そう! もっとフェミニンでガーリーで、セクシーな部分も上手く出したいって思いながらパフォーマンスしてるの。でも、この曲をシングルにしたことで、私たちのファン層もすごく広がったと思うな。
ジェイド:すごくノスタルジックな曲調だから、より多くの人たちに自分たちの存在を知ってもらえたと思う。
ペリー:そうね。
――みなさんの家族とか親の世代も馴染みのあるサウンドだなと思いました。
レイ・アン:本当にそう!
ジェイド:私のおばあちゃんとかも好きよ(笑)。
――(笑)。しかも、「ブラック・マジック」も「ラヴ・ミー・ライク・ユー」もビデオが面白くて。どちらも、あなたたちがキャラクターを演じていて、しかも、そのキャラクターが、最初は何かしらネガティブな心境で、それが後半に向けてリフトアップされる形になっていますよね?
レイ・アン:今までは自分たちがダンスしてるビデオが多かったけど、今回は役を演じるビデオで、撮影もすごく楽しかったわ。「ブラック・マジック」のビデオは90年代のガールズ・ムービーっていうか、女子の好きな学園モノの映画を意識したの。逆に「ラヴ・ミー・ライク・ユー」はプロムのダンス・パーティみたいなイメージね。自分たちでプランして作ったビデオだったから、今まで撮ったビデオでもベストだと思うし、メンバーの性格なんかも反映されててすごく良いビデオに仕上がったと思うわ。
――どっちも「なかなか思うようにいかない」女の子を応援したいっていう気持ちの出たビデオだと思いました。
レイ・アン:もちろん!歌もそうだけど、若いみんなを励ましたい、応援したいっていう気持ちはすごくあるの。「ブラック・マジック」のビデオは魔法、すなわち自信を自分に掛けることで、最初は冴えない女の子が最後は堂々と廊下を歩いて、男の子のことなんか目に入らないくらい女の子と結束して「ほら! 私たち素敵でしょ?」っていうビデオよね。やっぱり、どんな子もその子なりの美しさがあるんだから、もっと自分に自信を持つべきっていうことを伝えたいの。
――『ゲット・ウィアード』というタイトルも、まさにそういう「自信を持つ」ことについてのメッセージですね。
レイ・アン:まさにそう。アルバム全体にそういう一貫したメッセージがあるのよね。
曲作りに参加して、自分たちの思ってることや感じてることを、
音楽を通してみんなに伝えることをグループとして大事にしていきたい【レイ・アン】
――じゃあ、ランダムな質問です。あなた達が“ヘンテコ”だと思う他のアーティストは誰ですか?
全員:オ~!(笑)
▲Katy Perry - This Is How We Do
ペリー:私はケイティ・ペリー!
レイ・アン:イエーイ!
ペリー:ケイティ・ペリーが大好きなの。彼女も他人の事を気にせず、自分の歌いたいように歌うし、踊りたいように踊る。それで世の中の女の子たちをすごく勇気付けてもいるし、まさにヘンテコの例だと思うわ。
レイ・アン:レディ・ガガもグレートよね。彼女も周りのことを気にせず、自分のやりたいことをやるし、言いたいことを言う。そういう姿勢をとても尊敬しているの。
――ジェイドはどうですか?
ジェイド:うーん…マイリー・サイラスは“ヘンテコ”だと思う。彼女は子役の頃からずっと“イイ子”のイメージを演じてきたけど、大人になって一気に誰の言うことも気にせず、自分のやりたいようにやるってことを体現するようになったよね。彼女を見てると、彼女が楽しんでるんだっていうことがすごく伝わってくるのよね。
――ブリトニー・スピアーズはどうですか? あなた達は今年一緒に曲(「プリティ・ガールズ」)を作りましたよね?
レイ・アン:実はこの間、アメリカのアワードに出た時に、私たちがトイレの前で練習してたらブリトニーがトイレに来て、少し間の悪い感じで初めて彼女に会ったの(笑)。
▲Britney Spears, Iggy Azalea - Pretty Girls
でも、それは抜きにして、彼女は素晴らしいアーティストだと思う。「プリティ・ガールズ」は最初自分たちのアルバム用に書いた曲で。その時点ではアルバムの他の曲に合わなかったから少し寝かしておいたら、レーベルの人から「ブリトニーがこの曲を歌いたがってる」って来て。最初は全然信じられなかったけど、彼女が実際にビデオで歌っているのを観て、「本当に彼女が歌ってる!」ってすごく興奮したわ。小さい頃、ブリトニー人形も持ってたし、ブリトニーの全部が好きだったくらい大ファンだったから。
――今後も他のアーティストに曲提供をするつもりはあるんですか?
レイ・アン:もちろんそうしたいわ。私たちは、しっかり曲作りに参加して、自分たちの思ってることや感じてることを、音楽を通してみんなに伝えることをグループとして大事にしていきたいと思ってるの。例えば、リアーナとかが私たちの書いた曲を歌いたいって言ってくれたら「ぜひ!」って感じね。
だって一回しかない人生なんだから、好きなようにやった方が楽しいじゃない!【ペリー】
――OK。じゃあ、アルバムのテーマの話に戻るけど、日本だと、周りのみんなと同じにしなきゃいけないってプレッシャーを感じる人が多いみたいなんだけど、そういうのはイギリスでもあんまり変わらないと思いますか?
全員:う~ん…
ペリー:ロンドンとかに行くと、ファッションで自分のやりたいことを表現したりして、自由な人がすごく多いわね。日本のファンのみんなには「こうしなきゃいけない!」とか、「こう振舞わなきゃいけない!」とは思って欲しくない。やっぱり、みんな違う個性があるから面白いわけだし。周りに合わせなきゃいけないとか、周りに溶け込まなきゃいけないとか、そんな風に感じる必要は全然ないの。だって一回しかない人生なんだから、好きなようにやった方が楽しいじゃない!
ジェイド&レイ・アン:イエーイ!(拍手)
――本当にそうですよね。
レイ・アン:でも、私たちが日本に来て、例えば渋谷とかに行くと、みんなすごく自由にファッションを楽しんでいるように見えるんだけど、それでもみんなプレッシャーを感じてるのかな?
――どの国も一緒かも知れないけど、トーキョーは都会で、日本の大部分というのはもっと郊外だったり、田舎だったり、トーキョーとはまた違うなんです。むしろ、そこに窮屈に感じた人がトーキョーに集まって来てる感じというか。
レイ・アン:OK。よく分かった。
――だからあなた達みたいに、自由でいることの大切さを伝えるアーティストが日本でも人気があるということはすごく良いことだと思います。
全員:サンキュー!アリガトー!
――では最後に、今後の予定を教えて下さい。
レイ・アン:ツアー! ツアーは大好きなの。オーストラリアやアジアにも行く予定だから、日本にもまたツアーで来たいな。
――ぜひぜひ。今回ジェシーが来れなくて残念でしたが、パフォーマンス面で不安はないですか?(※インタビューは11月27日のイベントの前に行われた。)
ジェイド:不安というより違和感かな。これまでもメンバーが入れ替わったりしてパフォーマンスをしたことはあるから、うまくカバーしあってパフォーマンスは問題なくできると思うわ。
――今回、Billboard JAPANでもイベントへの募集をして、すごく多くの応募がありました。ファンもとても楽しみにしてると思いますので、ぜひ良いパフォーマンスを期待しています。
レイ・アン:ありがとう! 日本のファンは本当に大好きだし、みんなのためにパフォーマンスするのが大好きなの! 本当に待ち切れないわ。
ゲット・ウィアード
2015/11/11 RELEASE
SICP-4576 ¥ 2,420(税込)
Disc01
- 01.ブラック・マジック
- 02.ラヴ・ミー・ライク・ユー
- 03.ウィアード・ピープル
- 04.シークレット・ラヴ・ソング feat.ジェイソン・デルーロ
- 05.ヘアー
- 06.グロウン
- 07.アイ・ラヴ・ユー
- 08.OMG
- 09.ライトニング
- 10.アディダス
- 11.ラヴ・ミー・オア・リーヴ・ミー
- 12.ジ・エンド
- 13.アイ・ウォント
- 14.シークレット・ラヴ・ソング Pt.Ⅱ
- 15.クルード・アップ
- 16.ザ・ビギニング
- 17.ブラック・マジック (アコースティック) (Japan Bonus Tracks)
- 18.ラヴ・ミー・ライク・ユー (クリスマス・ミックス) (Japan Bonus Tracks)
- 19.Dreamin’ Together (Japan Bonus Tracks)
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