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ソニー・ジャズ・コレクション1000 特集
世界初、日本初CD化タイトルをピック・アップ
2014年に第1弾~第4弾がリリースされ、愛好家から好評を博したソニー・ジャズ・コレクション1000の続編となるコレクションが10月11月にリリースされた。今回もColumbiaとRCAというアメリカを代表する2大レーベルを中心に、世界初CD化作品や長らく再発が望まれていた作品100タイトルがラインナップ!もちろん全タイトル新規ライナー、最新リマスター使用している。
今回の特集も、ジャズ・ファン垂涎のラインナップから、世界初、日本初CD化作品をご紹介。御同輩、昨年に引き続き、今回も買いです!
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世界初CD化
デイヴ・ブルーベック 『ジャックポット』
66年6月にラスベガスの「ホテル・トロピカーナ」で行われたライブが初CD化。デイヴ・ブルーベック(p)、ポール・デスモンド(as)、ユージン・ライト(b)、ジョー・モレロ(ds)、傑作『タイムアウト』を生み出した鉄板のカルテットによる名演の初CD化はファンにとっても嬉しい限り。ブルーベック、デズモンドの2大スターの演奏もさることながら、ジャックポットでのジョー・モレロのロング・ソロも必聴。
デイヴ・ブルーベック(p)、ポール・デスモンド(as)、ユージン・ライト(b)、ジョー・モレロ(ds)
ジジ・グライス&ドナルド・バード 『ニュー・フォーミュラ・フロム・ジャズ・ラブ』
ジジ・グライスとドナルド・バードの2人が中心となって結成されたグループ“ジャズ・ラブ”として57年に録音され、70年代に日本で初レコード化された貴重な音源。ジジ・グライスのテクニカルなサックスとドナルド・バードの流麗なトランペットが光るハードバップが詰まっている。
ジジ・グライス(as)、ドナルド・バード(tp)、ハンク・ジョーンズ(p)、ポール・チェンバース(b)、アート・テイラー(ds)
デイヴ・ブルーベック 『ブルーベック・イン・アムステルダム』
前述の『ジャックポット』同様、鉄板のカルテットによる62年のライブ音源。68年のLP化までも時間が空いたが、それから数十年を経て今回ついに世界発CD化となった。選曲もデイヴ・ブルーベックが妻のローラと作り上げたジャズ・ミュージカル『The Real Ambassador』の楽曲が多数収録されており、ファン垂涎の一枚。
デイヴ・ブルーベック(p)、ポール・デスモンド(as)、ジョー・モレロ(ds)、ユージン・ライト(b)
フランク・シナトラ 『ラヴ・イズ・ア・キック』
58年作。説明不要の“The Voice”フランク・シナトラの初期の作品を集めたコンピレーション。演奏に負けないフレッシュな歌声に思わずウットリ。これは買いです。
日本初CD化
J.J.ジョンソン 『ファースト・プレイス』
57年作。ジャズのトロンボーン奏者の草分け的存在のJ.J.ジョンソンが自身の名盤『ブルー・トロンボーン』と同じ豪華メンバーで名曲をモダン・ジャズ・アレンジした隠れた名盤。名手たちによる名演をじっくりとご堪能あれ。
J.J. ジョンソン(tb)、トミー・フラナガン(p)、ポール・チェンバース(b)、マックス・ローチ(ds)
テディ・ウィルソン 『アンド・ゼン・ゼイ・ロート』
60年作。セロニアス・モンク「ラウンド・ミッドナイト」やジョージ・シアリング「バードランドの子守唄」など、ピアニストが作曲したナンバーを演奏した作品。洗練され、安定した巨匠の演奏は、文句なくスイングしている。
テディ・ウィルソン(p)、メイジャー・ホリー(b)、バート・ダーランダー(ds)
レニー・ハンブロ 『メッセージ・フロム・ハンブロ』
56年作。ジーン・クルーパ楽団やグレン・ミラー楽団、トニー・ベネットなどのサイドマンとして数多の作品に参加し隠れたファンも多い。チャーリー・パーカー系のスムーズな演奏や、ナット・キング・コールに作曲した「ザ・ロンリー・ワン」のセルフカバーは一聴の価値あり。チャールス・ミンガスや前述のジャズ・ラブにも参加しているウェイド・レギーのピアノも聴きどころ。
レニー・ハンブロ(as)、ウェイド・レギー(p)、ディック・ガルシア(g)、クライド・ロンバルディ(b)、メル・ゼルニック(ds)
レニー・ハンブロ 『ネイチャー・オブ・シングス』
57年作。スタンダード・ナンバーを中心としたレニー・ハンブロの最後のリーダー作品。甘く、軽快で、爽やかな演奏はスピーカーの前で畏まって聴くよりも、リラックスした日常生活のBGMのほうがハマる。一時は幻の名盤として扱われた作品とあって、日本初CD化はファン待望。
レニー・ハンブロ(as)、ウェイド・レギー(p)、ディック・ガルシア(g)、クライド・ロンバルディ(b)、メル・ゼルニック(ds)
ハーマン・フォスター『ハヴ・ユー・ハード』
61年作。ルー・ドナルドソン、キング・カーティスのサポートを経て、その才能を開花させたハーマン・フォスター初のリーダー作にして名盤。ガシガシとソウルフルに弾き倒す「はーマンズ・ブルース」、ブルージーな「ヴォラーレ」、しっとりとしたバラード「ラヴァーマン」まで、聴きごたえ十分。
ハーマン・フォスター(p)、アール・メイ(b)、フランキー・ダンロップ(ds)
デイヴ・ベイリー『ゲッティン・イントゥ・サムシング』
60年作。堅実なドラマーとしてルー・ドナルドソンやアート・ファーマーの作品に参加したデイヴ・ベイリーがEpicからリリースした3部作の第2作目。チャーリー・ラウズ、カーティス・フラーら名手が揃い、軽快なハードバップを聴かせてくれる。
デイヴ・ベイリー(ds)、チャーリー・ラウズ(ts)、クラーク・テリー(flh, tp)、カーティス・フラー(tb)、ペック・ モリソン(b)、ホレス・パーラン(p)
ジョン・ハンディ 『ライヴ・アット・モンタレー・ジャズ・フェスティバル』
96年作。チャールズ・ミンガスのバンドから飛び出したサックス・プレイヤーの代表作。65年の「モンタレー・ジャズ・フェスティバル」での渾身のパフォーマンス。収録曲は2曲のみ、ヴァイオリンやギターを伴い、ジャズ以外の音楽要素も入った大作となっている。「スパニッシュ・レディ」の後半の劇的な展開に耳を奪われる。
ジョン・ハンディ(as)、マイケル・ホワイト(vn)、ジェリー・ハーン(g)、ドン・トンプソン(b)、テリー・クラー ク(ds)
ウディ・ショウ 『ローズウッド』
78年に米国ジャズ専門誌「ダウンビート」でベスト・ジャズ・アルバムに選ばれたほか、グラミー賞にもノミネートされた代表作。フレディ・ハバードと並ぶ実力派として称されるように、力強く、パッションに満ちたソロとアンサンブル、熱いエネルギーがほとばしる。
ウディ・ショウ(tp, flh)、ジョー・ヘンダーソン(ts)、カーター・ジェファーソン(ts, ss)、オナージェ・アラン・ ガムス(p)、ラリー・ウィリス(p)、クリント・ヒューストン(b)、スタッフォード・ジェイムス(b)、ビクター・ ルイス(ds)
ウディ・ショウ 『ステッピング・ストーンズ:ライヴ・アット・ヴィレッジ・ヴァンガード』
78年作。『ローズウッド』と同時期に収録されたライブ盤だが、高い評価を受けていたのにもかかわらずなかなかCD化されなかった。名演と名高い「セヴンス・アヴェニュー」をはじめ、気迫と緊張感漂うハイクオリティな演奏は必聴。 なお、本盤は2005年にアメリカでCD化された時の内容に基づいており、アナログ盤とは若干収録曲が異なる。
ウディ・ショウ(tp, flh)、カーター・ジェファーソン(ts, ss)、オナージェ・アラン・ガムス(p)、クリント・ヒュー ストン(b)、ビクター・ルイス(ds)
日本初CD化
マッコイ・タイナー 『ザ・リジェンド・オブ・ジ・アワー』
81年作。ヒューバート・ロウズ、ボビー・ハッチャーソン、パキート・デリベラなど強力な布陣で臨んだ米・Columbia移籍第1作目。マッコイ・タイナーらしい、グル―ヴィーで躍動感あふれるラテン・ジャズが詰まっている。名曲「ウォーク・スピリット、トーク・スピリット」も収録。
マッコイ・タイナー(p)、ヒューバート・ロウズ(fl)、ボビー・ハッチャーソン(vib, marimba)、パキート・デ リベラ (as, ss)、チコ・フリーマン(ts)、マーカス・ベルグレイブ(tp, flh)、アベリー・シャープ(b)、イグナ チオ・ペロア(ds)、ダニエル・ポンス(per) 他
マッコイ・タイナー 『ルッキング・アウト』
82年作。悲運の歌姫、フィリス・ハイマンやカルロス・サンタナ、デジタル・ミラーをフィーチャーするなど、実験的な要素もあり、ファンク、ラテン・フュージョンにチャレンジした意欲的な一枚。
マッコイ・タイナー(p, synth)、スタンリー・クラーク(b)、カルロス・サンタナ(g)、チャールス・ジョンソン (g)、バディ・ウイリアムス(ds)、レオン・チャンクラー(ds)、デジタル・ミラー(synth)、ゲイリー・バーツ (as)、ジェリー・ゴンザレス(perc)、フィリス・ハイマン(vo)
ドン・エリス・オーケストラ 『エレクトリック・バス』
67年作。名プロデューサー、ジョン・ハモンドのもと67年に録音され、世界を驚かせた、異才ドン・エリス率いるビッグバンドの代表作。グラミー賞にもノミネートされた。技巧的なアンサンブルと変拍子、エスニック音楽やロックも内包しぐんぐんと突き進む演奏に惹き込まれる。CD化にあたり、ボーナス・トラックとしてシングル・バージョンも収録されている。
ドン・エリス(leader, tp)、グレン・スチュアート(tp)、ロン・マイヤーズ(tb)、ルーベン・レオン(as, ss, fl)、アイラ・シュルマン(ts, fl, cl)、ジョン・マグレーダー(bs, fl, cl)、 マイク・ラング(p)、レイ・ネアポリタン(b)、スティーヴ・ボハノン(ds)、チノ・ヴァルデス(perc) 他
デニー・ザイトリン 『ザイトガイスト』
67年作。ポスト・ビル・エヴァンスとも称されたピアニスト、デニー・ザイトリンのColumbia 時代の最後の作品。美しく、叙情的な旋律に魅了される。ハービー・ハンコック「処女航海」の独自解釈も聴きどころの一つ。
デニー・ザイトリン(p)、チャーリー・ヘイデン(b)、ジョー・ハルピン(b)、ジェリー・グラネリ(ds)、オリ ヴァー・ジョンソン(ds)
デニー・ザイトリン 『カーニヴァル』
65年作。ザイトリンのセカンドアルバム。「ザ・ボーイ・ネクスト・ドア」や「オール・ザ・シングス・ユー・アー」といったスタンダード・ナンバーが知性溢れるザイトリンのクールで硬質な演奏によって生まれ変わっている。
デニー・ザイトリン(p)、チャーリー・ヘイデン(b)、ジェリー・グラネリ(ds)
デューク・エリントン 『イン・ア・メロウトーン』
56年作。40年から42年までに録音された「A列車で行こう」、「コットン・テイル」など定番曲を集めたコンピレーション。ジャズ史に残る名ベーシスト、ジミー・ブラントンと名テナー・サックス奏者、ベン・ウェブスターを迎え、デューク・エリントン楽団の中でも最も脂ののった時期の名演を楽しむことができる。
デューク・エリントン(p)、ジョニー・ホッジス(as)、オットー・ハードウィック(as)、ハリー・カーネイ(bs)、ジミー・ブラントン(b)、バーニー・ビガード(cl)、ソニー・グリアー(ds)、 フレッド・ガイ(g)、ベン・ウェブスター(ts)、クーティ・ウィリアムス(tp)、レックス・スチュアート(tp) 他
デューク・エリントン 『ピアノ・イン・ザ・バックグラウンド』
60年作。こちらは定番曲を新たなアレンジで録音した作品。デューク・エリントンのプレイも前面に出ており、アップ・テンポでスウィング感満載の名アレンジを堪能することができる名盤として、ファン待望CD化。「バードランドの子守唄」2テイクなど5曲がボーナス・トラックとして追加収録されている。
デューク・エリントン(p)、ウィリー・クック(tp)、ファッツ・フォード(tp)、ローレンス・ブラウン(tb)、ブーツィー・ウッド(tb)、ジョニー・ホッジス(as)、ラッセル・プロコープ(as, cl)、ポール・ゴンザルヴェス(ts)、ハリー・カーネイ(bs, cl, b-cl)、アーロン・ベル(b)、サム・ウッドヤード(ds) 他
デューク・エリントン 『ピアノ・イン・ザ・フォアグラウンド』
61年作。デューク・エリントンのリズミカルかつ迫力のあるプレイを堪能できる数少ないピアノ・トリオ作品。「サマータイム」の大胆なアレンジも一聴の価値あり。
デューク・エリントン(p)、アーロン・ベル(b) [A-L]、ジミー・ウッド(b) [M-R]、サム・ウッドヤード(ds)
笠井紀美子 『イン・パースン』
73年に東京郵便貯金ホールで行われたリサイタルを収録。オリヴァー・ネルソンによる編曲、原信夫とシャープス& フラッツの伴奏とともに、様々な楽曲を表情豊かに歌いあげている。
笠井紀美子(vo)、オリヴァー・ネルソン(arr, cond & as)、原信夫とシャープス& フラッツ、シャンブル・サンフォニエット
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