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ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015 総力特集
国内最大の野外音楽ロック・フェスティバル【ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015】8月1日、2日、8日、9日の4日間にわたり茨城県・国営ひたち海浜公園で開催された。大晴天の中計25万人が集った音楽の祭典。椎名林檎、[Alexandros]、ゲスの極み乙女、キュウソネコカミ、星野源、BUMP OF CHICKEN、10-FEET…ベテラン勢からニューカマーまで、茨城に集結したアーティスト達が繰り広げた、熱いライブの模様を独自の記事と写真でお届け!(一部オフィシャル写真も使用)
/ ピエール中野 / [Alexandros]
最大の収容動員数を誇る<GRASS STAGE>は活動休止直前のthe telephonesがトップバッターを務めた。本イベントへ出演のきっかけを作ってくれたスタッフへの感謝を述べる中、必殺のディスコチューンでオーディエンスを踊らせる。そして、つい先日結婚することを発表したメンバー岡本への愛を込めた「Love & DISCO」を披露した。
<GRASS STAGE>は魂を絞り尽くすような渾身のステージを見せたエレファントカシマシを終え、終盤戦に突入。2年ぶりの出演となったPerfumeは、広大なフィールドを埋め尽くしたオーディエンスを飛跳ねさせ、大地を揺らす。ワールドツアーを大成功に収め、2年の間にアーティストとしてさらなる成長を果たしたことをステージで見せつけてくれた。
椎名林檎は豪華なバンドを率いて「丸の内サディスティック」「歌舞伎町の女王」「罪と罰」「能動的三分間」と自信のキャリアを横断するヒット曲を次々と連続投下。そんな中、8月5日にリリースする新曲「神様、仏様」では、この日別ステージでのパフォーマンスを終えた向井秀徳が登場し、ラップを披露するスペシャルな演出も用意。
初日の<GRASS STAGE>のトリを飾るのは[Alexandros]だ。昨年バンド名を変更し、怒涛の勢いでファンを拡大していった彼ら。「ワタリドリ」から「Waitress, Waitreerss!」と人気曲を続々と投下。空も暗くなり、1日目のフィーナーレにはぴったりのアンコール「starrrrrrr」をプレイ。メンバーは6万人近く集まった大勢の観客に向けて感謝の言葉を叫び、ステージを後にした。
早朝の霧が立ち込める中、最も大きいステージ<GRASS STAGE>の2日目トップバッターゲスの極み乙女。は、Vo.川谷絵音の「キラーボールで踊りませんか?」という言葉と共に「キラーボール」からスタート。会場の端までびっしりと観客が入り、午前中とは思えないほどの盛り上がりを見せた。
続いて登場したのは、きゃりーぱみゅぱみゅ。自身がデザインしたカキ氷のブルーハワイをイメージした新作衣装で登場。「CANDY CANDY」、「きゃりーANAN」、「インベーダーインベーダー」と次々に披露。カラフルなダンサーと共にきゃりーワールド全開のパフォーマンスだった。
<LAKE STAGE>のラストアクトはMISIA。1曲目「陽のあたる場所」から稀代の歌姫の実力をオーディエンスに見せつけた。そして、「Everything」では、見ている者が息をするのを忘れてしまうほどの圧倒的なパフォーマンス。優しく、力強く、観客全員に伝わるように思いを込めて歌い上げた。
2日目<GRASS STAGE>のヘッドライナーは、星野源。日焼け止めのCM曲「夢の外へ」から続けて、ドラマ主題歌「SUN」、シングル曲「くだらないの中に」、「地獄でなぜ悪い」など、このままベストアルバムが作れそうなセットリスト。アップテンポな曲からバラードまでを見事に歌い上げ、観客を躍らせ、感涙させ、MCでは大爆笑を誘う、ハッピーで最強のエンターテインメント力を思い知らしめた。
/ BLUE ENCOUNT / BUMP OF CHICKEN
最大動員数を誇る<GRASS STAGE>トップバッターとして登場したのは、11年前、このステージからソロとしてのキャリアをスタートさせたという、KREVA。自身のファン以外の観客に向けノリ方を指導し、観客がKREVAの声に合わせて手を振ったりはねたりと、会場が一つになる場面が印象的であった。
次に登場したのは、NICO Touches the Walls。新曲「まっすぐなうた」から始まり、今の季節にぴったりな「夏の大三角形」を爽やかなアレンジで披露。Vo.光村龍哉の伸びやかな歌声を広大な芝生の敷地に響き渡らせ、集まった観客を魅了した。
イベントも終盤、<PARK STAGE>のラストは昨年メジャーデビューしたばかりBLUE ENCOUNT。最新シングル「DAY×DAY」や「HALO」などキラーチューンが炸裂する超満員のステージを繰り広げ、次世代ロックシーンの最重要バンドとしての意地を見せる。
そして、<GRASS STAGE>大トリを飾ったのは、ボーイズ&ガールズお待ちかねの本日のヘッドライナー、BUMP OF CHICKEN。「天体観測」のサビ最後のフレーズをVo.藤原基央がアカペラで歌い、本編が始まると観客も大合唱。「Hello,World」から「カルマ」、アンコールには「RAY」など、新旧の楽曲を披露し、観客を心酔させた。広大な<GRASS STAGE>に超満員の景色は、彼らが絶対的で、圧倒的な支持を得ていることを決定づけていた。
Yogee New Wavesのような期待の若手から、DJやついちろうなどのダンス系まで、こちらも幅広いメンツが揃った<BUZZ STAGE>には、今夏発表したシングル「サマータイムラブ」がヒットを記録したShiggy Jr.が記念すべきRIJF初出場で登場。同曲を含むポップで楽しげな曲の数々で爽やかなショウを送るかたわら、10月に発売予定のシングルのタイトルが「GHOST PARTY」であることや、その内容がソングライター/ギターの原田いわく「今回も振り切ろうと思って、思いっきりパーティピーポーな曲になって」いることなどを明かした。
RIJFで2番目に大きい<LAKE STAGE>にはストレイテナーやROTTENGRAFFTY等の中堅・ベテラン勢から、back numberやKEYTALKなどの若手バンドまでが集結。そんな中、同じく入場制限クラスの動員を記録したのが、この日、数少ないアイドル勢としてフェスに出演したでんぱ組.inc。「次の曲はタオルを使うぜー!」というメンバーの煽りに続いて披露された「おつかれサマー」では、詰め掛けたファンの持つ無数のタオルが場内一面に舞う美しい光景が繰り広げられたほか、トラックとバンドの演奏が同期する演奏や、和太鼓を使った効果的なオープニングなど、とびきりエクストリームなショウを見せた彼女たち。来年以降のさらなる活躍が楽しみになるステージだった。
ひたち海浜公園の木陰のスペースに設置された<SOUND OF FOREST>にはLOVE PSYCHEDELICO、坂本真綾、”初来日"YOSHII FUNK Jr.ら、グルーヴ感に一長のあるアクトが多数出演。また、先日の【FUJI ROCK FESTIVAL ’15】でのパフォーマンスも素晴らしかったceroのステージは、ボーカルの高城が「今日、この時間にこのステージに来た人たちは涼しいものが好きな人たちだと思います!」と前置きし「Orphans」や「Driftin'」などグルーヴの心地よい曲を多く演奏。ひと夏の清涼剤のような演奏で、イベントに魅力的なコントラストをもたらしていた。
<GRASS STAGE>には、トップバッターのチャットモンチーを皮切りにクリープハイプ、Dragon Ashなどの人気バンドが出演。細美武士率いるthe HIATUSのステージでは、細美が再稼働を控えた川内原発の話題に触れるなど、いつも以上にシリアスなムードに。終盤では、来年のリリースに向けて「相変わらず一回聴いただけでは分からない、でも素晴らしい楽曲」を制作していることが細美の口から語られ、ファンの期待を大いに膨らませた。
the HIATUSからバトンを渡され、この最終日の大トリを飾ったのが、今年で結成18年目となる10-FEET。RHYMESTERやKjなど豪華ゲストをステージに招きつつ、数万人という<GRASS STAGE>の観客を前にトリの大役を見事につとめた。
国内最大の野外フェスとして、今年も数々の忘れがたい光景をファンの眼前に描き出した【ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015】の模様は、厳選ライヴ写真と完全レポートを掲載した、ROCKIN’ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2015の発売が9月12日(土)に決定している。
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