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JB FOREVER~オリジナル・ジェームス・ブラウン・バンド 来日直前特集
言わずと知れたファンクの帝王=ジェームス・ブラウン。今年5月には、あのミック・ジャガーがプロデュースを手がけた伝記映画『ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男』も公開され、JBや周辺人物が注目を集める中、彼のオリジナル・バンドのメンバーの来日が【SUMMER SONIC】とタッグを組んだ【Billboard JAPAN Party】にて実現。
長年に渡りJBに連れ添ってきたRJことルーズベルト・ジョンソンをはじめ、元JBバンドの歌姫であるマーサ・ハイ、唯一無二のミスターMC=ダニー・レイもオン・ステージというファン心酔の布陣。JB、そして彼の熱き音楽魂を引き継ぐJBバンドについて、5歳の頃に『ソウル・トレイン』でJBを見て大感激した音楽ライター、原田和典が語ってくれた。
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TOP Photo: Hulton Archive
去る5月に日本公開された映画「ジェームス・ブラウン~最高の魂(ソウル)を持つ男~」は猛烈に手応えのある傑作だった。主演のチャドウィック・ボーズマンはブラウンの特徴ある声や口調を驚くほどのキメ細かさで蘇らせるだけではなく、各時代によって異なる体型までも見事に表現。さらにブラウン本人の歯並び(やや受け口気味)を再現するために特殊なアタッチメントを装着して収録に臨んだともきく。「天才の歌など絶対に真似できるわけがない」というわけか、音楽部分には生前のブラウンによるレコーディングが使用されていたが、これが逆にリアリティを増加させた。「ブラウンのレコーディングやリハーサルは、こんな風に行なわれていたのか」、「黄金期のブラウンのライヴは、こんな感じだったのか」と、いろいろ想像をたくましくしてくれた。
▲ 映画『ジェームス・ブラウン?最高の魂(ソウル)を持つ男?』スペシャル映像
チャドウィックのリップシンクは故人の唯一無二の歌唱と一瞬のズレもなくかみ合う。高速ステップや股割り(スプリット)をも織り交ぜた目の覚めるようなパフォーマンスは、この気鋭俳優が収録期間中、いかに誠実にブラウンを憑依させていたかを雄弁に伝えた。ミキシングもよかった。ベースとドラムの絡みがグッと押し出され、ホーン・セクションの分厚い響きがガッと胸に迫る。そして御大ブラウンの引き締まったシャウト。彼がシーンを闊歩していた時代から、いったい音楽は何センチ前進したのか?
このサウンドをライヴで体験することができたら。極上のソウル~ファンク・ショウを、目の前で見聞きできたら。映画を見たファンなら、誰もがそう思うに違いない。
そんなあなたに朗報だ。「オリジナル・ジェームス・ブラウン・バンド」が来日するのである。と書くと、思いっきり宣伝臭くなってしまうが、宣伝上等!偉大なるジェームス・ブラウンの名をバンドに織り込むにふさわしいガッツとファイトを感じさせてくれる連中だ。ぼくは昨年の大みそかに行なわれたカウントダウン・ライヴを見た。
まず嬉しかったのが名司会者のダニー・レイを始め、ベースのフレッド・トーマス、ドラムスのトニー・クック、ギターのキース・ジェンキンス、女性シンガーのマーサ・ハイ、サックスのワルド・ウェザーズなど、在りし日のブラウンのステージを支えた面々が健在だったこと。次に嬉しかったのはリード・ヴォーカルを担当するRJことルーズヴェルト・ジョンンが偉人ブラウンの残響にビビることなく堂々と珠玉の名曲の数々を歌いきったことだ。彼はもともとブラウンのスタッフのひとりだった。1974年の、映画『ソウル・パワー』にも収められた、あの歴史的なザイール(コンゴ)・キンシャサ公演にも同行している。晩年のライヴでは「セックス・マシーン」を一緒に歌い(つまりボビー・バードの役割を受け継いだ)、ブラウンの死後はそれが自身にもたらされた使命であるかのようにバンドを引き継いだ。“門前の小僧なんとやら”ということわざがあるけれど、日々ブラウンと行動を共にし、あの強烈なオーラを浴びていれば、前職がなんであろうと、力量あるシンガーになって当然である。マネージメントを手掛けるジャック・バートはブラウンのサクセス・ストーリーを語るのに欠かせない辣腕マネージャー、ベン・バート(「最高の魂~」では1980年の映画「ブルース・ブラザーズ」でブラウンと共演したダン・エイクロイドが演じた)の息子。つまり親子二代でジェームス・ブラウンと関わっているわけだ。
わたくしごとだが1975年、5歳の時にテレビ番組「ソウル・トレイン」でブラウンを見て大感激して以来、彼の歌や容姿が頭から離れなくなった。小遣いをためてはレコードやCDを買い求め、89年に上京してからは来日のたびに公演に足を運んで歓喜を味わった。年々フェイヴァリット・アーティストは増える一方、しかしブラウン(と忌野清志郎)に関しては別格中の別格、ガキの頃から命がけで好きだ。だが、ぼくは、この公演を、ブラウンの現役時代に立ち会っていない若いファン、「ソウル・ミュージックにもファンクにも詳しくないけど、とにかくイキのいい音が聴きたい」という向きにも思いっきり薦めたい。マニアックなゴタクなんかいらない。押し寄せるリズム、グルーヴ、熱い魂。これに全身全霊で呼応すること、それがすべてだ。
マーサ・ハイからコメントが到着!
JBバンド トレイラー映像
プロフィール
原田和典
音楽ライター。ジェームス・ブラウンと忌野清志郎を永遠の別格と慕い続けて30余年。ジャズ誌編集長を経て、現在は音楽、映画、演芸など様々なエンタテインメントに関する話題を新聞、雑誌、CDライナーノーツ、ウェブ他に執筆。著書は『元祖コテコテ・デラックス Groove, Funk & Soul』、『猫ジャケ』他多数、共著に『アイドル楽曲ディスクガイド』等。ブログに近況を掲載。
Twitter: @KazzHarada
来日公演情報
SUMMER SONIC 2015
東京会場:QVCマリンフィールド&幕張メッセ
2015年8月15日(土) 【Billboard JAPAN Party】 @ BEACH STAGE
>>公演詳細はこちら
※The Original James Brown Bandは、東京会場のみの出演となります。
Billboard JAPAN Party X SUMMER SONIC Extra
The Original James Brown Band
featuring RJ and Martha High, Danny Ray
ビルボードライブ大阪:2015/8/17(月)
>>公演詳細はこちら
ビルボードライブ東京:2015/8/18(火)
>>公演詳細はこちら
BAND MEMBERS
マーサ・ハイ / Martha High(Vocals)
ダニー・レイ / Danny Ray(M.C., Vocals)
ルーズベルト“アールジェイ”ジョンソン / Roosevelt "RJ" Johnson(Vocals)
リロイ・ハーパー / Leroy Harper(Saxophone)
ウィリー・ブラッドリー / Willie Bradley(Trumpet)
キース・ジェンキンス / Keith Jenkins(Guitar)
ロバート・ワトソン / Robert Watson(Guitar)
フレッド・トーマス / Fred Thomas(Bass)
ウィリー・レイ・ブランディッジ / Willie Ray Brundidge(Bass)
トニー・クック / Tony Cook(Drums)
ジョージ“スパイク”ニーリー / George "Spike" Nealy(Percussion)
シンシア・ムーア / Cynthia Moore(Chorus)
シーラ・ウィート / Sheila Wheat(Chorus)
エイミー・クリスチャン / Amy Christian(Chorus)
関連リンク
ライヴ・アット・ジ・アポロ
2018/12/05 RELEASE
UICY-77129 ¥ 1,100(税込)
Disc01
- 01.イントロダクション・バイ・ファッツ・ゴンダー/オープニング
- 02.アイル・ゴー・クレイジー
- 03.トライ・ミー
- 04.インストゥルメンタル・ブリッジ
- 05.シンク
- 06.インストゥルメンタル・ブリッジ
- 07.アイ・ドント・マインド
- 08.インストゥルメンタル・ブリッジ
- 09.ロスト・サムワン
- 10.プリーズ、プリーズ、プリーズ|ユーヴ・ゴット・ザ・パワー|アイ・ファウンド・サムワン|ホワイ・ドゥ・ユー・ドゥ・ミー・ライク・ユー・ドゥ|アイ・ウォント・ユー・ソー・バッド|アイ・ラヴ・ユー、イエス・
- 11.ナイト・トレイン
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