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『Perfect! R&B URBAN LIFE 2015』 発売記念特集
「現代の王道R&B」をテーマに、マイケル・ジャクソンやファレルなどメガ・ヒットから、R.ケリーやチャーリー・ウィルソンなどベテラン勢まで、“最新”にして“最高”の選曲で話題を呼んでいるコンピレーションCD『Perfect! R&B 6 -URBAN LIFE 2015-』。ここでは、音楽業界では知られたR&B/HIPHOPの達人=林剛氏/高橋芳朗氏/渡辺志保氏が、このコンピレーションのちょっと変わった楽しみ方を伝授します。コレを読めば、『Perfect! R&B』が3倍楽しめるかも?
文:林 剛(音楽ジャーナリスト)
『Perfect! R&B 6~Urban Life 2015』は、今は亡きマイケル・ジャクソン(MJ)の「Love Never Felt So Good」でスタートする。コンテンポライズ(現代化)を謳った“新作”『Xscape』でも冒頭を飾っていたディスコ~フィリー・ソウル調のナンバーだ。オリジナルは83年にポール・アンカのもとで録音しながらお蔵入りとなったもので、新作版は“現代化”と言いつつ70年代後半~80年代前半に逆戻りした感じなのだが、ファレルの「Happy」やロビン・シックfeat.ファレルの「Blurred Lines」、アース・ウィンド&ファイアの原点回帰的なダンス・チューン「My Promise」を聴いてもわかるように、ディスコ/ブギー的なサウンドがリヴァイヴァルしている今、逆戻りのアプローチはむしろ新しい。
▲ 「Love Never Felt So Good」 / Michael Jackson, Justin Timberlake
一方で、そうしたMJフォロワーとは程遠いイメージのシンガーが歌うMJ風の曲に出くわすことも増えてきた。本コンピの収録曲だと、重厚なバラードを歌い続けてきたタンクはジャクソンズ「Heartbreak Hotel」のフレーズを引用したスムーズなアップ「You’re My Star」を披露し、オルタナティヴで高貴なイメージもあったゴアペレはルーサー・ヴァンドロス「Never Too Much」にMJ「Baby Be Mine」を掛け合わせたような「Hey Boy」でスヌープ・ドッグとともにいつになく軽やかに弾けてみせる。こうした曲が今なお登場するのは、MJ急逝後の追悼/再評価ムードを引きずっていることや、EDMブームに対するアンチとしてオールドスクールなディスコが再評価されたことがその理由なのかもしれない。では、何故それが現代のリスナーを魅了するのかといえば、「最高にキャッチーで気持ち良いから」としか言いようがないのだが、そこに難しい理屈などないから万人の心を掴むのだろうし、同じように生前のMJも世界中で愛されたのだろう。明快なサウンドや感情をストレートにぶつけたヴォーカルは反射的に心と体を揺さぶる。その理想形を求めた時に最上級のサンプルとなるのがMJの音楽なのだ。
ヒーローはMJに憧れる。いや、MJに憧れた者がヒーローになると言うべきか。そんなことを思いながらこのコンピ(特にディスク1)を聴くのも一興かもしれない。
(C) 北沢バンビ
イラスト:北沢バンビ(漫画家)
人気コミック「オンナミチ」(小学館)のTVドラマ化が決定。8月からNHK BSプレミアム「プレミアムによるドラマ」で放送予定。詳しくは公式facebookページ「オンナミチ 北沢バンビ」をチェック!
https://www.facebook.com/onnamichi
リリース情報
Perfect! R&B URBAN LIFE 2015
- V.A.
- 2015/03/04 RELEASE
- [SICP-4084/5(CD2枚組) 定価:¥3,000(tax in.)]
- 詳細・購入はこちらから>>
Text: 林 剛 / Illustration: 北沢バンビ
文:高橋芳朗(音楽ライター/ラジオパーソナリティー)
▲ 「Glory」 / Common, John Legend
先日開催された第87回アカデミー賞授賞式においてコモンと歌った映画『セルマ』の主題歌「Glory」が最優秀歌曲賞を受賞、感動的なパフォーマンスとスピーチも相まって一気に男を上げた感のあるジョン・レジェンド。チャリティ・プログラムの運営をはじめとする社会活動にも熱心な彼のクリーンなパブリック・イメージはこれによって一層強化されることになりそうですが、じつはこの人、ああ見えてけっこう大胆なラブソングをたびたび歌ってきているのです。たとえばセカンド・アルバム『Once Again』(2006年)収録の”「P.D.A. (We Just Don't Care)」では「ねえ、生まれたままの姿で愛し合おうよ。わざとみんなに見つかりそうな場所でやっちゃわない? 火災用の避難はしごに乗ってふたりの熱々ぶりを見せつけてやるのもいいかもね!」と、恋人に力強く青姦を迫る変態ぶりを披露。健全そうな佇まいとのあまりの落差に、みずから〈伝説〉を名乗るこの男の大器を感じたものでした。
でも、そんなジョン・レジェンドも締めるときは締める! 決めるときは決める! 2013年9月14日、かねてから交際していたモデルのクリッシー・テイゲンとイタリアの高級リゾート地で結婚式を挙げたジョンは、その直前の9月3日に「ほとんどの曲が彼女について歌ったもの」というクリッシーに捧げたニュー・アルバム『Love in the Futre』をリリース。さらにふたりはイタリアに前乗りして、アルバム中でもとりわけ真っ直ぐ情熱的にクリッシーへの愛を綴った“All of Me”のミュージック・ビデオを撮影したのでした。
君は俺の破滅の元
君は俺のミューズ
俺の心を乱す最悪の存在
俺のリズム・アンド・ブルース
歌わずにはいられないのさ
鳴り響いてる
俺の頭のなかで、君のために
俺に君のすべてをまかせて
君に俺のすべてをまかせるから
ジョンとクリッシーの濃密な絡みをフィーチャーしながらも全編がモノトーンでシックにまとめられた“All of Me”のミュージック・ビデオは、挙式から1ヶ月後の10月2日に公開。これをきっかけにしてじわじわとチャートを上っていった“All of Me”はチャート圏内にランクインしてから30週目の2014年5月16日、難攻不落のファレル・ウィリアムス“Happy”を引きずり下ろして見事全米シングル・チャートの首位に立つことになります。これは2014年でちょうどメジャー・デビュー10周年を迎えたジョンにとって初めての全米ナンバーワン・ヒットで、彼はそんな快挙を結婚して間もない愛妻に捧げたラブソングによって達成したというわけです。どうですか、この奇跡のロマンティク展開!
▲ 『ラブ・イン・ザ・
フューチャー』
スペシャル・エディション
ただしそこは、かつて「わざとみんなに見つかりそうな場所でやっちゃわない?」と歌ったジョン・レジェンド。実は彼、『Love in the Future』のリリース直前にプロモーションも兼ねて俳優のウィル・フェレルが手掛ける人気コメディ・サイト『Funny Or Die』に登場。全裸で自宅を案内するという〈At Home with Jon Legend〉なるバカ映像をひっそりと発表していたりするのです。こちら、肝心なところにはちゃんとモザイクが入っているので安心してご覧いただきたいのですが、先のアカデミー賞の感動はまちがいなく木っ端微塵に吹っ飛ぶのでそのへんはご了承ください! いやー、この男やっぱり信頼できる!
(C) 北沢バンビ
イラスト:北沢バンビ(漫画家)
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Perfect! R&B URBAN LIFE 2015
- V.A.
- 2015/03/04 RELEASE
- [SICP-4084/5(CD2枚組) 定価:¥3,000(tax in.)]
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Text: 高橋芳朗 / Illustration: 北沢バンビ
文:渡辺志保(音楽ライター)
これまで以上にぐっとアーバン指数を上げてリリースされた、今回の「Perfect! R&B」。選りすぐりのR&Bチューンがたっぷり収録されている…のは間違い無いけれど、どうせならシーンで活躍するホットなアーティストたちの、プライヴェートな動向も合わせて楽しみたいところ。
「ファイン・チャイナ」のクリス・ブラウンは、なんと先日、隠し子、ロイヤリティちゃんの存在が発覚したばかり。これまでにもいくつものゴシップ騒動を振り撒いて来た彼だけど、今回のニュースにはビックリ!何度もヨリを戻していた彼女、カルーチェからも見放されて、今後のキャリアはどうなってしまうのか?
▲ 「Blurred Lines ft. T.I., Pharrell」 / Robin Thicke
また、「ブラード・ラインズ~今夜はヘイ・ヘイ・ヘイ♪」でさらにキャリア・アップしたロビン・シックは、2014年におしどり夫婦としても有名だった長年のパートナー、ポーラ・パットンとの別居を発表。その後、奥さんの名前を冠したアルバムをリリースして関係修復を試みるも、ポーラから離婚訴訟を提訴されてしまったというバッド・ニュースも。 テイマー・ブラクストンは、夫のヴィンスとともにリアリティ・ショウ「Tamer & Vince」に出演中。「ザ・ワン」で聴かせる彼女の歌声とは少しトーンが違う、ワイルドでヒステリックな(失礼!)一面が垣間みれるけれど、ここでもまた、ヴィンスとは離婚秒読みなんて報道が絶えないほど。
▲ 「Take Back the Night」 / Justin Timberlake
(C) 北沢バンビ
イラスト:北沢バンビ(漫画家)
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Perfect! R&B URBAN LIFE 2015
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- 2015/03/04 RELEASE
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Text: 渡辺志保 / Illustration: 北沢バンビ
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