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エア・サプライ 来日記念特集
「ロスト・イン・ラヴ」や「シーサイド・ラヴ」など、80年代前半に全米ビルボード・チャートを席巻するヒット曲を連発、日本をはじめアジア圏でも“海”や“夏”連想する、大人のポップ・ミュージックとして、今も多くのファンに愛され続けているエア・サプライ。結成40周年のアニバーサリー・イヤーを迎え、まもなく来日を果たす彼らの足跡と名曲の数々を振り返る。
出会いは40年前、ロック・ミュージカルのリハーサルにて
“ペパーミント・サウンド”と称される伸びやかなハイトーン・ボイスと、親しみやすく爽やかなメロディーで80年代初頭に一世を風靡したエア・サプライ。彼らのナンバーを耳にすると、今でもあの夏の思い出が蘇る…そんな音楽リスナーも少なくないだろう。
オーストラリア・メルボルン出身のラッセル・ヒッチコック(Vo)と、イギリス・ノッティンガム生まれのグラハム・ラッセル(G, Vo)が出会ったのは1975年5月、シドニーで行われたロック・ミュージカル『ジーザス・クライスト・スーパースター』のリハーサル初日だったという。ビートルズの話題などを通じて意気投合した2人が中心となりエア・サプライを結成、1976年に6人組のグループとして全豪デビューを飾った。伸びやかなハイトーン・ボイスに親しみやすいメロディー、ロマンティックなラヴ・ソングの数々でオーストラリア国内での人気をすぐに勝ち取った彼らは、1970年代終盤、その活動の幅を世界へと広げていくことになった。
『ロスト・イン・ラヴ』が世界的大ヒットを記録
早くから世界進出を志すも、エア・サプライが全世界に本格的に注目されるきっかけとなったのは、米レーベル[アリスタ・レコード]との契約後、かのクライヴ・デイヴィスをプロデューサーに迎えて制作された1980年発表の5thアルバム『ロスト・イン・ラヴ』だった。それまで米国ではほとんど無名ながら、ラジオ各局に向けてのエアプレイ戦略が見事にハマり、全米ビルボード・アルバムチャート22位にチャートインを果たした。
そんな彼らにとって最初の全米ヒット・ナンバーとなったのが、アルバムのタイトル・チューン「ロスト・イン・ラヴ」。愛する人への想いを誓うストレートなラヴ・ソングは、全米ビルボード・シングルチャート3位、1980年の年間チャートでも15位にランクイン、日本でも当時流行していたAORブームに乗り、夏を彩るナンバーとして大ヒットを記録している。これまでにAOR、80’s、夏のドライヴ・ミュージックなど、数々のコンピレーション・アルバムに収録されてきた彼らの代表曲である。
続いてシングル・カットされたのは、ドラマチックなメロディーに乗せて敗れた恋への切ない思いを歌った「オール・アウト・オブ・ラヴ」。同アルバムからの楽曲としては最高位となる全米ビルボード2位を記録。「ロスト・イン・ラヴ」同様、直球型ラヴ・ソングであるこの曲のヒットにより、「エア・サプライ=ラヴ・ソング」というイメージが音楽ファンの間ですっかり定着。彼らのヒット曲の中でも、特にファンに愛されているナンバーで、コンサートで披露される際には涙する女性の姿もちらほら。
▲ 「ときめきの愛を(Every Woman In The World)」
そして、アルバムからの3rdシングルとなる「ときめきの愛を」は、清涼感溢れる前出の2曲に比べ、温かみのあるサウンドが印象的なナンバー。エア・サプライといえば“夏”のイメージだが、同曲は1980年~81年の冬にかけてヒットし、全米ビルボード5位を記録している。
これら3曲のほかにも、同アルバム収録曲の「チャンセズ」はファンからの人気が高く、今もライブでの定番曲となっている。
来日公演情報
Air Supply
Billboard Live Tour 2015
ビルボードライブ大阪:2015年3月17日(火)
>>公演詳細はこちら
ビルボードライブ東京:2015年3月19日(木)~3月20日(金)
>>公演詳細はこちら
INFO: www.billboard-live.com
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「シーサイド・ラヴ」で初の全米ビルボードNo.1に
ヒット曲連発で勢いに乗った彼らが翌1981年にリリースしたアルバム『シーサイド・ラヴ』は、前作を大きく上回り、全米ビルボード・アルバムチャート10位にチャートイン。そして、同アルバムのタイトル・ナンバーで、前作では惜しくも叶わなかった“全米No.1”の称号をついに手に入れることになった。エア・サプライ初の全米No.1ソング「シーサイド・ラヴ」は、日本でもトヨタ自動車のTV-CMに使用され、ファンのみならず多くの人に親しまれたナンバーである。
▲ 「シーサイド・ラヴ(The One That You Love)」
ちなみに、原題「The One That You Love」はもちろん、歌詞にも一切“シーサイド”という言葉や海を連想させる言葉は出てこないのだが…彼らの音楽の持つイメージが、楽曲の内容を超越して邦題となった珍しいケースといえるだろう。ほかにも、このアルバムからは「ヒア・アイ・アム」「スウィート・ドリームス」のヒット曲(いずれも全米5位)が誕生している。
「さよならロンリー・ラヴ」で7曲連続全米ビルボードTOP5入り
▲ 「さよならロンリー・ラヴ(Even The Nights Are Better)」
彼らの快進撃はさらに続く。翌1982年にはアルバム『ナウ・アンド・フォーエヴァー』を発表。4年連続のアルバム・リリースにして“最高傑作”と呼び声の高い作品を完成させた。同作からシングル・カットされた「さよならロンリー・ラヴ(Even The Nights Are Better)」で、7曲連続で全米ビルボード・シングルチャートTOP5入りという快挙を達成。グラハムとヒッチコックの2人がビーチや遊園地でWデートをしているドラマ仕立てのミュージック・ビデオはまさに80’s!今あらためて視聴すると少しこそばゆいが、微笑ましくもある。ほかにも、このアルバムから「ヤング・ラヴ」「夜明けのふたり」がシングル・カットされたが、残念ながらこちらはTOP5入り達成ならず。アルバムとしては最高傑作とされながら、少しずつ人気に翳りが見え始めるという皮肉な結果となってしまった。
▲ 「渚の誓い(Making Love Out Of Nothing At All)」
そんな彼らだが、1983年にリリースしたベスト・アルバム『The Best Of Air Supply』に当時売れっ子だったジム・スタインマンをソングライターに起用した新曲「渚の誓い(Making Love Out Of Nothing At All)」を収録、これが再び全米ビルボード・シングルチャート2位のヒットを記録。ヒッチコックのハイトーン・ヴォイスがドラマチックに響き渡るバラードで再びその存在感を示してみせた。なお、同曲のレコーディングにはEストリート・バンドのキーボディストのロイ・ビタン、「ロックンロール・フー・チー・クー」で知られるギタリストのリック・デリンジャーが参加、スケール感溢れるサウンドを演出している。
世界中で愛され続ける“80’sミュージックの象徴”
▲ 「Two Less Lonely People (Live in Hong Kong)」
それでも彼らの音楽と時代との溝は徐々に広がっていき、88年には活動休止を決断するのだが、約3年間のブランクを経て、91年にはグラハムとヒッチコックの2人により再結成。以降、今日まで、世界中を精力的に飛び回り、往年のヒット曲の数々を変わらぬハイトーン・ヴォイスで披露し続けている。なかでも日本をはじめアジア圏での人気は凄まじく、中国、香港、台湾、マレーシア、シンガポールなど、多くの国々で今も熱狂的なファンに支持されている。2013年8月に香港のアジアワールド・アリーナで行われたコンサートの模様を収録したCD+DVD『Live In Hong Kong』では、満員の大ホールを熱狂させる様子を見ることができる。
今回も40周年記念アジアツアーの一環として、3月7日のシンガポール公演を皮切りに、マレーシア、インドネシア、中国、フィリピンとアジア5か国を経由し、来日を果たす彼ら。春風に乗せて心地よく響く、至極のAORサウンドをぜひ体験してみては?
来日公演へ向けたメッセージ到着!
来日公演情報
Air Supply
Billboard Live Tour 2015
ビルボードライブ大阪:2015年3月17日(火)
>>公演詳細はこちら
ビルボードライブ東京:2015年3月19日(木)~3月20日(金)
>>公演詳細はこちら
INFO: www.billboard-live.com
関連リンク
playlist:ヴェリー・ベスト・オブ・エア・サプライ
2012/08/08 RELEASE
SICP-3604 ¥ 1,362(税込)
Disc01
- 01.ロスト・イン・ラヴ
- 02.オール・アウト・オブ・ラヴ
- 03.ときめきの愛を
- 04.チャンセズ
- 05.ヒア・アイ・アム
- 06.シーサイド・ラヴ
- 07.スウィート・ドリームス
- 08.夜明けのふたり
- 09.さよならロンリー・ラヴ
- 10.渚の誓い
- 11.潮風のラヴ・コール
- 12.ワン・モア・チャンス
- 13.イッツ・ノット・トゥー・レイト
- 14.ナウ・アンド・フォーエヴァー
- 15.(エンハンスド)様々なコンテンツを収録したデジタル・ブックレット
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