Billboard JAPAN


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【#BJMA】2014年ビルボードジャパン・チャート解析/榎本幹朗

【BJMA】特集


Billboardの新チャートで
YouTubeの再生数順も勝手に作って比べてみた


 Billboardのアメリカ版やUK Chartだと、YouTubeやSpotifyの再生数がチャートに反映されてますね。若年層が最も音楽を聞いている場所はYouTubeなど無料動画と、レコ協などのデータにも出ています。日本版は今回は間に合わず、鋭意交渉中とのことで楽しみですが、待ちきれないので「YouTubeの再生順」を自分で作ってみました(http://goo.gl/BpF4MA)。こちら、わかりやすくするため邦楽を先にして、洋楽は後ろに下げてあります。

 邦楽の動画だけを見るとBillboardの「ルックアップ順」がこれに近いんですね。レンタルと動画の利用層がかぶるためでしょう。「アナ雪、セカオワの年だったな」という僕の感覚ともしっかり一致。

 オリコンで強いAKB48。去年、「恋するフォーチュンクッキー」は曲の秀逸さが評判になりました。僕は最初、恥ずかしくて「いい曲です」って素直に人前で言えなかったです。ごめんなさい。今年もBillboardで「ダウンロード順」で12位、「ルックアップ順」で13位、YouTubeでは名曲効果で累計が貯まって邦楽2位に。曲の出来がずば抜けていると、アイドル・ファンの固定枠を超えて広がるということかと。

 「Tweet順」は「セル順」と同じく嵐やAKBなどアイドル勢が強い印象。ファンのロイヤリティが高いためかな。アナ雪はツイート数もすごいですが、セカオワの方はそんなでもないですね。「オンエア順」もそこまででもなくて、セカオワが強いのは「ルックアップ順」。ツタヤ等お店でのプッシュが効いたのでしょうか。息も長いです。

 洋楽だと「オンエア順」で10位、12位のロードとアヴィ―チー。「セル順」で見ると99位、93位とがくっと落ちるのがファンとしては残念。ファレルも大好きな僕からの、今年のおすすめです。

BJMA2014


プロフィール写真

榎本幹朗 作家・コンサルタント。MusicmanNetで長編ドキュメンタリー小説『未来は音楽を連れてくる』を連載。Spotify、Pandoraの誕生物語を描き、日本に新しいビジネスモデル、アクセスモデルを紹介した。音楽の産業史に強く、ラジオの登場で米レコード産業売上が1/25になった歴史とインターネット登場時の類似点、ソニーが世界の音楽産業に与えた影響を紹介、反響を得た。音楽配信、音楽メディア、音楽ハード各社を顧客に持つコンサルタント。京都精華大学講師。

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