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モーニング娘。'14 道重さゆみ卒業インタビュー

モーニング娘。'14道重さゆみ卒業インタビュー

モーニング娘。を……ありがとう。
道重さゆみが最後に辿り着いた世界。
最後の仲間たちへのメッセージ。

プラチナ期から始まった“格好良いモーニング娘。”の継承

--こうして道重さんにインタビューさせて頂くのは、田中れいな卒業インタビュー以来になります。

道重さゆみ:じゃあ、1年半ぐらい前ですね。覚えてます。池袋サンシャインシティでイベントの前にインタビューしてもらったんですよね。

--田中れいな卒業以来のインタビューを田中れいなの誕生日に行うという。偶然なんですけど。(※このインタビューは、11月11日に行われた)

道重さゆみ:あー、確かに! 面白いですね。今回もよろしくお願いします。

--僕は『リゾナントブルー』からこうしてモーニング娘。を取材させて頂いているんですけど、卒業タイミングでこんなにも多くの記事や映像が世に溢れたのは道重さゆみが初だと思います。この状況にはどんなことを感じていますか?

モーニング娘。 『リゾナント ブルー』 (MV)
モーニング娘。 『リゾナント ブルー』 (MV)

道重さゆみ:すごく嬉しいなって思ってて。私の卒業を地元の山口公演で発表したときに、鞘師(里保/9期メンバー)が「道重さん、ツイッターのHOTワード1位ですよ!」みたいな感じで教えてくれて、それもすごく嬉しかったし、鞘師に言われたっていうのも嬉しかったんですけど! それで自分でもどんな風に盛り上がってるのかな?と思って調べて、卒業のことをニュースにしてもらえている量とか見て、素直に嬉しいなって思いました。

--田中れいなが卒業してからまた目まぐるしくモーニング娘。の状況は変わりましたよね。同期や先輩が一人もいなくなったモーニング娘。を盛り上げていかなくちゃいけなくなったのは、どんな気分でした?

道重さゆみ:……やっぱり同期も先輩もいなくなったっていうのは、自分の中ではすごく大きくて。だかられいなが卒業したときは「あ、マジで独りになっちゃったんだな……」っていう気持ち、独りぼっちな気分になっちゃって。でも、本当は全然独りじゃなくって、ちゃんと後輩たちがいてくれた。9期10期11期がすごく頑張ってくれているのを見て「私も頑張ろう」と思えたし、そんなみんなのおかげで「さゆみは1人じゃない」って思えたことが……私の心の支えだったというか、むしろどんどん頼もしくなっているたくさんの後輩たちがいるなって気付かされて。

--9期10期11期もちゃんと仲間だと認識できた?

モーニング娘。'14道重さゆみ卒業インタビュー

道重さゆみ:そうですね。やっぱりれいながいるときは、常にれいなと喋ってたんですよ。どんな話題でも。でもれいなが卒業したことによって後輩とのコミュニケーションがすごく増えて。フォーメーションダンスをやっているのもあって、会話をしないと成立しないというのもあったんですけど、プライベートでも今まで以上に会話できるようになっていって、他愛もない話もするようになった。それまで同期同士で全部話しちゃっていたことを後輩とする機会がすごく増えたので、とにかく今は……仲良しです(笑)。

--はるなん(飯窪春菜/10期)のおばあちゃん家でたこ焼きパーティーをしたエピソードもありましたが、道重さん的にはどんな気分だったの?

モーニング娘。'14道重さゆみ卒業インタビュー
▲飯窪春菜(10期/サブリーダー)

道重さゆみ:まず超楽しみでした! すごく不思議だなって思うのは、メンバー10人でもんじゃ焼きに行ったこともあるんですけど、「ご飯食べに行こう」とか「はるなんのおばあちゃん家で何かしよう」ってなったときも、普通は女子同士だったら「何食べる?」「何でもいいよー」みたいにお互い気を遣って決まらないパターンが多いんじゃないかなって思うんですけど、そういうのが一切なくて。気付いたら「もんじゃ焼き食べに行こう!いぇーい!」みたいになってる。私に「もんじゃ焼きで良いですか?」と聞くこともなく(笑)。たこ焼きパーティーのときも「じゃあ、何食べる?」とかなく気付いたら「いぇーい!たこ焼きパーティー!」って盛り上がっていて、さゆも気付いたらノリノリで「私、たこ焼きプレート持ってるよ」みたいな。それで電車で重たいたこ焼きプレート運んだんですけど(笑)。

--放課後の教室みたいな空気感なんですね。クラスメイトみたい。

道重さゆみ:うん! で、たこ焼きパーティーの開催はライブ終わりに決めたことなんですけど、その話を1週間ぐらいしなかったんですよ。だから「あの話ってどうなってるのかな?」「本当にたこ焼きパーティーするのかな?」って多分みんな心の中で思っていたんですけど、リハーサルの合間にみんなでお寿司を食べたんですよ。そのときに「今、10人集まってるから、あの話しません?」って誰かが言い出して(笑)。それでみんなで「お休みの日、何時にどこどこのスーパーに行って、たこ焼きの材料を買って」とか決めて、「で、道重さんはプレートを持ってきて頂いて」みたいな。なんかすごくワクワクしました!

--しかもそれがモーニング娘。の歴史上初めてだったんじゃないかという。

道重さゆみ:モーニング娘。の長い歴史の中でも、プライベートで全員集まるっていうのは初めて。その初めてをこの10人で2回もやってるから、凄いなって思います。仲良しだな!って思います、とにかく。

--良い話。でもそこに至るまでには、同期や先輩がひとり、またひとりと卒業していって、道重さんはアノ時代のモーニング娘。を生きた最後のメンバーになりました。大袈裟に言えば、プラチナ期を共に過ごした同期や先輩のタスキを一身に預かって戦ってる感覚もあったと思うんですが、そこはどう?

モーニング娘。 『気まぐれプリンセス』 (MV)
モーニング娘。 『気まぐれプリンセス』 (MV)

道重さゆみ:プラチナ期と呼ばれている時代は「パフォーマンスのクオリティが高かったな」って、今そのときの映像を観ても思うし、そのときのことを思い出してもそう思います。ただ、あれを私に創ることはできないので。高橋愛ちゃん(当時のリーダー/5期)のダンスや歌の上手さとか、れいなの透き通る声とか、(亀井)絵里(6期)の格好良いダンスとかは真似できないし、私自身が歌/ダンスに関しては一生一番にはなれない。なので、そういうところを受け継ごうというよりは、気持ちを受け継いでいこうと思っていました。当時「パフォーマンスのクオリティ上げよう!」って必死でみんなで練習していた、苦手な筋トレとかも頑張ってしていたその気持ちとか気合い。ライブに懸ける想いとかはちゃんと受け継いで、後輩たちに伝えたいと思ってやってます。

--あの時代から“格好良いモーニング娘。”を意識的に目指し始めた訳じゃないですか。一度はヒヨコの恰好もしましたけど……

道重さゆみ:ありましたね(笑)。

--メンバーの意思もあって“格好良いモーニング娘。”は受け継がれていきましたよね。これを継続できているのは、道重さゆみ的にも嬉しいことですか?

道重さゆみ:そうですね。それで女の子のファンがすごく増えたんですよ!ライブも握手会も。昔はライブで「女子ぃ!」って言っても反応があんまりなくて、自分たちで「いぇーい!」って返したりしてたんですけど(笑)、今はすっごいたくさんの女の子から「キャー!」って言ってもらえて「凄い!」って思います。イベントによっては男女比率が半々ぐらいのときもあるし、「さゆの真似したい」とか「格好良いから憧れる。私もダンスをやってみたい」とか思ってくださる女の子が増えてるんですよね。それは“格好良いモーニング娘。”を続けてきたからかなって思います。

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--それにしてもよくここまでモーニング娘。を盛り上げましたよね。元々はちっともリーダー気質じゃなかった、ちょっと意地悪な言い方をすれば自分をどう可愛く見せるかが全てだったメンバーだったのに。

モーニング娘。 「One・Two・Three」 (MV)
モーニング娘。 「One・Two・Three」 (MV)

道重さゆみ:そうです、そうです(笑)。

--自分でもよくやったなって思うんじゃないんですか?

道重さゆみ:なんか……モーニング娘。に入った当初は「5,6年で辞めるかな」って思ってたんですよ(笑)。二十歳ぐらいで辞める。それでも13歳から入ってそこまでやれたら凄いなと思っていて。6期の中でもそんなに目立ってなかったし、一番最初に辞めちゃうのかな?みたいな感じだったんですけど……「リーダーになりたい!」って思って。

--いつ思ったんですか?

モーニング娘。'14道重さゆみ卒業インタビュー
▲譜久村聖(9期/サブリーダー)

道重さゆみ:いつだろう? ……二十歳ぐらいですかね。モーニング娘。のことが大好きで入ってきて、モーニング娘。のメンバーとして活動していくうちに、大変なことはもちろんあるんですけど、「やっぱりモーニング娘。って良いグループだなぁ。好きだなぁ」って。入る前から好きだったグループなのに、入ったらどんどん好きな気持ちが強くなっていくんですよ。そんな大好きなグループに入れたからには「大好きなグループのリーダーになってからじゃないと卒業したくない!」って思った。一番上を経験したいという気持ちが強くあったんで、その当時から「早くリーダーになりたい!」ってそのときのリーダーの前で言ってました(笑)。

--愛ちゃん?

道重さゆみ:……に言っちゃった! よく考えたら超失礼ですよね!

--まぁでも頼もしかったんじゃないですか。で、愛ちゃん、ガキさん(新垣里沙/道重さゆみの前のリーダー)と5期メンバーが卒業した後、公言通りにリーダーになった訳ですけど、正直、今のモーニング娘。がオリコン5作連続1位なんて誰も獲ると思ってなかったじゃないですか。

道重さゆみ:そうですね。

--でも道重さゆみはそれぐらいのところまでモーニング娘。を盛り上げないと卒業できない感覚もあったんじゃないかと思うんですが、そこはどう?

道重さゆみ:リーダーになったタイミングで、一番上にもなったということで卒業は意識していたんですけど、その前に私はリーダーとして何ができるんだろう?ってすごく考えて。私がリーダーとして出来ることは、本当の意味での新生モーニング娘。を創り上げて、世間の皆さんに今のモーニング娘。を知ってもらうこと。それが10年以上お世話になったグループ、モーニング娘。への恩返しかなと思ったし、私のリーダーとしての使命かなって。それを成し遂げてから卒業しようって思いました。先が決まったらじゃなく「今の自分に出来ることが出来たと思ったら卒業しよう」ってリーダーになったときに決めて。そこから本当に5作連続1位だったりとか、6年ぶりに現役だけで『ミュージックステーション』出れたりとかして、もちろん私だけの力じゃないんですけど、恩返しできたかな?って思ったので、卒業について具体的に考え出しました。

--正直なところ、ここまで行けると思ってました?

モーニング娘。 『Help me!!』 (MV)
モーニング娘。 『Help me!!』 (MV)

道重さゆみ:うーん…………もちろん『ミュージックステーション』に出たいとか、オリコン1位獲りたい願望はあったんですけど、厳しいなとは思ってたんですよ。厳しい世界だなって。私にとってのオリコン1位は「歩いてる」が初めてで、その後に「しょうがない 夢追い人」でも1位を獲るんですけど、この約10年で2回。たくさんCD出してるのに2回しか獲ったことがなかったんで、その中で再び1位を獲るのって相当難しいとは思っていました。ただ、私がリーダーのときに1回は獲りたくて! だからリーダーになって初めて「Help me!!」で1位獲ったときは「嬉しい!」っていうよりも「ホッとした」というか、安心感に包まれました。それほど1位を獲る難しさは感じていたので、5作連続1位というのは今考えても相当凄いなって思う。だから応援してくださるファンの方の力というか、その熱に本当に心から感謝しています。

--では、公式的には「今が可愛さのピークだから卒業する」と仰ってましたが、「役目を果たせたから」という感覚もある?

道重さゆみ:それもあります。あとは、10年以上在籍している私が「後輩たちのことをフォローしたいな」って思いながらずっと活動していて、ライブとかテレビでも「みんなが上手くいかないときは、私がフォローしよう」とか「みんなが前に出れないときは、私がアシストしてあげよう」って思いながらやってきた中で、みんながすごく成長していって。同期も先輩もいない中で不安だった私を一切不安にさせないぐらい、みんなが頼もしくなっていって。テレビ番組ひとつ取っても、昔ほど全然心配じゃないんですよ。そういうみんなの頑張りや成長を見て「あ、もう大丈夫だな」って。みんななら出来ると思ったし、「私が卒業することによって、本当の意味での新生モーニング娘。を創っていかなくちゃいけない時期だな」って思ったので、みんなの成長を見て卒業を決めたところもあります。

--とは言え、歴代最も長くモーニング娘。に在籍したメンバーです。先日もラスト握手会でとうとう泣いてしまったみたいですが、やっぱり寂しい気持ちはある?

モーニング娘。'14 『時空を超え 宇宙を超え』(Morning Musume。'14[Beyond the time and space]) (Promotion Ver.)
モーニング娘。'14 『時空を超え 宇宙を超え』(Morning Musume。'14[Beyond the time and space]) (Promotion Ver.)

道重さゆみ:……寂しいです。ラストは増えていくにつれ、やっぱり寂しい。卒業を発表してから、よりファンの人との仲が深みを増したというか、それをすごく実感していて。最後の握手会でも皆さんがくれた言葉にすごく感動して、「さゆとの握手、今日でラストだよ」とか言われたらすごくジーンとしてしまったんです。みんなもすごく泣いてくれていて…………「こんな風にさゆみのことを想ってくれてたんだな」って改めて感じて。さゆみと会って握手するのをこんなにも楽しみにしてて、「生き甲斐だったよ」って言ってくれたりとかして、すごく嬉しかったし、その分だけ寂しかったし、両方あります。

--4000日以上いた訳ですよね。気を抜いたらとんでもない数の思い出がフラッシュバックするでしょうし、そのひとつひとつに感傷的になってたら息ができなくなりそう(笑)。

道重さゆみ:うふふふ! 本当ですよね(笑)! ……本当に。

--道重さゆみにとってモーニング娘。ってどんな場所だったの?

道重さゆみ:うーんと……成長できる場所だなって思います。歌とかダンスとかトークもそうなんですけど、13歳でモーニング娘。になっているので、学校行っても部活には行けなかったりして、同級生とは喋るけど先輩後輩を知らない。でもそういう先輩後輩の関係性、全然できてなかった礼儀とか挨拶もモーニング娘。から学んだし、人との関わり方だったりとか、人からの優しさを知ったりとか、思いやりを学んだりとか、そういうのも全部モーニング娘。から教えてもらって成長して、今の道重さゆみが出来ている基本となっているのは、すべてモーニング娘。だなって思います。今のさゆみがいるのはモーニング娘。あってこそだから“人生のすべて”だなって思います。

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道重さゆみ=中途半端なメンバー!?「私が一番可愛い」の背景

--そのモーニング娘。での生活が無くなっちゃう訳ですけど、大丈夫?

モーニング娘。 『シャボン玉』 (MV)
モーニング娘。 『シャボン玉』 (MV)

道重さゆみ:いや、それは本当に思うんですよ。卒業する実感はめちゃくちゃ湧いてきてるんですよ、ラストの握手会とかラストのイベントをしている中で。でも卒業した後の自分を想像できないんです。13歳からモーニング娘。だから、人生の記憶がほぼモーニング娘。なんですよ。13歳までの記憶もあるんですけど、でも鮮明に覚えているのは全部モーニング娘。になってからの人生なので……だからモーニング娘。じゃない自分を正直想像できないです。

--ゆえに卒業と同時に活動休止という選択をしたところもある?

道重さゆみ:そうですね。すぐに「これやろう」とか思いつかないんですよ! というか、そこは考えてもなくって。今は本当にモーニング娘。に集中したいし、とにかく大好きなモーニング娘。として最後までやりきりたい。その先のことはやりきった後にゆっくり考えたいなって。今は考える時間じゃないかな。今は今のことを考えたいって思ってます。

--卒業翌日に真っ白にならないで下さいね(笑)。

道重さゆみ:抜け殻になっちゃいそうですよね! でもいつも抜け殻になるんで、武道館の後とかは。

--道重さゆみはモーニング娘。においてどんなメンバーだったと思いますか?

道重さゆみ:なんか…………中途半端なメンバーだったなって(笑)。

--ここまでやっといて(笑)!?

道重さゆみ:今でこそリーダーとか“在籍期間が一番長い”とかあるんですけど、それまでは……いつも一番になりたかったんですけど、全然一番になれなくって。立ち位置も後ろの端のほうだったりとか、良くても真ん中の列とか、ちょっと中途半端な位置にいてなかなか目立ちづらかったりして。歌も一切歌割りがない訳じゃなくて、吐息とかセリフとかちょっともらえて、中途半端に目立てるみたいな(笑)。もちろん、それがさゆみの中では気持ちの支えだったし、嬉しくてしょうがなかったんですけど、でも前に出たいのになかなか出れないもどかしい時期が長かったなって思います。れいなもよく言ってたんですけど、「6期3人がモーニング娘。を引っ張っていきたい」って。絵里の卒業ライブでも「引っ張っていきたかった」って言ってて。そういうれいなの夢も叶えられなかったし、なかなか一番になれなかったなって。そうやって当時は一番になれないことを気にして「上に行きたい」「人気者になりたい」ってすごく考えてたんですけど。今は、さゆみのことを「好き」って言ってくれる人が「さゆみのこと一番」って思ってくれてることが本当に嬉しいです。幸せです。

--当時は一番になりたくて「私が一番可愛い」って言い続けていた?

道重さゆみ:そうですね。本当に可愛いとは……正直思ってたんですけど(笑)、でも当時は「愛ちゃん可愛いな」とか「同期の絵里のほうが顔ちっちゃくて可愛いな。羨ましいな」とか、人のことが常に羨ましかったです。「いいな、いいな。歌上手くていいな」とか「なんでさゆみだけこんなに歌ヘタクソに生まれちゃったんだろう」とか……なんでなんだろう!?っていつも嫉妬してました。「なんでこんなに練習してもなかなか上手くいかないのかな。努力したって報われないな!」みたいな感じでいつも思ってて。でも今になって思うのは、報われなかったことは実際にあるんですけど、全部自分の身にはなったなって。無駄ではなかったなって思います、この12年間すべて。私がしてきた行動、私が自分で選んだことは全部無駄じゃなかった。

--道重さゆみが目指したアイドル像ってどんなものだったんでしょう?

道重さゆみ 『シャバダバ ドゥ~』(Sayumi Michishige[Shaba Daba Do]) (Promotion Ver.)
道重さゆみ 『シャバダバ ドゥ~』(Sayumi Michishige[Shaba Daba Do]) (Promotion Ver.)

道重さゆみ:「可愛い」です。私はアイドルと言えば、イコール「可愛い」しかなくて。もうそこだけでした。だから一番可愛いって言ったりとか、可愛いものがとにかく好きで、可愛くなくちゃアイドルじゃないと思っていたので、常に可愛くいたいなって思って。とは言いつつ、この12年で私もいろいろな時期があったので……可愛くない時期とか、太ったりとかもあるし、あとは「一番になりたい」って気持ちが強すぎるあまり、顔にその性格の悪さが出てたと思うんですよ(笑)。

--時として(笑)。

道重さゆみ:絶対出てたと思います! やっぱりライバルなんで、周りは。歌とかダンスで一番が難しいのは分かっていたんですけど、やっぱりトークとかで他のメンバーのほうが面白いこと言ったりしたらすごく悔しくて、「さゆみもなんか言わなきゃ!」みたいな感じで余裕がないからあんまり可愛くない顔になってしまって。でもアイドルは可愛くなきゃいけないので、私の中では「可愛い」っていうのが絶対条件かなって思います。

--そんな道重さゆみから見て、これからのアイドルシーンってどうなっていくと思いますか?

道重さゆみ:どうなんだろう? アイドルって何年か前からずっと盛り上がっているじゃないですか。ご当地アイドルとかもいっぱいいて。私がモーニング娘。になった時代は、アイドルと言えばモーニング娘。って言えるぐらいモーニング娘。が飛び抜けていたんですけど、今って本当にいろんなアイドルの方たちがいて……なんて言うんだろう? アイドルがアイドルに憧れているのってすごく良い。お互いすごく刺激受けるだろうし、それによってアイドルブームは盛り上がっていくのかなって。

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最後の仲間たちへのメッセージ「愛を絶やさないメンバーで」

--そのアイドルシーンでモーニング娘。は道重さゆみ抜きで戦っていかなきゃいけない訳ですが、この場で後輩たちにアドバイスをもらってもいいですか。まず来年から本格稼動となる12期(尾形春水/野中美希/牧野真莉愛/羽賀朱音)。

モーニング娘。'14 『見返り美人』(Morning Musume。'14[A looking back beauty]) (Promotion Ver.)
モーニング娘。'14 『見返り美人』(Morning Musume。'14[A looking back beauty]) (Promotion Ver.)

道重さゆみ:12期は…………超可愛いんですよ(笑)。さゆみはまず資料で姿を見せてもらったんですけど、顔が超可愛いと思って。4人とも可愛いからすごくテンション上がって! だからそのまま可愛くいてほしいなって。多分、ファンの方も同じ気持ちだと思うんですよ。「あ、12期可愛いな!」って。だから可愛いままでいてくれたらファンの人も絶対嬉しいと思うし、私が思うアイドルに必要な可愛さを持っている娘たちだと思うので、今後も楽しみです。


--続いて11期(小田さくら)。

モーニング娘。'14道重さゆみ卒業インタビュー
▲小田さくら(11期)

道重さゆみ:小田ちゃんは、さゆみが卒業することによって同期がいない唯一のメンバーになるんですよ。9期も10期も12期も4人ずつだから。でも小田はひとりでよかったと思います。小田には小田のペースがあって、小田が喋ると小田の空気になるんですよ。最初はそれに本当戸惑って「この空気どうすればいいの(笑)?」って。石田(亜佑美/10期)が出すスベる空気とは全然違う、戸惑う空気。でもだんだん「小田の空気出た!」って楽しむようになってから「小田ちゃん、面白いな」って思うようになって。基本、本当にマイペース。なので、「同期が私だけいない」とか「後輩ができたからちゃんとしなくちゃ!」って思い過ぎず、小田の空気出しまくってればいいんじゃないかなって思います。

--続いて10期(工藤遥/佐藤優樹/石田亜佑美/飯窪春菜)。

道重さゆみ:責任持って佐藤の面倒をみてください。

--(笑)

モーニング娘。'14道重さゆみ卒業インタビュー
▲10期

道重さゆみ:それは引き続き。でも佐藤は佐藤ですごく成長してるし、佐藤なりにいっぱいいろんなこと考えるようになったんだなって。さゆみにいろんなことをワァー!って喋ってくるんですけど、半分ぐらい何言ってるのか分かんないんですけど(笑)、でも佐藤なりに一生懸命いろんなこと感じて頑張ってるんだなって。あと、10期は10期会議をよくしていて、そういうのはすごく良いなって思う。10期って仲良し感とかすごく大事にしていて、たこ焼きパーティーも10期が最初に言ってきたんですよ。「道重さん、29日空いてるならみんなで!」みたいな。そういうグループのムードメイカーって多分10期だと思うんですよね。明るくしてくれたりとか、そういう話題を持ち込んでくれたりとか、あと行動力があるのも10期なんですよ。もんじゃ焼きのお店を予約したのも最年少の工藤だし。だから今後もグループを積極的に明るくしていってほしいなって思います。それを出来るのが10期の強みなので。

--続いて道重さゆみ卒業後は一番上の先輩になる9期(譜久村聖/鈴木香音/鞘師里保/生田衣梨奈)。

モーニング娘。'14道重さゆみ卒業インタビュー
▲9期

道重さゆみ:9期は「頑張れ!」って言わなくても頑張っちゃうと思うんですよ、みんな。「頑張らなくていいよ」って言っても頑張っちゃうのが9期。すごくいつも頑張ってるなって思う。私が卒業したら一番先輩になるっていう責任感とか、いろいろプレッシャー感じてる部分も口にはしなくてもあると思うし、だからきっと何言っても頑張っちゃうと思うんで……難しいですね、アドバイス(笑)。「無理しなくていいよ」って言っても頑張ると思うし。だから「ひとりじゃない」と思ってほしいですね。私も一番上になってリーダーになったとき「リーダーとしてちゃんとやらなくちゃ!」っていう気持ちが強すぎて、ひとりで「がんばんなきゃ!がんばんなきゃ!」って思っていたんですけど、でもれいながそれに気付いてくれて「6期で頑張ろう」って言ってくれたんですよ。「同期っていいな」ってそのとき思って。

--なるほど。

モーニング娘。'14道重さゆみ卒業インタビュー
▲鞘師里保(9期)

道重さゆみ:なので、誰が次のリーダーになっても、9期も「私がひとりで頑張らなくちゃ!」って思わず、鞘師も「エースとして私がひとりで引っ張っていかなくちゃ」じゃなくって、「ひとりじゃない。9期っていう仲間がいる。後輩たちもいる。私も含めOGの先輩たちも見守ってくれてる。ファンの方たちもいる」って気付いてほしい。忘れないでほしい。自分にはいっぱい味方がいる。その方たちを信じて、安心感の中で頑張ってほしいなって思います。緊張、緊張の中で頑張るのって本当にツラいと思うし、何言っても頑張るのが9期なら、安心感の中で頑張ってほしい。「ひとりじゃない」って思ってほしいです。


--以上13人から成るモーニング娘。'15。道重さゆみの想像する未来のモーニング娘。はどうなっていきそう?

モーニング娘。'14 『TIKI BUN』(Promotion Ver.)?
モーニング娘。'14 『TIKI BUN』(Promotion Ver.)?

道重さゆみ:どうなっていくんだろう!? でも超格好良くなると思います! 私が卒業することによって一気に平均年齢も下がるので、私がひとりで上げていたので(笑)、その若さゆえの弾けた感じを楽しみにしてます。あとは、10年以上在籍していたメンバーが全員卒業して、いろんな意味で新生モーニング娘。になっていくと思うんですよ。私は安倍(なつみ/1期)さんや飯田(圭織/1期)さんや矢口(真里/2期)さんたちとも一緒に活動していたんですけど、私が卒業したら誰も初期メンバーと活動していないことになるので、そういった意味でも新生モーニング娘。になっていく。でもそれで良いと思うんですよ。いつまでも今が続く訳じゃないし、新しくしていかなくちゃいけないから、みんなで変えていってほしい。あと、よく「残されるメンバーに一言」とか言われるんですけど……でも私は残していく気は全然なくて。みんなは残されたメンバーじゃない。みんながモーニング娘。なんです。だから、「今のモーニング娘。は私たちです!」って自信を持って言える新生モーニング娘。を創っていってほしい。

--託したい夢とかってあったりしますか?

道重さゆみ:私は本当に「モーニング娘。愛を伝えたいな」ってずっと思っていたんですけど、今のみんなを見てると「あ、もう十分伝わってるなぁ」と思って。みんな素直だし、良い娘だからこんなに仲良くなれたし、私もこんなに楽しくリーダーをやれていて、10コ離れているメンバーとも仲良くやってこれたんだなって。本当にすごく良い娘たち。だから心配は全然してないです。

--では、最後に。これから先のモーニング娘。に道重さゆみより凄いメンバーは出てくると思いますか?

道重さゆみ:出てきてほしいです。出てくると思うし、出てこなくちゃいけないと思います。私より可愛いメンバーが出てこなくちゃいけないと思うし、私より在籍日数の多いメンバーも出てきてほしいと思う。それは「モーニング娘。が好き!」って気持ちがあれば続けられると思うので。それぐらいモーニング娘。愛を絶やさないメンバーでこれからもいてほしいなって、心からそう思います。

--じゃあ、例えば、歴代可愛いメンバー投票を実施したとして、別に自分が1位じゃなくても?

道重さゆみ:あ、それは1位獲りたいです(笑)!

--それでこそ道重さゆみです(笑)。




Interviewer:平賀哲雄

モーニング娘。’14「14章~The message~」

14章~The message~

2014/10/29 RELEASE
EPCE-7069/70 ¥ 5,500(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.TIKI BUN (Album Version)
  2. 02.Password is 0
  3. 03.明日を作るのは君
  4. 04.キラリと光る星
  5. 05.恋人には絶対に知られたくない真実
  6. 06.What is LOVE?
  7. 07.私は私なんだ
  8. 08.笑えない話
  9. 09.笑顔の君は太陽さ
  10. 10.君の代わりは居やしない
  11. 11.大人になれば 大人になれる
  12. 12.時空を超え 宇宙を超え

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