2021/04/28
デビュー・アルバム『ワールズ』以来、自身名義では約7年ぶりのポーター・ロビンソンのニュー・アルバム『ナーチャー』の国内盤がリリースされた。
世界同時配信日の4月23日には、iTunesランキングで総合チャート2位を記録し、アルバム・リリースを祝して4月25日に開催された<シークレット・スカイ・フェスティバル>では世界中からたくさんの人々がポーターの最新作を祝った。ポーターの完全復活作とも言える『ナーチャー』の国内盤は、本人の強い希望により、ブックレット・デザイン、日本語の曲タイトルやメッセージ訳、歌詞対訳に至るまで全てポーターが監修している。ポーターは自身のTwitterに「僕の2ndアルバム『ナーチャー』がやっと発売になり、日本のiTunesで2位になっているのを見て思わず目を疑いました。本当にありがとう! 僕は好きな日本の音楽のハーモニーから新緑が眩しく牧歌的な空を思い浮かべ、自身の音楽でそんな気持ちに浸る事ができたらいいなと思いました。皆さんに心から感謝!」と、感謝の気持ちを日本語で述べていた。
生楽器を積極的に取り入れ、前作よりも自身の歌声や、赤裸々な歌詞で感情を吐露することに挑戦した本作には、長い間インタビューなどで大ファンだと公言してきた水曜日のカンパネラ、『おおかみこどもの雨と雪』や『未来のミライ」のサウンドトラックを手掛けた高木正勝が参加。音楽を作る意義を見失い、傷ついていたポーターが、改めて音楽によって癒されていく過程を閉じ込めた瑞々しい作品だ。
収益を全てコロナウィルス救済支援に寄付するオンライン・フェスティバル<シークレット・スカイ・フェスティバル>は「#Secretsky」がアメリカのTwitterトレンド1位、日本でも5位にランクインするほど、熱い盛り上がりを見せた。日本からは、映像と音楽が美しく融合したパフォーマンスを披露したSerph、ポーターも気に入っていたアップライトピアノと共にオーガニックな演奏を届けてくれた高木正勝、DJセットで出演したEnd of the Worldが出演。世界各国から集まった全16組のアーティストのトリを飾ったポーターは『ナーチャー』の収録曲を中心としながら、マデオンと共作した「シェルター」や前作のアンセム「サッド・マシーン」など、この7年間の葛藤を全て吹き飛ばすかのような圧巻のセットを、自信初のライブ編成で披露した。1時間を超えるパフォーマンスは現在ポーターの公式YouTubeチャンネルで公開されている。
国内盤の発売を祝して、ボーナス・トラック「フルムーン・ララバイ」を共作した水曜日のカンパネラと収録曲「ウィンド・テンポ」に参加した高木正勝、フェスティバルに出演したSerphからコメントが到着。アーティスト同士の確かな絆が感じられる言葉と共に、改めて『ナーチャー』の世界を味わおう。
◎水曜日のカンパネラ・コムアイ コメント
アメリカに行ってPorterの曲作りに参加してから、たぶん三年くらい経ちました。みんなでいろんな音楽を聴いてみたり、曲の構想を考えたりして、ご飯を食べての繰り返しが楽しかったことを覚えている。私は犬と遊んでばっかりだったかな。みんなでトランポリンもした。笑 すっかりどんな歌を歌ったか忘れていましたが、音を聴くと、歌を仮録音した日の窓の外に、美しい夕映えが光っていた光景が、私の脳裏に飛び込んできました。
◎水曜日のカンパネラ・ケンモチヒデフミ コメント
素晴らしいアルバム『ナーチャー』のリリース、おめでとう。ポーターと音楽を作ったりご飯を食べたり一緒に過ごした時間はとてもアメイジングな思い出として心に残っています。あの日ポーターの部屋の窓から見えた夕日の色や月の色や木々の香りを今でも憶えています。本当に素敵な体験でした。ポーターの音楽には自然の美しさや、いつも一緒にいる友達やパートナーや家族への優しさが現れていると思います。それとあなたはとびっきりの音楽への愛情と誠実さも持っています。私は、私たちが一緒に作った音楽が2021年に多くのリスナーに届けられることを喜んでいます。セッションをしてから少し時間は経ちましたが、むしろ今2021年のタイミングにこそ落ち着いて聞けて、耳にすんなりと入ってくる曲になったなと思いました。ポーターと彼の新しいアルバムが多くのリスナーに楽しみや安らぎを与えることを願っています!
◎高木正勝
「あなたの家に遊びに行きたい。一緒に音楽が作りたい」とPorterから連絡があったのは、2018年の冬でした。Porterのことは知らなかったので、曲を聴いたりYouTubeで観ましたが、畑が違うようにも感じましたし、なぜ外国の若い音楽家が僕に興味を持ってくれたんだろうと、会ってみたいなと、うちに招待しました。二泊三日、僕のスタジオで過ごしてくれました。大人気のミュージシャンだと聞いていたので、やんちゃな感じかなと想像していたのですが、控えめな女性的な青年だったので面白いなと思いました。うちは山里の小さな村にある古民家で、都会とは全く違うので慣れない環境だろうなと、ゆっくり過ごしてもらったらいいかなと思っていたのですが、せっかく会えたのだから早く曲を作りたいと熱意に溢れてました。
とはいえ、何を一緒にするべきか、全くわかっていなかったので、一緒にピアノを演奏したり、トイピアノを数台並べてセッションしたり。面白い演奏が録音できましたが、僕は彼がどんな音楽を欲していたのか知らなかったですし、Porterもどんなことを一緒にしたかったのか前もって想像できていなかったのかなと感じました。それで、残りの時間は、お互い気楽に過ごしました。
Porterは朝起きたら、ずっとアップライトピアノを弾いていました。グランドピアノもあるのですが、こっちがいいと。僕が小さい頃から弾いていたピアノです。集中して楽しそうに弾き続ける姿を見て、根っから音楽が好きなんだなあ、他の土地でピアノを弾くのは楽しいよね、と自分の過去を思い出しながら見てました。僕も彼と同じ歳のころ、David Sylvianというミュージシャンのワールドツアーに参加したことがあって、Davidの家で二週間ほど過ごしたことがあります。その時は映像作家として参加したこともありますが、Davidから音楽であれこれしたりしませんでした。でも、Davidのスタジオで時間を過ごせたり、一緒にご飯を食べたりする中で勝手に学ぶものがたくさんあって、家に帰ったら、ぐんと音楽的な成長がありました。同じことがPorterにも起こるといいなと思い、自分の機材や楽器を順番に触ってもらったり、Porterの年頃によく聴いていた曲を一緒に聴いて、欲しいというのでたくさん渡しました。新しいアルバムの楽曲を聴くと、少しはヒントになったのかなと影響が見え隠れしていて面白かったです。新しい曲は、うちでもデモの状態を聴かせてもらっていたのですが、何段階もグレードアップしていて、エネルギッシュなのに音が暖かくて、中性的な表現がとても魅力的でした。ぐんと才能を開花させていて驚きました。
またゆっくり会いたいです。
◎Serphコメント
優しすぎるのが彼の罪。虜になりました。音楽で祝福された気持ちです。若き天才!
◎リリース情報
『ナーチャー』
2021/4/28 RELEASE
2,200円(tax out.)
歌詞、対訳、解説つき
ポーター・ロビンソン監修による対訳、日本語オリジナル・デザイン仕様
関連記事
最新News
関連商品
アクセスランキング
インタビュー・タイムマシン
注目の画像