2013/01/30
穏やかな声ながら聴き手の心を震わせる、唯一無二の女性シンガーソングライター 熊木杏里。厳寒続く冬に心温まるセルフカバーアルバム『白い足あと』、今後の展開等について語った。
<デビュー10周年を振り返って「音楽、楽しいな」>
デビュー10周年(http://bit.ly/14q5y8m)を迎え、ひとつの集大成とも言えるアルバム『光の通り道』とリカットシングル『Love letter ~桜~』をリリース。5月には渋谷公会堂で10周年記念ワンマンライブ(http://bit.ly/OU6DxB)を開催したりと、忙しく駆け抜けた2012年を彼女はこう振り返る。「ちゃんと礎……というか、10年やってきたんだな、自分。そんな風にひとつ積み木が積もれた1年だったなって。暗いトンネルを潜った時期もあったけど、なかなか揺るがなそうな基盤を作れた感じがします。これまで「自分はどうしたらいいのか」考えたりもしたけど、「音楽、楽しいな」って思えるようにしていきたい。っていう気持ちの変化がありました」
<日本を代表する音楽家と新たな息吹を吹き込んだ作品>
そんなアニバーサリーイヤーから2013年を跨ぎ、長く愛聴してもらうことも目的とした『白い足あと』は、過去の代表曲に対し、日本を代表する音楽家 武部聡志や塩谷哲と共に新たな息吹を吹き込んだ1枚。このアルバムについては「こういう1枚が欲しかった。セルフカバーも面白かったですし、サウンド的に「ひみつ」とか「本当はこうだったんじゃないの?」って思うぐらいしっくり来てるし、私の曲にはいろんな表現を見つけられる空間がいっぱいあったんだなって感じてます」と述べた。また、各収録曲については以下のように語っている。
◎アルバム『白い足あと』本人解説
01.恋のあとがき(新曲)……「なんとなく今までの曲とテンションが違うし、パッとこのアルバムを聴いたときに「あれ?」って感じてもらうのも良いかなと思って、敢えて1曲目に置きました。昔の恋愛を思い出したり、必要な人を必要と思い返せる役目を担ってくれたら」
02.誕生日……「この曲は意味合いがどんどん増してて、ライブで歌っていても支持されている感じが強いんですよ。私の周りでも、年代的に子供を生む女性が多いのですが、お母さんたちが聴いてくれている。なので、この曲が存在してくれてよかったなって思うし、今回カルテットでもう1回新たな命を吹き込むことができて嬉しかったです」
03.春の風……「オリジナルのアレンジが本当に素晴らしかったんですよ。それを剥いだとき、己のような相反する主人公がいて、その人に向かって問い掛けているような、対人への想いで書いた曲だったなって思い出しました。あと、あのときはいっぱいいっぱいで歌ってましたけど、今回は少し穏やかに歌うように心掛けました」
04.ふるさと……「この童謡カバーは形になりながらも、行き場がなかった曲なんです。ただ、アレンジがちょうどカルテットですごくしっとりしていたので、今作に相応しいと思って収録しました。ハマってますよね」
05.新しい私になって……「何故か「弾き語りをやろう」と、武部さんが言い出して。この曲はオリジナルの素晴らしさを本当に感じるんですけれど、そことあまり対抗せずに、敢えて“揺れ”とか“溜め”とかライブ感を出しながら弾き語りました」
06.ひみつ……「一番楽しかったですね。しなやかなんですよね。この曲の中で歌われている恋事情もしなやかにこっそり片想い……みたいな感じで、それが譜割りにも表れてる。それもあってか、あのときよりもすごく良い表現をしてあげられる曲だなって思いました」
07.真夜中の扉……「「今の熊木さんによる冬の歌を作りましょう」ってなりまして。コード進行に悩んで武部さんに相談して「こういう展開にしてみたら」という部分を反映してるので、私としてはすごく新しいモードで作った曲。歌詞に関しては、遠く離れている人への想いを馳せる雰囲気になっています」
<2013年の展開「野外フェスでも歌ってみたい」>
また、2013年の展開については、「まずはツアーで、次に繋がる自分の姿を見つけていきたい。そのときには、次の作品も形に出来ていくであろうと思うし。あと、わりと逞しく野外フェスでも歌ってみたいな。忙しくライブしていたい。呼ばれたら「行きます!」ぐらいの自分でいたいです」と意気込み十分。今年も熊木杏里は多くの人々の心を震わせることだろう。
取材&テキスト:平賀哲雄
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