2021/03/09 12:40
現地時間2021年3月8日、新型コロナウイルスのワクチン接種が完了した米国人同士がお互いを訪問する際、マスクを着用したり、社会的距離を置くことなく、屋内で一緒に集まることができるというガイダンスを米連邦保健当局が発表した。
また、ワクチン接種を完了した人たちは、同居している人以外の1世帯限定で重症化のリスクが低いと考えられるワクチン接種を受けていない人たちと集まることができる。ワクチンを接種した祖父母が、ワクチン未接種の健康な子供や孫を訪問する場合が、これに該当する。
CDCは、ワクチン接種者に今後も公共の場では、マスクを使用し、大きな集まりを避け、他人と社会的距離を保つことを引き続き推奨している。また、新型コロナウイルスに関連する症状を発症した場合は、検査を受けるよう助言した。
今回のガイダンスは、ワクチン接種を受けた大人たちが、家族を訪問することや旅行することなど、昨年の新型コロナウイルスのパンデミック前に行っていたことが可能なのかという疑問に答えるために発表された。
米疾病予防管理センター(CDC)のRochelle Walensky博士は、「より多くの人が毎日ワクチンを接種することで、私たちは危機を脱しようとしています」と述べた。3月8日の記者会見で、彼女は今回のガイダンスを正常性を回復するための「最初のステップ」と呼んだ。また、彼女は感染件数や死者数が減少し、より多くの米国人がワクチンを接種し、ワクチン接種者がウイルスに感染し拡散する能力を科学が解明すれば、ワクチン接種者はより多くのアクティビティが可能になると述べた。
当局は、必要なワクチン投与完了から2週間経過した人を完全なワクチン接種者として見なしていると述べている。CDCによると、連邦政府が承認した新型コロナウイルスの完全なワクチン接種者は米国の人口の約9%にあたる約3,100万人となる。
認可されたワクチンは昨年12月に初めて利用できるようになり、数週間の間隔を空けて2回接種する必要がある製品だった。1月以降、少数ではあるが増加する完全なワクチン接種者から、「マスクをまだ着用する必要があるのか?」、「バーに行くことができるか?」、「孫に会えるか?」といった問い合わせが寄せられていた。
今回のガイダンスは「パンデミックに疲労し、通常の活動再開を待ち望む国にとって、歓迎できるニュースだ」とロバート・ウッド・ジョンソン財団社長兼CEOで元CDCの臨時所長のRichard Besser博士は述べた。
「この新しいガイダンスは、全ての人がワクチン接種を得るための勢いとなり、州が経済やコミュニティを安全に再開するために必要な公衆衛生のロードマップに従う忍耐力を与えることを私は願います」とBesser博士は声明で述べた。
一方で、元米ボルチモアの保健委員で、現在は米ジョージ・ワシントン大学で救急医と公衆衛生の教授をしているLeana Wen博士は、ガイダンスは「あまりにも慎重すぎる」と指摘した。
CDCは不必要な旅行を控えることや旅行の数日以内に検査を受けるといった旅行についての勧告は変更しなかった。これは、米国内あるいは海外に住む家族を訪問することを期待するワクチン接種者を混乱させる可能性がある。
また、州によっては知事がビジネスの規制を解除しているにも関わらず、新しいガイダンスはレストランや他の場所に行くことについて言及していないとWen博士は指摘した。「CDCはワクチン接種の状況とビジネス再開のガイダンスを紐づける主要な機会を逃しています。このような限定的なガイダンスでは、州と国の政策が一致しなくなります」とWen博士はメールで述べた。
CDCのガイダンスは、これまでに新型コロナウイルスに感染し回復した、ある程度の抗体を得ている可能性がある人々について言及していない。
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